特許訂正審判
2017-390007
作業車の走行装置
- 審判番号
- 2017-390007
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2005-158739
- 登録番号
- 特許第4890790号(P4890790)
- 請求日
- 2017年01月25日
- 審決日
- 2017年06月14日
- 公報発行日
- 2017年09月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 アイチコーポレーション
- 【請求人代理人】大西 正悟
- 【請求人代理人】川野 宏
- 【請求人代理人】並木 敏章
- 審判長/審判官
- 審判長 伊藤 元人
- 審判官 槙原 進
- 審判官 三島木 英宏
- 分類
- P141 .851-Y (B66F) / P141 .853-Y (B66F) / P141 .841-Y (B66F) / P141 .854-Y (B66F) / P141 .855-Y (B66F) / P141 .856-Y (B66F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4890790号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4890790号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4890790号(以下、「本件特許」ともいう。)は、平成17年5月31日を出願日とする特願2005-158739号として特許出願され、平成23年12月22日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、平成29年1月25日に本件訂正審判の請求がされ、平成29年2月17日付けで手続補正指令書(方式)による指令がされ、これに対して、平成29年3月10日に手続補正書が提出されたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第4890790号の明細書及び特許請求の範囲を本件訂正審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正すること(以下、「本件訂正」という。)を認める、との審決を求めるものである。
第3 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、平成29年3月10日に提出された手続補正書により補正された審判請求書の記載によると、次のとおりである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「前記第1の故障検出手段により前記舵角検出手段の故障が検出されているとき、」と記載されているのを、「前記第1の故障検出手段により、前記舵角検出手段からの出力信号が所定範囲内のものでなくて前記舵角検出手段が故障であると検出されているとき、」に訂正する(下線は訂正箇所を示す。)。
2 訂正事項2
明細書の段落【0006】に、「第1の故障検出手段により舵角検出手段の故障が検出されているとき、」と記載されているのを、「第1の故障検出手段により、舵角検出手段からの出力信号が所定範囲内のものでなくて舵角検出手段が故障であると検出されているとき、」に訂正する(下線は訂正箇所を示す。)。
第4 当審の判断
上記訂正事項1及び2について、訂正要件を満たすか(特許法第126条第1項ただし書第1ないし4号に掲げる事項のいずれかを目的とし、また、同条第5ないし7項の規定に適合するものであるか)を以下に検討する。
ここで、検討に際し、本件特許に係る願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面を、以下、「特許明細書等」といい、また、本件特許に係る願書に添付した明細書を、以下、「特許明細書」という。
なお、本件訂正審判の請求は、特許権全体に対して請求するものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合するかについては検討しない。
1 本件訂正の目的の適否について
(1)訂正事項1について
まず、訂正事項1において、「前記舵角検出手段の故障が検出されているとき」という発明特定事項(以下、「前者の事項」という。)を「前記舵角検出手段が故障であると検出されているとき」という発明特定事項(以下、「後者の事項」という。)と訂正することについて検討すると、特許明細書の段落【0026】における「先ず、舵角検出器62が故障した場合について説明する。舵角検出器62が故障してその出力が異常なものとなっている場合(例えば舵角検出器62からの出力信号の電圧が所定範囲内のものでなかった場合)、舵角検出器62の故障がコントローラ50によって検出される。」(下線は、当審で付したものである。)との記載によれば、前者の事項と後者の事項とは、表現が異なるだけで、その技術的意義及び内容において実質的に差異はない。
次に、訂正事項1において、訂正後に「前記舵角検出手段からの出力信号が所定範囲内のものでなくて」を追加することについて検討すると、訂正前の「前記舵角検出手段の故障が検出されているとき」という発明特定事項について、直列的に限定事項を付加するものである。
以上を総合すると、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、段落【0006】の記載を訂正後の請求項1の記載と整合させるものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
2 本件訂正が特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて
(1)訂正事項1について
特許明細書の段落【0026】には、次の記載がされている。
・「先ず、舵角検出器62が故障した場合について説明する。舵角検出器62が故障してその出力が異常なものとなっている場合(例えば舵角検出器62からの出力信号の電圧が所定範囲内のものでなかった場合)、舵角検出器62の故障がコントローラ50によって検出される。」(下線は当審で付した。)
この記載によれば、特許明細書等には、訂正事項1に係る訂正後の「前記第1の故障検出手段により、前記舵角検出手段からの出力信号が所定範囲内のものでなくて前記舵角検出手段が故障であると検出されているとき、」という事項は、特許明細書等に記載されている。
したがって、訂正事項1は、特許明細書等ののすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるから、特許明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、段落【0006】の記載を訂正後の請求項1の記載と整合させるものであるから、上記(1)の検討を踏まえると、同様の理由により、特許明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
3 本件訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
(1)訂正事項1
訂正事項1は、請求項1の記載において発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(2)訂正事項2
訂正事項2は、訂正事項1に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであるから、上記(1)と同様の理由により、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
4 独立特許要件について
訂正事項1が請求項1についての訂正であり、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2及び3も訂正事項1により訂正されることになる。
そうすると、上記のとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項1ないし3に記載されている事項により特定される発明(以下、「本件訂正発明1ないし3」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないところ、本件訂正発明1ないし3が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
なお、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1及び3号に掲げる事項を目的とし、また、同条第5ないし7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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