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特許拒絶査定不服審判

2018-017182

レンジフード

審判番号
2018-017182
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-188842外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年12月25日
審決日
2019年03月25日
公報発行日
2019年05月31日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (F24F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

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特願2016-188842号「レンジフード」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 4月 5日出願公開、特開2018- 54186号、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成28年9月27日の出願であって、平成30年3月6日付けで拒絶理由通知がされ、平成30年5月9日に手続補正がされ、平成30年7月27日付けで拒絶理由通知(最後)がされ、平成30年9月27日に手続補正がされ、平成30年12月6日付けで平成30年9月27日の手続補正について補正の却下の決定がされ、平成30年12月6日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成30年12月25日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成31年2月14日付けで拒絶理由通知(以下「当審拒絶理由通知」という。)がされ、平成31年2月25日に手続補正がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成30年12月6日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願の平成30年5月9日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に係る発明は、以下の引用文献A及びBに記載の技術並びに引用文献CないしEに示された周知技術に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 A.特開平10-174827号公報 B.特開平9-264579号公報 C.特開2002-39582号公報(周知技術を示す文献) D.特開2013-139945号公報(周知技術を示す文献) E.特開2009-8275号公報(周知技術を示す文献) 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 本願の平成30年12月25日の手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開平9-264579号公報(拒絶査定時の引用文献B) 第4 本願発明 本願請求項1ないし5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明5」という。)は、平成31年2月25日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1ないし5は以下のとおりの発明である。 「  【請求項1】 フードと、フィルタと、ファン用モータでファンを回転する送風機と、前記フィルタに紫外線を照射する紫外線光源と、前記ファン用モータと前記紫外線光源を制御する制御部を備え、 前記紫外線光源は、前記フィルタの外周面よりも外側の位置に配置され、 前記制御部は、運転状態では前記紫外線光源を消灯し、運転状態から加熱調理器の加熱調理が終了し、運転停止した後に、前記運転中に前記フィルタに付着した油を分解して除去するために、前記紫外線光源を設定時間点灯すると同時に、前記油分解時に発生した悪臭、オゾンを排出するために、前記ファン用モータを前記設定時間駆動して前記ファンを前記紫外線照射中に回転する構成としたレンジフードにおいて、 前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、 前記制御部は、前記運転停止後に前記フィルタ用モータを所定時間高速駆動して前記フィルタを紫外線照射前に所定時間高速回転し、前記所定時間経過後に前記紫外線光源と前記ファン用モータを制御する構成としたことを特徴とするレンジフード。 【請求項2】 フードと、フィルタと、ファン用モータでファンを回転する送風機と、前記フィルタに紫外線を照射する紫外線光源と、前記ファン用モータと前記紫外線光源を制御する制御部を備え、 前記紫外線光源は、前記フィルタの外周面よりも外側の位置に配置され、 前記制御部は、運転状態では前記紫外線光源を消灯し、運転状態から加熱調理器の加熱調理が終了し、運転停止した後に、前記運転中に前記フィルタに付着した油を分解して除去するために、前記紫外線光源を設定時間点灯すると同時に、前記油分解時に発生した悪臭、オゾンを排出するために、前記ファン用モータを前記設定時間駆動して前記ファンを前記紫外線照射中に回転する構成としたレンジフードにおいて、 前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、 前記制御部は、前記設定時間経過後に前記フィルタ用モータを高速駆動して前記フィルタを高速回転する構成としたことを特徴とするレンジフード。 【請求項3】 フードと、フィルタと、ファン用モータでファンを回転する送風機と、前記フィルタに紫外線を照射する紫外線光源と、前記ファン用モータと前記紫外線光源を制御する制御部を備え、 前記紫外線光源は、前記フィルタの外周面よりも外側の位置に配置され、 前記制御部は、運転状態では前記紫外線光源を消灯し、運転状態から加熱調理器の加熱調理が終了し、運転停止した後に、前記運転中に前記フィルタに付着した油を分解して除去するために、前記紫外線光源を設定時間点灯すると同時に、前記油分解時に発生した悪臭、オゾンを排出するために、前記ファン用モータを前記設定時間駆動して前記ファンを前記紫外線照射中に回転する構成としたレンジフードにおいて、 前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、 前記制御部は、前記紫外線光源の点灯している間に前記フィルタ用モータを高速駆動して前記フィルタを紫外線照射中に高速回転する構成としたことを特徴とするレンジフード。 【請求項4】 フードと、フィルタと、ファン用モータでファンを回転する送風機と、前記フィルタに紫外線を照射する紫外線光源と、前記ファン用モータと前記紫外線光源を制御する制御部を備え、 前記紫外線光源は、前記フィルタの外周面よりも外側の位置に配置され、 前記制御部は、運転状態では前記紫外線光源を消灯し、運転状態から加熱調理器の加熱調理が終了し、運転停止した後に、前記運転中に前記フィルタに付着した油を分解して除去するために、前記紫外線光源を設定時間点灯すると同時に、前記油分解時に発生した悪臭、オゾンを排出するために、前記ファン用モータを前記設定時間駆動して前記ファンを前記紫外線照射中に回転する構成としたレンジフードにおいて、 前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、 前記制御部は、前記紫外線光源の点灯している間に前記フィルタ用モータを低速駆動して前記フィルタを紫外線照射中に低速回転する構成としたことを特徴とするレンジフード。 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載のレンジフードにおいて、 前記制御部は、前記設定時間経過して紫外線光源が消灯した後も前記ファン用モータを一定時間駆動して前記ファンを前記紫外線光源が消灯後も一定時間回転する構成としたレンジフード。」 第5 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について 当審の拒絶の理由に引用された引用文献1(原査定の拒絶の理由に引用された引用文献B)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 室内空気を室外に排気するモータとファンを有する送風機を設け、この送風機を支持し、かつ排気口を設けたフード本体の内部にフィルタを設け、前記フード本体内と前記フィルタ表面に触媒を設け、前記触媒を励起、活性化させる励起手段と、前記モータの駆動および停止をする送風機スイッチと、前記モータを制御するモータ駆動手段を設け、設定時間経過を計測する設定時間計測手段を設け、前記励起手段を制御する励起駆動手段を設け、所定時間経過を計測する所定時間計測手段を設け、前記送風機スイッチと、前記モータ駆動手段と、前記設定時間計測手段と、前記励起駆動手段および前記所定時間計測手段により送風機のモータおよび励起手段を駆動させる駆動回路を設けた換気装置。 【請求項2】 所定時間計測手段が計測している一定時間経過以内に送風機スイッチが操作されたかを判断する送風機スイッチ操作判断手段を設け、一定時間経過以内に前記送風機スイッチが操作されたかを判断して、前記送風機スイッチが操作された時点で、一定時間から所定時間を差し引いた残置時間を記憶する残置時間記憶手段を設け、前記送風機スイッチと、モータ駆動手段と、設定時間計測手段と、励起駆動手段と、所定時間計測手段と、前記送風機スイッチ操作判断手段および前記残置時間記憶手段により送風機のモータおよび励起手段を駆動させる駆動回路を設けた請求項1記載の換気装置。 【請求項3】 モータ駆動手段と別に送風機のモータを制御するモータ自動駆動手段を設け、送風機スイッチと、前記モータ駆動手段と、設定時間計測手段と、励起駆動手段と、前記モータ自動駆動手段および所定時間計測手段により送風機のモータおよび励起手段を駆動させる駆動回路を設けた請求項1記載の換気装置。」 ・「【0021】 【実施例】 (実施例1)図1、図2および図3に示すように、1は換気装置のフード本体であり、下部は開口して吸気口2を形成し、レンジ(図示しない)の上方に位置するよう壁面3に取付けられている。前記フード本体1の内部には、モータ4とファン4aを有する送風機5を収納しており、レンジより発生した油煙6を前記吸気口2から送風機5によって吸い込み、フード本体1の上面に設けられた排気口7を通じて、室外に排出するように形成されている。さらに、前記フード本体1の吸気口2と前記送風機5を結ぶ通風路には、油煙6中の油滴8を捕捉するフィルタ9を配設している。このフィルタ9は全面に吸気孔10を有するパンチングメタルなどで形成されている。そして、フード本体1内部のフィルタ9面より吸気側に一定の空間部11を設け、この空間部11のフード本体1内面とフィルタ9表面には、付着した調理油を分解、気化させる触媒12(たとえば酸化触媒、光触媒など)が設けられている。また、前記フード本体1の内部下方、フィルタ9と対向する面には、前記触媒12を励起、活性化させる励起手段13が設けられている。この励起手段13は、近紫外光照射ランプ14で構成されている。フード本体1には送風機5のモータ4の駆動および停止をさせる送風機スイッチ15が設けてあり、送風機スイッチ15の入力の信号を受けて、送風機5のモータ4および励起手段13の制御を行う制御部16Aが設けられている。」 ・「【0023】上記構成において、調理時には送風機5のモータ4を駆動回転させ、発生した油煙6がフード本体1の吸気口2から吸い込まれ、フィルタ9に吸引され、油煙6中の油滴8はフィルタ9に付着捕捉される。したがって、油滴8が浄化された空気は、フード本体1内奥部やモータ4、送風機5を、ほとんど汚すことなく排気口7を通じて室外に排気される。一方、フィルタ9は油滴8の付着により吸気孔10が徐々に目詰まりしてくるため、定期的に除去する必要がある。この場合には、励起手段13の近紫外光照射ランプ14を点灯させ、放射される励起光をフィルタ9表面に設けられた触媒12と反応させ、フィルタ9に付着した油滴8を、常温で低炭素分子、二酸化炭素、水蒸気に分解、気化させることができ、フィルタ9を浄化させる。そして、空間部11のフード本体1内面にも油滴8は付着するが、フィルタ9表面と比較して小量で、フィルタ9に照射された励起光の反射光で、油滴8を充分常温状態で、低炭素分子、二酸化炭素、水蒸気に分解、気化させる換気装置の自己浄化機能を運転制御することとなる。」 ・「【0036】(実施例3)図6および図7を参照しながら説明する。なお第1実施例と同一箇所には同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。 【0037】図6において、制御部16Aにはモータ駆動手段17と別に送風機5のモータ4を制御するモータ自動駆動手段a24を設け、送風機スイッチ15と、前記モータ駆動手段17と、設定時間計測手段18と、励起駆動手段a19と、前記モータ自動駆動手段a24および所定時間計測手段20により送風機5のモータ4および励起手段13を駆動させる駆動回路21を設けたものである。 【0038】上記構成により換気装置の制御部分について、モータ自動駆動手段a24は、モータ駆動手段17が送風機スイッチ15の運転および停止入力の信号を受けて駆動回路21を通じてモータ4を駆動および停止させるのとは別に、励起駆動手段a19による励起手段13の駆動の信号を受けて送風機5の運転を制御する駆動回路21を通じてモータ4を駆動させ、また、モータ自動駆動手段a24が励起駆動手段a19による励起手段13の停止の信号を受けて送風機5の運転を制御する駆動回路21を通じてモータ4を停止させる。 【0039】図7において、換気装置の動作は、ステップ67で設定時間になったかを確認し、設定時間になっていなければ、ステップ68へ進む。ステップ68で送風機スイッチ15の運転入力を確認し、入力がなければ、ステップ67へ戻る。ステップ68で送風機スイッチ15の運転入力が確認されると、ステップ69へ進み、モータ駆動手段17がステップ68の送風機スイッチ15の運転入力の信号を受けて駆動回路21を通じてモータ4を駆動させ、ステップ70へ移る。ステップ70で送風機スイッチ15の停止入力を確認し、入力がなければ、入力があるまでステップ70を繰り返す。ステップ70で送風機スイッチ15の停止入力が確認されると、ステップ71へ進み、モータ駆動手段17はステップ70の送風機スイッチ15の停止入力の信号を受けて駆動回路21を通じてモータ4を停止させ、ステップ67へ戻る。 【0040】また、ステップ67で設定時間になると、ステップ72へ進み、励起駆動手段a19がステップ67の設定時間計測手段18の信号を受けて駆動回路21を通じて励起手段13を駆動させ、ステップ73へ移り、モータ自動駆動手段a24がステップ72の励起駆動手段a19による励起手段13の駆動の信号を受けて駆動回路21を通じてモータ4を駆動させ、ステップ74へ移り、所定時間計測手段20が所定時間の計測をスタートさせ、ステップ75へ移る。ステップ75でステップ74において計測をスタートさせた所定時間を確認して、一定時間が経過するまでステップ75を繰り返す。ステップ75で一定時間が経過すれば、ステップ76へ進み、所定時間計測手段20がステップ74でスタートさせた所定時間の計測をストップさせて、ステップ77へ移り、励起駆動手段a19がステップ76の所定時間計測手段20の信号を受けて駆動回路21を通じて励起手段13を停止させ、ステップ78へ移り、モータ自動駆動手段a24がステップ77の励起駆動手段a19による励起手段13の停止の信号を受けて駆動回路21を通じてモータ4を停止させ、ステップ67へ戻る。 【0041】このように本発明の第3実施例の換気装置によれば、ある設定時間になると、一定時間が経過するまで調理後に付着した調理油を触媒と励起手段により、常温で、分解、気化させ、さらに、分解、気化した成分(低炭素分子、二酸化炭素、水蒸気)を送風機によって室外に排出させる換気装置の自己浄化機能を運転制御することができる。」 ・図7のフローチャートからすると、ステップ67の判断である設定時間になったかの確認が行われるのは、ステップ68からのフローであればモータは非駆動であり、ステップ71からのフローであればモータ停止後であり、ステップ78からのフローであれば励起手段及びモータの停止後であるから、結局、「励起手段及びモータが停止している状態で設定時間になったかの確認が行われ」るといえる。 したがって、上記引用文献1には、特に実施例3に係る記載に着目すると、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「フード本体と、フィルタと、モータでファンを駆動する送風機と、フード本体内面とフィルタ表面に励起光を放射する近紫外光照射ランプで構成されている励起手段と、前記モータと前記近紫外光照射ランプで構成されている励起手段を制御する制御部を備え、 前記近紫外光照射ランプで構成されている励起手段は、前記フード本体の内部下方で、フィルタと対向する面に設けられ、 前記制御部は、励起手段及びモータが停止している状態で設定時間になったかの確認が行われ、設定時間になると、励起手段を駆動させモータを駆動させるとともに所定時間が経過すると励起手段を停止させモータを停止させ、設定時間になっていなければ、送風機スイッチの運転入力が確認されるとモータを駆動させるとともに送風機スイッチの停止入力が確認されるとモータを停止させる構成とし、調理後に付着した調理油を触媒と励起手段により、常温で、分解、気化させ、さらに、分解、気化した成分(低炭素分子、二酸化炭素、水蒸気)を送風機によって室外に排出させる換気装置。」 2.引用文献A及びCないしEについて (1) 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Aには、図面とともに次の事項が記載されている。 ・「【請求項2】 フードケースの一面に設けられ、前記一面のほぼ半分の面積をもつ入側開口部と、該入側開口部を区画するフードケース中央側の縁部に設けられた回転軸と、該回転軸に中心部が回転可能に固定され、周縁部が前記入側開口部を区画するフードケース周辺側の縁部に当接する、光触媒を担持したガラス繊維製又は光触媒をコーティングした金属製の円盤状フィルタと、前記入側開口部が形成されていない前記一面に設けられ、前記円盤状フィルタに紫外線を照射する紫外線光源とを備え、油煙を前記入側開口部から前記円盤状フィルタを通過させながら、前記紫外線光源からの紫外線で光触媒を活性化させ油分解するフィルタ回転型レンジフード。」 ・「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、光触媒による油分解機能を利用してセルフクリーニング作用を持たせたレンジフードに関する。 【0002】 【従来の技術】厨房等には、快適な居住空間を維持するため、調理等の際に発生した煙を外部に排気するレンジフードが設けられている。しかし、従来のレンジフードは、油が付着しやすく、美観を損ねる欠点がある。そこで、フィルタ部に使い捨ての不織布フィルタを取り付け、汚染状況に応じてフィルタを取り替えている。また、油汚れを拭き取りやすくするため、フッ素樹脂コーティングをレンジフードの内面に施すことも知られている。更に最近では、セルフクリーニング機能を持たせたレンジフードも提案されている。このタイプのレンジフードとして、紫外線により酸化分解作用を呈する触媒及び熱により酸化分解作用を呈する触媒の混合触媒をフード内部や吸気側に塗布したものが特開平5-157305号公報,特開平4-306440号公報等で提案されている。また、特開平7-229640号公報には、光触媒を金属製フィルタにコーティングし、前面パネルの内側に取り付けた近紫外線ランプからの照射で励起する光触媒の作用によって油分解させる方式が紹介されている。本発明者等も、掃除の手間がかからないメンテナンスフリーのレンジフードとして、油捕集効率の向上及び光触媒による油分解の促進を狙ってガラス繊維質の不織布にTiO2を担持させたフィルタを使用することを特願平7-176858号,特願平8-19379号,特願平8-163794号等で提案した。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】フィルタ部に取り付けた使い捨ての不織布フィルタを汚染状況に応じて交換する方式では、フィルタの交換に手数が掛り、コスト高になる。フードケース内面にフッ素樹脂コーティングしたレンジフードでは、面倒な付着油の拭取り作業が依然として解消されていない。レンジフード内部には清掃作業の障害となる折曲げ加工部,リベット,ビス等の突起があり、更にファンが取り付けられているため、清掃作業自体が困難である。また、高所にレンジフードが設置されていることから、危険を伴う作業ともなる。セルフクリーニング作用をもつレンジフードのうち、フィルタに加熱触媒をコーティングしたものでは、フィルタを300℃以上の高温に加熱することが必要になる。そのため、火災や火傷等,安全面での問題がある。しかも、フードケース,ファン,スイッチ類に耐熱性が要求されることから、高価な材料でレンジフードを作製することが要求され、製品コストが上昇する。 【0004】他方、光触媒をコーティングした金属フィルタを使用し、紫外線照射によって油汚れを分解除去する方法では、フィルタより風上に紫外線光源を配置しているので、紫外線光源に油が付着し易く、紫外線強度が低下し易い。紫外線強度の低下をもたらす油付着は、紫外線光源をTiO2でコーティングし、或いはTiO2コーティングした紫外線透過板をランプカバーとして使用すること等により抑制することができるものの、その分だけ特殊な器具が必要とされる。また、フードケースの前部に紫外線光源を配置しているので、漏洩する紫外線が避けられず、たとえ300nm以上の波長をもつ紫外線が人体に及ぼす悪影響が少ないといっても、全く悪影響を与えないとは言い切れない。本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、レンジフード内部の油が付着しにくい箇所に配置した紫外線光源で回転中のフィルタを紫外線照射することにより、光触媒作用で効率よく油分解しながら、油付着により紫外線光源が汚染されることを防止し、長期間にわたって良好な油分解能を維持するレンジフードを提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のレンジフードは、その目的を達成するため、フードケースの一面に設けられた入側開口部と、該入側開口部を区画するフードケース内に設けられた回転軸と、該回転軸に回転可能に固定され、周縁部が前記入側開口部を区画するフードケース周辺側の縁部に当接する、触媒を担持した円盤状フィルタと、前記入側開口部が形成されていない前記一面に設けられ、前記触媒を励起・活性化させる励起手段とを備えたことを特徴とする。触媒担持フィルタとしては、光触媒を担持したガラス繊維製又は光触媒をコーティングした金属製の円盤状フィルタが好ましいが、SiO2,B2O3,Na2O,Al2O3等の金属酸化物を初めとする加熱触媒も使用可能である。光触媒を使用する場合、入側開口部が形成されていない前記一面に励起手段として紫外線光源を設け、円盤状フィルタに紫外線を照射する。また、加熱触媒を使用する場合には遠赤外線熱源を設け、遠赤外線を照射する。調理時等には、フィルタを回転させると共に、紫外線光源を点灯する。これにより、油煙が入側開口部から円盤状フィルタを通過すると同時に、フィルタに付着した油は紫外線照射で活性化した光触媒により分解される。紫外線光源の背面に反射板を設けるとき、紫外線の照射効率が向上する。 【0006】 【実施の形態】本発明に従ったレンジフードは、たとえば図1に示すように、フードケース1の一面に開口部2が設けられている。開口部2はフードケース1の一面のほぼ半分の大きさで半円状(図2参照)に形成されており、開口部2を区画するフードケース1中央側の縁部に回転軸3が取り付けられている。開口部2には、必要に応じてバッフル板(図示せず)を取り付けることもできる。バッフル板を配置すると、フィルタ方向の吸込み風速が高くなり、レンジフード1の外側に逃げる油煙が少なくなる。 【0007】回転軸3には、円盤状フィルタ4の中央部が固定されている。円盤状フィルタ4としては、光触媒を担持したガラス繊維製フィルタ又は光触媒をコーティングした金属製フィルタが使用される。光触媒には、紫外線照射によって励起され、油を酸化分解特性を呈するTiO2を初めとする種々の金属酸化物がある。TiO2を光触媒として使用する場合、アナターゼ型のTiO2が好ましい。ガラス繊維質フィルタは、ガラス繊維をシリカ系無機質バインダで結合したものであり、これを基材としてTiO2等の光触媒を担持させる。金属製フィルタの場合、パンチング又はルーバ加工されたアルミニウム,鋼板等に光触媒をスプレー塗装でコーティングしたものが使用される。円盤状フィルタ4の周縁部は、フードケース1に設けられているシュー5に摺動する。 【0008】開口部2のないフードケース1の一面内側に、紫外線光源6が設けられている。この位置に紫外線光源6を配置するとき、紫外線がフードケースの外部に漏れることがなく、また油煙が紫外線光源6に付着することもなくなる。紫外線光源6としては、波長400nm以下の紫外線を放射するランプであれば良く、健康ランプ,ケミカルランプ,ブラックライト,殺菌灯,高圧水銀灯等が使用可能である。図1,図2では、3本の直管状ランプを配列した例を示しているが、本発明はこれに拘束されるものではなく、円盤状フィルタ4のサイズや種類に応じてランプの本数を適宜替えることができる。また、リング状のランプを紫外線光源6に使用することも可能である。なお、図1の例では、フードケース1の側板と円盤状フィルタ4との間に紫外線光源6を設けているが、反対側(図1では円盤状フィルタ4の上部)に又は円盤状フィルタ4の両側に設けることも可能である。 【0009】紫外線光源6の背面には、反射板7を配置することが好ましい。反射板7としては、表面光沢の高い亜鉛めっき鋼板,アルミめっき鋼板等が使用され、円盤状フィルタ4に対する紫外線照射効率を向上させる。調理時等には、ファン8を駆動させ、円盤状フィルタ4を回転させると共に、紫外線光源6を点灯する。調理器等で発生した油煙は、ファン8によってフードケース1の内部に吸引され、円盤状フィルタ4を通過する際に浮遊油が除去される。油除去されたガスは、ダクト9を経て外気に放出される。 【0010】油が付着した円盤状フィルタ4は、回転して、紫外線光源6からの紫外線照射領域に至る。そして、紫外線照射で活性化した光触媒の作用により、付着油が酸化分解される。このとき、円盤状フィルタ4は油煙から熱が伝達された直後の高温状態にあるため、光触媒の油分解作用が促進される。また、付着油を酸化分解し円盤状フィルタ4を清浄な状態に維持するため、調理後にファン8を停止した後でも、円盤状フィルタ4の回転及び紫外線光源6の点灯を所定時間継続させることが好ましい。このように付着油を分解しながら円盤状フィルタ4に油煙を通過させるとき、油捕集効率及び油分解効率を高位に安定維持してレンジフードを作動させることが可能となる。 【0011】 【実施例】密度50g/m2のガラス繊維製不織布に担持量70g/m2でTiO2を担持させたものを無機質バインダで固め、半径300mmの円盤状フィルタ4とした。レンジフードの開口部2を覆うように円盤状フィルタ4を回転可能に組み込み、開口部2のないフードケース1の一側面に紫外線光源6として20Wのブラックライト3本を取り付けた。また、紫外線光源6の背面に、Alめっき鋼板製の反射板7を取り付けた。調理中、ファン8を駆動させ油煙をフードケース1の内部に吸引すると共に、円盤状フィルタ4を3rpmで回転させ、紫外線光源6を点灯した。調理後、ファン8を止めるが、円盤状フィルタ4の回転及び紫外線光源6の点灯を1時間継続した。この条件下でレンジフードを3か月間継続使用し、円盤状フィルタ4に対する油付着量の経時変化を測定したところ、3か月経過した時点でもフィルタ4の重量増加が一定量で飽和しており、フィルタ4に付着した油が光触媒作用によって分解されていることが判る。 【0012】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明のレンジフードは、開口部を臨むように円盤状フィルタを回転可能に配置し、調理時等に発生した油煙を捕集すると共に、円盤状フィルタに付着した油を光触媒作用で酸化分解している。そのため、フィルタが常に清浄に維持され、油捕集効率及び付着油分解効率が高位に安定した状態でレンジフードを使用することが可能となる。また、紫外線光源が開口部に臨まない位置に配置されているので、浮遊する油滴が紫外線光源に直接飛来・付着することがなく、紫外線強度の低下も防止される。更には、紫外線が外部に漏洩することもないので、使用者に対する安全面にも優れたレンジフードとなる。」 したがって、上記引用文献Aには、次の発明(以下「引用発明A」という。)が記載されていると認められる。 「フードケースと、光触媒を担持した円盤状フィルタと、ファンと、前記円盤状フィルタに紫外線を照射する紫外線光源とを備え、 前記紫外線光源は、レンジフード内部の油が付着しにくい箇所に配置され、 調理中は、ファンを駆動させ、円盤状フィルタを回転させると共に、紫外線光源を点灯することにより、油煙が入側開口部から円盤状フィルタを通過すると同時に、フィルタに付着した油は紫外線照射で活性化した光触媒により分解され、フィルタが常に清浄に維持され、油捕集効率及び付着油分解効率が高位に安定した状態でレンジフードを使用することが可能となる構成としたフィルタ回転型レンジフード。」 また、引用文献Aの段落【0011】に「円盤状フィルタ4を3rpmで回転させ、紫外線光源6を点灯した」と記載され、本願明細書の段落【0036】には「フィルタ3の低速回転とは800rpm未満である」と記載されていることからすると、引用文献Aには、レンジフードの「フィルタを紫外線照射中に低速回転する構成」という技術的事項が記載されていると認められる。 (2) 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Cの段落【0101】の記載からみて、当該引用文献Cには、「酸素が紫外線照射を受けることによりオゾンが生成される」という技術的事項が記載されていると認められる。 (3) 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Dの段落【0011】~段落【0018】の記載からみて、当該引用文献Dには、「フィルタを回転させる構成を有するレンジフードにおいて、前記フィルタに付着した汚染物質を除去する清掃運転を行う前後または清掃運転の最中に、当該フィルタを高速回転させる」という技術的事項が記載されていると認められる。 (4) また、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献Eの段落【0010】~段落【0030】には、「フィルタを回転させる構成を有するレンジフードにおいて、前記フィルタに付着した汚染物質を除去する清掃運転を行う前後または清掃運転の最中に、当該フィルタを高速回転させる」という技術的事項が記載されていると認められる。 第6 当審拒絶理由についての判断 1.本願発明1について (1) 対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 引用発明の「フード本体」は本願発明1の「フード」に相当し、以下同様に、「モータ」は「ファン用モータ」に、「(ファンを)駆動する」態様は「回転する」態様に、「フード本体内面とフィルタ表面に励起光を放射する」態様は励起光が近紫外光照射ランプによるものであるから「フィルタに紫外線を照射する」態様に、「近紫外光照射ランプで構成されている励起手段」は「紫外線光源」に、「換気装置」は「レンジフード」に、それぞれ相当する。 また、本願発明1の「紫外線光源は、前記フィルタの外周面よりも外側の位置に配置され」た態様と引用発明の「近紫外光照射ランプで構成されている励起手段は、前記フード本体の内部下方で、フィルタと対向する面に設けられ」た態様とは「紫外線光源は、所定の位置に配置され」た態様の限りにおいて一致している。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「フードと、フィルタと、ファン用モータでファンを回転する送風機と、前記フィルタに紫外線を照射する紫外線光源と、前記ファン用モータと前記紫外線光源を制御する制御部を備え、 前記紫外線光源は、所定の位置に配置される、 レンジフード。」 (相違点) (相違点1) 紫外線光源が配置される所定の位置に関し、本願発明1では「フィルタの外周面よりも外側の位置」であるのに対し、引用発明では「フード本体の内部下方で、フィルタと対向する面」である点。 (相違点2) ファン用モータと紫外線光源を制御する制御部の構成に関し、本願発明1では「運転状態では前記紫外線光源を消灯し、運転状態から加熱調理器の加熱調理が終了し、運転停止した後に、前記運転中に前記フィルタに付着した油を分解して除去するために、前記紫外線光源を設定時間点灯すると同時に、前記油分解時に発生した悪臭、オゾンを排出するために、前記ファン用モータを前記設定時間駆動して前記ファンを前記紫外線照射中に回転する」のに対し、引用発明では「励起手段及びモータが停止している状態で設定時間になったかの確認が行われ、設定時間になると、励起手段を駆動させモータを駆動させるとともに所定時間が経過すると励起手段を停止させモータを停止させ、設定時間になっていなければ、送風機スイッチの運転入力が確認されるとモータを駆動させるとともに送風機スイッチの停止入力が確認されるとモータを停止させる構成とし、調理後に付着した調理油を触媒と励起手段により、常温で、分解、気化させ、さらに、分解、気化した成分(低炭素分子、二酸化炭素、水蒸気)を送風機によって室外に排出させる」点。 (相違点3) フィルタの回転に関し、本願発明1では「前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、前記制御部は、前記運転停止後に前記フィルタ用モータを所定時間高速駆動して前記フィルタを紫外線照射前に所定時間高速回転し、前記所定時間経過後に前記紫外線光源と前記ファン用モータを制御する構成とした」のに対し、引用発明ではそのような構成について不明である点。 (2) 相違点についての判断 事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討すると、引用文献1にはフィルタを回転させることに関し、記載も示唆もなく、引用発明をして相違点3に係る本願発明1の構成とすることの動機付けがあるとはいえないし、さらに、紫外線照射との関係における相違点3に係る本願発明1の構成は、引用文献AないしEに記載も示唆もされていない。 したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明できたものとはいえない。 2.本願発明2について 本願発明2と引用発明とを対比すると、引用文献1にはフィルタを回転させることに関し、記載も示唆もなく、引用発明をしてフィルタを回転させることの動機付けがあるとはいえないし、さらに、少なくともフィルタの回転に関し本願発明2は「前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、前記制御部は、前記設定時間経過後に前記フィルタ用モータを高速駆動して前記フィルタを高速回転する構成とした」ものであって、紫外線照射との関係における当該構成は、引用文献AないしEに記載も示唆もされていないるから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても、本願発明2は引用発明に基いて容易に発明できたものとはいえない。 3.本願発明3について 本願発明3と引用発明とを対比すると、引用文献1にはフィルタを回転させることに関し、記載も示唆もなく、引用発明をしてフィルタを回転させることの動機付けがあるとはいえないし、さらに、少なくともフィルタの回転に関し本願発明3は「前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、前記制御部は、前記紫外線光源の点灯している間に前記フィルタ用モータを高速駆動して前記フィルタを紫外線照射中に高速回転する構成とした」ものであって、紫外線照射との関係における当該構成は、引用文献AないしEに記載も示唆もされていないから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても、本願発明3は引用発明に基いて容易に発明できたものとはいえない。 4.本願発明4について 本願発明4と引用発明とを対比すると、引用文献1にはフィルタを回転させることに関し、記載も示唆もなく、引用発明をしてフィルタを回転させることの動機付けがあるとはいえないから、少なくともフィルタの回転に関して特定された本願発明4は、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明できたものとはいえない。 5.本願発明5について 本願発明5は、本願発明1ないし4のいずれかをさらに限定した発明であるから、本願発明1ないし4のいずれかと同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基いて容易に発明できたものとはいえない。 第7 原査定についての判断 1.本願発明1について (1) 対比 本願発明1と引用発明Aとを対比すると、次のことがいえる。 引用発明Aの「フードケース」は本願発明1の「フード」に相当し、以下同様に、「光触媒を担持した円盤状フィルタ」は「フィルタ」に、「ファン」は「ファン用モータでファンを回転する送風機」に、「フィルタ回転型レンジフード」は「レンジフード」に、それぞれ相当する。 また、本願発明1の「紫外線光源は、前記フィルタの外周面よりも外側の位置に配置され」た態様と引用発明Aの「紫外線光源は、レンジフード内部の油が付着しにくい箇所に配置され」た態様とは「紫外線光源は、所定の位置に配置され」た態様の限りにおいて一致している。 そして、本願発明1の「前記ファン用モータと前記紫外線光源を制御する制御部を備え」、「前記制御部は、運転状態では前記紫外線光源を消灯し、運転状態から加熱調理器の加熱調理が終了し、運転停止した後に、前記運転中に前記フィルタに付着した油を分解して除去するために、前記紫外線光源を設定時間点灯すると同時に、前記油分解時に発生した悪臭、オゾンを排出するために、前記ファン用モータを前記設定時間駆動して前記ファンを前記紫外線照射中に回転する構成とし」、「前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、前記制御部は、前記運転停止後に前記フィルタ用モータを所定時間高速駆動して前記フィルタを紫外線照射前に所定時間高速回転し、前記所定時間経過後に前記紫外線光源と前記ファン用モータを制御する構成」と引用発明Aの「調理中は、ファンを駆動させ、円盤状フィルタを回転させると共に、紫外線光源を点灯することにより、油煙が入側開口部から円盤状フィルタを通過すると同時に、フィルタに付着した油は紫外線照射で活性化した光触媒により分解され、フィルタが常に清浄に維持され、油捕集効率及び付着油分解効率が高位に安定した状態でレンジフードを使用することが可能となる」態様とは「ファンと紫外線光源とフィルタとが所定の条件で稼働される」態様の限りにおいて一致している。 したがって、本願発明1と引用発明Aとの間には、次の一致点、相違点があるといえる。 (一致点) 「フードと、フィルタと、ファン用モータでファンを回転する送風機と、前記フィルタに紫外線を照射する紫外線光源とを備え、 前記紫外線光源は、所定の位置に配置され、 前記ファンと前記紫外線光源と前記フィルタとが所定の条件で稼働されるレンジフード。」 (相違点) (相違点A) 紫外線光源が配置される所定の位置に関し、本願発明1では「フィルタの外周面よりも外側の位置」であるのに対し、引用発明Aでは「レンジフード内部の油が付着しにくい箇所」である点。 (相違点B) ファンと紫外線光源とフィルタとが所定の条件で稼働される態様に関し、本願発明1では「ファン用モータと前記紫外線光源を制御する制御部を備え」、「前記制御部は、運転状態では前記紫外線光源を消灯し、運転状態から加熱調理器の加熱調理が終了し、運転停止した後に、前記運転中に前記フィルタに付着した油を分解して除去するために、前記紫外線光源を設定時間点灯すると同時に、前記油分解時に発生した悪臭、オゾンを排出するために、前記ファン用モータを前記設定時間駆動して前記ファンを前記紫外線照射中に回転する構成とし」、「前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、前記制御部は、前記運転停止後に前記フィルタ用モータを所定時間高速駆動して前記フィルタを紫外線照射前に所定時間高速回転し、前記所定時間経過後に前記紫外線光源と前記ファン用モータを制御する構成」であるのに対し、引用発明Aでは「調理中は、ファンを駆動させ、円盤状フィルタを回転させると共に、紫外線光源を点灯することにより、油煙が入側開口部から円盤状フィルタを通過すると同時に、フィルタに付着した油は紫外線照射で活性化した光触媒により分解され、フィルタが常に清浄に維持され、油捕集効率及び付着油分解効率が高位に安定した状態でレンジフードを使用することが可能となる」点。 (2) 相違点についての判断 事案に鑑みて、上記相違点Bについて先に検討すると、引用発明Aは「調理中は、ファンを駆動させ、円盤状フィルタを回転させると共に、紫外線光源を点灯する」のであるから、引用発明Aをして、調理中である「運転状態では前記紫外線光源を消灯(し)」させることには阻害要因があるというべきであるし、さらに、紫外線照射との関係における本願発明1の「運転停止後に前記フィルタ用モータを所定時間高速駆動して前記フィルタを紫外線照射前に所定時間高速回転し、前記所定時間経過後に前記紫外線光源と前記ファン用モータを制御する構成」は、引用文献AないしEに記載も示唆もされていない。 したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明Aに基いて容易に発明できたものとはいえない。 2.本願発明2について 本願発明2と引用発明Aとを対比すると、ファンと紫外線光源とフィルタとが所定の条件で稼働される態様に関し、本願発明2は「運転状態では前記紫外線光源を消灯(し)」させるものであるし、さらに、紫外線照射との関係における本願発明2の「前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、前記制御部は、前記設定時間経過後に前記フィルタ用モータを高速駆動して前記フィルタを高速回転する構成」は、引用文献AないしEに記載も示唆もされていないから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても、本願発明2は引用発明Aに基いて容易に発明できたものとはいえない。 3.本願発明3について 本願発明3と引用発明Aとを対比すると、ファンと紫外線光源とフィルタとが所定の条件で稼働される態様に関し、本願発明3は「運転状態では前記紫外線光源を消灯(し)」させるものであるし、さらに、紫外線照射との関係における本願発明3の「前記フィルタを回転するフィルタ用モータを設け、前記制御部は、前記紫外線光源の点灯している間に前記フィルタ用モータを高速駆動して前記フィルタを紫外線照射中に高速回転する構成」は、引用文献AないしEに記載も示唆もされていないから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても、引用発明Aに基いて容易に発明できたものとはいえない。 4.本願発明4について 本願発明4と引用発明Aとを対比すると、ファンと紫外線光源とフィルタとが所定の条件で稼働される態様に関し、本願発明4は「運転状態では前記紫外線光源を消灯(し)」させるものであるから、本願発明1と同様な理由により、当業者であっても、本願発明4は引用発明Aに基いて容易に発明できたものとはいえない。 5.本願発明5について 本願発明5は、本願発明1ないし4のいずれかをさらに限定した発明であるから、本願発明1ないし4のいずれかと同じ理由により、当業者であっても、引用発明Aに基いて容易に発明できたものとはいえない。 第8 むすび 以上のとおり、当審拒絶理由の理由及び原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。 他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する

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2018-017182

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