特許拒絶査定不服審判
2017-017009
セラミック電子部品
- 審判番号
- 2017-017009
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-082177
- 請求日
- 2017年11月16日
- 審決日
- 2018年12月17日
- 公報発行日
- 2019年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社村田製作所
- 【請求人代理人】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 酒井 朋広
- 審判官 田中 慎太郎
- 審判官 山澤 宏
- 分類
- P18 .575-Z (H01G) / P18 .121-Z (H01G) / P18 .537-Z (H01G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013- 82177「セラミック電子部品」拒絶査定不服審判事件〔平成26年10月30日出願公開、特開2014-207254〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成25年4月10日の出願であって、平成28年10月27日付け拒絶理由通知に対して同年12月14日付けで手続補正がなされ、平成29年3月6日付け拒絶理由通知に対して同年4月28日付けで意見書が提出されたが、同年8月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月16日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。
第2 平成29年11月16日付けの手続補正書についての却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年11月16日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.本件補正
平成29年11月16日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1については、本件補正前(平成28年12月14日付け手続補正書参照。)に、
「【請求項1】
内部電極の端部が表面に露出しているセラミック素体と、
前記セラミック素体の上に設けられた外部電極と、
を備え、
前記外部電極は、共材を含む下地電極層と、最外層を構成しているCuめっき膜とを有し、
前記Cuめっき膜のCu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上である、セラミック電子部品。」
とあったものが、
「【請求項1】
内部電極の端部が表面に露出しているセラミック素体と、
前記セラミック素体の上に設けられた外部電極と、
を備え、
前記外部電極は、共材を含む下地電極層と、最外層を構成しているCuめっき膜とを有し、
前記Cuめっき膜のCu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上であり、
前記Cuめっき膜は光沢剤を含有しており、
前記セラミック素体の厚み寸法T、長さ寸法L及び幅寸法Wが、以下の特定の範囲とされている、セラミック電子部品。
T≦W<L
1/5W≦T≦1/2W
0.05≦T≦0.3mm
0.4mm≦L≦1mm
0.3mm≦W≦0.5mm」
と補正された。
上記補正は、本件補正前の請求項1において、Cuめっき膜が「光沢剤を含有して」いることの限定を付加するとともに、セラミック素体の寸法を限定したものである。
よって、本件補正は、補正前の請求項に記載された発明を特定するために必要な事項の限定を目的にするものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
2.独立特許要件について
そこで、本件補正の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて以下検討する。
2-1.特許法第36条第6項第1号違反
(1)本件補正の請求項1において、「Cuめっき膜は光沢剤を含有して」(下線は当審において付与した。)いることが記載されている。しかし、「光沢剤」について、本願明細書の段落【0058】、【0066】には「めっき浴」(下線は当審において付与した。)に光沢剤を添加することは記載されているものの、当該「めっき浴」を用いて形成された「Cuめっき膜」に光沢剤が含有されることまで明記されていない。
また、光沢剤が添加されためっき浴を用いてめっき膜を形成した場合に、形成されためっき膜内にめっき浴中の光沢剤が取り込まれ、結果として、めっき膜にも光沢剤が含有されるような現象も一応想定はできるが、本願明細書等の記載を参酌しても、そのような現象が必ず発生するものであることを示すような記載は認められない。
従って、Cuめっき膜に光沢剤を含有させることが明記されておらず、また、光沢剤が添加されためっき浴を用いた場合、形成されためっき膜にも光沢剤が含有されるような現象が、必ず発生するものであるとも認められないから、本件補正の請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。
よって、本願補正発明は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に既定する要件を満たしていないから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
2-2.特許法第36条第6項第2号違反
(1)本件補正の請求項1において、
「T≦W<L
1/5W≦T≦1/2W」(下線は当審において付与した。)
と記載されており、前段の行において、厚み寸法Tと幅寸法Wとが等しい場合を含んでよい旨を特定している一方、後段の行においては、厚み寸法Tが最大でも1/2Wであり、厚み寸法Tと幅寸法Wとが等しい場合を含まない旨の特定がされている。
したがって、前後の行で記載が矛盾しており、この点において、本件補正の請求項1に係る発明は明確なものではない。
よって、本願補正発明は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に既定する要件を満たしていないから、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
2-3.予備的見解(特許法第29条第2項)
上記「2-1.特許法第36条第6項第1号違反」で示したように、本願補正発明は発明の詳細な説明に記載したものではないと判断されるものの、仮に、光沢剤が添加されためっき浴を用いた場合、形成されためっき膜にも光沢剤が含有されるような現象が必ず発生するものであり、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に既定する要件を満たしているものとして、本願補正発明が、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるのか否かについても判断を示す。
(1)引用例
(1-1)原査定の拒絶の理由に引用された特開2012-28458号公報(平成24年2月9日公開。以下「引用例1」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付与した。)
ア.「【0012】
(第1の実施形態)
以下、本発明の好ましい実施形態について、図1に示すセラミック電子部品1を例に挙げて説明する。但し、セラミック電子部品1は、単なる例示である。本発明は、以下に示すセラミック電子部品1及びその製造方法に何ら限定されない。
【0013】
図1は、第1の実施形態に係るセラミック電子部品の略図的斜視図である。図2は、第1の実施形態に係るセラミック電子部品の略図的側面図である。図3は、図1の線III-IIIにおける略図的断面図である。図4は、第1の実施形態に係るセラミック電子部品の一部分を拡大した略図的断面図である。
【0014】
まず、図1~図4を参照しながら、セラミック電子部品1の構成について説明する。
【0015】
図1~図3に示すように、セラミック電子部品1は、セラミック素体10を備えている。セラミック素体10は、セラミック電子部品1の機能に応じた適宜のセラミック材料からなる。具体的には、セラミック電子部品1がコンデンサである場合は、セラミック素体10を誘電体セラミック材料により形成することができる。誘電体セラミック材料の具体例としては、例えば、BaTiO3、CaTiO3、SrTiO3、CaZrO3などが挙げられる。なお、セラミック素体10には、所望するセラミック電子部品1の特性に応じて、上記セラミック材料を主成分として、例えば、Mn化合物、Mg化合物、Si化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物、希土類化合物などの副成分を適宜添加してもよい。」
イ.「【0021】
セラミック素体10の寸法は、特に限定されないが、セラミック素体10の厚み寸法をT、長さ寸法をL、幅寸法をWとしたときに、セラミック素体10は、T≦W<L、1/5W≦T≦1/2W、T≦0.3mmを満たす薄型のものであることが好ましい。具体的には、0.1mm≦T≦0.3mm、0.4mm≦L≦1mm、0.2mm≦W≦0.5mmであることが好ましい。」
ウ.「【0024】
図3に示すように、第1の内部電極11は、長さ方向L及び幅方向Wに沿って延びるように形成されている。第1の内部電極11は、セラミック素体10の第1の端面10eに露出しており、第1の端面10eから第2の端面10f側に向かって延びている。第1の内部電極11は、第2の端面10f、第1及び第2の側面10c、10dのそれぞれには至っていない。一方、第2の内部電極12も、長さ方向L及び幅方向Wに沿って延びるように形成されている。第2の内部電極12は、図3に示すように、セラミック素体10の第2の端面10fに露出しており、第2の端面10fから第1の端面10e側に向かって延びている。第2の内部電極12は、第1の端面10e、第1及び第2の側面10c、10dのそれぞれには至っていない。第1及び第2の内部電極11,12は、幅方向Wにおいて同じ位置に形成されている。このため、第1の内部電極11と第2の内部電極12とは、セラミック素体10の長さ方向Lにおける中央部において、セラミック層10gを介して、互いに対向している。第1の内部電極11と第2の内部電極12とは、セラミック素体10の長さ方向Lにおける両端部においては、厚み方向Tに対向していない。」
エ.「【0028】
図1~図3に示すように、セラミック素体10の表面の上には、第1及び第2の外部電極13,14が形成されている。第1の外部電極13は、第1の内部電極11に電気的に接続されている。第1の外部電極13は、第1の主面10aの上に形成されている第1の部分13aと、第2の主面10bの上に形成されている第2の部分13bと、第1の端面10eの上に形成されている第3の部分13cとを備えている。本実施形態では、第1の外部電極13は、第1及び第2の側面10c、10dの端部に浅く回り込むように形成されている。具体的には、第1の外部電極13の第1及び第2の側面10c、10dにおける長さ方向Lに沿った長さは、第1の部分13aの長さ方向Lに沿った長さの半分よりも短い。そして、第1の外部電極13は、幅方向Wに沿って第1及び第2の側面10c、10dからほとんど突出していない。このようにすることで、セラミック電子部品1の幅方向W寸法を小さくすることができる。なお、第1の外部電極13は、第1及び第2の側面10c、10dに実質的に形成されないようにしてもよい。
【0029】
一方、第2の外部電極14は、第2の内部電極12に電気的に接続されている。第2の外部電極14は、第1の主面10aの上に形成されている第1の部分14aと、第2の主面10bの上に形成されている第2の部分14bと、第2の端面10fの上に形成されている第3の部分14cとを備えている。本実施形態では、第2の外部電極14は、第1及び第2の側面10c、10dの長さ方向Lの端部に浅く回り込むように形成されている。具体的には、第2の外部電極14の第1及び第2の側面10c、10dにおける長さ方向Lに沿った長さは、第1の部分14aの長さ方向Lに沿った長さの半分よりも短い。そして、第2の外部電極14は、幅方向Wに沿って第1及び第2の側面10c、10dからほとんど突出していない。このようにすることで、セラミック電子部品1の幅方向W寸法を小さくすることができる。なお、第2の外部電極14は、第1及び第2の側面10c、10dに実質的に形成されないようにしてもよい。
【0030】
なお、第1及び第2の外部電極13,14は、例えば、Ni、Cu,Ag,Pd,Auなどの金属や、Ag-Pd合金などの、これらの金属の一種以上を含む合金により形成することができる。
【0031】
第1及び第2の外部電極13、14のそれぞれは、無機結合材を含んでいる。無機結合材は、セラミック素体10に対する密着強度を高めるための成分である。第1及び第2の外部電極13、14がコファイアにより形成される場合は、無機結合材は、共材とも呼ばれ、例えば、セラミック素体10に含まれるセラミック材料と同種のセラミック材料であってもよい。無機結合材は、例えば、セラミック素体10に含まれるセラミック材料と主成分が同じセラミック材料であってもよい。また、第1及び第2の外部電極13、14がポストファイアにより形成される場合は、無機結合材は、例えば、ガラス成分であってもよい。
【0032】
第1及び第2の外部電極13、14における無機結合材の含有量は、例えば、40体積%~60体積%の範囲内であることが好ましい。
【0033】
また、第1及び第2の外部電極13,14の上にめっき層を形成してもよい。めっき層は複数層により形成されていてもよい。めっき層を構成する金属としては、例えば、Cu、Ni、Sn、Pb、Au、Ag、Pd、Al、BiおよびZnからなる群から選ばれる1種の金属または当該金属を含む合金を用いることが好ましい。
【0034】
中でも、セラミック電子部品1を配線基板に埋め込む場合、めっき層の最外層を構成する金属としては、Cu、Au、Ag、及びAlからなる群から選ばれる1種の金属または当該金属を含む合金を用いることが好ましい。埋め込みの際には外部電極13、14を狙って配線基板を貫通するレーザー光を照射することがあり、これらの金属はレーザー光を効率よく反射するためである。」
上記アないしエの記載によれば、引用例1には以下の事項が記載されている。
・上記アによれば、引用例1に記載の発明は、セラミック電子部品に関するものである。
・上記アによれば、セラミック電子部品は、セラミック素体を備えているものである。
・上記ウによれば、内部電極は、セラミック素体の端面に露出しているものである。
・上記エによれば、セラミック素体の表面の上には、外部電極が形成されているものである。
・上記エによれば、外部電極は、共材を含んでいるものである。
・上記エによれば、外部電極の上にめっき層を形成してもよく、めっき層を構成する金属としては、Cuを用いることが好ましいものである。そして、セラミック電子部品を配線層に埋め込む場合、めっき層の最外層を構成する金属としてCuを用いることが好ましいものである。
・上記イによれば、セラミック素体の寸法は、セラミック素体の厚み寸法をT、長さ寸法をL、幅寸法をWとしたときに、T≦W<L、1/5W≦T≦1/2W、T≦0.3mmを満たす薄型のものであることが好ましく、具体的には、0.1mm≦T≦0.3mm、0.4mm≦L≦1mm、0.2mm≦W≦0.5mmであることが好ましいものである。
そうすると、「セラミック電子部品」に着目し、上記摘示事項を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「内部電極が端面に露出しているセラミック素体と、
セラミック素体の表面の上に形成されている外部電極と
を備え、
外部電極は共材を含んでいるものであり、外部電極の上にめっき層を形成し、めっき層の最外層を構成する金属としてCuを用いるものであり、
セラミック素体の厚み寸法をT、長さ寸法をL、幅寸法をWとしたときに、T≦W<L、1/5W≦T≦1/2W、T≦0.3mmを満たす薄型のものであることが好ましく、具体的には、0.1mm≦T≦0.3mm、0.4mm≦L≦1mm、0.2mm≦W≦0.5mmであることが好ましいものである、
セラミック電子部品。」
(1-2)原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-339536号公報(平成18年12月14日公開。以下「引用例2」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付与した。)
オ.「【0015】
本願発明(請求項1)の電子部品は、電子部品本体と、電子部品本体の表面に形成された外部電極とを備えた電子部品において、外部電極が、Cuを主成分とするCu焼き付け電極層と、Cu焼き付け電極層上に形成されたCuめっき層であって、400℃以上の温度条件下で熱処理を行うことにより再結晶化処理が施されたCuめっき層と、再結晶化処理が施されたCuめっき層上に形成された、少なくとも1層の上層側めっき層とを備えており、再結晶化処理が施されたCuめっき層は組織が緻密であることから、めっき液が外部電極を通過してセラミック素子の内部に浸入したり、外部環境の湿気が内部に浸入したりすることを防止することが可能な、信頼性の高い電子部品を得ることが可能になる。」
カ.「【0021】
図1は本願発明の一実施例(実施例1)にかかる電子部品の製造方法により製造した電子部品(この実施例では積層セラミックコンデンサ)の構成を示す断面図である。
【0022】
この積層セラミックコンデンサは、図1に示すように、複数の内部電極(例えばNi電極)1がセラミック層2を介して互いに対向するように配設され、かつ、交互に逆側の端面3a,3bに引き出されたセラミック素子(電子部品本体)4に、内部電極1と導通するように一対の外部電極5a,5bが配設された構造を有している。
【0023】
そして、この実施例の積層セラミックコンデンサにおいて、外部電極5a,5bは、Cu焼き付け電極層6a,6b、Cu焼き付け電極層6a,6b上に形成された、Cuめっき層7a,7bと、はんだ食われを防止するためのNiめっき層8a,8b、Niめっき層8a,8b上に形成された、はんだ濡れ性を良好にするためのSnめっき層9a,9bとを備えた4層構造を有している。」
キ.「【0030】
[信頼性試験(PCBT試験)]
信頼性試験(PCBT試験)については、それぞれ、試料(積層セラミックコンデンサ)72個を、SnZnBiはんだを用いて基板に実装した後、はんだを再溶融させて積層セラミックコンデンサを基板から取り外し、125℃/95%Rh/定格電圧/72hrの条件でPCBT試験に供した。そして、初期値に比べ、絶縁抵抗値の低下が観察されたものを不良としてカウントした。」
ク.「 【表1】
」
上記オないしクの記載によれば、引用例2には以下の事項が記載されている。
・上記オ、カの記載によれば、引用例2に記載の発明は、積層セラミックコンデンサである電子部品に関するものである。
・上記オの記載によれば、電子部品の外部電極がCuめっき層を有するものである。
・上記オの記載によれば、Cuめっき層を400℃以上の温度条件化で熱処理を行うことにより、再結晶化処理が施されたCuめっき層は、外部環境の湿気が内部に浸入したりすることを防止することが可能なものである。
・上記クの記載によれば、Cuめっき層を400℃以上の温度条件化で熱処理した場合、Cuめっき層の粒子の平均粒径が3.0μm以上となるものである。
・上記キ、クの記載によれば、125℃/95%Rh/定格電圧/72hrの条件で信頼性試験を行い、初期値に比べ、絶縁抵抗値の低下が観察されたものを不良としてカウントした結果、Cuめっき層の粒子の平均粒径が0.5μm、1.0μmの場合は、試料のすべてにおいて不良の発生が認められる一方で、400℃以上の温度条件化で熱処理を行うことにより得られるCuめっき層の粒子の平均粒径が3.0μm以上となる試料においては、信頼性試験における不良発生割合が低下するものである。
そうすると、上記摘示事項を総合勘案すると、引用例2には、
「電子部品である積層セラミックコンデンサにおいて、
湿気が内部に浸入することで絶縁抵抗値の低下が発生することを防止するために、
外部電極が有するCuめっき層の粒子の平均粒径を3μm以上とする」という技術的事項が記載されている。
(1-3)新たに引用する特表2002-506488号公報(平成14年2月26日公表。以下「引用例3」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付与した。)
ケ.「普通の銅めっき用電解液は、電解液に高導電度を与えるために高い硫酸濃度(約1M)を含んでいる。高い導電度は、従来の銅電気めっきセルのセル構成によってもたらされる堆積の厚みの不均一性を減少させるために必要である。しかしながら、本発明(セル構成を含む)はより均一な電流分布を提供する。この状況では、抵抗性基体効果が高度に導電性の電解液によって増幅されるので、高い酸濃度は堆積の均一性にとって有害である。更に、高度に導電性の電解液は高い反転電流密度をもたらして不均一性を促進するので、周期的な反転サイクル中の溶解ステップの電解液導電度は比較的低くする必要がある。また酸または塩基のような支持電解質の存在は、前述したように良品質のめっきには不可欠のイオン物質移動速度を引き下げることになる。また、共通イオン効果が排除されるために、硫酸濃度が低い程硫酸銅濃度は高くなる。更に、特に可溶性銅陽極の場合、低めの酸濃度は有害な腐食及び材料安定性の問題を最小にする。従って、本発明は酸を有していないか、または極めて低い酸濃度を有する電気めっき溶液を企図している。好ましくは、硫酸濃度は0(存在せず)乃至0.2Mの範囲内にある。更に、純粋な、または比較的純粋な銅陽極をこの配列に使用することができる。
・・・(中略)・・・
レベラーは、堆積物の厚みの均一性を改善する。光沢剤は、結晶構造の均一性を高めることによって堆積物表面の反射率を改善する。グレンリファイナーは、堆積させるより小さい粒子を発生させる。レベラー、光沢剤、及びグレンリファイナーは、本発明により提供される低酸・高銅電解液に対して特別に調合し、最適化することができる。」(第32ページ第22行目-第34ページ第10行目)
上記ケの記載によれば、引用例3には、「銅めっき用電解液に結晶構造の均一性を高める光沢剤を調合する」という技術事項が記載されている。
(1-4)新たに引用する特開2010-159478号公報(平成22年7月22日公開。以下「引用例4」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付与した。)
コ.「【0027】
<本発明に用いる酸性銅めっき浴組成物>
既に説明するように、本発明に用いる酸性銅めっき浴組成物は、(A)銅イオン成分、(B)有機酸及び/叉は無機酸成分、(C)塩素イオン成分、(D)有機ポリマー成分、(E)ブライトナー成分、及び(F)めっき用レベリング剤であるジアリルジアルキルアンモニウムアルキルサルフェイトと(メタ)アクリルアミド類と二酸化イオウとの共重合体成分で構成されていることが特徴である。」
サ.「【0040】
また、この(E)ブライトナー成分は、めっき層の結晶配列を均一化する作用を有している。本発明においては、例えば、メルカプトアルキルスルホン酸塩、有機ジスルフィド化合物及びジチオカルバミン酸誘導体などを挙げることができる。」
上記コ、サの記載によれば、引用例4には、「銅めっき浴に、めっき層の結晶配列を均一化する作用を有しているブライトナー成分を加える」という技術事項が記載されている。
(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
・引用発明の「内部電極が端面に露出しているセラミック素体」は、本願補正発明の「内部電極の端部が表面に露出しているセラミック素体」に相当する。
・引用発明の「外部電極」はセラミック素体の表面の上に形成されるものであり、共材を含んで成るものであるから、本願補正発明の「共材を含む下地電極層」に相当する。また、引用発明の外部電極の上に形成された「めっき層」であって、「最外層を構成する金属としてCuを用い」たものは、本願補正発明の「最外層を構成しているCuめっき膜」に相当する。したがって、引用発明の「外部電極」と、「最外層を構成する金属としてCuを用い」た「めっき層」を合わせたものが、本願補正発明の「外部電極」に相当する。
・本願補正発明の「Cuめっき膜」は、「Cu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上」であるのに対して、引用発明の「めっき層」は、Cuを用いてはいるものの、「Cu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上」である旨の特定がされていない点で相違している。
・本願補正発明の「Cuめっき膜」は、「光沢剤を含有」するのに対して、引用発明の「めっき層」は、Cuを用いてはいるものの、「光沢剤を含有」する旨の特定がされていない点で相違している。
・引用発明のセラミック素体は、厚み寸法をT、長さ寸法をL、幅寸法をWとしたときに、「T≦W<L」、「1/5W≦T≦1/2W」、T≦0.3mmを満たす薄型のものであることが好ましく、具体的には、「0.1mm≦T≦0.3mm」、「0.4mm≦L≦1mm」、「0.2mm≦W≦0.5mm」であることが好ましいものであるから、引用発明の「T≦W<L」、「1/5W≦T≦1/2W」、「0.4mm≦L≦1mm」については本願補正発明と同一であるとともに、引用発明の「0.1mm≦T≦0.3mm」、「0.2mm≦W≦0.5mm」については、本願補正発明の「0.05≦T≦0.3mm」、「0.3mm≦W≦0.5mm」に含まれるものであって、特に「0.1≦T≦0.3mm」、「0.3mm≦W≦0.5mm」の範囲で一致するものである。
・引用発明の「セラミック電子部品」は、本願補正発明の「セラミック電子部品」に相当する。
よって、本願補正発明と引用発明とは、以下の点で一致ないし相違する。
<一致点>
「内部電極の端部が表面に露出しているセラミック素体と、
前記セラミック素体の上に設けられた外部電極と、
を備え、
前記外部電極は、共材を含む下地電極層と、最外層を構成しているCuめっき膜とを有し、
前記セラミック素体の厚み寸法T、長さ寸法L及び幅寸法Wが、以下の特定の範囲とされている、セラミック電子部品。
T≦W<L
1/5W≦T≦1/2W
0.1≦T≦0.3mm
0.4mm≦L≦1mm
0.3mm≦W≦0.5mm」
<相違点1>
本願補正発明の「Cuめっき膜」は、「Cu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上」であるのに対して、引用発明の「めっき層」は、Cuを用いてはいるものの、「Cu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上」である旨の特定がされていない点。
<相違点2>
本願補正発明の「Cuめっき膜」は、「光沢剤を含有」するのに対して、引用発明の「めっき層」は、Cuを用いてはいるものの、「光沢剤を含有」する旨の特定がされていない点。
(3)判断
上記各相違点について検討する。
<相違点1>について
引用例2に記載の技術事項は、電子部品である積層セラミックコンデンサにおいて、湿気が内部に浸入することで絶縁抵抗値の低下が発生することを防止するために、外部電極が有するCuめっき層の粒子の平均粒径を3μm以上とするものである。そうすると、引用例2には、直接明記されていないものの、イオンマイグレーションによるショート不良の発生が防止できる技術が記載されているといえる。
そして、引用例2の「積層セラミックコンデンサ」もセラミック電子部品であるといえるから、引用発明と引用例2に記載の技術事項は、いずれもセラミック電子部品という共通した技術分野に属するものであり、また、信頼性を向上させるという共通した課題(引用例1の段落【0007】、引用例2の段落【0011】を参照)を有するものであるから、引用発明におけるめっき層を、引用例2に記載の技術事項を適用して相違点1の構成にすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
<相違点2>について
引用例3、引用例4に記載されているように、銅めっきに用いるめっき浴に光沢剤(ブライトナー)を含有させることは、当該技術分野において周知技術であり、同じく銅めっきにより形成される引用発明のめっき層についても、光沢剤を含有するめっき浴を用いてめっきすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
よって、引用発明のめっき層において、引用例3及び引用例4に記載された周知のめっき方法を採用し、相違点2の構成にすることは当業者であれば容易になし得たことである。
したがって、本願補正発明は、引用発明、引用例2に記載された技術事項、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして、本願補正発明の作用効果も、引用例1ないし4から当業者が予測できる範囲のものである。
(4)むすび
以上のとおり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3.本件補正についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1.本願発明
上記のとおり、平成29年11月16日付けの手続補正は却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年12月14日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】
内部電極の端部が表面に露出しているセラミック素体と、
前記セラミック素体の上に設けられた外部電極と、
を備え、
前記外部電極は、共材を含む下地電極層と、最外層を構成しているCuめっき膜とを有し、
前記Cuめっき膜のCu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上である、セラミック電子部品。」
2.引用例
(1)原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-100875号公報(平成14年4月5日公開。以下「引用例5」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付与した。)
シ.「【0001】
【発明の属する技術分野】ICチップなどの電子部品を載置するプリント配線板に関し、特にコンデンサを内蔵するプリント配線板に関するのもである。」
ス.「【0029】チップコンデンサ20は、図9(A)に示すように第1電極21と第2電極22と、該第1、第2電極に挟まれた誘電体23とから成り、該誘電体23には、第1電極21側に接続された第1導電膜24と、第2電極22側に接続された第2導電膜25とが複数枚対向配置されている。第1電極21及び第2電極22は、銅メタライズからなる金属層26に、半田等の被覆層28が被されている。本実施形態では、第1電極21及び第2電極22にめっきからなるバイアホール46で接続を取る。第1実施形態のプリント配線板では、図9(B)に示すように、チップコンデンサ20の第1電極21および第2電極22の上面の被覆層28から金属層26を露出させている。このため、図6に示すように、第1、第2電極21,22とめっきからなるバイアホール46との接続性が高くなり、また、接続抵抗を低減することができる。
【0030】更に、チップコンデンサ20のセラミックから成る誘電体23の表面には粗化層23aが設けられている。このため、セラミックから成るチップコンデンサ20と樹脂からなる接着層40との密着性が高く、ヒートサイクル試験を実施しても界面での接着層40の剥離が発生することがない。この粗化層23aは、焼成後に、チップコンデンサ20の表面を研磨することにより、また、焼成前に、粗化処理を施すことにより形成できる。」
セ.「【0076】次に、第2改変例に係るプリント配線板について、図10及び図11を参照して説明する。この第2改変例の構成は、上述した第1実施形態とほぼ同様である。但し、上述した第1実施形態では、チップコンデンサ20の電極21,22の被覆を一部剥いで金属層26の表面を露出させた。これに対して、第2改変例では、チップコンデンサ20は、図11(A)に示すように金属層26の被覆を完全に剥いだ後、図11(B)に示すように、金属層26の表面に銅めっき膜29を被覆してある。めっき膜の被覆は、電解めっき、無電解めっきなどのめっきで形成されている。そして、図10に示すように銅めっき膜29を被覆した第1、第2電極21,22に銅めっきよりなるバイアホール46で電気的接続を取ってある。ここで、チップコンデンサの電極21,22は、メタライズからなり表面に凹凸がある。このため、第1実施形態の図2(B)に示す接続層40に非貫通孔43を穿設する工程において、該凹凸に樹脂が残ることがある。この際には、当該樹脂残さにより第1、第2電極21,22とバイアホール46との接続不良が発生することがある。一方、第2改変例では、銅めっき膜29によって第1、第2電極21,22の表面が平滑になり、電極上に被覆された接続層40に非貫通孔43を穿設した際に、樹脂残さが残らず、バイアホール46を形成した際の電極21,22との接続信頼性を高めることができる。」
上記シないしセの記載によれば、引用例5には以下の事項が記載されている。
・上記シによれば、引用例5に記載の発明は、コンデンサを内蔵するプリント配線板に関するものである。
・上記スによれば、チップコンデンサは、第1電極と第2電極と、該第1、第2電極に挟まれた誘電体とから成るものである。
・上記スによれば、誘電体には、第1電極側に接続された第1導電膜と、第2電極側に接続された第2導電膜とが複数枚対向配置されているものである。
・上記スによれば、誘電体はセラミックから成るものである。
・上記スによれば、チップコンデンサの電極は、銅メタライズからなる金属層に半田等の被覆層が被覆されるものである一方、上記セによれば、第2改変例として、金属層の被覆を完全に剥いだ後、金属層の表面に銅めっき膜を被覆したものが記載されている。
そうすると、「チップコンデンサ(コンデンサ)」に着目し、上記摘示事項を総合勘案すると、引用例5には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されている。
「第1電極と第2電極と、該第1、第2電極に挟まれた誘電体とから成るチップコンデンサであって、
誘電体はセラミックから成るものであるとともに、第1電極側に接続された第1導電膜と、第2電極側に接続された第2導電膜とが複数枚対向配置されているものであり、
電極は、銅メタライズからなる金属層と、金属層の表面に被覆された銅めっき膜を有するものである、
チップコンデンサ。」
(2)原査定の拒絶の理由で引用された引用例1、引用例2及びその記載事項は、上記「第2 2-3.(1-1)、(1-2)」に記載したとおりである。
3.対比
本願発明と引用発明2とを対比する。
・引用発明2の「第1導電膜、第2導電膜」は、本願発明の「内部電極」に相当する。また、第1導電膜、第2導電膜は誘電体に配置され、それぞれ第1電極と第2電極に接続されていることから、第1導電膜、第2導電膜の端部は、誘電体の表面に露出しているものと認められる。したがって、引用発明2の「セラミックから成る誘電体」は、本願発明の「内部電極の端部が表面に露出しているセラミック素体」に相当する。
・引用発明2の誘電体は第1、第2電極に挟まれたものであるから、第1、第2電極は誘電体の上に設けられているものといえる。したがって、引用発明2の「第1、第2電極」は、本願発明の「セラミック素体の上に設けられた外部電極」に相当する。
・引用発明2の第1、第2電極は、銅メタライズからなる金属層と、金属層の表面に被覆された銅めっき膜を有するものであり、「金属層」、「銅めっき膜」は、本願発明の「下地電極層」、「最外層を構成しているCuめっき膜」にそれぞれ相当する。
・本願発明の「下地電極層」は、「共材を含む」ものであるのに対して、引用発明2の「金属層」は、その旨の特定がされていない点で本願発明と相違する。
・本願発明の「Cuめっき膜」は、「光沢剤を含有」するのに対して、引用発明2の「銅めっき膜」は、「光沢剤を含有」する旨の特定がされていない点で本願発明と相違する。
・引用発明2の「チップコンデンサ」は、「セラミックから成る誘電体」から成るものであるから、本願発明の「セラミック電子部品」に相当する。
よって、本願発明と引用発明2とは、以下の点で一致ないし相違する。
<一致点>
「内部電極の端部が表面に露出しているセラミック素体と、
前記セラミック素体の上に設けられた外部電極と、
を備え、
前記外部電極は、下地電極層と、最外層を構成しているCuめっき膜とを有する、
セラミック電子部品。」
<相違点1>
本願発明の「下地電極層」は、「共材を含む」ものであるのに対して、引用発明2の「金属層」は、その旨の特定がされていない点。
<相違点2>
本願補正発明の「Cuめっき膜」は、「Cu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上」であるのに対して、引用発明2の「銅めっき膜」は、「Cu結晶粒の平均結晶粒径が2μm以上」である旨の特定がされていない点。
4.判断
上記各相違点について検討する。
<相違点1>について
引用例1には、セラミック電子部品の外部電極として、共材を含む外部電極が記載されており、共材により外部電極のセラミック素体に対する密着強度を高めるという作用効果を奏するもの(引用例1の段落【0031】参照)である。
そして、引用発明2と引用例1に記載の発明は、いずれもセラミック電子部品という共通した技術分野に属するものであり、当該技術分野において、外部電極とセラミック素体との密着強度を高めることは一般的な技術課題であることから、引用発明2における金属層を、引用例1に記載の技術事項を適用して相違点1の構成にすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
<相違点2>について
引用例2に記載の技術事項は、電子部品である積層セラミックコンデンサにおいて、湿気が内部に浸入することで絶縁抵抗値の低下が発生することを防止するために、外部電極が有するCuめっき層の粒子の平均粒径を3μm以上とするものである。そうすると、引用例2には、直接明記されていないものの、イオンマイグレーションによるショート不良の発生が防止できる技術が記載されているといえる。
そして、引用例2の「積層セラミックコンデンサ」もセラミック電子部品であるといえるから、引用発明2と引用例2に記載の技術事項は、いずれもセラミック電子部品という共通した技術分野に属するものであり、また、信頼性を向上させるという共通した課題(引用例5の段落【0007】、引用例2の段落【0011】を参照)を有するものであるから、引用発明2におけるめっき膜を、引用例2に記載の技術事項を適用して相違点1の構成にすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
したがって、本願発明は、引用発明2、引用例1および2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして、本願発明の作用効果も、引用例1、2、5から当業者が予測できる範囲のものである。
5.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-017009