特許拒絶査定不服審判
2017-011265
過熱保護機能を備えた無接点電力伝送システム及び方法
- 審判番号
- 2017-011265
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-241471
- 請求日
- 2017年07月28日
- 審決日
- 2018年09月10日
- 公報発行日
- 2019年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジーイー・ハイブリッド・テクノロジーズ・エルエルシー
- 【請求人代理人】荒川 聡志
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 信一
- 審判官 田中 慎太郎
- 審判官 山澤 宏
- 分類
- P18 .121-Z (H02J) / P18 .537-Z (H02J) / P18 .575-Z (H02J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012-241471「過熱保護機能を備えた無接点電力伝送システム及び方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 5月20日出願公開、特開2013- 99250〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年11月1日(パリ条約による優先権主張2011年11月2日、大韓民国)の出願であって、平成28年9月29日付けで拒絶理由が通知され、平成29年1月4日付けで手続補正がなされたが、同年3月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月28日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。
第2 平成29年7月28日付けの手続補正書についての却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年7月28日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.本件補正
平成29年7月28日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1については、本件補正前(平成29年1月4日付け手続補正書参照。)に、
「【請求項1】
無接点電力受信装置に電力を送信する電力送信コイルを含む電力送信部と、
前記無接点電力受信装置が送信する信号を受信する第1信号受信部と、
前記電力送信部が前記無接点電力受信装置に第1電力を送信するように制御し、前記第1信号受信部が前記無接点電力受信装置から充電完了信号を受信する前に過熱保護のための信号を受信した後、前記電力送信部が前記第1電力より低い第2電力を送信するように制御する無接点電力送信制御部と
を含み、
前記過熱保護のための信号は、前記無接点電力受信装置が減少した充電のため第2モードを使用することを示す、
過熱保護機能を備えた無接点電力送信装置。」
とあったものが、
「【請求項1】
無接点電力受信装置に電力を送信する電力送信コイルを含む電力送信部と、
前記無接点電力受信装置が送信する信号を受信する第1信号受信部と、
前記電力送信部が前記無接点電力受信装置に第1電力を送信するように制御し、前記第1信号受信部が前記無接点電力受信装置から充電完了信号を受信する前に過熱保護のための信号を受信した後、前記電力送信部が前記第1電力より低い第2電力を送信するように制御する無接点電力送信制御部と
を含み、
前記過熱保護のための信号は、前記無接点電力受信装置がエラーの発生なしに減少した充電のため第2モードを使用することを示す、
過熱保護機能を備えた無接点電力送信装置。」
と補正された。
上記補正は、本件補正前の請求項1において、「過熱保護のための信号」について、無接点電力受信装置が「エラーの発生なしに」減少した充電のため第2モードを使用することを示すものであることの限定を付加したものである。
よって、本件補正は、補正前の請求項に記載された発明を特定するために必要な事項の限定を目的とするものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
2.独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて以下検討する。
2-1.特許法第36条第6項第2号違反
(1)本件補正後の請求項1において、「前記過熱保護のための信号は、前記無接点電力受信装置がエラーの発生なしに減少した充電のため第2モードを使用することを示す」とあるが、かかる記載では、本願明細書の段落【0106】に記載されているように、「エラーが発生したと判断しないようにする」ことを意味していると解釈できる一方、「第2モード」なるものが、無接点電力受信装置においてエラーが発生しない程度に電力を減少させて充電を行うモードであることを意味すると解釈することもできるため、この点において、本件補正後の請求項1に係る発明は明確なものではない。
よって、本件出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に既定する要件を満たしていないから、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
2-2.特許法第29条第2項
(1)引用例
(1-1)原査定の拒絶の理由に引用された特開2009-273327号公報(平成21年11月19日公開。以下「引用例1」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付与した。)
ア.「電池内蔵機器と充電台は、受電コイル51を内蔵し、この受電コイル51に誘導される電力で充電されるリチウムイオン電池60を内蔵する電池内蔵機器50、70、80と、この電池内蔵機器50、70、80をセットして電池内蔵機器50、70、80のリチウムイオン電池60を充電する充電台10、30、40とからなる。」(段落【0007】)
イ.「電池内蔵機器50、70、80は、充電台10、30、40の送電コイル11に電磁結合される受電コイル51と、この受電コイル51に誘導される交流を整流してリチウムイオン電池60を充電する直流に変換する充電回路52と、充電されるリチウムイオン電池60の電圧と電流と温度を検出する検出回路53と、この検出回路53で検出される電圧信号と電流信号と温度信号を充電台10、30、40に送信する送信器54、74、84を備えている。」(段落【0020】)
ウ.「さらに、フィードバック回路17は、リチウムイオン電池60の温度で充電電流を制御する。電池温度が最高温度よりも高くなり、あるいは最低温度よりも低くなると、充電電流を減少し、あるいは充電電流を遮断する。」(段落【0025】)
エ.「充電台10、30、40は、位置検出制御器18、38で移動機構13を制御して送電コイル11を受電コイル51に接近させた状態で、高周波電源12で送電コイル11に交流電力を供給する。送電コイル11の交流電力は受電コイル51に電力搬送されて、リチウムイオン電池60の充電に使用される。電池内蔵機器50、70、80は、充電されるリチウムイオン電池60の電圧と電流と温度を検出回路53で検出し、検出回路53で検出した電圧と電流と温度とを、送信器54、74、84から充電台10、30、40に電圧信号と電流信号と温度信号として送信する。充電台10、30、40は、送信器54、74、84から送信される電圧信号と電流信号と温度信号を受信器14、34、44で受信し、フィードバック回路17を介して高周波電源12を制御する。フィードバック回路17は、高周波電源12の出力をコントロールして、リチウムイオン電池60を定電圧定電流充電する。」(段落【0076】)
オ.「リチウムイオン電池60が満充電されると、電池内蔵機器50、70、80は、検出回路53がこのことを検出して満充電信号を充電台10、30、40に伝送する。検出回路53は、例えば、リチウムイオン電池60の充電電流が設定電流よりも小さくなると満充電されたと判定して満充電信号を出力する。この満充電信号は、電池内蔵機器50、70、80の送信器54、74、84から充電台10、30、40に送信される。充電台10、30、40は、送信器54、74、84から送信される満充電信号を受信器14、34、44で受信すると、フィードバック回路17を介して高周波電源12を制御して、送電コイル11からの電力搬送を停止してリチウムイオン電池60の充電を終了する。」(段落【0077】)
上記アないしオの記載によれば、引用例1には以下の事項が記載されている。
・上記ア、イ、エによれば、引用例1に記載の発明は、「電池内蔵機器」と「充電台」に関するものである。そして、「充電台」は、「送電コイル」、「高周波電源」、「フィードバック回路」を有し、「フィードバック回路を介して高周波電源を制御」して「高周波電源で送電コイルに交流電力を供給」するものであり、「電池内蔵機器」は、「受電コイル」と「リチウムイオン電池」を有し、「受電コイル」は「送電コイルと電磁結合」され、「送電コイルの交流電力」が「受電コイルに電力搬送」されて「リチウムイオン電池の充電に使用され」るものである。
・上記イ、エ、オによれば、「充電台」は「受信機」を有し、「受信機」は、「電池内蔵機器」が送信する「満充電信号」を受信するとともに、「電池内蔵機器」が検出した「リチウムイオン電池の電圧と電流と温度」を「電圧信号と電流信号と温度信号」として受信するものである。
・上記ウによれば、「フィードバック回路は、リチウムイオン電池の温度で充電電流を制御」できるものであり、「電池温度が最高温度よりも高く」なると、「充電電流を減少」させるように制御するものである。
・上記オによれば、「充電台」は、「満充電信号を受信機で受信すると、フィードバック回路を介して高周波電源を制御して、送電コイルからの電力搬送を停止してリチウムイオン電池の充電を終了する」ものである。
そうすると、「充電台」に着目し、上記摘示事項を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「フィードバック回路を介して高周波電源を制御し、
高周波電源で送電コイルに交流電力を供給し、送電コイルの交流電力は、送電コイルと電磁結合される電池内蔵機器の受電コイルに電力搬送されて、リチウムイオン電池の充電に使用され、
電池内蔵機器が送信する満充電信号を受信するとともに、電池内蔵機器が検出したリチウムイオン電池の電圧と電流と温度を、電圧信号と電流信号と温度信号として受信する受信器を有し、
フィードバック回路は、リチウムイオン電池の温度で充電電流を制御できるものであり、電池温度が最高温度よりも高くなると、充電電流を減少させるように制御し、
満充電信号を受信器で受信すると、フィードバック回路を介して高周波電源を制御して、送電コイルからの電力搬送を停止してリチウムイオン電池の充電を終了する、
充電台。」
(1-2)原査定の拒絶の理由に引用された特開2011-62037号公報(平成23年3月24日公開。以下「引用例2」という。)には、図面と共に、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審において付与した。)
カ.「本実施の形態の非接触式充電システムは、給電装置10と受電装置である電動車両装置20とを含む。非接触式充電システムは、給電装置10の二次電池に蓄積された電力を電動車両装置20に搭載されている二次電池に非接触で充電を行う。」(段落【0016)
キ.「給電装置10は、一般の商用電力30から得た交流電力を所望の(一定の)電圧値の直流電力に変換するAC-DCコンバータからなる充電器11と、充電用二次電池12と、充電用二次電池12の直流電力を交流電力に変換する高周波スイッチング装置13と、制御信号を無線で受信する受信部(図示せず)を有し、制御信号を受信したときに電力の給電を停止する給電停止装置14と、高周波スイッチング装置13からの交流電力を受けて送電する給電コイル15とを含む。」(段落【0017】)
ク.「電動車両装置20は、交流電圧を受電する受電コイル21と、交流電力を整流して直流電力に変換する整流器22と、受電用二次電池23と、受電用二次電池23の電圧、電流、電池内部の圧力及び電池内部の温度のうち、少なくとも1つを検出し、その検出値が正常を示す条件を逸脱した場合に、給電停止装置14に制御信号を無線で送信する不具合検出手段24と、受電用二次電池23の直流電力を交流電力に変換してモータMに供給し、電動車両装置20を駆動制御するVVVFインバータ25とを含む。」(段落【0018】)
ケ.「受電用二次電池23が充電されている間、不具合検出装置24により受電用二次電池23の電圧、電流、電池内部の圧力及び電池内部の温度のうち、少なくとも1つが検出される。その検出値が正常を示す条件を逸脱した場合、不具合検出装置24から制御信号が無線で送信され、給電装置10における給電停止装置14の受信部がこれを無線で受信して給電装置10からの給電を停止する。」(段落【0032】)
上記カないしケの記載によれば、「非接触充電システムにおいて、電池内部の温度に基づいて給電を制御する場合に、受電用二次電池の電池内部の温度を検出し、その検出値が正常を示す条件を逸脱したか否かの判断を受電装置(電動車両装置)側で行い、逸脱した場合には受電装置(電動車両装置)側から制御信号が送信され、給電装置がこれを受信して給電を停止する」という技術的事項が記載されている。
(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
・引用発明の「送電コイル」は、「電池内蔵機器」の受電コイルに電力搬送しているから、「送電コイル」は「電池内蔵機器」に「電力を送信する」ものである。また、引用発明の「電池内蔵機器」の受電コイルは送電コイルと電磁結合されているから、「充電台」と「電池内蔵機器」とは、電力を「無接点」で送受信するものである。よって、引用発明の「電池内蔵機器」は、本願補正発明における「無接点電力受信装置」に相当し、引用発明の「送電コイル」は、本願補正発明における無接点電力受信装置に電力を送信する「電力送信コイル」に相当する。そして引用発明の「送電コイル」と交流電力を供給する引用発明の「高周波電源」とは、本願補正発明の「電力送信部」に相当する。
・引用発明の「受信器」は、「電池内蔵機器が送信する満充電信号と電圧信号と電流信号と温度信号を受信」するものであるから、本願補正発明の「無接点電力受信装置が送信する信号を受信する第1信号受信部」に相当する。
・引用発明の「フィードバック回路」は、「高周波電源を制御」することで、「充電電流を制御する」ものであり、リチウムイオン電池の「電池温度が最高温度よりも高くなると、充電電流を減少」させるものである。そして、「充電電流を減少」させるということは、当初の充電電流より低い充電電流を送信するように制御していることに他ならない。また、充電「電流」を減少させることは、充電「電力」を減少させることと実質的な差異は無い。また、引用発明の「フィードバック回路」は、「満充電信号を受信」すると「送電コイルからの電力搬送を停止」して「充電を終了する」のであるから、充電電流を「減少」させるのは、「満充電信号を受信」するより前に行われる処理であると認められる。従って、引用発明の「リチウムイオン電池の温度で充電電流を制御するものであり、電池温度が最高温度よりも高くなると、充電電流を減少させ」る「フィードバック回路」は、本願補正発明の「前記電力送信部が前記無接点電力受信装置に第1電力を送信するように制御し、前記第1信号受信部が前記無接点電力受信装置から充電完了信号を受信する前に、前記電力送信部が前記第1電力より低い第2電力を送信するように制御する無接点電力送信制御部」に相当する。ただし、本願補正発明は、「無接点電力送信制御部」による第1電力より低い第2電力を送信する制御について、「第1信号受信部が過熱保護のための信号を受信した後」に行うのに対して、引用発明では、受信した「電池温度が最高温度よりも高く」なると判断されたときに行うものである点で相違する。
・本願補正発明では「前記過熱保護のための信号は、前記無接点電力受信装置がエラーの発生なしに減少した充電のため第2モードを使用することを示す」ものである旨を特定するのに対して、引用発明では、その旨の特定がされていない。
・引用発明の送電コイル、高周波電源、受信器、フィードバック回路を含む「充電台」は、本願補正発明における送電コイルを含む電力送信部、第1信号受信部、無接点電力送信制御部を含む「無接点電力送信装置」に相当する。
よって、本願補正発明と引用発明とは、以下の点で一致ないし相違する。
<一致点>
「無接点電力受信装置に電力を送信する電力送信コイルを含む電力送信部と、
前記無接点電力受信装置が送信する信号を受信する第1信号受信部と、
前記電力送信部が前記無接点電力受信装置に第1電力を送信するように制御し、
前記第1信号受信部が前記無接点電力受信装置から充電完了信号を受信する前に、前記電力送信部が前記第1電力より低い第2電力を送信するように制御する無接点電力送信制御部とを含む、
過熱保護機能を備えた無接点電力送信装置。」
<相違点1>
「無接点電力送信制御部」による第1電力より低い第2電力を送信する制御について、本願補正発明では「第1信号受信部が過熱保護のための信号を受信した後」に行うのに対して、引用発明では、受信した「電池温度が最高温度よりも高く」なると判断されたときに行うものである点。
<相違点2>
本願補正発明では「前記過熱保護のための信号は、前記無接点電力受信装置がエラーの発生なしに減少した充電のため第2モードを使用することを示す」ものである旨を特定するのに対して、引用発明では、その旨の特定がされていない点。
(3)判断
上記<相違点1>及び<相違点2>について検討する。
電池の温度等の検出値に基づいて充電(給電)を制御する際に、温度等の検出値が所定の範囲を超えたか否かの判断を受電装置側で行い、所定の範囲を逸脱した場合に受電装置側から制御信号を送信し、送電側で制御信号に基づいて充電(給電)を制御することは、たとえば引用例2に記載されているように周知の技術であり(上記2-2.(1-2)を参照。)、引用発明においても、引用例2に記載されているように、電池温度が最高温度よりも高くなったか否かの判断を、送電側である「充電台」で行うことに代えて、受電側である電池内蔵機器側で行い、電池温度が最高温度よりも高くなったと判断された場合に電池内蔵機器が制御信号を送信して、充電台が制御信号を受信したことに応じて充電電流を減少させるように制御すること、すなわち、相違点1に係る構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
ここで、請求項1の「無接点電力受信装置がエラーの発生なしに減少した充電のため第2モードを使用する」との記載は、上記2-1.(1)で述べたとおり、本願明細書の段落【0106】に記載されているように、「エラーが発生したと判断しないようにする」ことを意味していると解釈できる一方、「第2モード」なるものが、無接点電力受信装置においてエラーが発生しない程度に電力を減少させて充電を行うモードであることを意味すると解釈することもできる。
しかし、いずれに解釈したとしても、引用発明が、「充電電流を減少」させることで、充電を遮断せずに継続させることを意図したものである以上、充電を継続させるためにエラーが発生したと判断しないようにすることは当業者が適宜なし得たことであり、また、電池内蔵機器でエラーにより充電が停止しない程度に充電を行うことは当然のことである。
したがって、本願補正発明は、引用発明に記載された技術事項、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして、本願補正発明の作用効果も、引用発明及び周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。
(4)むすび
以上のとおり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3.本件補正についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1.本願発明
上記のとおり、平成29年7月28日付けの手続補正は却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成29年1月4日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「無接点電力受信装置に電力を送信する電力送信コイルを含む電力送信部と、
前記無接点電力受信装置が送信する信号を受信する第1信号受信部と、
前記電力送信部が前記無接点電力受信装置に第1電力を送信するように制御し、前記第1信号受信部が前記無接点電力受信装置から充電完了信号を受信する前に過熱保護のための信号を受信した後、前記電力送信部が前記第1
電力より低い第2電力を送信するように制御する無接点電力送信制御部と
を含み、
前記過熱保護のための信号は、前記無接点電力受信装置が減少した充電のため第2モードを使用することを示す、
過熱保護機能を備えた無接点電力送信装置。」
2.引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例及びその記載事項は、上記「第2 2-2.(1)」に記載したとおりである。
3.対比・判断
本願発明は、上記「第2」で検討した本願補正発明の「過熱保護のための信号」について、無接点電力受信装置が減少した充電のため第2モードを使用することを示す点において、「エラーの発生なしに」との限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 2-2.(3)」に記載したとおり、引用例1に記載された発明、および、周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1に記載された発明、および、周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-011265