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特許拒絶査定不服審判

2016-014473

ゲームシステム、並びにそのライバル設定制御方法及びコンピュータプログラム

審判番号
2016-014473
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-073006外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年09月28日
審決日
2017年12月11日
公報発行日
2018年02月23日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A63F) / P18 .537-WY (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013- 73006「ゲームシステム、並びにそのライバル設定制御方法及びコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年10月16日出願公開、特開2014-195586、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年3月29日の出願であって、平成27年10月22日付けで拒絶理由が通知され、同年12月24日付けで手続補正がされ、平成28年6月16日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ(同査定の謄本の送達(発送)日 同年同月28日)、これに対し、同年9月28日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がされ、その後、当審において平成29年8月31日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年11月6日付けで手続補正がされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成29年11月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるものと認められる。本願の請求項1ないし6に係る発明(以下、順に「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は以下のとおりである。 「【請求項1】 ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段と、前記ユーザ間にライバルの関係を設定するライバル設定手段と、を備え、設定された前記ライバルの関係が、前記ゲームの制御における前記ユーザに対する特典の付与に反映され、あるいは前記ライバル関係の通知に反映されるゲームシステムであって、 各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する対戦履歴記録手段をさらに具備し、 前記ライバル設定手段は、前記対戦履歴情報を参照して、マッチングされる相手として選択される可能性の高低に相関する指標値としての対戦頻度を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して求め、得られた指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、当該ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対して前記ライバルの関係を設定するゲームシステム。 【請求項2】 前記ライバル設定手段は、前記マッチング手段にてマッチングされたユーザ間で前記ライバルの関係を設定する請求項1に記載のゲームシステム。 【請求項3】 前記ライバル設定手段は、前記基準値を超えるユーザのうち、勝ち数と負け数との比率、又は勝つ頻度と負ける頻度との比率が50%を挟んで所定範囲内であるユーザをライバルとして設定する請求項2に記載のゲームシステム。 【請求項4】 前記ライバル設定手段は、前記ライバルとしてのユーザの人数が所定の範囲内に収まるように前記基準値を制御する請求項1~3のいずれか一項に記載のゲームスシステム。 【請求項5】 ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段を備え、前記ユーザ間に設定されたライバルの関係が、前記ゲームの制御における前記ユーザに対する特典の付与に反映され、あるいは前記ライバル関係の通知に反映されるゲームシステムに適用され、前記ユーザ間に前記ライバルの関係を設定するためのライバル設定制御方法であって、 各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する手順と、 前記対戦履歴情報を参照して、マッチングされる相手として選択される可能性の高低に相関する指標値としての対戦頻度を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して求め、得られた指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、当該ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対して前記ライバルの関係を設定する手順と、を備えたゲームシステムのライバル設定制御方法。 【請求項6】 ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段を備え、前記ユーザ間に設定されたライバルの関係が、前記ゲームの制御における前記ユーザに対する特典の付与に反映され、あるいは前記ライバル関係の通知に反映されるゲームシステムに適用され、該ゲームシステムに含まれた少なくとも一のコンピュータを、 前記ユーザ間に前記ライバルの関係を設定するライバル設定手段、及び 各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する対戦履歴記録手段として機能させ、さらに、 前記ライバル設定手段は、前記対戦履歴情報を参照して、マッチングされる相手として選択される可能性の高低に相関する指標値としての対戦頻度を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して求め、得られた指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、当該ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対して前記ライバルの関係を設定するように構成されたゲームシステムのコンピュータプログラム。」 第3 原査定の理由について 1.原査定の理由の概要 原査定は、平成27年10月22日付けの拒絶理由の理由3によるものであって、その概要は以下のとおりである。 「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ・請求項 1-8 ・引用文献等 1-3 <引用文献等一覧> 引用文献1.特開2009-165562号公報 引用文献2.特開2001-321570号公報(周知技術を示す文献) 引用文献3.特開2003-93745号公報(周知技術を示す文献)」 2.原査定の理由の判断 (1)引用例 ア.引用例1 原査定に係る拒絶理由で引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2009-165562号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は審決で付した。以下同じ。)。 (ア)「【請求項1】 複数のプレイヤーが対戦する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、 一のプレイヤーについて他のプレイヤーとの対戦成績を、対戦相手ごとに記録する対戦成績記録部と、 前記対戦ゲームにおいて、一のプレイヤーとその対戦相手とで当該対戦ゲームに勝利する難易度を異ならせるハンデ条件情報を複数記録したハンデ情報記録部と、 一のプレイヤーからの対戦要求入力に基づいて、他のプレイヤーを対戦相手としてマッチングするマッチング制御部と、 前記対戦成績記録部から前記対戦相手との対戦成績を読み出して、当該対戦成績に基づいて、前記一のプレイヤーと対戦相手との格上格下及びその格差を判定する格付判定部と、 前記格差に基づいて、前記対戦ゲームにおいて設定可能なハンデ条件の種類を決定し、決定したハンデ条件を前記格下側プレイヤーに提示し、提示されたハンデの中から前記格下側プレイヤーにハンデを選択させるハンデ選択部と、 前記格下側プレイヤーにより選択されたハンデを格上側プレイヤーに提示し、前記格上側プレイヤーにハンデを受け入れるか否かを決定させるハンデ決定部と、 前記ハンデ決定部により決定されたハンデ条件に対応したハンデ条件情報を前記ハンデ情報記録部から読み出し、当該ハンデ条件情報に基づいて当該対戦ゲームにおけるハンデ設定を行うハンデ設定部と、 を有することを特徴とするゲームシステム。」 (イ)「【0130】 格種別は、対戦者との対戦成績に応じて、「格上」と「同格」と「格下」に大別される。 【0132】 対戦成績の勝ち負け数が同一の対戦者は原則として「同格(格種別番号3)」とする。通算5試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、特別な同格として「ライバル(格種別番号5)」とし、通算20試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、更に特別な同格として「宿命のライバル(格種別番号5)」とする。」 (ウ)「【0134】 格種別が「格上」と「格下」の場合は、ゲーム画面の対戦者側に格種別(天敵、格上、格下、カモ)を表示する。格種別が「同格」の場合は、ゲーム画面の中央に格種別(同格、ライバル、宿命のライバル)を表示する。」 上記の記載事項を総合すると、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているものと認められる。 「複数のプレイヤーが対戦する対戦ゲームを実行するゲームシステムであって、 一のプレイヤーについて他のプレイヤーとの対戦成績を、対戦相手ごとに記録する対戦成績記録部と、 一のプレイヤーからの対戦要求入力に基づいて、他のプレイヤーを対戦相手としてマッチングするマッチング制御部と、 前記対戦成績記録部から前記対戦相手との対戦成績を読み出して、当該対戦成績に基づいて、前記一のプレイヤーと対戦相手との格上格下及びその格差を判定する格付判定部と、を有し、 格種別は、対戦者との対戦成績に応じて、「格上」と「同格」と「格下」に大別され、 対戦成績の勝ち負け数が同一の対戦者は原則として「同格(格種別番号3)」とし、通算5試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、特別な同格として「ライバル(格種別番号5)」とし、通算20試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、更に特別な同格として「宿命のライバル(格種別番号5)」とし、 格種別が「同格」の場合は、ゲーム画面の中央に格種別(同格、ライバル、宿命のライバル)を表示する ゲームシステム。」 イ.引用例2 原査定に係る拒絶理由で引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2001-321570号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (ア)「【請求項1】 複数の端末と、同端末間と通信手段を介して接続され端末間で対戦ゲームを行なう対戦サービスを提供するサーバ装置から構成される通信対戦システムであって、 前記端末は、 対戦相手の条件を入力する手段を有し、 前記サーバ装置は、 各端末のユーザに対する対戦ゲームの能力を示す情報を管理する情報管理手段と、 各端末から入力された対戦相手に関する条件を設定する条件設定手段と、 前記条件設定手段によって設定された条件と前記情報管理手段により管理された能力を示す情報に基づいて、対戦ゲームを行なうユーザを設定する設定手段と、 前記設定手段によって設定されたユーザに対する対戦ゲームの能力を示す情報を、前記対戦ゲームの勝敗に基づいて更新する更新手段とを具備したことを特徴とする通信対戦システム。」 (イ)「【0032】以下、条件設定の詳細な内容について説明する。本実施形態における通信対戦システムでは、条件設定の内容としては、図13に示す9項目の条件「段級位」「対戦時間」「対戦頻度」「国籍」「ルール」「ログアウト残り時間」「最大待ち時間残り」「待ち時間」「対戦回数」がある。「独自段級位」「対戦時間」「対戦頻度」「国籍」「ルール」については、設定内容に厳密に従う絶対条件と、設定内容を基準として所定範囲の変動を許す希望条件とを設定することができる。また、「2度とやりたくないユーザ」であることを示す再対戦拒否指定をさらに設定できるものとする。再対戦拒否指定された相手は、ユーザデータの対戦除外者の項目に登録される。対戦サーバ10は、9項目の条件と再対戦拒否指定を総合的に判断して対戦相手を紹介する。「希望条件」に対しては、重み付けを設定することにより、各項目ごとに用意された所定の計算式(図13参照)に基づく計算が実行されて対象範囲が決定される。重み付けの値としては、図14に示すように「絶対」「重視」「普通」「軽視」「不問」から任意の重みを指定することで、それぞれに対応する重み付け値が設定される。」 (ウ)「【0043】「対戦頻度」の項目については、条件の近いユーザ同士が対戦相手として選択されやすいという傾向を回避するあるいは強調するためのもので、絶対条件として「1~4週間以内」の範囲で一週間単位、または「1ケ月」で期間を設定でき、その期間について対戦が可能であるか否かを示す「○」または「×」を設定できる。すなわち「対戦頻度」に対する設定を可能とすることで、特定の対戦相手について対戦候補者として選択される優先度を上げるあるいは下げることができる。優先度を下げることで特定の相手との対戦ばかりで対戦が馴れ合いになることを防ぎ実力向上を助けることができ、また優先度を上げることで仲間を増やしたり親交を深めることができる。例えば図16に示すように、絶対条件として「1週間」以内「×」と設定すると、1週間以内に対戦したことがあるユーザは対戦候補者から除外され、「1ケ月」以内「○」を設定すると1ケ月以内に対戦したユーザのみが対戦候補として残る。希望条件とする場合は、図15~図17に示すようにして設定され、以下の(式-3)により対戦履歴から過去30日間の対戦回数により相違度が算出される。」 上記の記載事項を総合すると、引用例2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる。 「複数の端末と、同端末間と通信手段を介して接続され端末間で対戦ゲームを行なう対戦サービスを提供するサーバ装置から構成される通信対戦システムであって、 前記端末は、 対戦相手の条件を入力する手段を有し、 前記サーバ装置は、 各端末のユーザに対する対戦ゲームの能力を示す情報を管理する情報管理手段と、 各端末から入力された対戦相手に関する条件を設定する条件設定手段と、 前記条件設定手段によって設定された条件と前記情報管理手段により管理された能力を示す情報に基づいて、対戦ゲームを行なうユーザを設定する設定手段と、 前記設定手段によって設定されたユーザに対する対戦ゲームの能力を示す情報を、前記対戦ゲームの勝敗に基づいて更新する更新手段とを具備し、 条件設定の内容としては、「段級位」「対戦時間」「対戦頻度」「国籍」「ルール」「ログアウト残り時間」「最大待ち時間残り」「待ち時間」「対戦回数」があり、 「対戦頻度」の項目については、絶対条件として「1~4週間以内」の範囲で一週間単位、または「1ケ月」で期間を設定でき、その期間について対戦が可能であるか否かを示す「○」または「×」を設定できる 通信対戦システム。」 ウ.引用例3 原査定に係る拒絶理由で引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物である特開2003-93745号公報(以下「引用例3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 (ア)「【0134】 【発明の実施の形態】以下に、本発明にかかるネットワークゲーム情報管理システム、ネットワークゲーム情報処理装置、情報端末装置、ネットワークゲーム情報管理方法、および、プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。特に、以下の実施の形態においては、本発明を、インターネット上のWebサイトを利用したネットワークゲームに適用した例について説明するが、この場合に限られず、すべてのネットワークゲームにおいて、同様に適用することができる。 【0135】(本システムの概要)以下、本システムの概要について説明し、その後、本システムの構成および処理等について詳細に説明する。図1は本システムの全体構成の一例を示すブロック図であり、図2は本システムのクライアント装置200による個別通信の概念図であり、図3は本システムのゲームサーバ装置100とクライアント装置200との通信のイメージを説明する概念図であり、それぞれ該システム構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。 【0136】本システムは、概略的に、ネットワークゲームを情報端末装置に対して提供するネットワークゲーム情報処理装置であるゲームサーバ装置100と、相互に個別対戦を行う情報端末装置であるクライアント装置200とを、ネットワーク300を介して通信可能に接続して構成されている。」 (イ)「【0141】また、ゲームサーバ装置100は、ユーザID、対戦相手のユーザID、対戦日時、対戦時間、対戦頻度、対戦回数、勝敗、および、対戦詳細事項のうち少なくとも一つに関する個別対戦情報に基づいて、ユーザ間の友達度を決定し、決定された友達度に基づいて、友達リストを作成する。」 (ウ)「【0145】(システム構成―ゲームサーバ装置100)まず、ゲームサーバ装置100の構成について説明する。図4は、本発明が適用されるゲームサーバ装置100の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。図4においてゲームサーバ装置100は、概略的に、ゲームサーバ装置100の全体を統括的に制御するCPU等の制御部102、通信回線等に接続されるルータ等の通信装置(図示せず)に接続される通信制御インターフェース部104、および、各種のデータベース(ユーザ管理データベース106a~ネットワークゲーム情報データベース106d)を格納する記憶部106を備えて構成されており、これら各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。さらに、このゲームサーバ装置100は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、ネットワーク300に通信可能に接続されている。」 (エ)「【0150】また、個別対戦情報データベース106bは、各ユーザ間で実行される個別対戦に関する情報(個別対戦情報)等を格納する個別対戦情報格納手段である。図6は、個別対戦情報データベース106bに格納される情報の一例を示す図である。 【0151】この個別対戦情報データベース106bに格納される情報は、図6に示すように、ユーザID、対戦相手のユーザID、対戦日時、対戦時間、対戦頻度、対戦回数、対戦の勝敗、対戦詳細事項等に関する情報を相互に関連付けて構成されている。」 上記の記載事項を総合すると、引用例3には、次の発明(以下「引用発明3」という。)が記載されているものと認められる。 「ネットワークゲームを情報端末装置に対して提供するネットワークゲーム情報処理装置であるゲームサーバ装置と、相互に個別対戦を行う情報端末装置であるクライアント装置とを、ネットワークを介して通信可能に接続して構成され、 ゲームサーバ装置は、ゲームサーバ装置の全体を統括的に制御するCPU等の制御部、通信回線等に接続されるルータ等の通信装置に接続される通信制御インターフェース部、および、各種のデータベース(ユーザ管理データベース106a~ネットワークゲーム情報データベース106d)を格納する記憶部106を備え、 個別対戦情報データベース106bは、各ユーザ間で実行される個別対戦に関する情報(個別対戦情報)等を格納する個別対戦情報格納手段であり、 この個別対戦情報データベース106bに格納される情報は、ユーザID、対戦相手のユーザID、対戦日時、対戦時間、対戦頻度、対戦回数、対戦の勝敗、対戦詳細事項等に関する情報を相互に関連付けて構成され、 ゲームサーバ装置は、ユーザID、対戦相手のユーザID、対戦日時、対戦時間、対戦頻度、対戦回数、勝敗、および、対戦詳細事項のうち少なくとも一つに関する個別対戦情報に基づいて、ユーザ間の友達度を決定し、決定された友達度に基づいて、友達リストを作成する ネットワークゲーム情報管理システム。」 (2)対比 本願発明1と引用発明1とを対比する。 後者の「対戦ゲーム」は前者の「ゲーム」に相当し、同様に「プレイヤー」は「ユーザ」に、「マッチング制御部」は「マッチング手段」に、「ライバル(格種別番号5)」及び「宿命のライバル(格種別番号5)」は「ライバル」に、「ゲームシステム」は「ゲームシステム」に、「対戦成績記録部」は「対戦履歴記録手段」に、それぞれ相当する。 後者の「一のプレイヤーからの対戦要求入力に基づいて、他のプレイヤーを対戦相手としてマッチングするマッチング制御部」は、前者の「ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段」に相当する。 後者は「前記一のプレイヤーと対戦相手との格上格下及びその格差を判定する格付判定部と、を有し、格種別は、対戦者との対戦成績に応じて、「格上」と「同格」と「格下」に大別され、対戦成績の勝ち負け数が同一の対戦者は原則として「同格(格種別番号3)」とし、通算5試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、特別な同格として「ライバル(格種別番号5)」とし、通算20試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、更に特別な同格として「宿命のライバル(格種別番号5)」と」するから、後者の「格付判定部」はプレイヤーと対戦相手(対戦者)との間に「ライバル(格種別番号5)」及び「宿命のライバル(格種別番号5)」の関係を設定するものであって、前者の「ユーザ間にライバルの関係を設定するライバル設定手段」に相当する。 後者が「格種別が「同格」の場合は、ゲーム画面の中央に格種別(同格、ライバル、宿命のライバル)を表示する」ことは、前者の「ライバル関係の通知」に相当する。そして、後者において「格種別(同格、ライバル、宿命のライバル)を表示する」ことが、「対戦成績の勝ち負け数が同一の対戦者は原則として「同格(格種別番号3)」とし、通算5試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、特別な同格として「ライバル(格種別番号5)」とし、通算20試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、更に特別な同格として「宿命のライバル(格種別番号5)」とし」たことを反映したものであることは明らかであるから、後者においては「設定されたライバルの関係が、ゲームの制御におけるライバル関係の通知に反映される」といえる。 後者の「対戦成績記録部」は「対戦成績を、対戦相手ごとに記録する」のだから、記録する内容に対戦相手を特定する情報が含まれることは明らかである。そうすると、後者の「一のプレイヤーについて他のプレイヤーとの対戦成績を、対戦相手ごとに記録する対戦成績記録部」は、前者の「各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する対戦履歴記録手段」に相当する。 後者の「格付判定部」が、「対戦成績に基づいて、前記一のプレイヤーと対戦相手との格上格下及びその格差を判定」し、「通算5試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、特別な同格として「ライバル(格種別番号5)」とし、通算20試合以上で勝ち負け数が同一の対戦者は、更に特別な同格として「宿命のライバル(格種別番号5)」と」することは、対戦成績に基づいて、「通算5試合」及び「通算20試合」を基準値として、対戦者の通算試合数を基準値と比較して基準値を超える対戦者を抽出することであるといえる。そうすると、後者のこの点と、前者の「前記ライバル設定手段は、前記対戦履歴情報を参照して、マッチングされる相手として選択される可能性の高低に相関する指標値としての対戦頻度を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して求め、得られた指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、当該ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対して前記ライバルの関係を設定する」とは、「ライバル設定手段は、対戦履歴情報を参照して、指標値を対戦履歴情報に対戦相手として記録されているユーザに関して求め、得られた指標値を基準値と比較して基準値を超えるユーザを抽出することにより、他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対してライバルの関係を設定する」との概念で共通する。 したがって、両者は、 「ゲームにて対戦すべき複数のユーザをマッチングするマッチング手段と、前記ユーザ間にライバルの関係を設定するライバル設定手段と、を備え、設定された前記ライバルの関係が、前記ゲームの制御における前記ユーザに対する特典の付与に反映され、あるいは前記ライバル関係の通知に反映されるゲームシステムであって、 各ユーザが前記ゲームにて対戦する毎に、その対戦の内容を、少なくとも対戦相手のユーザを判別する情報が含まれるようにして、対戦履歴情報に記録する対戦履歴記録手段をさらに具備し、 ライバル設定手段は、対戦履歴情報を参照して、指標値を対戦履歴情報に対戦相手として記録されているユーザに関して求め、得られた指標値を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対してライバルの関係を設定するゲームシステム。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点] 前者では、ライバル設定手段は、「マッチングされる相手として選択される可能性の高低に相関する指標値としての対戦頻度を対戦履歴情報に対戦相手として記録されているユーザに関して求め、得られた指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出することにより、当該ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別し、その識別されたユーザに対してライバルの関係を設定する」のに対して、後者はそのようなものでない点。 (3)判断 上記相違点について検討する。 引用発明2の「対戦頻度」は本願発明1の「対戦頻度」に相当し、同様に「通信対戦システム」は「ゲームシステム」に相当する。 しかしながら、引用発明2の「通信対戦システム」は、「各端末から入力された対戦相手に関する条件を設定する条件設定手段と、前記条件設定手段によって設定された条件と前記情報管理手段により管理された能力を示す情報に基づいて、対戦ゲームを行なうユーザを設定する設定手段と」を具備するから、各端末から入力された対戦相手に関する条件に基づいて対戦ゲームを行なうユーザを設定するものであって、「条件設定の内容としては、「段級位」「対戦時間」「対戦頻度」「国籍」「ルール」「ログアウト残り時間」「最大待ち時間残り」「待ち時間」「対戦回数」があ」るのだから、対戦頻度を条件とすることができるものである。そうすると、引用発明2は、対戦頻度を、対戦ゲームを行なうユーザ(対戦相手)を設定するために、各端末から入力される対戦相手に関する条件として用いるものであって、対戦頻度に基づいてライバルの関係を設定するものではない。 また、引用発明3の「対戦頻度」は本願発明1の「対戦頻度」に相当し、同様に「ネットワークゲーム情報管理システム」は「ゲームシステム」に相当する。 しかしながら、引用発明3の「ネットワークゲーム情報管理システム」は、「対戦頻度…に関する個別対戦情報に基づいて、ユーザ間の友達度を決定し、決定された友達度に基づいて、友達リストを作成する」ものであるから、引用発明3は、対戦頻度に基づいてユーザ間の友達度を決定し、友達リストを作成するものであって、対戦頻度に基づいてライバルの関係を設定するものではない。 そうすると、ゲームシステムにおいて対戦頻度を用いることが、引用発明2及び3に示されるように本願の出願前に周知の技術事項(以下「周知技術」という。)であったとしても、当該の周知技術を引用発明1に適用して、対戦頻度に基づいてライバルの関係を設定するようになすことを、当業者が容易に想到できたとはいえない。 そして、本願発明1は、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項を具備することにより、明細書に記載の「本発明によれば、ユーザがゲームにて対戦する毎にその内容が対戦履歴情報に記録され、その対戦履歴情報を参照してライバルの関係を設定するようにしたので、ユーザとマッチングされる可能性が相対的に高い他のユーザを識別して、そのユーザをライバルとして設定し、それによりライバルとの対戦機会を増加させることができる。」(段落【0015】)という作用効果を奏するものである。 また、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項が、当業者にとって設計事項であるとする根拠もない。 したがって、本願発明1は、当業者が引用発明1並びに引用発明2及び3に示される周知技術に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願発明1は、当業者が引用発明1並びに引用発明2及び3に示される周知技術に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 本願発明2ないし4は、本願発明1をさらに限定したものである。また、本願発明5及び6はそれぞれ本願発明1の「ゲームシステム」に対応する「ゲームシステムのライバル設定制御方法」及び「ゲームシステムのコンピュータプログラム」の発明であって、本願発明1と実質的に同一の発明特定事項を備えるものである。 そうすると、本願発明2ないし6は、本願発明1と同様に、当業者が引用発明1並びに引用発明2及び3に示される周知技術に基づいて容易に発明をすることができたとはいえない。 よって、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 第4 当審拒絶理由について 1.当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 「理由1.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 (1)請求項1に係る発明は「設定された前記ライバルの関係が前記ゲームの制御に反映される」ことを、また、請求項6及び7に係る各発明は「前記ユーザ間に設定されたライバルの関係が前記ゲームの制御に反映される」ことを発明特定事項としている。 しかしながら、本願明細書には、ライバルの関係のゲームの制御への反映に関して、「ユーザがライバルのユーザに勝利したときは、そのユーザにボーナスや報酬等が付与されてもよい。」(段落【0023】)、及び、「実行結果としてのライバルの設定状態は、少なくともライバルの関係が設定されたユーザのゲーム機3に通知されるものとする。」(段落【0035】)との記載があるのみである。 一方、「ゲームの制御」には特典の付与や表示に限られない広範な制御が含まれることが技術常識であるから、出願時の技術常識に照らしても、請求項1、6及び7に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明において開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。 よって、請求項1ないし7に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。 (2)請求項4に係る発明は、「前記指標値として、前記対戦相手に負けた回数又は負ける頻度の少なくともいずれか一方がさらに判別される」ことを発明特定事項とするものであるが、本願明細書には、段落【0025】に「例えば、対戦回数に代えて、又は加えて、対戦時間の累積値、対戦頻度、ユーザが負けた回数、ユーザが負ける頻度を対戦履歴情報52から指標値として判別し、それらの指標値が所定の基準値を超えるユーザをライバルとして設定してもよい。」とあり、「対戦頻度」、「ユーザが負けた回数」又は「ユーザが負ける頻度」のいずれかを指標値としてライバルを設定することや、「対戦回数」に加えて「対戦頻度」、「ユーザが負けた回数」又は「ユーザが負ける頻度」のいずれかを指標値としてライバルを設定することは記載されているものの、「対戦頻度」と「ユーザが負けた回数」又は「ユーザが負ける頻度」との両方を指標値としてライバルを設定することは記載されていない。 よって、請求項4及び5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。 理由2.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 (1)請求項1、6及び7の「対戦頻度を当該対戦履歴情報に前記対戦相手として記録されているユーザに関して判別し」及び「判別された指標値としての対戦頻度」、並びに、請求項4の「前記対戦相手に負けた回数又は負ける頻度の少なくともいずれか一方がさらに判別される」という記載における「判別」は、何を行うことを意味するのかが明確でない。 よって、請求項1ないし7に係る発明は明確でない。 (2)請求項4には「前記指標値として、前記対戦相手に負けた回数又は負ける頻度の少なくともいずれか一方がさらに判別される」と記載されているが、「指標値」としての「対戦相手に負けた回数又は負ける頻度」がどのように用いられるのかが明らかでなく、上記記載事項がどのような技術的意味を有するのかが明らかでない。 すなわち、請求項4が引用する請求項1では、「判別された指標値としての対戦頻度を基準値と比較して該基準値を超えるユーザを抽出すること」が記載されているが、ここで用いられるのは「指標値としての対戦頻度」であって、「対戦相手に負けた回数又は負ける頻度」ではない。また、他に、「指標値」をどのように用いるかについて記載した箇所はないから、「対戦相手に負けた回数又は負ける頻度」が「指標値」としてどのように用いられるのかが明らかでない。 よって、請求項4及び5に係る発明は明確でない。 (3)請求項4が請求項3を引用する場合には、「前記基準値を超えるユーザのうち、勝ち数と負け数との比率、又は勝つ頻度と負ける頻度との比率が50%を挟んで所定範囲内であるユーザをライバルとして設定する」とともに、「前記指標値として、前記対戦相手に負けた回数又は負ける頻度の少なくともいずれか一方がさらに判別される」ことになる。 後者の記載は上記(2)のとおり不明確であるものの、仮に、「対戦相手に負けた回数又は負ける頻度」をライバルの設定に用いるのだとすると、前者の記載の「勝ち数と負け数との比率、又は勝つ頻度と負ける頻度との比率」と後者の記載の「対戦相手に負けた回数又は負ける頻度」との両方をどのように用いてライバルの設定を行うのかが明確でない。 よって、請求項4及び5に係る発明は明確でない。」 2.当審拒絶理由の判断 平成29年11月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)により、本件補正前の請求項4は削除され、請求項5ないし7はそれぞれ請求項4ないし6に繰り上げられた。また、本件補正前の請求項1ないし3及び5ないし7は、それぞれ上記「第2 本願発明」において摘示した請求項1ないし6のとおりに補正された。 これらのことにより、請求項1ないし6に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとなるとともに、明確となった。 よって、当審拒絶理由は解消した。 第5 むすび 以上のとおりであるから、原査定の理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-014473

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