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特許拒絶査定不服審判

2018-010880

ポンプ装置

審判番号
2018-010880
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-235595外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年08月08日
審決日
2019年09月02日
公報発行日
2019年10月25日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (F04D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-235595「ポンプ装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年5月18日出願公開、特開2015-94330、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年11月14日に出願されたものであって、平成29年7月25日付けで拒絶理由が通知され、同年11月29日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成30年4月26日付けで拒絶査定がされ、それに対して同年8月8日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に、手続補正書が提出されたものである。 第2 原査定(平成30年4月26日付け拒絶査定)の概要 本願の請求項1ないし7に係る発明は、引用文献1ないし3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.実願平2-121913号(実開平4-79990号)のマイクロフィルム 2.特開昭58-176492号公報 3.特開平8-131497号公報 第3 本願発明 本願の請求項1及び2に係る発明(以下、「本願発明1」及び「本願発明2」という。)は、平成30年8月8日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「  【請求項1】 取水管を介して吸込室に液体を吸い込み、吸い込んだ液体を吐出室に輸送する自吸式ポンプと、 前記吸込室の室内の圧力値である第1圧力値を検出する第1検出部と、 前記吐出室の室内の圧力値である第2圧力値を検出する第2検出部と、 前記第1圧力値と前記第2圧力値とに基づいて前記自吸式ポンプの運転を制御する回路であって、前記自吸式ポンプを第1の所定時間運転させた後、前記第1圧力値が、前記吸込室に液体を吸い込むことが可能となる負圧である第1閾値以下であるか否かの第1判断と、前記第2圧力値が、前記吐出室から液体を吐き出すことが可能となる陽圧である第2閾値以上であるか否かの第2判断と、を行う制御回路と、 を備え、 前記制御回路は、 前記第1判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下であると判断し、且つ、前記第2判断にて前記第2圧力値が前記第2閾値以上であると判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を継続する第1制御を行い、 前記第1判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下でないと判断するか、又は、前記第2判断にて前記第2圧力値が前記第2閾値以上でないと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を停止する第2制御を行い、 前記制御回路は、前記第2制御にて前記自吸式ポンプの運転を第2の所定時間停止させた後、前記自吸式ポンプの運転を再開し、当該自吸式ポンプを前記第1の所定時間運転させた後、再び前記第1判断及び前記第2判断を行い、それらの結果に応じて前記第1制御と前記第2制御とを選択的に行い、前記第2制御において、前記自吸式ポンプの運転を前記第2の所定時間停止させる回数が予め設定したリトライ回数に達すると警報出力処理を行う、ポンプ装置。 【請求項2】 取水管を介して吸込室に液体を吸い込み、吸い込んだ液体を吐出室に輸送する自吸式ポンプと、 前記吸込室の室内の圧力値である第1圧力値を検出する第1検出部と、 前記第1圧力値に基づいて前記自吸式ポンプの運転を制御する回路であって、前記自吸式ポンプを第1の所定時間運転させた後、前記第1圧力値が、前記吸込室に液体を吸い込むことが可能となる負圧である第1閾値以下であるか否かの判断を行う制御回路と、 を備え、 前記制御回路は、 前記判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下であると判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を継続する第1制御を行い、 前記判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下でないと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を停止する第2制御を行い、 前記第2制御にて前記自吸式ポンプの運転を第2の所定時間停止させた後、前記自吸式ポンプの運転を再開し、当該自吸式ポンプを前記第1の所定時間運転させた後、再び前記判断を行い、その結果に応じて前記第1制御と前記第2制御とを選択的に行い、前記第2制御において、前記自吸式ポンプの運転を前記第2の所定時間停止させる回数が予め設定したリトライ回数に達すると警報出力処理を行う、ポンプ装置。」 第4 引用文献、引用発明等 1.引用文献1(実願平2-121913号(実開平4-79990号)のマイクロフィルム)について 原査定の理由に引用された上記引用文献1には、「揚水装置の水枯れ検知装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。)。 (1)引用文献1の記載事項 ア.「2.実用新案登録請求の範囲 内部に入り込んだ空気を自己の運転により自動的に排出する自吸式ポンプと、一端が前記自吸式ポンプに接続され他端が井戸等の水源に投入される吸い込み配管とを具備し、 前記吸い込み配管の所定位置には該吸い込み配管内の圧力を検出する吸い込み圧力検出部を設け、且つ該吸い込み圧力検出部によって検出される吸い込み配管内の圧力が略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定の複数回繰り返した場合にこの状態を水枯れであると判断して自吸式ポンプを停止せしめる水枯れ検出手段を具備せしめたことを特徴とする揚水装置の水枯れ検知装置。」(1ページ4ないし17行) イ.「[実施例] 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。 第1図は本考案にかかる水枯れ検知装置の全体構成を示す図である。 同図に示すようにこの水枯れ検知装置は、自吸式ポンプ1と、吸い込み配管2と、吸い込み圧力検出部4と、演算評価手段5とによって構成されている。 以下各構成部分について説明する。 自吸式ポンプ1は、内部に入り込んだ空気を自己の運転により自動的に排出する機能を有するポンプであり、同図に示すように地上に設置されている。 吸い込み配管2はその上端が前記自吸式ポンプ1に接続され、その下端が井戸6の水源3に投入されている。 また吸い込み圧力検出部4は前記吸い込み配管2の前記自吸式ポンプ1近傍位置に取り付けられ、該吸い込み配管2内の圧力(負圧)を検出するとともに、該検出圧力を演算評価手段5に出力する。」(4ページ9行ないし5ページ10行) ウ.「次に第2図は演算評価手段5の構成を示すブロック図である。 同図に示すようにこの演算評価手段5は、CPU50、ROM51、内部タイマ52、RAM53、入出力装置(I/O)54を具備している。 ここで入出力装置54には吸い込み圧力検出部4からの圧力信号が入力され、またポンプ運転停止スイッチ55と水枯れ表示部56へ信号が出力される。 次に第3図は自吸式ポンプ1によって水源3から水を吸い上げた場合の吸い込み圧力検出部4における検出圧力の変化の状態を示す図である。 まず同図に示す2点鎖線は、吸い込み配管2内に水が入っていない状態から自吸式ポンプ1を運転して該自吸式ポンプ1内に水を吸い込み、さらに揚水を始めるまでの状態(いわゆる自吸状態)を示している。 この自吸状態においては、吸い込み配管2内にまだ水を吸い込んでいないとき(即ち吸上高さ0のとき)は、吸い込み圧力検出部4における圧力は最大(大気圧)である{同図は縦軸を負圧(マイナス)としているので、縦軸の高さが低いほど圧力が大きい}。そして吸い込み配管2内に水を吸い込めば吸い込むほど圧力は徐々に減少(即ち負圧は徐々に上昇)して行き、水が自吸式ポンプ1まで吸い上げられると該自吸式ポンプ1による揚水が開始され、圧力は揚水状態となる。 つぎに同図に示すのこぎり歯状の実線は、いわゆる水枯れ状態を示している。 即ち自吸式ポンプ1を運転している状態で水源3内の水が枯れると、吸い込み配管2の先端から空気を吸い込み、落水する。落水すると吸い込み配管2内の水が水源3に戻るため、吸い込み配管2の先端は水没し、自吸式ポンプ1は自吸運転となり、水は吸い込み配管2を徐々に上昇していく。しかしながらある程度自吸すると再び落水する。そしてこの状態は繰り返され、圧力は同図に示すようにのこぎり歯状となる。 次に第4図は演算評価手段5の動作フローを示す図である。 この演算評価手段5においては、吸い込み圧力検出部4における吸い込み圧力が通常の運転状態(揚水状態時又は自吸状態時)のとき(即ち第3図の2点鎖線の状態のとき)は自吸式ポンプ1の運転を継続するように制御する。一方水枯れ状態のとき(即ち第3図の実線の状態のとき)は第3図に示すのこぎり歯状の圧力変動を3回繰り返した場合にこれを水枯れと判断して自吸式ポンプ1の運転を停止せしめるように制御している。」(5ページ11行ないし7ページ19行) エ.技術常識から、引用文献1に記載された自吸式ポンプ1が、吸い込み配管2を介して吸込室に水を吸い込み、吸い込んだ水を吐出室に輸送するものであることが理解できる。 オ.上記ウ.の記載から、演算評価手段5は、吸い込み圧力に基づいて自吸式ポンプ1の運転を制御するものであることが理解できる。 (2)引用発明 上記(1)及び図面からみて、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「吸い込み配管2を介して吸込室に水を吸い込み、吸い込んだ水を吐出室に輸送する自吸式ポンプ1と、 前記吸い込み配管2の前記自吸式ポンプ1近傍位置に取り付けられ、該吸い込み配管2内の圧力である吸い込み圧力を検出する吸い込み圧力検出部4と、 前記吸い込み圧力に基づいて前記自吸式ポンプ1の運転を制御する演算評価手段5であって、前記自吸式ポンプ1を運転させて、前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返したか否かの判断を行う演算評価手段5と、 を備え、 前記演算評価手段5は、 前記判断にて前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返しておらず、通常の運転状態であると判断したとき、自吸式ポンプ1の運転を継続するように制御を行い、 前記判断にて前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返した場合には、水枯れと判断して自吸式ポンプ1の運転を停止せしめる、揚水装置の水枯れ検知装置。」 2.引用文献2(特開昭58-176492号公報)について 原査定の理由に引用された上記引用文献2には、「ポンプ」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。 「図において6はポンプケーシングであり、内部にはポンプ羽根車7を有し、吸込管8と吐出管9を接続している。前記ポンプケーシング6の吸込管8の接続部には吸込管8とポンプケーシング6の吸込側通路bを開通する弁座10が設けられ、この弁座10に対応して逆止弁11が設けられている。前記逆止弁11は背部に棒状のガイド部材12を有し、中心に軸方向に貫通し、一端が弁座側の端面に開通する貫通孔13を有している。この逆止弁11はポンプケーシング6の一部に設けられた逆止弁蓋14の内側に突出したガイド筒15内に前記ガイド部材12を挿入して作動ガイドされるようになっており、前記ガイド筒15内はガイド筒15とガイド部材12を覆うように設けられたベローズ16により密封されている。前記逆止弁蓋14の外側には前記ガイド筒15と連通したゲージ接続部17を設けている。このゲージ接続部17は筒をなし、その筒にねじ18を形成し、負圧ゲージ19を螺合により接続自在にしている。」(2ページ左上欄16行ないし右上欄14行) 3.引用文献3(特開平8-131497号公報)について 原査定の理由に引用された上記引用文献3には、「気泡浴槽のポンプ制御方法」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0025】具体的には、ポンプ圧が定常圧に到達した後において、吸込口12又は噴出口14における目詰りに基づいて送出管16内の圧力が異常に高くなったときに、ポンプ18を停止させるとともに表示ランプ32を点灯させる。また浴槽本体10内の浴槽水の水位不足により送出管16内の圧力が定常圧に到達しないときに、ポンプ18を停止させるとともに表示ランプ34を点灯させる。」 4.その他の文献について 前置報告書において周知技術を示す文献として引用された特開2007-327368号公報(以下、「引用文献4」という。)には、「自動給水装置のポンプ渇水保護装置」に関して、「給水運転中、井戸の水位が渇水水位へ低下すると、給水ポンプの運転を停止させ、予め設定した一定のインターバル時間が経過すると、給水ポンプを再始動させ、井戸の水位が回復するまで、ポンプ停止・ポンプ再始動を繰り返すという、制御を行なうとするものである。(段落【0005】)」との記載がある。 また、同様に前置報告書において周知技術を示す文献として引用された特開平8-203371号公報(以下、「引用文献5」という。)には、「チャタリング防止装置」に関して、「熱媒体を圧縮するコンプレッサに駆動電流を供給するためのマグネットスイッチを有する空気調和装置のチャタリング防止装置であって、前記マグネットスイッチから前記コンプレッサに供給される駆動電流を電流/電圧変換して駆動電圧信号として出力する電流/電圧変換手段と、駆動電圧信号の電圧及び所定の基準電圧に基づいてチャタリング検出信号を出力するチャタリング検出手段と、前記チャタリング検出信号が予め設定した第1所定時間以上出力された場合に前記マグネットスイッチを開状態とするチャタリング防止手段と、前記チャタリング防止手段により前記マグネットスイッチが開状態になってから第2所定時間経過後に前記マグネットスイッチを閉状態とし、前記コンプレッサを再起動する再起動手段と、前記チャタリング防止手段による前記マグネットスイッチを閉状態とする動作及び前記再起動手段による前記再起動動作が予め設定した回数以上行われた場合に警報処理を行う警報手段と、を備えて構成する。(段落【0006】)」との記載がある。 第5 対比・判断 1.本願発明2について 事案に鑑み、まず本願発明2について検討する。 本願発明2と引用発明とを対比すると、引用発明における「吸い込み配管2」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明2における「取水管」に相当し、以下同様に、「水」は「液体」に、「揚水装置の水枯れ検知装置」は「ポンプ装置」にそれぞれ相当する。 また、引用発明における「吸い込み配管2内の圧力である吸い込み圧力」と本願発明2の「吸込室の室内の圧力値である第1圧力値」とは、「吸い込み側圧力値」という限りにおいて一致し、引用発明における「前記吸い込み配管2の前記自吸式ポンプ1近傍位置に取り付けられ、該吸い込み配管2内の圧力である吸い込み圧力を検出する吸い込み圧力検出部4」と本願発明2における「前記吸込室の室内の圧力値である第1圧力値を検出する第1検出部」とは、「自吸式ポンプの吸い込み側の圧力値である吸い込み側圧力値を検出する圧力検出部」という限りにおいて一致する。 さらに、引用発明の「前記吸い込み圧力に基づいて前記自吸式ポンプ1の運転を制御する演算評価手段5」と本願発明2の「前記第1圧力値に基づいて前記自吸式ポンプの運転を制御する回路」とは、「前記吸い込み側圧力値に基づいて前記自吸式ポンプの運転を制御する回路」という限りにおいて一致するとともに、引用発明における「前記自吸式ポンプ1を運転させて、前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返したか否かの判断を行う演算評価手段5と、を備え、前記演算評価手段5は、前記判断にて前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返しておらず、通常の運転状態であると判断したとき、自吸式ポンプ1の運転を継続するように制御をおこない、前記判断にて前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返した場合には、水枯れと判断して自吸式ポンプ1の運転を停止せしめる」ことと、本願発明2における「前記自吸式ポンプを第1の所定時間運転させた後、前記第1圧力値が、前記吸込室に液体を吸い込むことが可能となる負圧である第1閾値以下であるか否かの判断を行う制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下であると判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を継続する第1制御を行い、前記判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下でないと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を停止する第2制御を行」うこととは、「前記自吸式ポンプの運転開始後、前記吸い込み側圧力値が、所定の条件を満たすか否かの判断を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記判断にて前記吸い込み側圧力値が所定の条件を満たすと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を継続する第1制御を行い、前記判断にて前記吸い込み側圧力値が所定の条件を満たさないと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を停止する第2制御を行」うことという限りにおいて一致する。 したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。 [一致点] 「取水管を介して吸込室に液体を吸い込み、吸い込んだ液体を吐出室に輸送する自吸式ポンプと、 前記自吸式ポンプの吸い込み側の圧力値である吸い込み側圧力値を検出する圧力検出部と、 前記吸い込み側圧力値に基づいて前記自吸式ポンプの運転を制御する回路であって、 前記自吸式ポンプの運転開始後、前記吸い込み側圧力値が、所定の条件を満たすか否かの判断を行う制御手段と、 を備え、 前記制御手段は、 前記判断にて前記吸い込み側圧力値が所定の条件を満たすと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を継続する第1制御を行い、 前記判断にて前記吸い込み側圧力値が所定の条件を満たさないと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を停止する第2制御を行う、ポンプ装置。」 [相違点1] 「自吸式ポンプの吸い込み側の圧力値である吸い込み側圧力値を検出する圧力検出部」に関して、 本願発明2においては、「吸込室の室内の圧力値」である第1圧力値を検出する第1検出部であるのに対し、 引用発明においては、吸い込み配管2の自吸式ポンプ1近傍位置に取り付けられ、該吸い込み配管2内の圧力である吸い込み圧力を検出する吸い込み圧力検出部4である点。 [相違点2] 「前記自吸式ポンプの運転開始後、前記吸い込み側圧力値が、所定の条件を満たすか否かの判断を行う制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記判断にて前記吸い込み側圧力値が所定の条件を満たすと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を継続する第1制御を行い、前記判断にて前記吸い込み側圧力値が所定の条件を満たさないと判断したとき、前記自吸式ポンプの運転を停止する第2制御を行」うことに関して、 本願発明2においては、「前記自吸式ポンプを第1の所定時間運転させた後、前記第1圧力値が、前記吸込室に液体を吸い込むことが可能となる負圧である第1閾値以下であるか否かの判断を行う制御回路」と、を備え、前記制御回路は、「前記判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下であると判断したとき」、前記自吸式ポンプの運転を継続する第1制御を行い、「前記判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下でないと判断したとき」、前記自吸式ポンプの運転を停止する第2制御を行うことであるのに対し、 引用発明においては、前記自吸式ポンプ1を運転させて、前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返したか否かの判断を行う演算評価手段5と、を備え、前記演算評価手段5は、前記判断にて前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返しておらず、通常の運転状態であると判断したとき、自吸式ポンプ1の運転を継続するように制御をおこない、前記判断にて前記吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返した場合には、水枯れと判断して自吸式ポンプ1の運転を停止せしめることである点。 [相違点3] 本願発明2においては、「前記第2制御にて前記自吸式ポンプの運転を第2の所定時間停止させた後、前記自吸式ポンプの運転を再開し、当該自吸式ポンプを前記第1の所定時間運転させた後、再び前記判断を行い、その結果に応じて前記第1制御と前記第2制御とを選択的に行い、前記第2制御において、前記自吸式ポンプの運転を前記第2の所定時間停止させる回数が予め設定したリトライ回数に達すると警報出力処理を行う」ものであるのに対し、 引用発明においては、水枯れと判断して自吸式ポンプ1の運転を停止せしめた後、自吸式ポンプの運転を再開するものとされておらず、リトライを繰り返し、予め設定したリトライ回数に達すると警報出力処理を行うものとされていない点。 事案に鑑み、まず上記相違点2について検討する。 引用発明は、自吸式ポンプ1を運転させて、吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返したか否かを判断するものであり、自吸式ポンプを第1の所定時間運転させた後、検出した吸い込み圧力を、吸込室に液体を吸い込むことが可能となる負圧である第1閾値と比較するものではない。 そして、自吸式ポンプにおいて、自吸式ポンプを第1の所定時間運転させた後、吸い込み圧力を吸込室に液体を吸い込むことが可能となる負圧である第1閾値と比較することにより、取水槽(水源)の水枯れを判断することは、引用文献1に記載も示唆もなく、また、引用文献2ないし5のいずれにも記載も示唆もない。 また、引用発明は、吸い込み圧力が、略大気圧と任意圧力の間の上下動を所定の時間内に所定回数繰り返したか否かを判断して、水源の水枯れを判断するものであるから、自吸式ポンプを第1の所定時間運転させた後、吸い込み圧力を吸込室に液体を吸い込むことが可能となる負圧である第1閾値と比較するようにする動機づけも見あたらない。 そうすると、当業者といえども、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された事項から、相違点2に係る本願発明2の発明特定事項を、容易に想到することはできない。 したがって、上記相違点1及び3について検討するまでもなく、本願発明2は、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 2.本願発明1について 本願発明1は、本願発明2において、さらに、「前記吐出室の室内の圧力値である第2圧力値を検出する第2検出部」を備えること、前記自吸式ポンプを第1の所定時間運転させた後、「前記第2圧力値が、前記吐出室から液体を吐き出すことが可能となる陽圧である第2閾値以上であるか否かの第2判断」を行うこと、及び、前記第1判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下であると判断し、「且つ、前記第2判断にて前記第2圧力値が前記第2閾値以上であると判断したとき、」前記自吸式ポンプの運転を継続する第1制御を行い、前記第1判断にて前記第1圧力値が前記第1閾値以下でないと判断するか、「又は、前記第2判断にて前記第2圧力値が前記第2閾値以上でないと判断したとき、」前記自吸式ポンプの運転を停止する第2制御を行うことを発明特定事項として付加したものであるから、本願発明2と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 原査定について 審判請求時の補正により、本願発明1及び2は「前記第2制御において、前記自吸式ポンプの運転を前記第2の所定時間停止させる回数が予め設定したリトライ回数に達すると警報出力処理を行う」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1ないし3に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、本願の請求項1及び2に係る発明は、引用発明及び引用文献2ないし5に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-010880

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