商標拒絶査定不服審判
2022-019163
カンキライト
- 審判番号
- 2022-019163
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-139988
- 請求日
- 2022年11月29日
- 審決日
- 2024年09月13日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】富士工業株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 渡邉 潤
- 分類
- T18 .13 -Z (W11) / T18 .272-Z (W11)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-139988拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年11月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 6月 3日付け:拒絶理由通知書
令和4年 8月17日 :意見書の提出
令和4年 8月23日付け:拒絶査定
令和4年11月29日 :審判請求書の提出
令和6年 1月18日付け:審尋
令和6年 3月 4日 :回答書、手続補正書の提出
令和6年 5月29日付け:審尋
第2 本願商標
本願商標は、「換気ライト」の文字を標準文字で表してなり、第11類に属する願書記載のとおりの商品(以下「原審商品」という。)を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記第1の手続補正により、第11類「家庭用レンジフード,業務用レンジフード,家庭用電熱用品類,家庭用換気扇,業務用換気扇,家庭用室内循環式レンジフード,業務用室内循環式レンジフード,家庭用電気除臭機,業務用電気除臭機,家庭用空気清浄装置,業務用空気清浄装置,電気こんろ,電磁調理器,ガスレンジ,ガスこんろ,業務用加熱調理機械器具,加熱器,調理台,流し台,電気式ワインセラー」(以下「当審補正商品」という。)と補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「換気ライト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「換気」の文字は、「建物などの内部の汚れた空気を排出して、外の新鮮な空気と入れかえること。」の意味を、「ライト」の文字は、「照明。」の意味を表す語として広く使用されていることから、構成全体として「換気機能を有する照明」程の意味合いが生じる。そして、原審商品の業界において、「換気と照明の機能を有する商品」が取引されている事実がある。そうすると、本願商標を原審商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「換気と照明の機能を有する商品」(例えば、そのような機能を有する電球類及び照明用器具や、そのような機能付きの家庭用レンジフードなど。)であることを理解し、又は認識するにとどまることから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と判断するのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがありますので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審における証拠調べ通知及び審尋
1 当審において、上記第1の令和6年1月18日付け審尋(以下「審尋1」という。)により、請求人に対し、別掲1のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
2 当審において、上記第1の令和6年5月29日付け審尋(以下「審尋2」という。)により、請求人に対し、別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
1 請求人は、審尋1に対し、上記第1の回答書を提出し、要旨、以下のとおりの意見を述べた。
本件回答書と同日提出の手続補正書により、審判請求時の指定商品から「電球類及び照明用器具,室内換気機能付き照明器具,空気清浄機能付き照明器具」を削除する補正を行ったことにより、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しなくなった。
2 請求人は、審尋2に対し、その応答期間において、これに対する意見を何ら提出していない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「換気ライト」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「換気」及び「ライト」の文字を表したものと容易に認識できるものである。
そして、昨今、本来は異なる複数の商品の機能を、一つにまとめたような商品(例えば「多機能」「マルチ機能」等と称する商品)が、商品のジャンルを問わず、広く製造、販売されている実情が見られるところ、当審補正商品の分野においても、例えば、別掲2のとおり、一つの商品で、異なる機能である換気機能及び/又はライト(照明)機能を有する商品が製造、販売されている実情を確認することができる。
そうすると、本願商標「換気ライト」の文字は、当審補正商品との関係において、「空気を入れかえること。」を意味する「換気」という機能名と、「光。照明。」を意味する「ライト(照明)」(いずれも「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)という機能名を結合したにすぎず、構成全体として、「換気機能とライト(照明)機能」ほどの意味合いを認識させ、商品の有する機能を表したものであると理解させるにすぎないものである。
よって、本願商標を当審補正商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該商品が、「換気機能とライト(照明)機能を有した商品」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、当審補正商品中、「換気機能とライト(照明)機能を有した商品」と関連のない商品について使用をするときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、「本願商標は、「換気ライト」の文字を同書、同大、同間隔で一連にまとまりよく表したものであり、文字間に軽重の差がないことから外観上一体不可分に認識される商標であり、「カンキライト」の称呼は6音と冗長でなく語呂もいいことから一連一体に称呼される商標である。また、本願商標に接する需要者及び取引者は、「ライト」の意味として漠然と「照明、光、明るい、軽い、手軽」を想起するのであって、「照明」のみを一義的に認識することはない。さらに、「換気ライト」が当審補正商品を取り扱う業界において、商品の機能、品質等を表示するものとして取引上普通に使用されている事実を確認することはできず、請求人による使用のみが確認でき、「換気ライト」たる文字が「換気機能を有する照明」という意味として、需要者及び取引者に普通に親しまれているといった事実も確認できなかった。よって、本願商標「換気ライト」から、直接的かつ具体的に「換気機能を有する照明」又は「換気と照明の機能を有する商品」と認識することは困難である。」旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標の構成は、「換気」及び「ライト」の文字を横一連に結合したものと容易に認識できるものである。
そして、昨今、本来は異なる複数の商品の機能を、一つにまとめたような商品が、商品のジャンルを問わず、広く製造、販売されている実情が見られ、当審補正商品の分野においても、例えば、別掲2のとおり、一つの商品で、異なる機能である換気機能及び/又はライト(照明)機能を有する商品が製造、販売されている実情を確認することができる。
そうすると、本願商標「換気ライト」の文字は、当審補正商品との関係において、「空気を入れかえること。」を意味する「換気」という機能名と、「光。照明。」を意味する「ライト(照明)」という機能名を結合したにすぎず、構成全体として、「換気機能とライト(照明)機能」ほどの意味合いを認識させ、商品の有する機能を表したものであると理解させるにすぎないものというのが相当である。
また、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(東京高裁平成12年(行ケ)第76号,同年9月4日判決参照)。
そして、上記1のとおり、本願商標は、当審補正商品の分野における取引の実情及び構成文字の語義を踏まえると、その構成全体として、「換気機能とライト(照明)機能」ほどの意味合いを認識させ、商品の有する機能を表したものであると理解させるにすぎないものと判断するのが相当であり、仮に、「換気ライト」の文字の使用が請求人のみであるとしても、上記判断を左右するものではない。
(2)請求人は、審尋1に対する回答書において、「審判請求時の指定商品から「電球類及び照明用器具,室内換気機能付き照明器具,空気清浄機能付き照明器具」を削除する補正を行ったことにより、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条1項16号に該当しなくなった。」旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標は、「電球類及び照明用器具,室内換気機能付き照明器具,空気清浄機能付き照明器具」を削除した後の当審補正商品との関係においても、なお構成全体として、「換気機能とライト(照明)機能」ほどの意味合いを認識させ、商品の有する機能を表したものであると理解させるにすぎないものというのが相当である。
(3)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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