特許拒絶査定不服審判
2018-001786
冷却装置及び多室型熱処理装置
- 審判番号
- 2018-001786
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-111545
- 請求日
- 2018年02月07日
- 審決日
- 2019年03月04日
- 公報発行日
- 2019年04月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社IHI
- 【請求人代理人】西澤 和純
- 【請求人代理人】寺本 光生
- 【請求人代理人】清水 雄一郎
- 【請求人代理人】高橋 久典
- 【請求人】株式会社IHI機械システム
- 【請求人代理人】西澤 和純
- 【請求人代理人】寺本 光生
- 【請求人代理人】清水 雄一郎
- 【請求人代理人】高橋 久典
- 審判長/審判官
- 審判長 亀ヶ谷 明久
- 審判官 ▲辻▼ 弘輔
- 審判官 板谷 一弘
- 分類
- P18 .121-WY (C21D) / P18 .537-WY (C21D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-111545「冷却装置及び多室型熱処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月14日出願公開、特開2015-224381、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年 5月29日の出願であって、平成29年 7月 7日付けで拒絶理由が通知され、同年9月6日付けで意見書が提出されるとともに手続補正(以下、「手続補正1」という。)がされ、同年10月27日付けで拒絶査定がされ、平成30年 2月 7日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正(以下、これを「手続補正2」という。)がされ、同年 4月 4日付けで前置報告がされたものである。
その後、平成30年12月 4日付けで、当審により拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成31年 1月22日付けで意見書が提出されるとともに手続補正(以下、これを「手続補正3」という。)がされた。
第2 原査定の概要
原査定は、手続補正1によって補正された特許請求の範囲の請求項1~4に係る発明について、後記第5に示す引用文献1~5に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由は、手続補正2によって補正された特許請求の範囲の請求項1~4に係る発明について、発明の詳細な説明に記載されたものであるとはいえず、また、同請求項2~4に係る発明について、特許を受けようとする発明が明確であるとはいえないから、本願は特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない、というものである。
第4 本願発明
本願請求項1、2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明2」という。)は、手続補正3によって補正された特許請求の範囲の請求項1、2に記載される、次のとおりのものである。
「 【請求項1】
縦型円筒形の冷却チャンバーと、
該冷却チャンバーの内部に収容した被処理物の周囲に配置され、前記被処理物に向けて冷却媒体を噴霧する複数の冷却ノズルと、
該冷却ノズルに連通するヘッダ管と、
該ヘッダ管に冷却媒体を供給する冷却ポンプと、を少なくとも備え、
前記複数の冷却ノズルは、該冷却チャンバーの鉛直方向と周方向とのそれぞれにおいて所定数にグループ分けされ、
前記ヘッダ管は、該冷却チャンバーの内面に沿って円弧状に形成設定されており、
前記複数の冷却ノズルの各グループ毎に設けられ、
前記複数の冷却ノズルは、前記被処理物の側方において上下方向に多段に設けられ、
最上段の前記冷却ノズルは、前記被処理物の上端よりも高い位置に配置され、かつ、他の段の前記冷却ノズルよりも内側に配置され、
前記複数の冷却ノズルの噴霧角及び互いに隣り合う冷却ノズルの間隔は、隣り合うノズルからそれぞれ噴射された液滴が、被処理物に到着する前に互いに交差または衝突するように設定される
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
被処理物を加熱する加熱装置と、
請求項1に記載の冷却装置と
を備えることを特徴とする多室型熱処理装置。」
第5 引用文献と引用発明について
1 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献は、以下の引用文献1~5である。ここには、前置報告にて新たに引用された引用文献6~9についても合わせて示す。
1.特開2014-095548号公報
2.特開2007-092088号公報
3.特開2009-113067号公報
4.特開平11-254022号公報
5.特開2007-083287号公報
6.特開平8-238518号公報
7.特開平7-062426号公報
8.特開2014-051695号公報
9.国際公開第2012/002532号
2 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審による。)。
「【0033】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態に係る真空熱処理炉100の全体構成図である。
真空熱処理炉(熱処理装置)100は、被処理物Mに対して焼き入れ等の熱処理を施すものであって、加熱室110と、冷却室120とが隣接して配置されている。加熱室110と冷却室120との間には隔壁130が設けられ、隔壁130の開放時に、被処理物Mを加熱室110から冷却室120へ移動させ、冷却室120内で被処理物Mを冷却できる構成となっている。
【0034】
被処理物Mは、真空熱処理炉100によって1つづつ熱処理が施されるものであり、所定量の炭素を含有した鋼等の金属材料(合金含む)によって形成されている。また、本実施形態の被処理物Mは、略直方体状に形成されている。
【0035】
本発明は、冷却室120における冷却処理に特徴を有しているため、以下、冷却室120について詳述する。
図2は、本実施形態における冷却室120の正面断面図である。なお、以下、図2における紙面右側を単に「右側」(左側も同様)と、紙面上方を単に「上方」(下方も同様)と称する。
冷却室120は、その外殻を形成する略円筒状の真空容器1を有している。また、冷却室120には、搬送部10と、ミスト供給部20と、気体供給部(調整部)30と、温度計測部40と、制御部(制御部、第2制御部)50とが設けられている。
【0036】
搬送部10は、被処理物Mを水平方向に沿った所定の方向で搬送するものであって、互いに間隔を空けて対向配置され被処理物Mの搬送方向に延在する一対の支持フレーム11と、各支持フレーム11の対向する面に回転自在に、且つ上記搬送方向に所定間隔を空けて設けられた複数のローラ12と、鉛直方向に沿って設けられ支持フレーム11の両端部を指示する第2支持フレーム13とを有している。
なお、以下の説明においては、搬送部10による被処理物Mの搬送方向を単に搬送方向と称する。
【0037】
ミスト供給部20は、冷却室120内に冷却液をミスト状に供給することによって被処理物Mを冷却するものであって、冷却液供給管21と、冷却液回収・供給系22とを備えている。
なお、本実施形態の冷却液としては、例えば水、油、ソルト又はフッ素系不活性液体等が用いられる。
【0038】
冷却液供給管21は、搬送方向で延在する管状の部材であり、搬送部10による被処理物Mの搬送経路を中心として、真空容器1の周方向に略等間隔(ここでは90°間隔)で複数(ここでは4つ)設けられている。より詳細には、冷却液供給管21は、水平方向から±45°の位置に設けられている。各冷却液供給管21は、冷却室120の搬送方向での長さに亘る長さで形成されている。
各冷却液供給管21には、搬送部10上に載置された被処理物Mに向けて冷却液をミスト状に噴射する噴射部23が長さ方向全体に亘って、それぞれ所定間隔を空けて複数設けられている。
【0039】
なお、冷却液供給管21及び噴射部23の配置としては、ミスト状の冷却液が重力の影響を受けることから、供給量に差が生じる可能性がある上下方向を避けることが好ましく、好適には、水平方向に沿ってミスト状の冷却液を供給する。ただし、上下方向に沿って冷却液を供給する場合には、重力による影響を考慮して供給量を異ならせればよい。また、冷却液供給管21を4つではなく、例えば3つ配置する場合には、鉛直成分を極力減らすためにも、天頂部と、この天頂部を挟んで±120°の位置に配置することが好ましい。
【0040】
冷却液回収・供給系22は、冷却室120内に供給された冷却液を回収する排液管24と、排液管24に接続されると共に回収された排液を冷却する熱交換器25と、冷却液供給管21に冷却液を送液する配管26と、熱交換器25で冷却された冷却液を配管26を介して冷却液供給管21に送液するポンプ27と、後述する制御部50からの指示に従いポンプ27の動作を制御するインバータ28と、被処理物Mからの受熱により気化した冷却液を液化する液化器(液化トラップ)29とを有している。
【0041】
気体供給部(調整部)30は、冷却室120内の気圧を調整するための気圧調整ガスを冷却室120内に供給すると共に、該気圧調整ガスによって冷却室120内におけるミスト状の冷却液の流動方向を調整するためのものである。気体供給部30は、気体供給管(管体)31と、気体回収・供給系32とを備えている。
なお、本実施形態の気体調整ガスとしては、例えばアルゴン、ヘリウム、窒素等の不活性ガスが用いられる。」
「【図1】
」
「【図2】
」
3 前記2によれば、引用文献1には、冷却室120を備える熱処理装置が記載されており、当該冷却室120に、搬送部10、ミスト供給部20、冷却液供給管21、及び冷却液回収・供給系22、気体供給部(調整部)30が設けられている。
これと、段落【0035】~【0036】の冷却室120の全体と搬送部10についての記載と、段落【0037】~【0040】のミスト供給部20、冷却液供給管21、及び冷却液回収・供給系22についての記載と、段落【0041】の気体供給部(調整部)30についての記載と、図1、図2を総合すると、引用文献1には、以下の引用発明が記載されているといえる。
[引用発明]
「加熱された被処理物を冷却する冷却室120を備える熱処理装置であって、
前記冷却室120は、その外殻を形成する略円筒状の真空容器1を有し、
前記冷却室120には、搬送部10と、ミスト供給部20と、気体供給部(調整部)30が設けられ、
前記搬送部10は、被処理物を水平方向に沿った所定の方向で搬送するものであり、
前記ミスト供給部20は、前記冷却室120内に冷却液をミスト状に供給することによって前記被処理物を冷却するものであって、冷却液供給管21と、冷却液回収・供給系22とを備えており、
前記冷却液供給管21は、搬送方向で延在する管状の部材であり、前記搬送部10による前記被処理物の搬送経路を中心として、水平方向から±45°の位置に4つ設けられているとともに、各冷却液供給管21には、噴射部23が長さ方向全体に亘って複数設けられており、
前記冷却液回収・供給系22は、前記冷却液供給管21に冷却液を送液する配管26と、冷却液を前記配管26を介して前記冷却液供給管21に送液するポンプ27とを有しており、
前記気体供給部(調整部)30は、前記冷却室120内の気圧を調整するための気圧調整ガスを前記冷却室120内に供給すると共に、該気圧調整ガスによって冷却室120内におけるミスト状の冷却液の流動方向を調整するためのものである、
熱処理装置。」
第6 当審の判断
1 原査定についての判断
(1)本願発明1が、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるかどうかについて検討する。
ア 本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明1の「冷却室120」は、「その外殻を形成する略円筒状の真空容器1を有」するから、「円筒形」である。
ゆえに、引用発明1の「冷却室120」は、本願発明1の「縦型円筒形の冷却チャンバー」との事項について、「円筒形」の「冷却チャンバー」である点で一致する。
(イ)引用発明1の「ミスト供給部20」は、「前記冷却室120内に冷却液をミスト状に供給することによって前記被処理物を冷却する」ものであるから、当該「ミスト供給部20」が備える「噴射部23」は、冷却液を「噴霧」するものであるといえる。
また、「噴射部23」は、各「冷却液供給管21」において、「長さ方向全体に亘って複数設けられて」いるものである。
ゆえに、当該「噴射部23」は、本願発明1の「該冷却チャンバーの内部に収容した被処理物の周囲に配置され、前記被処理物に向けて冷却媒体を噴霧する複数の冷却ノズル」に相当する。
(ウ)引用発明1の「冷却液供給管21」は、本願発明1の「冷却ノズル」に相当する「噴射部23」が「長さ方向全体に亘って複数設けられて」いるものであるから、本願発明1の「該冷却ノズルに連通するヘッダ管」に相当する。
(エ)引用発明1の「冷却液供給管21」は、「水平方向から±45°の位置に4つ設けられている」から、「冷却室120」の鉛直方向において4つにグループ分けされたものであるといえる。
ゆえに、引用発明1において、「噴射部23」が複数設けられた「冷却液供給管21」が、「水平方向から±45°の位置に4つ設けられている」との事項は、本願発明1の「前記複数の冷却ノズルは、該冷却チャンバーの鉛直方向と周方向とのそれぞれにおいて所定数にグループ分けされ」との事項のうち、「前記複数の冷却ノズル」は「冷却チャンバーの鉛直方向」において「所定数にグループ分けされ」るという点に関し一致する。
また、引用発明1の当該事項は、本願発明1の「前記ヘッダ管は、該冷却チャンバーの内面に沿って円弧状に形成設定されており、前記複数の冷却ノズルの各グループ毎に設けられ」との事項のうち、「前記ヘッダ管」は「前記複数の冷却ノズルの各グループ毎に設けられ」る点に関し一致する。
さらに、引用発明1の当該事項は、本願発明1の「前記複数の冷却ノズルは、前記被処理物の側方において上下方向に多段に設けられ」との事項に関しても一致する。
(オ)引用発明1の「冷却液を前記配管26を介して前記冷却液供給管21に送液するポンプ27」は、本願発明1の「該ヘッダ管に冷却媒体を供給する冷却ポンプ」に相当する。
(カ)したがって、本願発明1と、引用発明とは、以下の点で一致し、以下の点で相違する。
(一致点)
「円筒形の冷却チャンバーと、
該冷却チャンバーの内部に収容した被処理物の周囲に配置され、前記被処理物に向けて冷却媒体を噴霧する複数の冷却ノズルと、
該冷却ノズルに連通するヘッダ管と、
該ヘッダ管に冷却媒体を供給する冷却ポンプと、を少なくとも備え、
前記複数の冷却ノズルは、該冷却チャンバーの鉛直方向において、所定数にグループ分けされ、
前記複数の冷却ノズルの各グループ毎に設けられ、
前記複数の冷却ノズルは、前記被処理物の側方において上下方向に多段に設けられる、
冷却装置。」
相違点1
「円筒形」の「冷却チャンバー」に関し、本願発明1は「縦型」であるのに対し、引用発明は「縦型」ではない点。
相違点2
「複数の冷却ノズル」に関し、本願発明1は「該冷却チャンバー」の「周方向」において「所定数にグループ分けされ」るのに対し、引用発明は、「該冷却チャンバー」の「周方向」において「所定数にグループ分けされ」るものではない点。
相違点3
「該冷却ノズルに連通するヘッダ管」に関し、本願発明1は「該冷却チャンバーの内面に沿って円弧状に形成設定されて」いるのに対し、引用発明は、そのように形状設定されているものではない点。
相違点4
「最上段の前記冷却ノズル」に関し、本願発明1は「前記被処理物の上端よりも高い位置に配置され、かつ、他の段の前記冷却ノズルよりも内側に配置され」るのに対し、引用発明は、そのような規定がない点。
相違点5
「前記複数の冷却ノズルの噴霧角及び互いに隣り合う冷却ノズルの間隔」に関し、本願発明1は「隣り合うノズルからそれぞれ噴射された液滴が、被処理物に到着する前に互いに交差または衝突するように設定される」のに対し、引用発明は、そのような規定がない点。
イ 相違点1について検討する。
(ア)引用発明は「前記搬送部10は、被処理物を水平方向に沿った所定の方向で搬送するものであり」との事項が規定されているから、このような「搬送部」が設けられた「円筒形」の「冷却チャンバー」である「冷却室120」は、「横型」のものであるというべきである。
(イ)ここで、引用発明において、「搬送方向」を「水平方向」に維持したまま、「円筒形」の「冷却チャンバー」である「冷却室120」を「横型」から「縦型」に変更することは、引用文献1~9の記載に加え、技術常識を総合考慮しても、そのように動機付けられるところはないから、当業者が容易に想到し得たということはできない。
(ウ)また、引用発明においては、「前記搬送部10は、被処理物を水平方向に沿った所定の方向で搬送するものであり」との事項に対応して、「冷却液供給管21」が、「搬送方向で延在する管状の部材であ」ることや、「前記搬送部10による前記被処理物の搬送経路を中心として、水平方向から±45°の位置に4つ設けられている」ことや、「各冷却液供給管21には、噴射部23が長さ方向全体に亘って複数設けられて」いることが規定されているものといえるから、引用発明においては、被処理物が水平方向に沿った所定の方向で搬送されることが前提となっている。
(エ)そうすると、引用発明において、「搬送方向」を「水平方向」から「鉛直方向」に変更して、「円筒形」の「冷却チャンバー」である「冷却室120」を「横型」から「縦型」に変更することは、引用発明の前提を覆すほどの変更であるところ、引用文献1~9の記載に加え、技術常識を総合考慮しても、当業者がそのような変更を容易に想到し得たとは到底いうことができない。
(オ)ゆえに、当業者は、引用発明に基づき、引用文献1~9の記載を総合しても、相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を容易に想到し得たとはいえない。
ウ したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、引用文献1に記載された発明を主たる引用発明とした場合に、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
エ また、引用文献2~9のいずれかから主たる引用発明を認定したとしても、当業者が本願発明1を容易に発明をすることができたものであるといえる根拠は見いだせない。
オ よって、本願発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。
(2)本願発明2についても、本願発明1を引用するものであって、本願発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから、同様にして、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえない。
2 当審拒絶理由についての判断
(1)当審拒絶理由においては、「複数の冷却ノズル」が、冷却チャンバーの鉛直方向と周方向のそれぞれにおいてグループ分けされることが特定されていない請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明において、本願課題を解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものであるから、請求項1に係る発明及びこれを引用する請求項2~4に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではないと指摘した。
これに対し、手続補正3によって、請求項1に係る発明が前記第4のとおりに補正され、「前記複数の冷却ノズルは、該冷却チャンバーの鉛直方向と周方向とのそれぞれにおいて所定数にグループ分けされ、」との事項を備えるものになった結果、この拒絶理由は解消した。
(2)当審拒絶理由においては、請求項2に記載の「前記複数の冷却ノズルは、前記被処理物の側方において2以上にグループ分けされる」との事項が明確ではないから請求項2に係る発明及びこれを引用する請求項3、4に係る発明は特許を受けようとする発明が明確でないと指摘し、また、請求項3に記載の「前記ヘッダ管は、前記被処理物の周囲において前記冷却ノズルとの距離が等距離となるように形状設定されている」との事項が明確ではないから請求項3に係る発明及びこれを引用する請求項4に係る発明は特許を受けようとする発明が明確でないと指摘した。
これに対し、手続補正3によって、特許請求の範囲が前記第4のとおりに補正され、明確でないと指摘した事項を備える請求項2及び3が削除された結果、この拒絶理由は解消した。
第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由及び当審拒絶理由のいずれによっても、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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