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特許拒絶査定不服審判

2016-017071

プリント配線板及び光源モジュール及び照明器具及び製造方法

審判番号
2016-017071
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-111387外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年11月15日
審決日
2017年05月22日
公報発行日
2017年07月28日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H05K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-111387「プリント配線板及び光源モジュール及び照明器具及び製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成25年11月28日出願公開、特開2013-239562、請求項の数(4)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年5月15日の出願であって、平成28年2月25日付けで拒絶理由が通知され、同年3月30日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたが、同年8月25日付け(発送日:同年8月30日)で拒絶査定(以下、「原査定」という。)がされ、これに対し、同年11月15日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ、平成29年1月26日に前置報告がされ、同年3月6日に審判請求人から上申書が提出されたものである。 第2 原査定の概要 原査定の概要は次のとおりである。 (進歩性)本件出願の請求項1~4に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物1、2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2011-258381号公報 2.特開昭62-69582号公報 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正(以下、「本件補正」という。)は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 なお、本件補正の、請求項1の「上記複数の光源実装部のうち端に配置された光源実装部の周りを囲むように配置され」との記載については、 本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)の、「実装部間接続部327は、光源実装部34の周りを囲む形状である。」(段落【0020】)との記載、及び【図4】の記載に基づくものであるから、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第17条の2第3項の要件に違反するものではなく、 また、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第2接続部」について、補正前に「上記複数の光源実装部の周りを囲むように配置され」とあったものを、補正後に「上記複数の光源実装部のうち端に配置された光源実装部の周りを囲むように配置され」に限定するもので、その補正前の請求項1に記載された発明とその補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとしている課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、 更に、縦に一定個ずつ並べられるとともに横に一定個ずつ並べられた複数の光源実装部(34)のうちの、縦及び横方向の端に配置された光源実装部(34)の周りを囲むように、第2接続部(327)が配置されていることを意味することは明らかであるから、特許を受けようとする発明は明確である。 そして、後述の「第4 本願発明」~「第6 対比・判断」に示すように、本願発明1~4は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 第4 本願発明 本願の請求項1~4に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明4」という。)は、平成28年11月15日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】 隣り合って配置された一対の端子接続ランドを有し、光源素子を実装可能に形成された光源実装部が、縦に一定個ずつ並べられるとともに横に一定個ずつ並べられた複数の光源実装部と、 対を成す端子接続ランドを除いた縦及び横方向に隣合う端子接続ランドの間を電気接続する第1接続部と、上記複数の光源実装部のうち端に配置された光源実装部の周りを囲むように配置され、上記複数の光源実装部のうち端に配置された上記端子接続ランドと電気接続される第2接続部とを有し、レーザ加工により上記電気接続を切断可能である実装部間接続部と を有することを特徴とするプリント配線板。 【請求項2】 上記実装部間接続部が有する上記第1接続部と上記第2接続部とのうち少なくともいずれかがレーザ加工により切断されている請求項1に記載のプリント配線板と、 複数の上記光源実装部のうち少なくともいずれかに実装された光源素子と を有することを特徴とする光源モジュール。 【請求項3】 請求項2に記載の光源モジュールと、 上記光源素子に対して電力を供給する点灯回路と を有することを特徴とする照明器具。 【請求項4】 請求項1に記載のプリント配線板に対してレーザ加工をし、上記実装部間接続部が有する上記第1接続部と上記第2接続部とのうち少なくともいずれかを切断し、 複数の上記光源実装部のうち少なくともいずれかに、光源素子を実装する ことを特徴とする光源モジュールまたは照明器具の製造方法。」 第5 引用文献、引用発明等 1 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2011-258381号公報(以下、「引用文献1」という。)には、「配線基板及び照明装置」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。 「【0029】 〈実施の形態1〉 図1は、前記LEDを実装した、本実施の形態1に係る配線基板を示す平面図である。図中1は、円板状をなす配線基板である。配線基板1には、所定形状をなす島状の10個の銅箔ランド2a~2j(図1のハッチングを付した部分)によって形成された導通パターン2Aが形成してある。導通パターン2Aは、LED3を実装可能とする複数の実装部13を有している。 【0030】 具体的には、導通パターン2Aを形成する前記銅箔ランド2a~2jが、隣り合う銅箔ランド間に、LED3を実装可能とする複数の実装部13を有しており、該実装部13にLED3を実装することで前記銅箔ランド2a~2jの隣り合う銅箔ランド間が導通される。これにより複数の銅箔ランド2a~2jが前記隣り合う銅箔ランド間の実装部13に実装したLED3によって直列的に接続され、導通パターン2Aは導通される。 【0031】 以下、本実施の形態1の配線基板1に形成された導通パターン2Aに実装されるLED3によって、導通パターン2Aがどのように導通されるか、その詳細について説明する。 【0032】 図1中実線の矩形で示す13a~13iは、LED3を実装可能とする実装部13を示し、3a~3iは、前記実装部13a~13iに実装することで導通パターン2Aに実装されたLED3を表す。具体的には、銅箔ランド2a,2bや、銅箔ランド2b,2c等の、隣り合って対をなす前記銅箔ランドが有する実装部13a~13iにLED3a~3iを実装することで、前記対をなす銅箔ランドが導通される。 【0033】 即ち、夫々の隣り合う銅箔ランドの対の間に形成された実装部にLED3を配置し、前記銅箔ランドの対夫々が有する端子と、LED3の両端の端子を接続することで、前記対が前記LED3により導通される。複数の銅箔ランド2a~2jの隣り合う銅箔ランドの対を一部で開放されることなく連続的に前記LED3で導通することで、銅箔ランド2a~2jが直列的に接続され、導通パターン2Aが導通される。 【0034】 また、図1に点線の矩形で示す13j,13k,13lは、LED3が実装されてはいないがLED3を実装可能とし、LED3を実装することで銅箔ランドの対である、銅箔ランド2b,2d、銅箔ランド2e,2f及び銅箔ランド2h,2iを導通する実装部13を表している。これにより、前記実装部13j,13k,13lを含む実装部13a~13iの夫々において、LED3の実装または非実装の選択を可能にしている。 【0035】 より具体的に、各銅箔ランド2a~2jの、実装部13a~13iに実装するLED3a~3iによる接続関係の構成について説明する。隣り合う銅箔ランド2a,2bの対が有する実装部13aにはLED3aが配置され、隣り合う銅箔ランド2b,2cの対が有する実装部13bにはLED3bが配置され、隣り合う銅箔ランド2c,2dの対が有する実装部13cにはLED3cが配置され、隣り合う銅箔ランド2d,2eの対が有する実装部13dにはLED3dが配置され、隣り合う銅箔ランド2e,2fの対が有する実装部13eにはLED3eが配置され、隣り合う銅箔ランド2f,2gの対が有する実装部13fにはLED3fが配置され、隣り合う銅箔ランド2g,2hの対が有する実装部13gにはLED3gが配置され、隣り合う銅箔ランド2h,2iの対が有する実装部13hにはLED3hが配置され、隣り合う銅箔ランド2i,2jの対が有する実装部13iにはLED3iが配置されている。これにより、隣り合う各銅箔ランドの対が、各対が有する実装部13に配置されたLED3を実装することによって導通される。即ち、銅箔ランドの対が少なくとも1つのLED3で導通されることで、隣り合う銅箔ランドの各対が連続的に導通される。このように、LED3を実装することにより、銅箔ランド2a~2jが直列的に接続されて、前記導通パターン2Aが導通される。 【0036】 このような銅箔ランド2a~2jに対するLED3a~3iの配置及び実装により、複数のLED3a~3iを接続する直列回路は構成される。直列に接続された銅箔ランドの一端に位置する銅箔ランド2aは、コネクタを介して電源基板と接続されており、他端の銅箔ランド2jは接地されている。そして、前記電源基板からLED3a~3iに電流を供給することにより、各LED3a~3iが発光する。 【0037】 また、隣り合って対をなす銅箔ランド2b,2d間には、LED3を実装して銅箔ランド2b,2dを導通することが可能な実装部13jが設けられている。前記銅箔ランド2b,2dの対を、数量変更用の対とする。 【0038】 また、隣りあって対をなす銅箔ランド2e,2f間には、LED3eが実装された実装部13eとは異ならせて実装部13kが設けられている。従って、実装部13kでは、実装部13eとは異なる位置でLED3を配置及び実装して銅箔ランド2e,2fを導通することが可能である。この実装部13kは、LED3eの実装部13eよりも面積が小さく、実装部13eよりも小型のLED3を実装することが可能である。前記銅箔ランド2e,2fの対を、形状変更用の対とする。 【0039】 更に、隣り合って対をなす銅箔ランド2h,2i間には、LED3hが実装された実装部13hとは異ならせて実装部13lが設けられている。従って、実装部13lでは、実装部13hとは異なる位置でLED3を配置及び実装して銅箔ランド2h,2iを導通することが可能である。前記銅箔ランド2h,2iの対を、配置変更用の対とする。」 上記の記載事項及び図面の記載を総合すれば、引用文献1には、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、実施の形態1(【図1】)として、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「隣り合う銅箔ランドの対((2a、2b)、(2b、2c)、(2b、2d)・・・(2i、2j))を有し、LED3を実装可能に形成された実装部13が、並べられた複数の実装部13と、 を有する配線基板1。」 2 原査定の拒絶の理由に引用され、本願の出願前に頒布された刊行物である特開昭62-69582号公報(以下、「引用文献2」という。)には、「プリント板の回路形成方法」に関して、図面とともに次の事項が記載されている(以下、「引用文献2に記載された事項」という。)。 (1) 「本実施例は、第1図に示すように、厚膜パターンを絶縁性基板上に形成した片面プリント板(10)の例であり、第1図(イ)に示すように、セラミック基板等の絶縁性基板11上に基本配線パターン(基本パターン)12を予め形成する。この基本パターン12は、第1図(イ)に示すように、所定の最小単位の間隔(例えば、2.54mm又は2.50mmピッチ)で直交格子の交点位置に設けられ、縦横に配列された部品取付用ランド(第1図(イ)には部品取付用ランドA1~A12だけを示しである)と、互に隣り合う各ランド相互間すべてを接続する縦及び横方向の縦横接続パターンBl,B2(代表としてそれぞれ1箇所のみ示しである)と、各ランド(A1~A12)相互間に介在し横方向に延びて縦方向の縦横接続パターン(B1)相互間を接続する第1の縦横中間パターンC1とから成る第1層導体パターンと、各ランド(A1~A12)相互間に介在し縦方向に延びて横方向の縦横接続パターン(B2)相互間を接続しかつ第1の縦横中間パターンC1とその交差部のみで絶縁体Dを介して互に絶縁されて第2の縦横中間パターンC2として形成された第2層導体パターンとから構成される。」(3ページ右上欄6行~左下欄8行) (2) 「本発明方法の長所の一つは、このようなマスク等のアートワーク部材を一度作製しておけば、異種類の回路基板形成に共用することができ、各種の回路基板に対してその都度新たなアートワーク部材を作製する必要がないことである。 さて、本発明方法により所望の回路パターンを形成するには、第1図(イ)に示す基本配線パターン12における回路パターン形成上不必要な配線パターンを選択し、これをレーザ光を用いて除去(断線)することにより簡便に所望の回路パターンを形成することができる。例えば、第1図(ロ)に符号E(代表として1箇所のみ示す)で示すパターン切断部をレーザ光で切断(断線)すれば、第1図(ハ)に示すような回路パターンを形成することができる。本例では、第1図(ハ)に斜線で示すように、ランドA1が第2の縦横中間パターンC2を介してランドA10に接続され、ランドA2が第1の縦横中間パターンC1を介してランドA4に接続され、ランドA7が第1の縦横中間パターンC1を介してランドA9に接続されている。このようにして同一種類の基本配線パターン12から所望する種々の回路パターンをきわめて短時間(短手番)で形成することができる。」(3ページ右下欄9行~4ページ左上欄11行) 第6 対比・判断 1 本願発明1について (1) 対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 引用発明の「隣り合う銅箔ランドの対((2a、2b)、(2b、2c)、(2b、2d)・・・(2i、2j))」は、本願発明1の「隣り合って配置された一対の端子接続ランド」に相当する。 以下同様に、「LED3」は、「光源素子」に、 「実装部13」は、「光源実装部」に、 「配線基板1」は、「プリント配線板」に、それぞれ相当する。 以上のことから、本願発明1と引用発明とは次の点で一致する。 「隣り合って配置された一対の端子接続ランドを有し、光源素子を実装可能に形成された光源実装部が、並べられた複数の光源実装部 を有するプリント配線板。」 一方で、両者は次の点で相違する。 [相違点1] 光源実装部に関して、本願発明1では、「縦に一定個ずつ並べられるとともに横に一定個ずつ並べられ」ているのに対して、 引用発明では、縦に一定個ずつ並べられたものではなく、横に一定個ずつ並べられたものでもない点。 [相違点2] 本願発明1は、「対を成す端子接続ランドを除いた縦及び横方向に隣合う端子接続ランドの間を電気接続する第1接続部と、上記複数の光源実装部のうち端に配置された光源実装部の周りを囲むように配置され、上記複数の光源実装部のうち端に配置された上記端子接続ランドと電気接続される第2接続部とを有し、レーザ加工により上記電気接続を切断可能である実装部間接続部」との構成を備えているのに対して、 引用発明は、かかる構成を備えていない点。 (2) 相違点についての判断 相違点2について判断する。 引用文献2に記載された事項には、基本パターン12は、縦横に配列された部品取付用ランド(A1~A12)と、互に隣り合う各ランド相互間すべてを接続する縦及び横方向の縦横接続パターン(Bl、B2)と、各ランド(A1~A12)相互間に介在し横方向に延びて縦方向の縦横接続パターン(B1)相互間を接続する第1の縦横中間パターンC1とから成る第1層導体パターンと、各ランド(A1~A12)相互間に介在し縦方向に延びて横方向の縦横接続パターン(B2)相互間を接続しかつ第1の縦横中間パターンC1とその交差部のみで絶縁体Dを介して互に絶縁されて第2の縦横中間パターンC2として形成された第2層導体パターンとから構成され、基本配線パターン12における回路パターン形成上不必要な配線パターンを選択し、これをレーザ光を用いて除去(断線)することにより簡便に所望の回路パターンを形成することが記載されている。 しかし、引用文献2に記載された事項には、「対を成す端子接続ランドを除いた縦及び横方向に隣合う端子接続ランドの間を電気接続する第1接続部と、上記複数の光源実装部のうち端に配置された光源実装部の周りを囲むように配置され、上記複数の光源実装部のうち端に配置された上記端子接続ランドと電気接続される第2接続部とを有し、レーザ加工により上記電気接続を切断可能である実装部間接続部」については、記載も示唆もされていない。 すると、たとえ引用発明に引用文献2に記載された事項を適用したとしても、上記相違点2に係る本願発明1の構成に至るものではない。 したがって、上記相違点2に係る本願発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たとはいえない。 このように、上記相違点2に係る本願発明1の構成は、当業者が容易に想到し得たとはいえないから、相違点1について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 2 本願発明2~4について 本願発明2~4は、本願発明1をさらに限定したものであるので、本願発明1と同様の理由により、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 第7 原査定について 原査定の理由(特許法第29条第2項)について 審判請求時の補正により、本願発明1~4は「対を成す端子接続ランドを除いた縦及び横方向に隣合う端子接続ランドの間を電気接続する第1接続部と、上記複数の光源実装部のうち端に配置された光源実装部の周りを囲むように配置され、上記複数の光源実装部のうち端に配置された上記端子接続ランドと電気接続される第2接続部とを有し、レーザ加工により上記電気接続を切断可能である実装部間接続部」との構成を備えるものとなっている。 そして、「第4 本願発明」~「第6 対比・判断」に示したように、本願発明1~4は、原査定において引用された引用文献1及び2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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