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特許拒絶査定不服審判

2016-017056

配線基板、配線基板の製造方法、及び発光装置

審判番号
2016-017056
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-016710外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年11月15日
審決日
2017年09月26日
公報発行日
2017年11月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H05K) / P18 .537-WY (H05K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-16710「配線基板、配線基板の製造方法、及び発光装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年8月15日出願公開、特開2013-157441、請求項の数(13)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 本願は、平成24年1月30日の出願であって、平成26年12月22日に手続補正書が提出され、平成27年9月2日付けで拒絶理由が通知され、同年11月6日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年2月10日付けで拒絶理由が通知され、同年4月13日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月16日付け(発送日:同年8月23日)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に、明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正がなされ、その後、平成29年1月17日に前置報告がされ、当審において同年4月27日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年6月30日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2.本願発明 本願の請求項1ないし13に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明13」という。)は、平成29年6月30日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認められる。 「【請求項1】 絶縁基板と、 前記絶縁基板の一方の面に形成され、長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する配線層と、 前記配線層の上に形成され、前記複数の所定の配線パターンの各々の一部を端子として露出する絶縁層と、 前記絶縁基板の他方の面側に配設される放熱板と、 前記絶縁基板の一方の面と他方の面との間を貫通する複数の貫通孔内に、前記複数の貫通孔内に充填される金属でそれぞれ形成され、前記配線層に接続される複数の熱伝導部と を含み、 前記複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、 前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、 前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、 前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、 隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築しており、 前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されており、 前記放熱板は、接着層を介して前記絶縁基板の他方の面側に配設されており、 前記複数の熱伝導部の一端は、それぞれ、前記複数の貫通孔の他方の面側から突出しており、 前記複数の貫通孔の一方の面側の開口は、前記配線層の裏面によって閉塞されており、 前記複数の熱伝導部は、前記配線層の裏面に設けられる、配線基板。 【請求項2】 前記複数の熱伝導部は、前記複数の所定の配線パターンの前記複数の端子に対応した位置において前記複数の所定の配線パターンに接続される、請求項1記載の配線基板。 【請求項3】 前記複数の熱伝導部の一端は、前記放熱板の表面に直接接続される、請求項1又は2記載の配線基板。 【請求項4】 前記複数の熱伝導部の一端は、接着層を介して前記放熱板の表面に接続される、請求項1又は2記載の配線基板。 【請求項5】 前記複数の熱伝導部は、柱状の部材である、請求項1乃至4のいずれか一項記載の配線基板。 【請求項6】 前記絶縁層は、前記第1電極と前記第2電極として露出する前記一部とは異なる前記配線層の一部を前記端子として露出する、請求項1乃至5のいずれか一項記載の配線基板。 【請求項7】 前記絶縁基板は、絶縁樹脂フィルムである、請求項1乃至6のいずれか一項記載の配線基板。 【請求項8】 絶縁基板に複数の貫通孔を形成する工程と、 前記絶縁基板の一方の面に前記複数の貫通孔の前記一方の面側を閉塞して金属層を設ける工程と、 前記金属層に給電して電解めっき処理を行うことにより、前記複数の貫通孔内に充填されるめっき金属で前記複数の貫通孔の内部に複数の熱伝導部をそれぞれ形成する工程と、 前記金属層をパターニングして、長手方向及び幅方向に伸延する複数のストライプ状の所定の配線パターンであって、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列される複数の所定の配線パターンを有する配線層を形成する工程と、 前記配線層の上に、前記複数の所定の配線パターンの各々の複数の箇所を前記長手方向に伸延する辺に沿って複数の端子として露出する絶縁層を形成する工程であって、隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築するように、かつ、前記端子対が前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されるように、前記絶縁層を形成する工程と、 前記絶縁基板の他方の面側に、接着層を介して放熱板を配設する工程と を含み、 前記複数の熱伝導部を形成する工程は、前記複数の熱伝導部の一端が前記複数の貫通孔の他方の面側から突出するように形成する工程であり、 前記複数の所定の配線パターンを有する配線層を形成する工程は、前記複数の所定の配線パターンが、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有するように前記配線層を形成する工程であり、 前記複数の端子を露出する絶縁層を形成する工程は、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとが、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されるように、前記絶縁層を形成する工程である、配線基板の製造方法。 【請求項9】 前記複数の熱伝導部を形成する工程は、前記金属層のうち前記複数の貫通孔の内部に露出する部分にめっき金属を析出させることによって、前記複数の貫通孔内に前記めっき金属を充填することにより、前記めっき金属で前記熱伝導部を形成する工程である、請求項8記載の配線基板の製造方法。 【請求項10】 前記放熱板を配設する工程は、前記複数の熱伝導部の前記一端が前記放熱板の表面に直接接続されるように、前記絶縁基板の他方の面側に、前記接着層を介して前記放熱板を配設する工程である、請求項8又は9記載の配線基板の製造方法。 【請求項11】 前記放熱板を配設する工程は、前記複数の熱伝導部の前記一端が前記接着層を介して前記放熱板の表面に接続されるように、前記絶縁基板の他方の面側に、前記接着層を介して前記放熱板を配設する工程である、請求項8又は9記載の配線基板の製造方法。 【請求項12】 絶縁基板と、 前記絶縁基板の一方の面に形成され、長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する配線層と、 前記配線層の上に形成され、前記複数の所定の配線パターンの各々の一部を端子として露出する絶縁層と、 前記絶縁基板の他方の面側に配設される放熱板と、 前記絶縁基板の一方の面と他方の面との間を貫通する複数の貫通孔内に、前記複数の貫通孔内に充填される金属でそれぞれ形成され、前記配線層に接続される複数の熱伝導部と、 発光素子と を含み、 前記複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、 前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、 前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、 前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、 隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、前記発光素子を接続する端子対を構築しており、 前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されており、 前記放熱板は、接着層を介して前記絶縁基板の他方の面側に配設されており、 前記複数の熱伝導部の一端は、それぞれ、前記複数の貫通孔の他方の面側から突出しており、 前記複数の貫通孔の一方の面側の開口は、前記配線層の裏面によって閉塞されており、 前記複数の熱伝導部は、前記配線層の裏面に設けられる、発光装置。 【請求項13】 前記発光素子は、発光ダイオード、又は、面発光型レーザである、請求項12記載の発光装置。」 第3.刊行物、引用発明等 (1)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1(特開平5-82686号公報)には、「半導体放熱構造」に関し、図面(特に【図1】参照。)とともに次の事項が記載されている。 ア.「【0006】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するための本発明の構成を、実施例に対応する図1~3を用いて説明すると、本発明は、基板12において、高発熱半導体11を搭載した部分に、貫通する複数のサーマルビア13を配列するとともに、基板12の下面に放熱フィン14を接着した半導体放熱構造であって、接着剤15の逃げ溝12aを少なくとも基板12のサーマルビア13間上下面に配設したことを特徴とするものである。 【0007】 【作用】本発明は、上記構成により、半導体素子11を搭載した基板12の部分に設けたサーマルビア13と、このサーマルビア13間の基板12上下面に設けた逃げ溝12aとにより、サーマルビア13と放熱フィン14間に塗布した接着剤15はその不要分が逃げ溝12a内に収容されるため、接着剤15の塗布厚が均一化される。したがって、この基板12のサーマルビア13の下面13aと放熱フィン14間を接着する接着剤15は塗布厚を薄小化できると共に、気泡や隙間を含まず、良好な放熱特性を発揮し、前記問題点を除去できるようになる。」 イ.「【0008】 【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例を示す要部断面図である。同図において、11は半導体素子、12は基板、13は基板12の半導体素子11搭載部分に貫通する高熱伝導性のサーマルビアで、厚膜形成又は金属スタッド充填などにより形成されている。14は基板12の下面に接着剤15によって接着固定されている放熱フィンで、16は図示せぬリード線と半導体素子11とを電気的に接続するボンデングワイヤである。なお、12aはサーマルビア13間又は外側の基板12の上下面に設けられた接着剤15の逃げ溝で、任意パターンで形成されており、図2,3はそれぞれその実施例を示す横断面図である。 【0009】上記構成の実施例の作用を以下に説明する。まず、基板12側又は放熱フィン14側に接着剤15を塗布後、基板12をサーマルビア13の先端13aが放熱フィン14と略当接するまで圧接する。これにより、接着剤15の不要部分は多数の逃げ溝12a内に流入し収容されるので、外部にはみ出すことがなく、図1に示す状態になる。また、半導体素子11側の基板12との接着構造も、同様の構成にすることにより、両者間の接着膜は均一化される。なお、熱伝導率が0.0022kCal/mmh℃のガラスセラミック基板に対して、サーマルビアは厚膜Auペースト(50%Au)を用いたとき、熱伝導は0.12kCal/mmh℃となり、サーマルビアの熱伝導率は基板に比べて2桁の向上を実現させることができた。 【0010】 【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によれば、次のような効果を奏する。サーマルビアと基板を比べると、その熱伝導率は略2桁の差があり、また、サーマルビアと放熱フィン間の隙間が実施的な基板と放熱フィン間の隙間となるから、放熱フィンを基板とほぼ接するまで圧接することにより、接着剤の不要分は逃げ溝内に流入するので、外部への接着剤のはみ出しを防止することができ、熱抵抗を大きくする気泡などの混入がなく、薄くてかつ均一な接着層が得られるとともに、半導体素子の良好な放熱構造が得られる。」 ウ.上記記載事項ア.の段落【0006】の「基板12において、高発熱半導体11を搭載した部分に、貫通する複数のサーマルビア13を配列する」との記載、上記記載事項イ.の段落【0009】の「基板12をサーマルビア13の先端13aが放熱フィン14と略当接するまで圧接する。」との記載、及び【図1】によれば、基板12は、サーマルビア13を配列するための一方の面と他方の面との間を貫通する複数の貫通孔を有することが分かり、また、複数のサーマルビア13の一端は、それぞれ、複数の貫通孔の他方の面側から突出していることが分かる。 上記記載事項、認定事項及び図示事項を総合し、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「基板12と、 前記基板12の一方の面に形成され、複数の所定の配線パターンを有するリード線と、 前記基板12の他方の面側に配設される放熱フィン14と、 前記基板12の一方の面と他方の面との間を貫通する複数の貫通孔内に、前記複数の貫通孔内に充填される金属でそれぞれ形成される複数のサーマルビア13と を含み、 前記放熱フィン14は、接着剤15を介して前記基板12の他方の面側に配設されており、 前記複数のサーマルビア13の一端は、それぞれ、前記複数の貫通孔の他方の面側から突出している、半導体素子を搭載する基板。」 (2)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物2(特開2002-270743号公報)には、「半導体素子の実装構造」に関し、図面(特に【図1】参照。)とともに次の事項が記載されている。 ア.「【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するため、第1の特徴として、多層配線を有するプリント配線基板の所定位置に半導体チップが搭載される半導体素子の実装構造において、前記プリント配線基板は、前記半導体チップに対向する部位にヒートシンクが配設され、該ヒートシンク及び前記半導体チップ側の金属部分に接触して熱結合を行う複数の金属柱状体を内蔵することを特徴とする半導体素子の実装構造を提供する。」 イ.「【0016】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を基に説明する。 [第1の実施の形態]図1は本発明の半導体素子の実装構造の第1の実施の形態を示す。フリップチップ型のLSIチップ1は、その電極パッド(図示せず)にチップバンプ2が搭載されており、このチップバンプ2とインターポーザ3の接続パッドとが接続されている。更に、LSIチップ1とインターポーザ3の間にはアンダーフィル樹脂5が充填され、半導体パッケージ15が形成されている。この半導体パッケージは、インターポーザ3の下面に設けられたBGAボール4を介してプリント配線基板6に接続される。BGAボール4は、プリント配線基板6に設けられたパッド6aに半田により接続される。この接続を行った後、BGAボール4の周囲にはアンダーフィル樹脂5が充填される。 【0017】プリント配線基板6のコア層8には、信号配線7のほか、板状のヒートシンク10aが埋め込まれ、更にコア層8の両側には多層配線層13(信号配線などの銅箔パターンからなる)が設けられている。信号配線7は、ヒートシンク10aが埋め込まれた部分には布線されないが、ヒートシンク10aの周囲及び上下には布線される。ヒートシンク10aは、高熱伝導性を有する金属材料、例えば、銅やアルミなどが用いられている。このヒートシンク10aには、グランド(GND)電位(又は電源Vcc電位)のBGAバンプ4に選択的に接続されるように放熱用ビア(via)9(金属柱状体)が設けられている。この放熱用ビア9は、熱伝導部材として機能するものであるため、半田でもよいが、好ましくは、銅、アルミ等の熱伝導性に優れる金属を用いるのがよい。 【0018】 上記の構造により、LSIチップ1から発生した熱は、LSIチップ1→チップバンプ2→インターポーザ3→BGAバンプ4→プリント配線基板6の経路で伝導される。更に、プリント配線基板6に達した熱は、プリント配線基板6内に選択的に形成された放熱用ビア9を介してヒートシンク10aに伝導し、ついで、プリント配線基板6内の銅箔パターン(配線)などに熱拡散した後、空気中に放熱される。・・・(後略)・・・」 ウ.上記記載事項ア.の「該ヒートシンク及び前記半導体チップ側の金属部分に接触して熱結合を行う複数の金属柱状体を内蔵する」との記載、上記記載事項イ.の「BGAボール4は、プリント配線基板6に設けられたパッド6aに半田により接続される。」との記載、上記記載事項イ.の段落【0017】の「このヒートシンク10aには、グランド(GND)電位(又は電源Vcc電位)のBGAバンプ4に選択的に接続されるように放熱用ビア(via)9(金属柱状体)が設けられている。」との記載、及び【図1】によれば、多層配線層13は、複数の放熱用ビア9を内蔵するための貫通孔を有することが分かり、また、放熱用ビア9を配列するための一方の面と他方の面との間を貫通する複数の貫通孔を有することが分かり、また、複数の貫通孔の一方の面側の開口は、パッド6aの裏面によって閉塞されていることが分かる。 上記記載事項、認定事項及び図示事項を総合し、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物2には、次の事項(以下、「刊行物2に記載された事項」という。)が記載されている。 「ヒートシンク10aは、多層配線層13の他方の面側に配設されており、 複数の放熱用ビア9は、それぞれ、前記複数の貫通孔の他方の面側に向けて設けられ、 前記複数の貫通孔の一方の面側の開口は、パッド6aの裏面によって閉塞されており、 前記複数の放熱用ビア9は、前記パッド6aの裏面に設けられる、プリント配線基板6。」 (3)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物3(特開2007-324330号公報)には、「回路基板」に関し、図面(特に【図1】参照。)とともに次の事項が記載されている。 ア.「【0019】 次に、2層目の絶縁層4および導電層5が順次形成されている。2層目の絶縁層4は、絶縁層2と同じ組成を有する材料が採用され、導電層3を覆うように形成されている。絶縁層4の膜厚は、たとえば、約55μmである。絶縁層4にはLSIチップ9の下方に位置する領域に、約70μmの直径を有するとともに、厚み方向に貫通する4つのビアホール4aが形成されている。この4つのビアホール4aはそれぞれ絶縁層2に形成された4つのビアホール2aに対応する位置に形成されている。また、絶縁層4には、導電層3の配線部3bおよび3cに対応する領域に、約70μmの直径(ビア径)を有するとともに、絶縁層4を厚み方向に貫通するビアホール4b,4cが形成されている。このビアホール4b,4cは上下配線層を電気的に接続するコンタクトホールとしての機能を有する。そして、絶縁層4上の所定領域には、サーマルビア部5aと配線部5b~5dとを含む2層目の導電層5が形成されている。導電層5の膜厚は、たとえば、約20μmである。導電層5には1層目の導電層3と同じ材料が採用されている。また、サーマルビア部5aの4つのビアホール4aに充填された部分は導電層3のサーマルビア部3aの上面に接触している。この導電層5のサーマルビア部5aはLSIチップ9で発生した熱を導電層3のサーマルビア部3aに伝導して放熱する機能を有する。また、導電層5の配線部5b,5cのビアホール4b,4cに充填された部分は導電層3の配線部3b,3cの表面にそれぞれ接触している。なお、導電層5の配線部5b,5cは本発明の「ワイヤ接続用電極」の一例である。 イ.「【0022】 ソルダーレジスト層7は、配線層20の表面(絶縁層4と導電層5)を覆うように、導電層5の所定の部分(LSIチップ9とのワイヤボンディング接続に対応する部分)に開口部を有するように形成されている。このソルダーレジスト層7は、配線層20(特に導電層5)の保護膜として機能する。ソルダーレジスト層7は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が採用され、その膜厚は、たとえば、約25μmである。また、ソルダーレジスト層7にSiO2などのフィラーを添加してもよい。なお、配線層20およびこのソルダーレジスト層7は本発明の「絶縁層」の一例である。」 上記記載事項及び図示事項を総合し、本願発明1の記載ぶりに則って整理すると、刊行物3には、次の事項(以下、「刊行物3に記載された事項」という。)が記載されている。 「導電層5の上に形成され、複数の所定の配線部の各々の一部をワイヤ接続用電極5b、5cとして露出するソルダーレジスト層7を設けること。」 (4)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物4(特開2003-188307号公報)には、「電力増幅モジュール及び電力増幅モジュール用基板」に関し、図面(特に【図6】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物4に記載された事項」という。)。 ア.「【0020】 好ましい一つの態様では、メッキ膜はサーマルビアの内部を埋める。即ち、メッキ膜をサーマルビアの孔内でこれを埋めるように成長させ、メッキ膜を、実質的に、サーマルビアの内部を埋める充填材として機能させてもよい。この場合には、メッキ膜成長に時間はかかるが、高い熱伝導性、即ち、高い放熱性が確保できる。」 (5)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物5(特開2004-193370号公報)には、「配線板およびその製造方法、並びに、多層配線板」に関し、図面(特に【図1】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物5に記載された事項」という。)。 ア.「【0011】 以下、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。図1は、本発明の実施形態である配線板の製造方法の一例を説明するための図で、図1(f)および図1(g)は、得られる配線板の構造を示す断面図である。 【0012】 本発明の配線板の製造方法としては、まず、導電層101と絶縁層102と金属層103とからなる3層材を用意し、金属層103を部分的に除去して、絶縁層露出部109を形成する(図1(a))。 次に、絶縁層露出部109にレーザー照射またはドライエッチングすることで、ビアホール104を形成する(図1(b))。 【0013】 前記金属層を部分的に除去して絶縁層露出部を形成する工程に続き、ビアホール104を形成する方法は、コンフォーマル方式によるもので、金属層103と絶縁層102とのエッチングレートが異なることを利用し、金属層103をマスクとして絶縁層102をエッチングするものである。 ビアホール形成におけるレーザーとしては、炭酸ガスレーザー、紫外線レーザー、エキシマレーザなどを使用することができる。絶縁層102が、ガラスエポキシのように補強繊維を含む場合には、樹脂とガラスクロスを貫通してビア103を形成することができる炭酸ガスレーザーを使用することが好ましい。絶縁層102が、ポリイミドなどの補強繊維を含まない場合には、より微細なビア103を形成できる紫外線レーザーを使用することが好ましい。また、ドライエッチングとしては、O2プラズマなどを使用することができる。 【0014】 前記3層材は、導電層101上に、樹脂ワニスを、印刷、カーテンコート、バーコートなどの方法で直接塗布して、絶縁層102を形成し、絶縁層102表面に、金属層103をラミネートして形成することにより得ることができる。あるいは、導電層101と絶縁層102の2層材を得た後、絶縁層102の表面に、スパッタリング、蒸着、または、無電解めっきなどの方法により、金属層103を形成することもできる。さらには、フィルム状の絶縁層102に、導電層101と金属層103をラミネートする方法もある。金属層103は、最終的にエッチングして除去するため、比較的容易にエッチング可能な銅であることが好ましい。 【0015】 前記絶縁層102としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用することができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ、フェノール、ビスマレイミド、ビスマレイミド・トリアジン、トリアゾール、シアネート、イソシアネート、ベンゾシクロブテンなどの樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルフィド、ポリエーテルサルフォン、ポリキノリン、ポリノルボルネン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリテトラフルオロエチレン、液晶ポリマーなどの樹脂が挙げられる。これらを一種または複数種混ぜ合わせて用いても良く、また、シリカフィラーなどの無機フィラー、レベリング剤、カップリング剤、消泡剤、硬化触媒などを添加しても良い。または、ガラスエポキシ基材に代表されるようなガラスクロスやアラミド不織布などの補強繊維に樹脂を含浸させて、硬化あるいは半硬化させたものを、絶縁層102として使用することもできる。 【0016】 次に、金属層103の表面とビアホール104の側面および底面に、導電性被膜105を形成する(図1(c))。導電性被膜105の形成方法としては、例えば、スパッタリング、蒸着、または、薬液浸漬などが挙げられる。スパッタリングおよび蒸着により得られる導電性被膜105としては、ニッケル、錫、クロム、チタン、銀、金、パラジウムなどが挙げられ、薬液浸漬により得られる導電性被膜105としては、カーボンブラック、グラファイト、パラジウム(無電解めっき用触媒)などが挙げられる。 ビアホール104の側面および底面に存在する導電性被膜105は、最終的に配線板の中に残るため、絶縁層102との充分な密着性が必要である。また、絶縁信頼性や吸湿耐熱性などの諸特性を有する必要もある。 【0017】 次に、導電性被膜105をエッチングしない薬液により金属層103をエッチングして除去する(図1(d))。ここで、金属層103の表面および側面(端面)に形成された導電性被膜105が、金属層103のエッチングを阻害しない程度の厚みで形成されていることが重要である。これにより、ビアホール104の側面および底面に形成された導電性被膜105のみが残り、それ以外は除去することが可能となる。しかしながら、導電性被膜105を、あまりにも薄くした場合には、金属層103のエッチングはできるが、導電性被膜105そのものの導電性が低くなってしまうため、それらを両立する条件にて導電性被膜105を形成することが重要である。また、導電性被膜105を形成する際に、部分的にメカニカルマスクを介することで、金属層103が導電性被膜105に覆われない露出部を確保しておき、その露出部から金属層103のエッチングを進行させる方法もある。 【0018】 次に、導電層101を給電用電極として、導体ポスト106を電解めっきにより形成する(図1(e))。この電解めっきにより、ビアホール104内に導体ポスト106が形成される。電解めっきにより導体ポスト106を形成すれば、導体ポスト106の先端の形状を自由に制御することができる。導体ポスト106の材質としては、例えば、銅、ニッケル、金、錫、銀、パラジウムなどが挙げられる。さらには、銅を用いることで、低抵抗で安定した導体ポスト106が得られる。 【0019】 最後に、導電層101を選択的にエッチングすることにより、導体回路107を形成して、配線板110を得る(図1(f))。 【0020】 以上のようにして得られる配線板110は、導体ポスト106の側面とビアホール104の側面とが、導電性被膜105により密着または接着されており、導体ポスト106と絶縁層102との隙間は存在しない。」 (6)原査定の拒絶の理由に引用された刊行物6(米国特許第7269017号明細書)には、「THERMAL MANAGEMENT OF SURFACE-MOUNT CIRCUIT DEVICES ON LAMINATE CERAMIC SUBSTRATE(当審仮訳:「積層セラミツク基板上の表面実装回路機器の熱管理」。以下、英文に続く( )内の日本文は当審の仮訳である。)に関し、図面(特にFIG2及びFIG3参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物6に記載された事項」という。)。 ア.「 Because the arrangement depicted in FIG. 2 provides an electrically conductive path from each solder bump 32 to the solder layer 34 , current flow into the heat sink 22 is preferably prevented as a result of the bumps 32 being non-electric bumps or by providing a dielectric layer 35 between the solder layer 34 and the heat sink 22 .」(明細書第4欄第55行ないし第60行) (当審仮訳:「図2に示すような配置は、それぞれのハンダバンプ32からハンダ層34導電路を提供するが、ヒートシンク22への電気の流れは、非導電性のバンプあるいはハンダ層34とヒートシンク22との間に絶縁層35を設けることにより好ましくは妨げられる。」) イ.「The embodiment of FIG. 3 differs in one aspect from FIG. 2 by the substitution of a nonmetallic (nonelectrically-conductive) heat sink 22 in FIG. 3 for the metallic (electrically-conductive) heat sink 22 of FIG. 2. 」(明細書第4欄第66行ないし第5欄第3行) (当審仮訳:「図3で具体化されたものは、図2の金属(導電性)のヒートシンク22に代えて、図3の非金属(非導電性)のヒートシンク22を採用した点で図2のものと異なる。」) (7)原査定で周知の技術を示す文献として提示された刊行物7(特開2007-188955号公報)には、「発光素子組込み発光フィルム」に関し、図面(特に【図2】及び【図3】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物7に記載された事項」という。)。 ア.「【0013】 図2は、耐熱性のPIフィルム4上に銅箔で形成される配線パターンの図を示す。PIフィルム4上に2本の略平行の導電部3が形成されている。この2本の略平行の導電部3の間隔は、発光ダイオード1の1対の端子の間隔に合わせてある。この略平行の導電部3上で、向かい合う位置に、間隔をおいて、ハンダ2が載せられている。このハンダ2が載せられた位置に、発光ダイオード1が配置される。略平行の導電部3の一端には、電源に接続するための導電部3が更に形成される。図2では、略平行の導電部3のうち、左側の上方には電源の正の電極に接続される導電部3Aが形成され、右側の下方には電源の負の電極に接続される導電部3Bが形成されている。図3は、図2の配線パターンに発光ダイオード1を配置した図である。複数の発光ダイオード1が1列に配置されている。」 (8)原査定で周知の技術を示す文献として提示された刊行物8(特表2008-507135号公報)には、「LED照明システム」に関し、図面(特に【図2】及び【図3】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物8に記載された事項」という。)。 ア.「【0012】 図1~図3を参照すると、発光パッケージ8が、プリント回路基板12上に配置された複数の発光チップ10を含む。示されるプリント回路基板12は、示される実施形態において導電性金属コア16と、ガラスファイバ樹脂又は別の電気絶縁材料で作られている絶縁層18とを含む電気絶縁板14を含む。幾つかの実施形態においては、導電性金属コア16が省略され、例えば、電気絶縁板は、金属コアを持たないガラスファイバ樹脂板とすることができる。導電性プリント回路20(図3に示される)が、絶縁板14の絶縁層18上に配置される。はんだマスク22が絶縁板14上に配置され、このはんだマスク22は、発光チップ10がプリント回路20と電気的に接触する開口部又はビア24(図3に示される)を含む。随意的に、例示的な電子部品26のような1つ又はそれ以上の付加的な電子部品もプリント回路基板12上に配置され、開口部又はビア24によってプリント回路20と電気的に接触する。」 (9)前置報告で周知の技術を示す文献として提示された刊行物9(特開2012-9622号公報)には、「半導体発光装置」に関し、図面(特に【図2】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物9に記載された事項」という。)。 ア.「【0025】 図1、図2においてLED発光装置10は、基板11の上面側に2個の取り付け孔11a、11bと配線電極12a~12f(実施例では6本)、電源電極13a、13bが形成され、一番外側の配線電極12aと配線電極12fとは電源電極13a,13bにそれぞれ接続されている。そして各配線電極12a~12fの間には5個のLEDブロックL1~L5が並列に接続されており、各LEDブロックL1~L5は電源電極13a、13b間に直列に接続されている点は図14に示すLED発光装置100と同じである。なお、図1はLED2の形状を記号化して示し、図2ではLED2をチップ形状で示しているが、内容としては同一部材であり、同一番号を付す。」 (10)前置報告で周知の技術を示す文献として提示された刊行物10(特開2012-19104号公報)には、「発光装置」に関し、図面(特に【図1】参照。)とともに次の事項が記載されている(以下、「刊行物10に記載された事項」という。)。 ア.「【0045】 (LED部) 本実施例においてLED部2は、電気絶縁性に優れて良好な放熱性を有したアルミナ系セラミックからなる基板本体4に、銅などの金属からなる配線パターン5が形成された配線基板6を備える。基板本体4は、各辺10mmの正方形の板状に形成され、その一方の面である第1の面4aに配線パターン5が形成され、配線基板6のLEDチップ実装面が形成されている。本実施例における配線パターン5は、図1に示すように、互いに平行に延設された5つの配線パターン5a、5b、5c、5d及び5eからなる。これら配線パターン5a~5eは、それぞれ隣接する配線パターンに対し、同じ間隙をもって離間して配置されており、配線パターン5b、5c及び5dの幅、即ち延設方向に直交する方向の寸法は同一となっている。 【0046】 なお、基板本体4の材質はアルミナ系セラミックに限定されるものではなく、例えば、電気絶縁性に優れた材料として、樹脂、ガラスエポキシ、樹脂中にフィラーを含有した複合樹脂などから選択された材料を用いて基板本体4を形成してもよい。一方、より優れた放熱性を得るため、金属製の基板本体4によって配線基板6を形成するようにしてもよい。この場合には、配線基板6の配線パターン5などを基板本体4から電気的に絶縁する必要がある。 【0047】 基板本体4の第1の面4a側には、これら配線パターン5a~5eに沿って、複数のLEDチップ7a及び7bが実装されている。これらLEDチップ7a及び7bは、第1LED群及び第2LED群の2つの群に区分され、LEDチップ7aが第1LED群を構成し、またLEDチップ7bが第2LED群を構成する。図1に示すように本実施例では、配線パターン5a~5eに沿う方向に、第1LED群のLEDチップ7aと第2LED群のLEDチップ7bとが交互に等間隔で合計4個配置されると共に、配線パターン5a~5eの延設方向に直交する方向においても、第1LED群のLEDチップ7aと第2LED群のLEDチップ7bとが交互に合計4個配置されている。従って、本実施例の場合、全部で16個のLEDチップ7a及び7bが基板本体4の第1の面4a上に実装され、同じLED群のLEDチップ同士が隣り合うことのないように分散して配列されている。 【0048】 各LEDチップ7a及び7bは、いずれも互いに隣接する2つの配線パターン間に掛け渡して設けられており、上述したように、隣接する配線パターンの間隙が同じであると共に配線パターン5b、5c及び5dの幅も同一であるので、配線パターン5a~5eの延設方向に直交する方向においても、LEDチップ7aとLEDチップ7bとは等間隔で配置される。各LEDチップ7a及び7bの基板本体4側に向く面にはp電極とn電極とが設けられており、各LEDチップ7a及び7bは、それぞれ隣接する2つの配線パターンの一方にp電極が電気的に接続されると共に、他方にn電極が電気的に接続された状態で実装されている。また、各LEDチップ7a及び7bの発光面は、基板本体4の第1の面4aが向く方向、即ち蛍光部1に向けられている。 【0049】 本実施例において、第1LED群のLEDチップ7a及び第2LED群のLEDチップ7bは、いずれも405nmのピーク波長を有した近紫外光を発するLEDチップを用いている。具体的には、このようなLEDチップとして、InGaN半導体が発光層に用いられて近紫外領域の光を発するGaN系LEDチップなどが好ましい。なお、これらLEDチップ7a及び7bの種類や発光波長特性はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない限りにおいて、様々なLEDチップを用いることができる。本実施例においてLEDチップが発する光のピーク波長は、360nm~420nmの波長範囲内にあるのが好ましい。 【0050】 5つの配線パターン5a~5eのうち、最も外側に位置する2つの配線パターン5a及び5eには、外部との電気接続用の端子が設けられている。即ち、図1に示すように、配線パターン5aの端部には外部接続端子8が接合され、配線パターン5eの端部には外部接続端子9が接合されている。これら外部接続端子8及び9と、対応する配線パターン5a及び5eとの接合は、ハンダ付け、かしめ、溶着、溶接、或いは圧着などによって行うことができる。」 4.対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、その技術的意義、機能または構造からみて、引用発明における「放熱フィン14」は、本願発明1における「放熱板」に相当し、以下同様に、「サーマルビア13」は「熱伝導部」に、「接着剤15」は「接着層」に、「半導体素子を搭載する基板」は「配線基板」に、それぞれ相当する。 また、引用発明における「基板12」は、ガラスセラミック基板であるから、本願発明1における「絶縁基板」に相当する。 そして、引用発明における「リード線」は、「所定の配線パターンを有する」ことは明らかであるから、本願発明1における「所定の配線パターンを有する配線層」に相当する。 したがって、両者は、次の点で一致する。 [一致点] 「絶縁基板と、 前記絶縁基板の一方の面に形成され、複数の所定の配線パターンを有する配線層と、 前記絶縁基板の他方の面側に配設される放熱板と、 前記絶縁基板の一方の面と他方の面との間を貫通する複数の貫通孔内に、前記複数の貫通孔内に充填される金属でそれぞれ形成される複数の熱伝導部と を含み、 前記放熱板は、接着層を介して前記絶縁基板の他方の面側に配設されており、 前記複数の熱伝導部の一端は、それぞれ、前記複数の貫通孔の他方の面側から突出している配線基板。」 そして、両者は次の各点で相違する。 [相違点1] 本願発明1では、「熱伝導部」が「配線層に接続され」、「複数の貫通孔の一方の面側の開口は、前記配線層の裏面によって閉塞されており、前記複数の熱伝導部は、前記配線層の裏面に設けられ」、また、「配線層」が「長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する」ものであって、さらに、「前記複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築しており、前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されて」いるのに対し、引用発明では、サーマルビア13(本願発明1における「熱伝導部」)が配線層に接続されるのではなく、配線層がかかる構成を有しない点。 [相違点2] 本願発明1では「前記配線層の上に形成され、前記複数の所定の配線パターンの各々の一部を端子として露出する絶縁層」を有するの対し、引用発明においては、かかる構成を有しない点。 (2)相違点についての判断 相違点1について検討する。 本願発明1と刊行物2に記載された事項とを対比すると、その技術的意義、機能または構造からみて、刊行物2に記載された事項における「ヒートシンク10a」は、本願発明1における「放熱板」に相当し、以下同様に、「放熱用ビア9」は「熱伝導部」に、「パッド6a」は「配線層」に、「プリント配線基板6」は「配線基板」に、それぞれ相当する。 また、刊行物2に記載された事項における「多層配線層13」は、「基板」という限りにおいて、本願発明1における「絶縁基板」と共通する。 そうすると、刊行物2に記載された事項は、本願発明1の用語を用いて表現すると、 「放熱板は、絶縁基板の他方の面側に配設されており、 複数の熱伝導部は、それぞれ、前記複数の貫通孔の他方の面側に向けて設けられ、 前記複数の貫通孔の一方の面側の開口は、配線層の裏面によって閉塞されており、 前記複数の熱伝導部は、前記配線層の裏面に設けられる配線基板。」 ということができる。 引用発明に刊行物2に記載された事項を適用した場合について検討するに、引用発明に刊行物2に記載された事項を適用したとしても、刊行物2に記載に記載された事項の配線層が、「配線層」が「長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する」ものであって、さらに、「前記複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築しており、前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されて」いるものではないから、相違点1に係る本願発明1の発明特定事項とはならない。 また、刊行物7ないし10に記載された事項から、「配線層」が「長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する」ものであることや、「複数の所定の配線パターンは、長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築しており、前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されて」いることが、周知の技術(以下、「周知技術」という。)であるとしても、この周知技術は、「配線層に接続され」る「熱伝導部」により、「放熱板」に熱を伝えることを前提とするものでなく、刊行物2に記載された事項とは基本的な構造が異なるものである。 そして、「配線層」、「熱伝導部」及び「放熱板」は、本願発明1においては、一体不可分のものであると解されるから、引用発明に刊行物2に記載された事項を適用する際に、前提が異なる当該周知技術を参酌することはできない。 また、刊行物3ないし6には、「熱伝導部」が「配線層に接続され」、「複数の貫通孔の一方の面側の開口は、前記配線層の裏面によって閉塞されており、前記複数の熱伝導部は、前記配線層の裏面に設けられ」、また、「配線層」が「長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する」ものであって、さらに、「前記複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築しており、前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されて」いることに関して、記載も示唆もない。 よって、上記相違点1に係る発明特定事項を具備する本願発明1は、相違点2を検討するまでもなく、上記引用発明、刊行物2ないし6に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 2.本願発明2ないし7について 本願発明2ないし7は、いずれも本願発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本願発明2ないし7も、本願発明1と同様の理由により、上記引用発明、刊行物2ないし6に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 3.本願発明8について 本願発明8は、本願発明1に対応する製造方法の発明であり、本願発明1の「熱伝導部」が「配線層に接続され」、「複数の貫通孔の一方の面側の開口は、前記配線層の裏面によって閉塞されており、前記複数の熱伝導部は、前記配線層の裏面に設けられ」、また、「配線層」が「長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する」ものであって、さらに、「前記複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築しており、前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されて」いることに対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、上記引用発明、刊行物2ないし6に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 3.本願発明9ないし11について 本願発明9ないし11は、いずれも本願発明8の発明特定事項を全て含むものであるから、本願発明9ないし11も、本願発明8と同様の理由により、上記引用発明、刊行物2ないし6に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 4.本願発明12について 本願発明12は、本願発明1に発光素子を付加した発光装置の発明であり、本願発明1の「熱伝導部」が「配線層に接続され」、「複数の貫通孔の一方の面側の開口は、前記配線層の裏面によって閉塞されており、前記複数の熱伝導部は、前記配線層の裏面に設けられ」、また、「配線層」が「長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する」ものであって、さらに、「前記複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築しており、前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されて」いることに対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、上記引用発明、刊行物2ないし6に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 3.本願発明13について 本願発明13は、本願発明12の発明特定事項を全て含むものであるから、本願発明13も、本願発明12と同様の理由により、上記引用発明、刊行物2ないし6に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 第5.原査定の概要及び原査定についての判断 原査定では、平成28年4月13日付けの手続補正書により補正された請求項1ないし13について上記刊行物1ないし6及び周知技術(周知技術であることを示す文献として上記刊行物7及び8を提示)に基いて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。しかしながら、平成29年6月30日付けの手続補正により補正された請求項1は「配線層に接続され」、「複数の貫通孔の一方の面側の開口は、前記配線層の裏面によって閉塞されており、前記複数の熱伝導部は、前記配線層の裏面に設けられ」、また、「配線層」が「長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する」ものであって、さらに、「前記複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、前記複数の所定の配線パターンは、一方の最外側に配設された配線パターンと、他方の最外側に配設された配線パターンと、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとの間に配設される配線パターンとを有し、前記一方の最外側に配設された配線パターンと、前記他方の最外側に配設された配線パターンとは、それぞれ、前記絶縁層によって一部が電源接続用の第1電極と第2電極として露出されており、前記端子は、前記複数の所定の配線パターンの各々に複数設けられるとともに、前記長手方向に伸延する辺に沿って配列されており、隣接する前記所定の配線パターンの隣り合うすべての前記端子同士が、前記幅方向に前記所定の間隔を隔てて対をなすように配置されることにより、前記対をなす端子が、電子部品を接続する端子対を構築しており、前記端子対は、前記長手方向及び前記幅方向に連続的に配設されて」いるものとなっており、上記のとおり、本願発明1ないし13は、上記引用発明、刊行物2ないし6に記載された事項及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。したがって、原査定を維持することはできない。 第6.当審拒絶理由(特許法第36条第6項第2号)について 1.当審では、請求項1の「複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、」との記載における「複数の所定の配線パターン」は、請求項1の「前記絶縁基板の一方の面に形成され、長手方向及び幅方向に伸延するストライプ状の複数の所定の配線パターンを有する配線層」との記載における「ストライプ状の複数の所定の配線パターン」と同じ部材であるか、異なる部材であるかが明確でないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年6月30日の手続補正において、「前記複数の所定の配線パターン」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 2.当審では、上記1.と同様の理由で請求項8の「複数の所定の配線パターンは、前記長手方向に伸延する隣接する辺同士の間に前記幅方向に所定の間隔を隔てて互いに平行に配列されており、」との記載における「複数の所定の配線パターン」も明確でないとの拒絶の理由を通知しているが、平成29年6月30日の手続補正において、「前記複数の所定の配線パターン」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。 第7.むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-017056

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