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特許拒絶査定不服審判

2017-008227

インクジェットプリンタ

審判番号
2017-008227
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-199982外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年06月07日
審決日
2018年02月22日
公報発行日
2018年04月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (B41J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-199982「インクジェットプリンタ」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月13日出願公開、特開2015- 66683、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年9月26日の出願であって、平成28年11月11日付けで手続補正がされ、平成29年3月8日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、同年6月7日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成29年3月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 請求項  :1~4、6 引用文献1:特開2005-103854号公報 引用文献2:特開2009-292091号公報 引用文献3:特開2009-98381号公報 ・請求項  :5 ・上記引用文献に加えて、引用文献4:特開2012-61655号公報 第3 平成29年6月7日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)の適否 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲について、下記(1)から下記(2)へと補正することを含むものである。 (1)本件補正前の特許請求の範囲 「【請求項1】 主走査方向に延びるガイドレールと、 前記主走査方向に移動可能なように前記ガイドレールにスライド自在に係合し、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する記録ヘッドと、 照射口が形成されたケースと、前記ケースの内部に配置され、紫外線を照射する光源とを備え、前記記録ヘッドに対して前記記録ヘッドと共に移動するように設けられ、前記記録ヘッドから前記記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する紫外線照射装置と、 を備え、 前記紫外線照射装置には、前記光源から前記記録媒体へ向かって照射される紫外線の、前記主走査方向における広がりを防止する拡散防止手段が設けられ、 前記光源から照射される紫外線が前記記録媒体上に照射される照射範囲のうち、前記記録媒体上における最大照射強度の10%以上の照射強度で前記紫外線が照射される照射範囲の前記主走査方向における長さは、前記照射口の前記主走査方向の長さ以上であり、かつ、前記照射口の前記主走査方向の長さの1.2倍以下である、インクジェットプリンタ。 【請求項2】 前記拡散防止手段は、前記照射口を覆うように前記紫外線照射装置に取り付けられたレンズである、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。 【請求項3】 前記レンズは集光レンズである、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。 【請求項4】 前記レンズはシリンドリカルレンズである、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。 【請求項5】 前記レンズはフレネルレンズである、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。 【請求項6】 前記光源から照射される紫外線が前記記録媒体上に照射される照射範囲の前記主走査方向における長さは、前記照射口の前記主走査方向の長さの2.0倍以下である、請求項1から5までの何れか一つに記載されたインクジェットプリンタ。」 (2)本件補正後の特許請求の範囲 「【請求項1】 主走査方向に延びるガイドレールと、 前記主走査方向に移動可能なように前記ガイドレールにスライド自在に係合し、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する記録ヘッドと、 照射口が形成されたケースと、前記ケースの内部に配置され、紫外線を照射する光源とを備え、前記記録ヘッドに対して前記記録ヘッドと共に移動するように設けられ、前記記録ヘッドから前記記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する紫外線照射装置と、 を備え、 前記紫外線照射装置には、前記光源から前記記録媒体へ向かって照射される紫外線の、前記主走査方向における広がりを防止する拡散防止手段が設けられ、 前記光源は、前記ケースの下部に設けられ、 前記拡散防止手段は、前記ケースの下部に設けられたレンズであり、 前記光源から照射される紫外線が前記記録媒体上に照射される照射範囲のうち、前記記録媒体上における最大照射強度の10%以上の照射強度で前記紫外線が照射される照射範囲の前記主走査方向における長さは、前記照射口の前記主走査方向の長さ以上であり、かつ、前記照射口の前記主走査方向の長さの1.2倍以下である、インクジェットプリンタ。 【請求項2】 前記拡散防止手段は、前記照射口を覆うように前記紫外線照射装置に取り付けられたレンズである、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。 【請求項3】 前記レンズは集光レンズである、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。 【請求項4】 前記レンズはシリンドリカルレンズである、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。 【請求項5】 前記レンズはフレネルレンズである、請求項2に記載されたインクジェットプリンタ。 【請求項6】 前記光源から照射される紫外線が前記記録媒体上に照射される照射範囲の前記主走査方向における長さは、前記照射口の前記主走査方向の長さの2.0倍以下である、請求項1から5までの何れか一つに記載されたインクジェットプリンタ。」(下線は平成29年6月7日付けの手続補正書のとおり。) 2 補正の適否 審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項乃至第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 そして、「第4 本願発明」から「第6 対比・判断」までに示すように、補正後の請求項1乃至6に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。 第4 本願発明 本願請求項1乃至6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」乃至「本願発明6」という。)は、平成29年6月7日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1乃至請求項6に記載された事項により特定される、上記「第3 1 (2)本件補正後の特許請求の範囲」に記載したとおりのものと認める。 第5 引用刊行物等 1 引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成17年4月21日に頒布された引用文献1(特開2005-103854号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。(なお、下線は審決で付した。以下同じ。) (1)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 光を照射することにより硬化するインクを吐出するノズルが形成された記録ヘッドと、前記インクを硬化させる光を発生する光源が設けられた紫外線照射装置とを有し、前記記録ヘッドから吐出され前記記録媒体に着弾した前記インクに、前記光照射装置により光を照射することでインクを硬化させて、画像を記録するインクジェット記録装置において、前記光源と前記記録媒体との間に、前記光源から発せられた光を前記記録ヘッドに沿った線状の線状光に集光するシリンドリカルレンズを、前記線状光が前記記録ヘッドから離れる方向に照射されるように設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。」 (2)「【技術分野】 【0001】 本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に紫外線を照射することでインクを硬化させて画像を形成するインクジェット記録装置に関する。」 (3)「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、従来のインクジェット記録装置(特許文献1)では、光源から発せられ散乱した紫外線の一部が、光源を覆うカバー部材の内面や記録媒体の表面等で反射して、記録ヘッドに到達してしまっていた。特に、記録媒体の表面に凹凸がある場合や、記録媒体を支持するプラテン等の支持部材の平坦性が低い場合、及び、記録媒体表面と記録ヘッドのノズルが設けられている面であるノズル面との距離が大きい場合には、紫外線が反射してノズル面に到達しやすい。 【0006】 記録ヘッドに紫外線が到達すると、ノズル面に付着しているインクやノズル内のインクに紫外線が照射されることにより、インクが増粘あるいは硬化し、インクの吐出不良が生じるという問題があった。特に、紫外線により硬化するインクとしては、ラジカル重合系インクや、カチオン重合系インクが知られているが、このうち、カチオン重合系インクは、ラジカル重合系インクのように酸素による重合阻害を受けることがないため、紫外線に対する感度が高く、また活性種である酸が光エネルギーを蓄積する性質を有している。そのため、カチオン重合系インクを使用した場合は、ノズル面に付着しているインクやノズル内のインクに紫外線が照射されると、インクが増粘あるいは硬化し易く、インクの吐出不良が生じ易い。 【0007】 そこで、本発明は、記録媒体に着弾したインクを硬化させるために必要十分な光量を確保しつつ、反射によりノズル面に到達する光量を低減し、インクの増粘や硬化を防止してインクを安定して吐出することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。」 (4)「【0038】 図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の実施の一形態を示したもので、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置1である。インクジェット記録装置1は、図1に示すように、棒状のガイドレール2を有しており、このガイドレール2には、キャリッジ3が支持されている。このキャリッジ3は、キャリッジ駆動機構(図示しない)によって主走査方向Xをガイドレール2に沿って往復移動するようになっている。 【0039】 キャリッジ3には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクを吐出するノズル(図示しない)が設けられた記録ヘッド4が搭載されている。 … 【0041】 キャリッジ3の主走査方向Xにおける両側部には、ノズルから記録媒体5に吐出されたインクに対して紫外線を照射する光照射装置としての紫外線照射装置6が、断熱材7を介して設けられている。 【0042】 紫外線照射装置6は、記録媒体5側に向かって開口する箱型のカバー部材8を有しており、このカバー部材8の内部には、主走査方向Xと直行する副走査方向Yに沿った線状の光源9が、主走査方向Xに複数本配置されている。この光源9は、記録ヘッド4の副走査方向Yにおける長さと等しい長さを有する。光源9としては、低圧水銀灯、ブラックライト、冷陰極管、及びLED(Light Emitting Diode)等が適用可能である。」 そうすると、上記(1)乃至(4)の記載事項から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「光を照射することにより硬化するインクを吐出するノズルが形成された記録ヘッドと、前記インクを硬化させる光を発生する光源が設けられた紫外線照射装置とを有し、前記記録ヘッドから吐出され前記記録媒体に着弾した前記インクに、前記光照射装置により光を照射することでインクを硬化させて、画像を記録するインクジェット記録装置において、前記光源と前記記録媒体との間に、前記光源から発せられた光を前記記録ヘッドに沿った線状の線状光に集光するシリンドリカルレンズを、前記線状光が前記記録ヘッドから離れる方向に照射されるように設け、 棒状のガイドレールを有しており、このガイドレールには、キャリッジが支持され、 キャリッジには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のインクを吐出するノズルが設けられた記録ヘッドが搭載され、 キャリッジの主走査方向における両側部には、ノズルから記録媒体に吐出されたインクに対して紫外線を照射する光照射装置としての紫外線照射装置が、断熱材を介して設けられ、 紫外線照射装置は、記録媒体側に向かって開口する箱型のカバー部材を有しており、このカバー部材の内部には、主走査方向と直行する副走査方向に沿った線状の光源が、主走査方向に複数本配置されている インクジェット記録装置。」 2 引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成21年12月17日に頒布された引用文献2(特開2009-292091号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型のインクを用いて印刷を行うインクジェット方式の印刷装置であって、 媒体に対して前記インクのインク滴を吐出する印刷ヘッドと、 前記インク滴が着弾した前記媒体に紫外線を照射する紫外線照射部と、 予め設定された主走査方向へ前記印刷ヘッド及び前記紫外線照射部を走査させる走査駆動部と を備え、 前記紫外線照射部は、 前記主走査方向と直交する副走査方向へ複数のUVLEDが並ぶ第1UVLED列と、 前記第1UVLED列と平行に複数のUVLEDが並ぶ第2UVLED列と、 前記第1UVLED列から照射される紫外線と、前記第2UVLED列から照射される紫外線とを前記媒体上において重ならせる集光光学系と を有することを特徴とする印刷装置。」 (2)「【技術分野】 【0001】 本発明は、印刷装置及び紫外線照射装置に関する。」 (3)「【発明が解決しようとする課題】 【0006】 また、近年、紫外線の光源としてUVLED(発光ダイオード)を用いることが検討されている。UVLEDは、UVランプやメタルハライドランプ等の紫外線光源と比べ、一灯あたりの光量が小さい。そのため、例えば単にUVLEDの個数を増やして紫外線強度を大きくしようとすると、必要なUVLEDの個数が非常に多くなり、コストの大幅な上昇を招くおそれがある。また、UVLEDの個数が多くなると、例えば水冷の冷却装置等を用いることが必要となり、更なるコストの上昇を招くおそれもある。 【0007】 これに対しては、例えば特許文献1のような立体配置を用いて紫外線を効率的に利用することにより、必要なUVLEDの個数を減らすことも考えられる。しかし、UVLEDは、UVランプやメタルハライドランプ等と比べ、光軸方向の調整がより重要になる。そのため、例えば特許文献1のような立体配置を行うとすれば、紫外線光源から媒体への光路の調整作業(特に、微調整の作業)の負担が大きくなるおそれがある。また、例えばUVLEDのモジュール形状を考慮すると、特許文献1のような立体配置を行う場合、紫外線光源の設置の手間が大きく増大するおそれもある。 【0008】 そのため、紫外線光源としてUVLEDを用いる場合、紫外線硬化型のインクを用いて印刷を行う印刷装置に関して、より適切にUVLEDを配置することが求められる。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる印刷装置及び紫外線照射装置を提供することを目的とする。」 (4)「【0025】 印刷装置10は、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型のインクを用いて印刷を行うインクジェット方式の印刷装置である。また、本例において、印刷装置10は、媒体50を搬送しつつ印刷を行う縦型のインクジェットプリンタであり、制御部22、インクジェットヘッド12、ガイドレール18、プラテン14、ローラ16、及び紫外線照射部20を備える。尚、本実施形態の変形例において、印刷装置10は、例えばフラットヘッド型のインクジェットプリンタであってもよい。この場合、印刷装置10は、例えば、縦型のインクジェットプリンタ特有の構成に代えて、フラットヘッド型のインクジェットプリンタに必要な構成を適宜備える。 【0026】 制御部22は、例えば印刷装置10のCPUであり、印刷装置10の各部の動作を制御する。インクジェットヘッド12は、媒体50に対してインク滴を吐出する印刷ヘッドである。本例において、インクジェットヘッド12は、ガイドレール18に沿って主走査方向(Y方向)へ移動しつつ、媒体50に対してインク滴を吐出する。 【0027】 尚、インクジェットヘッド12は、主走査方向と直交する副走査方向(X方向)に複数のノズルが並ぶノズル列を有しており、ノズル列の各ノズルから、インク滴を吐出する。インクジェットヘッド12は、例えば、Y方向に並ぶ複数のノズル列を有してよい。また、例えば印刷装置10がカラープリントを行う印刷装置である場合、印刷装置10は、複数のインクジェットヘッド12を備えてもよい。印刷装置10は、例えば4色~8色、あるいはそれ以上の色数に対応するインクジェットヘッド12を備えてよい。 【0028】 ガイドレール18は、主走査方向へのインクジェットヘッド12及び紫外線照射部20の移動をガイドするレールである。また、本例において、ガイドレール18は、走査駆動部の一例であり、インクジェットヘッド12及び紫外線照射部20の移動をガイドすることにより、主走査方向へ、インクジェットヘッド12及び紫外線照射部20を走査させる。プラテン14は、インク滴が着弾する媒体50を支持する台であり、媒体50を挟んでインクジェットヘッド12と対向する。」 (5)「【0030】 紫外線照射部20は、インク滴が着弾した媒体50に紫外線を照射する。これにより、紫外線照射部20は、インクジェットヘッド12による吐出後のインクを硬化させる。また、本例において、印刷装置10は、複数の紫外線照射部20を備える。複数の紫外線照射部20は、主走査方向においてインクジェットヘッド12を挟むように、インクジェットヘッド12と一体に設けられる。」 (6)「【0033】 図2は、紫外線照射部20の構成の第1の例を示す。図2(a)は、紫外線照射部20において紫外線光源として用いられるUVLED102の配置の一例を示す。図2(b)は、紫外線照射部20の構成の一例を示す。本例において、紫外線照射部20は、複数のUVLED列100a、100b、集光光学系104、紫外線反射部110、及びヒートシンク112を有する。」 (7)「【0037】 集光光学系104は、UVLED列100a、100bから媒体50へ照射される紫外線を集光する光学系である。本例において、集光光学系104は、複数のレンズ106a、106b、及び複数のプリズム108a、108bを有する。」 (8)「【0042】 紫外線反射部110は、UVLED102の配列(アレイ)を囲む反射鏡である。本例において、紫外線反射部110は、反射面を紫外線照射部20の内側に向け、UVLED列100a、100b、及び集光光学系104を囲む。」 そうすると、上記(1)乃至(8)の記載事項から、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。 「紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型のインクを用いて印刷を行うインクジェット方式の印刷装置であって、 媒体に対して前記インクのインク滴を吐出する印刷ヘッドと、 前記インク滴が着弾した前記媒体に紫外線を照射する紫外線照射部と、 予め設定された主走査方向へ前記印刷ヘッド及び前記紫外線照射部を走査させる走査駆動部と を備え、 前記紫外線照射部は、 主走査方向において印刷ヘッドを挟むように、印刷ヘッドと一体に設けられ、 前記主走査方向と直交する副走査方向へ複数のUVLEDが並ぶ第1UVLED列と、 前記第1UVLED列と平行に複数のUVLEDが並ぶ第2UVLED列と、 前記第1UVLED列から照射される紫外線と、前記第2UVLED列から照射される紫外線とを前記媒体上において重ならせる、複数のレンズ、及び複数のプリズムを有する集光光学系と 反射面を紫外線照射部の内側に向け、UVLED列、及び集光光学系を囲む紫外線反射部、 を有し、 印刷装置は、ガイドレールを備え、 ガイドレールは、印刷ヘッド及び紫外線照射部の移動をガイドすることにより、主走査方向へ、印刷ヘッド及び紫外線照射部を走査させる、 インクジェット方式の印刷装置。」 3 引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成21年5月7日に頒布された引用文献3(特開2009-98381号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【特許請求の範囲】 【請求項9】 被記録媒体の搬送方向に対して交差する往復移動方向に移動しつつ紫外線硬化型インクを吐出する記録ヘッドと、 一方の焦点を通り短軸方向に延在する線の上に一対の端部を有して他方の焦点を内包する楕円弧の断面形状を有する楕円反射鏡、前記他方の焦点に配された紫外線光源、および、前記一方の焦点に入射側の焦点を有するコンデンサレンズとを有して、前記記録ヘッドから吐出されて前記被記録媒体に付着した前記紫外線硬化型インクに紫外線を照射する紫外線照射部と を備える記録装置。」 (2)「【技術分野】 【0001】 本発明は、紫外線照射装置および記録装置に関する。より詳細には、紫外線硬化型インクを用いる記録装置をはじめとする紫外線硬化性樹脂を硬化させる装置または設備におい て、紫外線硬化性樹脂に照射する紫外線を発生する紫外線照射装置と、それを備えた記録装置とに関する。」 (3)「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 紫外線硬化性樹脂は、照射された紫外線の強度に応じて硬化速度が変化する。このため、紫外線硬化性樹脂を硬化させる目的で使用される紫外線照射装置は、照射する紫外線強度を向上させることが常に求められている。 【0006】 しかしながら、多くの紫外線光源は紫外線と共に熱も発生するので、徒に投入エネルギーを大きくすることはできない。また、不可避に発生した熱を放散させ、あるいは、機器を冷却するために別途エネルギーを投入しなければならないので、高出力な紫外線照射装置のエネルギー効率は低下する傾向がある。」 (4)「【0023】 図3は、インクジェット式記録装置100の内部機構200を模式的に示す斜視図である。同図に示すように、内部機構200は、ガイド軸270、記録ヘッド組立体230および吸引プラテン250を含む。 【0024】 ガイド軸270は、インクジェット式記録装置100の長手方向に沿って水平に延在する。」。 【0025】 記録ヘッド組立体230は、記録ヘッド310と、ガイド軸270の延在方向に記録ヘッド310を挟む一対の紫外線照射ヘッド320、330とを含む。これら記録ヘッド310および紫外線照射ヘッド320、330は、ガイド軸270に沿って一体的に移動する。」 (5)「【0035】 紫外線照射ヘッド320、330の各々は、紫外線光源としての放電管332と、放電管332の出射光を下方に向かって誘導する楕円反射鏡334と、楕円反射鏡334から出射される紫外線を集光するコンデンサレンズ336とを備える。」 (6)「【0043】 図5に示すように、放電管332から放射されて楕円反射鏡334に反射された紫外線は、他方の焦点f2を通過して、開口から楕円反射鏡334の外部に出射される。出射した紫外線は、コンデンサレンズ336に入射され、出射側のレンズ335の径よりも狭い範囲に収束される。また、放電管332から出射されて、楕円反射鏡334に反射されることなく、開口から直接に出射された紫外線も、コンデンサレンズ336に入射されて収束される。 【0044】 なお、この光学的構造300においては、コンデンサレンズ336の入射面をなすレンズ331の入射面が、放電管332側から見て凹面を形成している。これにより、楕円反射鏡334の開口から出射されて拡散する紫外線も、コンデンサレンズ336に効率よく補足される。 【0045】 図6は、上記のような紫外線照射ヘッド330による紫外線の照射面強度を、図5と同じ断面において計測した結果を示すグラフである。なお、図中の「照射面位置」は、照射面における、照射紫外線の中心光軸の位置を「0」として、当該零点からの距離により表示されている。同図に示すように、放電管332が出射した紫外線は、零点を中心に収束されていることが判る。また、零点から離れた位置では照度が低く、記録用紙150に対して高い効率で照射されることが判る。 【0046】 このように、紫外線照射ヘッド330においては、放電管332から放射された紫外線が、高い割合で記録用紙150に照射される。本実施例に係る紫外線照射ヘッド330では、95.7%の平面光束有効率が得られた。 」 (7)上記(1)、及び(5)より、紫外線照射部は紫外線照射ヘッド320、330のことを指し、そして、上記(5)及び図4から、ケース、ケースの内部に配置され、紫外線を照射する紫外線光源を備える、紫外線照射部(紫外線照射ヘッド320、330)が看取できる。 (8)上記(1)及び(5)より、紫外線光源は放電管332を指すものである。 そうすると、上記(1)乃至(8)の記載事項から、引用文献3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。 「被記録媒体の搬送方向に対して交差する往復移動方向に移動しつつ紫外線硬化型インクを吐出する記録ヘッドと、 一方の焦点を通り短軸方向に延在する線の上に一対の端部を有して他方の焦点を内包する楕円弧の断面形状を有する楕円反射鏡、ケース、ケースの内部に配置され前記他方の焦点に配された紫外線光源、および、前記一方の焦点に入射側の焦点を有するコンデンサレンズとを有して、前記記録ヘッドから吐出されて前記被記録媒体に付着した前記紫外線硬化型インクに紫外線を照射する紫外線照射部と を備え、 ガイド軸を含み、 記録ヘッドと、ガイド軸の延在方向に記録ヘッドを挟む一対の紫外線照射部とを含む記録ヘッド組立体は、ガイド軸に沿って一体的に移動し、 紫外線光源から放射されて楕円反射鏡に反射された紫外線は、他方の焦点を通過して、開口から楕円反射鏡の外部に出射され、出射した紫外線は、コンデンサレンズに入射され、出射側のレンズの径よりも狭い範囲に収束される、 記録装置。」 4 引用文献4について 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願日前の平成24年3月29日に頒布された引用文献4(特開2012-61655号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 記録媒体に光硬化性インクを吐出するインク吐出ヘッドを搭載した1以上のヘッドユニットと、 前記記録媒体に吐出された前記光硬化性インクを光照射により半硬化させる1以上の仮硬化手段と、 前記記録媒体の幅に対応する第1照射面、および前記記録媒体から幅方向に外れた第2照射面を有すると共に、前記第1照射面の光照射により、前記記録媒体に吐出された半硬化状態の前記光硬化性インクを本硬化させる本硬化手段と、 前記第2照射面に対峙する受光部、および前記第2照射面からの照射光を前記受光部から前記各仮硬化手段に導く導光路部を有する1以上の導光手段と、を備えたことを特徴とする記録装置。 …【請求項8】 前記仮硬化手段は、 前記導光路部の出射端面から出射された照射光を光拡散する拡散レンズを有していることを特徴する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の記録装置。」 (2)「【技術分野】 【0001】 本発明は、記録媒体に吐出した光硬化性インクに対して光照射し、光硬化性インクを硬化する記録装置に関する。」 (3)「【発明が解決しようとする課題】 【0004】 このような従来のインクジェットプリンタでは、紫外線の照射に基づく、ヘッドキャリッジ廻り(記録ヘッド廻り)の大型化や重量(荷搬重量)の軽減を図ることができるものの、印刷品質に影響を及ぼす、色重ね印刷における混色防止や着弾した各光硬化性インクのグロスコントロールを適切に行うことができず、また本硬化のための光量不足により全体として印刷時間が長くなる問題がある。 色重ね印刷における混色防止およびグロスコントロールをいずれも適切に行うためには、インク色毎のインク吐出の直後に光硬化性インクを半硬化させ、半硬化の画像印刷やコーティング印刷が完了した後、所定の時間をおいて本硬化を実施する必要がある。 上記の従来技術では、混色防止に対してはインク色毎の頻繁な走査が必要であり、グロスコントロールに対しては印刷終了後に所定時間を待って本硬化を行う必要があり、実質上、混色防止およびグロスコントロールをいずれも適切に行うことはできない。 【0005】 本発明は、上記の問題に鑑み、印刷品質や印刷時間に影響を与えることなく、ヘッド廻りの小型化および軽量化を達成しながら、UVインクの混色防止およびグロスコントロールを適切に行うことのできる記録装置を提供することを課題とする。」 (4)「【0048】 拡散レンズ132は、記録媒体Aの幅方向に延在しており、照射部131の照射端面131aから照射される紫外線を入射する入射面135と、紫外線を記録媒体Aに出射する出射面136を有し、出射面136がピニングフレーム133の底部に面するように固定されている。記録媒体Aの幅方向に延在した出射面136によって、拡散レンズ132は、照射部131から照射された紫外線を光拡散する。これにより、ピニングユニット86は、上記のラインヘッド77が吐出したUVインクに対し、幅方向において略均一な光量で紫外線を照射することができる。なお、拡散レンズ132は、フレンネルレンズ、トーリックレンズおよびシリンドリカルレンズ等で構成可能である。」 そうすると、上記(1)乃至(4)の記載事項から、引用文献4には、次の発明(以下「引用発明4」という。)が記載されているものと認められる。 「記録媒体に光硬化性インクを吐出するインク吐出ヘッドを搭載した1以上のヘッドユニットと、 前記記録媒体に吐出された前記光硬化性インクを光照射により半硬化させる1以上の仮硬化手段と、 前記記録媒体の幅に対応する第1照射面、および前記記録媒体から幅方向に外れた第2照射面を有すると共に、前記第1照射面の光照射により、前記記録媒体に吐出された半硬化状態の前記光硬化性インクを本硬化させる本硬化手段と、 前記第2照射面に対峙する受光部、および前記第2照射面からの照射光を前記受光部から前記各仮硬化手段に導く導光路部を有する1以上の導光手段と、を備え、 前記仮硬化手段は、 前記導光路部の出射端面から出射された照射光を光拡散する拡散レンズを有し、 拡散レンズは、フレンネルレンズである、 記録装置。」 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1)引用発明1についての検討 ア 対比 そこで、本願発明1と引用発明1とを対比すると、 後者の「棒状のガイドレール」、「記録媒体」、「光を照射することにより硬化するインク」、「インクを吐出するノズルが形成された記録ヘッド」、「記録媒体側に向かって開口する箱型のカバー部材」、「光源」、「紫外線照射装置」、「シリンドリカルレンズ」、及び「インクジェット記録装置」は、それぞれ、前者の「ガイドレール」、「記録媒体」、「硬化インク」、「インクを吐出する記録ヘッド」、「口が形成されたケース」、「光源」、「紫外線照射装置」、「レンズ」、及び「インクジェットプリンタ」に相当する。 後者の「ガイドレール」には、キャリッジが、支持されているから、キャリッジの主走査方向とは、ガイドレールの延びる方向といえる。ここで、前者における「主走査方向」とは、記録ヘッドの移動方向であって、ガイドレールの延びる方向である。そうすると、後者の「ガイドレール」は、「主走査方向に延びる」といえる。 後者の「記録ヘッド」は、ガイドレールに支持されたキャリッジに搭載されるものであるから、「主走査方向に移動可能なようにガイドレールにスライド自在に係合」するといえる。 後者の「光を照射することにより硬化するインク」は、紫外線照射装置に設けられた光源から発生する光により硬化するものであるから、「紫外線硬化インク」といえる。 後者の「紫外線照射装置」は、記録媒体側に向かって開口する箱型のカバー部材を有しているから、「照射口が形成されたケースを備え」るといえる。 また、後者の「紫外線照射装置」は、そのカバー部材の内部には、主走査方向と直行する副走査方向に沿った線状の光源が、主走査方向に複数本配置されているものであるから、「ケースの内部に配置され、紫外線を照射する光源とを備え」るといえる。 また、後者の「紫外線照射装置」は、キャリッジの主走査方向における両側部に、ノズルから記録媒体に吐出されたインクに対して紫外線を照射する光照射装置として、断熱材を介して設けられるものであるから、「記録ヘッドに対して記録ヘッドと共に移動するように設けられ、記録ヘッドから記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する紫外線照射装置」といえる。 後者の「シリンドリカルレンズ」は、光源から発せられた光を記録ヘッドに沿った線状の線状光に集光するものであるから、「光源から記録媒体へ向かって照射される紫外線の、主走査方向における広がりを防止する拡散防止手段」といえる。 したがって、両者は、 「主走査方向に延びるガイドレールと、 前記主走査方向に移動可能なように前記ガイドレールにスライド自在に係合し、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する記録ヘッドと、 照射口が形成されたケースと、前記ケースの内部に配置され、紫外線を照射する光源とを備え、前記記録ヘッドに対して前記記録ヘッドと共に移動するように設けられ、前記記録ヘッドから前記記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する紫外線照射装置と、 を備え、 前記紫外線照射装置には、前記光源から前記記録媒体へ向かって照射される紫外線の、前記主走査方向における広がりを防止する拡散防止手段が設けられ、 前記拡散防止手段は、レンズである、インクジェットプリンタ。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点1] 本願発明1が、「光源は、ケースの下部に設けられ」、拡散防止手段は、「ケースの下部に設けられた」レンズであるのに対し、引用発明1は、その点が明らかでない点。 [相違点2] 本願発明1が、「光源から照射される紫外線が前記記録媒体上に照射される照射範囲のうち、前記記録媒体上における最大照射強度の10%以上の照射強度で前記紫外線が照射される照射範囲の前記主走査方向における長さは、前記照射口の前記主走査方向の長さ以上であり、かつ、前記照射口の前記主走査方向の長さの1.2倍以下である」のに対し、引用発明1は、光源から発せられた光が、記録ヘッドに沿って集光された線状の線状光である点。 イ 相違点2についての判断 引用文献1に、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を示唆する記載もないし、引用発明1は、光源から発せられた光が、記録ヘッドに沿って集光された線状の線状光であるから、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を設計的事項といえる理由もない。 そして、本願発明1は、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項により、「記録媒体から反射した紫外線を記録ヘッド内のインクにより一層照射させにくくすることができる。」(【0020】参照。)という作用効果を奏するものである。 また、原査定で提示されたいずれの引用文献にも、記載も示唆もされていない。 したがって、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (2)引用発明2についての検討 ア 対比 そこで、本願発明1と引用発明2とを対比すると、 後者の「ガイドレール」、「媒体」、「紫外線硬化型のインク」、「媒体に対して前記インク(紫外線硬化型のインク)のインク滴を吐出する印刷ヘッド」、「『第1UVLED列』及び『第2UVLED列』」、「紫外線照射部」、「第1UVLED列から照射される紫外線と、第2UVLED列から照射される紫外線とを媒体上において重ならせる集光光学系」、「複数のレンズ」、及び「インクジェット方式の印刷装置」は、それぞれ、前者の「ガイドレール」、「記録媒体」、「紫外線硬化インク」、「記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する記録ヘッド」、「紫外線を照射する光源」、「紫外線照射装置」、「光源から前記記録媒体へ向かって照射される紫外線の、主走査方向における広がりを防止する拡散防止手段」、「レンズ」、及び「インクジェットプリンタ」に相当する。 後者の「ガイドレール」は、印刷ヘッド及び紫外線照射部の移動をガイドすることにより、主走査方向へ、印刷ヘッド及び紫外線照射部を走査させるものであるから、「主走査方向に延びるガイドレール」といえる。そして、後者の、「印刷ヘッド」は、ガイドレールにガイドされ、主走査方向に走査するものであるから、「主走査方向に移動可能なようにガイドレールにスライド自在に係合」するといえる。 後者の「紫外線反射部」は、反射面を紫外線照射部の内側に向け、UVLED列、及び集光光学系を囲むものであるから、「照射口が形成されたケース」といえ、後者の「『第1UVLED列』及び『第2UVLED列』」は、「ケースの内部に配置され」るといえる。 後者の「紫外線照射部」は、主走査方向において印刷ヘッドを挟むように、印刷ヘッドと一体に設けられるものであるから、「記録ヘッドに対して前記記録ヘッドと共に移動するように設けられ、前記記録ヘッドから前記記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する」といえる。 後者の「紫外線反射部」は、集光光学系を囲む紫外線反射部、を有するものであるから、「紫外線照射装置には、拡散防止手段が設けられ」ているといえる。 したがって、両者は、 「主走査方向に延びるガイドレールと、 前記主走査方向に移動可能なように前記ガイドレールにスライド自在に係合し、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する記録ヘッドと、 照射口が形成されたケースと、前記ケースの内部に配置され、紫外線を照射する光源とを備え、前記記録ヘッドに対して前記記録ヘッドと共に移動するように設けられ、前記記録ヘッドから前記記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する紫外線照射装置と、 を備え、 前記紫外線照射装置には、前記光源から前記記録媒体へ向かって照射される紫外線の、前記主走査方向における広がりを防止する拡散防止手段が設けられる、インクジェットプリンタ。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点1] 本願発明1が、「光源は、ケースの下部に設けられ」、拡散防止手段は、「ケースの下部に設けられた」レンズであるのに対し、引用発明2は、その点が明らかでない点。 [相違点2] 本願発明1が、「光源から照射される紫外線が前記記録媒体上に照射される照射範囲のうち、前記記録媒体上における最大照射強度の10%以上の照射強度で前記紫外線が照射される照射範囲の前記主走査方向における長さは、前記照射口の前記主走査方向の長さ以上であり、かつ、前記照射口の前記主走査方向の長さの1.2倍以下である」のに対し、引用発明2は、第1UVLED列から照射される紫外線と、第2UVLED列から照射される紫外線とを媒体上において重ならせる集光光学系である点。 イ 相違点2についての判断 引用文献2に、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を示唆する記載もないし、引用発明2は、第1UVLED列から照射される紫外線と、第2UVLED列から照射される紫外線とを媒体上において重ならせる集光光学系であるから、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を設計的事項といえる理由もない。 そして、本願発明1は、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項により、「記録媒体から反射した紫外線を記録ヘッド内のインクにより一層照射させにくくすることができる。」(【0020】参照。)という作用効果を奏するものである。 また、原査定で提示されたいずれの引用文献にも、記載も示唆もされていない。 したがって、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 (3)引用発明3についての検討 ア 対比 そこで、本願発明1と引用発明3とを対比すると、 後者の「ガイド軸」、「被記録媒体」、「紫外線硬化型インク」、「紫外線硬化型インクを吐出する記録ヘッド」、「紫外線光源」、「紫外線照射部」、及び「コンデンサレンズ」は、それぞれ、前者の「ガイドレール」、「記録媒体」、「紫外線硬化インク」、「紫外線硬化インクを吐出する記録ヘッド」、「紫外線を照射する光源」、「紫外線照射装置」、及び「レンズ」に相当する。 後者の「記録ヘッドと、ガイド軸の延在方向に記録ヘッドを挟む一対の紫外線照射部とを含む記録ヘッド組立体」は、ガイド軸に沿って一体的に移動し、「紫外線照射部」、記録ヘッドから吐出されて被記録媒体に付着した紫外線硬化型インクに紫外線を照射するものであるから、後者の「紫外線照射部」は、「記録ヘッドに対して記録ヘッドと共に移動するように設けられ、記録ヘッドから記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する」といえる。 後者の「記録ヘッド」は、ガイド軸に支持され、ガイド軸に沿って移動するものであるから、「主走査方向に移動可能なように前記ガイドレールにスライド自在に係合」するといえる。 後者の「紫外線照射部」は、ケース、ケースの内部に配置され前記他方の焦点に配された紫外線光源とを有するものであるから、「ケースと、前記ケースの内部に配置され、紫外線を照射する光源とを備え」るといえる。 後者の「コンデンサレンズ」は、入射された紫外線を、出射側のレンズの径よりも狭い範囲に収束するものであるから、「紫外線照射装置には、光源から記録媒体へ向かって照射される紫外線の、主走査方向における広がりを防止する拡散防止手段」といえる。 後者の「記録装置」は、紫外線硬化型インクを吐出する記録ヘッドを備えた記録装置であるから、「インクジェットプリンタ」といえる。 したがって、両者は、 「主走査方向に延びるガイドレールと、 前記主走査方向に移動可能なように前記ガイドレールにスライド自在に係合し、記録媒体に向かって紫外線硬化インクを吐出する記録ヘッドと、 照射口が形成されたケースと、前記ケースの内部に配置され、紫外線を照射する光源とを備え、前記記録ヘッドに対して前記記録ヘッドと共に移動するように設けられ、前記記録ヘッドから前記記録媒体に吐出された紫外線硬化インクに紫外線を照射する紫外線照射装置と、 を備え、 前記紫外線照射装置には、前記光源から前記記録媒体へ向かって照射される紫外線の、前記主走査方向における広がりを防止する拡散防止手段が設けられる、インクジェットプリンタ。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点1] 本願発明1が、「光源は、ケースの下部に設けられ」、拡散防止手段は、「ケースの下部に設けられた」レンズであるのに対し、引用発明3は、その点が明らかでない点。 [相違点2] 本願発明1が、「光源から照射される紫外線が前記記録媒体上に照射される照射範囲のうち、前記記録媒体上における最大照射強度の10%以上の照射強度で前記紫外線が照射される照射範囲の前記主走査方向における長さは、前記照射口の前記主走査方向の長さ以上であり、かつ、前記照射口の前記主走査方向の長さの1.2倍以下である」のに対し、引用発明3は、紫外線光源から放射されて楕円反射鏡に反射された紫外線は、他方の焦点を通過して、開口から楕円反射鏡の外部に出射され、出射した紫外線は、コンデンサレンズに入射され、出射側のレンズの径よりも狭い範囲に収束されるものである点。 イ 相違点2についての判断 引用文献3に、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を示唆する記載もないし、引用発明3は、紫外線光源から放射されて楕円反射鏡に反射された紫外線は、他方の焦点を通過して、開口から楕円反射鏡の外部に出射され、出射した紫外線は、コンデンサレンズに入射され、出射側のレンズの径よりも狭い範囲に収束されるものであるから、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を設計的事項といえる理由もない。 そして、本願発明1は、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項により、「記録媒体から反射した紫外線を記録ヘッド内のインクにより一層照射させにくくすることができる。」(【0020】参照。)という作用効果を奏するものである。 また、原査定で提示されたいずれの引用文献にも、記載も示唆もされていない。 したがって、相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、引用発明3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 2 本願発明2乃至6について 本願発明2乃至6は、本願発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、上記「1 (1)」、上記「1 (2)」、及び上記「1 (3)」と同様の理由により、本願発明2乃至6は、引用発明1、引用発明2、または引用発明3、並びに引用文献4に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 第7 原査定について 本願発明1は、上記「第6 1 (1)」乃至「第6 1 (3)」のとおり、当業者が引用発明1、引用発明2、または引用発明3に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 また、本願発明2乃至6は、本願発明1の発明特定事項に加えてさらなる発明特定事項を追加して限定を付したものであるから、上記「第6 1 (1)」乃至「第6 1 (3)」と同様の理由により、引用発明1、引用発明2、または引用発明3に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-008227

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