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特許拒絶査定不服審判

2016-010938

医用画像システム

審判番号
2016-010938
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-534419外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年07月20日
審決日
2017年07月26日
公報発行日
2017年09月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-WY (A61B) / P18 .121-WY (A61B) / P18 .537-WY (A61B) / P18 .55 -WY (A61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-534419「医用画像システム」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 4月26日国際公開、WO2012/052887、平成25年12月19日国内公表、特表2013-544559、請求項の数(11)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2011年(平成23年)10月13日(パリ条約による優先権主張 2010年10月19日 欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成27年6月3日付けで拒絶理由が通知され、同年9月8日付けで意見書が提出され、平成28年3月24日付けで拒絶査定(以下、「原査定」という。)されたところ、同年7月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。 その後、当審において平成29年3月8日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年5月25日付けで意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 原査定の概要 原査定の概要は以下のとおりである。 [理由1] 本願請求項1ないし5に係る発明は、以下の引用例Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号の規定により、特許を受けることができない。 [理由2] 本願請求項1ないし6、9ないし11に係る発明は、以下の引用例AないしDに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用例一覧 A.特開平8-166995号公報 B.米国特許第06128006号明細書 C.特開2010-15239号公報 D.特開2004-173910号公報 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は以下のとおりである。 [理由1] 平成28年7月20日付けでした手続補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 記 平成28年7月20日付けの手続補正後の請求項1及び請求項14における「感覚信号」が「差に依存して特性が比例又は反比例する」点は、新たな技術的事項を導入するものである。 [理由2] 本願請求項1ないし7、10ないし15に係る発明は、以下の引用例1及び2に基づいて、当業者が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用例一覧 1.特開平8-166995号公報(拒絶査定時の引用例A) 2.特開2010-51817号公報 [理由3] 本願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 記 (1) 請求項4における「前記非視覚的信号」の記載が明確でない。 (2) 請求項11における「前記関心領域の密度値」の記載が明確でない。 第4 本願発明 本願の請求項1ないし11に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明11」という。)は、平成29年5月25日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるものと認められる。 そのうち、「本願発明1」及び「本願発明2」は、以下の事項により特定される発明である。 本願発明1 「 関心画像内の関心領域をユーザに知らせるためのシステムであって、前記関心画像は患者からの医用画像のシーケンスの一つであり、前記システムは前記ユーザが前記医用画像のシーケンスをナビゲートすることを可能にするために前記医用画像のシーケンスを連続的に表示し、 ディスプレイ上に表示されるピクセルデータの一部として前記医用画像のシーケンスからの画像を表示するよう前記システムに要求するための、前記ユーザからのシーケンスナビゲーションコマンドを受信するための入力と、 前記シーケンスにおける前記医用画像のシーケンスの現在表示されている画像の位置と前記シーケンスにおける前記関心画像の位置との差に依存して特性が増加又は減少する感覚信号を前記ピクセルデータから分離して前記ユーザに提供するための信号発生器とを有し、 前記入力が前記ユーザから触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信するための触覚入力を有し、前記感覚信号が力覚信号であり、 前記入力が前記ユーザから前記触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信しながら前記力覚信号を前記ユーザに提供するための前記信号発生器をさらに有し、 前記触覚入力が前記ユーザによるスクロールホイールの回転を検出することによって前記ユーザからの前記触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信するためのスクロールホイールであり、前記信号発生器が前記スクロールホイールの回転抵抗を調節することによって前記力覚信号を前記ユーザへ提供する、システム。」 本願発明2 「 関心画像内の関心領域をユーザに知らせるためのシステムであって、前記関心画像は患者からの医用画像のシーケンスの一つであり、前記システムは前記ユーザが前記医用画像のシーケンスをナビゲートすることを可能にするために前記医用画像のシーケンスを連続的に表示し、 ディスプレイ上に表示されるピクセルデータの一部として前記医用画像のシーケンスからの画像を表示するよう前記システムに要求するための、前記ユーザからのシーケンスナビゲーションコマンドを受信するための入力と、 前記シーケンスにおける前記医用画像のシーケンスの現在表示されている画像の位置と前記シーケンスにおける前記関心画像の位置との差に依存して特性が増加又は減少する感覚信号を前記ピクセルデータから分離して前記ユーザに提供するための信号発生器とを有し、 前記入力が前記ユーザから触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信するための触覚入力を有し、前記感覚信号が力覚信号であり、 前記入力が前記ユーザから前記触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信しながら前記力覚信号を前記ユーザに提供するための前記信号発生器をさらに有し、 前記触覚入力が前記ユーザからの接触表面への接触を検出することによって前記ユーザからの前記触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信するための接触表面であり、前記信号発生器が前記接触表面の振動を調節することによって前記力覚信号を前記ユーザへ提供する、システム。」 第5 引用例、引用発明等 1 引用例1について 当審拒絶理由に引用された引用例1には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審で付与したものである。 「【請求項1】 被検者の3次元領域を投影して得られた投影データから複数の断層像を求め、この複数の断層像に基づいて当該被検者の診断を支援するための情報を出力デバイスを介して提供する医用診断支援システムにおいて、前記複数の断層像から病変部の疑いのある断層像を注目画像として決定する断層像解析手段と、前記注目画像に対応する3次元領域の複数の第1の2次元画像を残りの3次元領域の複数の第2の2次元画像から強調して前記出力デバイスに表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする医用診断支援システム。」 「【0057】 【作用】本発明によれば、被検者の3次元領域を投影して得られた投影データから求められた複数の断層像に基づいて当該被検者の診断を支援するための情報が例えばモニタ等の出力デバイスを介して医師等に提供されるようになっている。」 「【0136】異常陰影検出情報が入力されていると、ステップ203の判断はYESとなり、ステップ204において、その異常陰影検出情報から異常陰影を含むスライス及びその前後(Slice Of Interest: SOIと称する)について他のスライスとスライスピッチを変えた再構成画像を作成する指令を再構成演算装置14に送る。例えば、SOIでは、1mmあるいは2mmのように細かいピッチ、その他では10mmと粗いピッチにするような指令を行なう。なお、ステップ204の処理では、SOIはズーミング再構成を行なってその領域あたりの画素を細かくして再構成し、異常陰影を含む部分を拡大することもできる。」 「【0172】この結果、画像処理装置16、表示装置17の処理により、モニタ17aに読影画像が手動モード表示される(手動モード表示とは、例えば、医師の入力装置24からの送り指令に対応して次のスライス位置の画像が表示され、また、戻し指令等に対応して次のスライス位置の画像が表示される等、入力装置24からのコマンドに応じて画像が表示されるモードをいう)(ステップ502a)。」 「【0273】次に、信号音発生処理について説明する。なお、ステップ1203の処理までは、図31に示した処理と同一である。 【0274】CPU23aのステップ1203の判断の結果YES、つまり、SOIの最初のフレームが表示される時間より所定時間前であれば、図44のステップ1204Cに移行してCPU23aは所定の信号音(例えば、「ピー」という音)を鳴らす処理を行なう。この結果、「ピー」という音が出力されるため、医師は、SOIの開始を容易に認識することができる。 【0275】続いて、図33~図34のステップ1205移行の処理が行なわれ、ステップ1212の判断の結果NO、つまり、SOI最終フレームの表示(読影)が終了していた場合、図44のステップ1214Dに移行する。ステップ1214DにおいてCPU23aは先程の信号音とは音色の異なる所定の信号音(例えば、「ビー」という音)を鳴らす処理を行ない、以下、ステップ418の処理に戻り、以下上述した図13~図15及び図33~図34に示した処理を行なう。この結果、「ビー」という音が出力されるため、医師は、SOIの終了を容易に認識することができる。」 したがって、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「被検者の3次元領域を投影して得られた投影データから複数の断層像を求め、この複数の断層像に基づいて当該被検者の診断を支援するための情報を出力デバイスを介して医師等に提供する医用診断支援システムにおいて、前記複数の断層像から病変部の疑いのある断層像を注目画像として決定する医用診断支援システムであり、 医師等の入力装置からの送り指令に対応して次のスライス位置の画像が表示され、また、戻し指令等に対応して次のスライス位置の画像が表示され、 医師等が、異常陰影を含むスライスの開始を容易に認識することができ、また、異常陰影を含むスライスの終了を容易に認識することができるために、異常陰影を含むスライスの最初のフレームが表示される時間より所定時間前であれば、所定の信号音を鳴らし、異常陰影を含むスライスの最終フレームの表示(読影)が終了していた場合、先程の信号音とは音色の異なる所定の信号音を鳴らす、 医用診断支援システム。」 2 引用例2について 当審拒絶理由に引用された引用例2には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審で付与したものである。 「【0027】 ガイド情報演算部20は、関心領域指定部34から関心領域の位置データを取得するとともに、また位置情報取得部28から探触子10の位置データを設定時間間隔(例えば、リアルタイム)で取得する。そして、ガイド情報演算部20は、関心領域に対する探触子10の相対位置を演算し、その相対位置の大きさの変化に追従して表示形態が変わる画像をガイド情報として生成する。ここでのガイド情報は、撮像中の探触子10の位置や傾きを目標状態に案内するための客観的指標である。例えば、ガイド情報は、探触子10の目標移動方向、目標移動量、目標傾斜角、回転方向などを示すガイド画像やキャラクタ画像であり、探触子10の位置や傾きに応じて随時更新される。なお、目標状態とは、探触子10のスキャン面に関心部位の位置が含まれる際の探触子10の位置や傾きのことである。 【0028】 またガイド情報演算部20は、関心領域に対する探触子10の相対位置の大きさの変化に追従して発音間隔を変える指令を発音部としての音発生部35に指令を出力することもできる。例えば、ガイド情報演算部20は、関心領域に対する探触子10の相対位置の大きさが小さくなるにつれて音発生間隔を短縮する指令を出力できる。またガイド情報演算部20は、相対位置の大きさがゼロになった際つまり探触子10が目標状態になった際に報知音を発生する指令を出力できる。なお、ここでの音発生部35は、音を間欠的に発生するブザーやスピーカなどから構成されている。」 「【0056】 また、ガイド情報として数値又は図形を表示する形態を説明したが、それに代えて又はそれとともに、ガイド情報として音を適用できる。例えば、探触子10の位置や傾きを調整する過程で、探触子10のスキャン面に関心領域72の位置が含まれると、音発生部35から報知音が発生される。また、音発生部35は、音を間欠的に発生させる場合、探触子10のスキャン面が関心領域に近づくにつれて音の発生間隔を短縮し、逆に探触子10のスキャン面が関心領域から遠ざかるにつれて音の発生間隔を増大することができる。これにより音の発生間隔に耳を傾けるだけで、関心領域に対するスキャン面の位置ズレを簡単に把握できるので、操作者にとっての使い勝手が向上する。」 したがって、引用例2には、探触子のスキャン面が関心領域に近づくにつれて音の発生間隔を短縮し、探触子のスキャン面が関心領域から遠ざかるにつれて音の発生間隔を増大する技術思想(以下、「引用例2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 第6 対比・判断 1 本願発明1について 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 (1) 引用発明における「複数の断層像から病変部の疑いのある断層像を注目画像として決定する医用診断支援システム」、「断層像」及び「スライス」は、それぞれ、本願発明1における「関心画像内の関心領域をユーザに知らせるためのシステム」、「画像」に相当し、引用発明における「病変部の疑いのある断層像」及び「異常陰影を含むスライス」は、本願発明1における「関心画像」に相当する。 (2) 引用発明において、「複数の断層像」は、「3次元領域を投影して得られた投影データ」から求められるものであることから、一連の断層像であるといえる。一方、一般的に「シーケンス」とは、「連続」、「一連のもの」等の意味であることから、引用発明における「複数の断層像」は、本願発明1の「医用画像のシーケンス」に相当する。 (3) 引用発明において、「病変部の疑いのある断層像」は、「複数の断層像」の一部であることは明らかであるから、引用発明の「病変部の疑いのある断層像」が「複数の断層像」の一部であることは、本願発明1の「関心画像は患者からの医用画像のシーケンスの一つであ」る点に相当する。 (4) 引用発明は、「SOIの最初のフレームが表示される時間より所定時間前」及び「SOI最終フレームの表示(読影)が終了していた場合」の記載に鑑みるに、「複数の断層像」を連続的に表示するものであることは明らかである。よって、引用発明と本願発明1は、「医用画像のシーケンスを連続的に表示」する点で一致する。 (5) 引用発明における「医師等」は、本願発明1の「ユーザ」に相当する。 また、一般的に「ナビゲートする」とは、「検索する」、「支援する」、「案内する」等の意味であることに鑑みると、引用発明における「医師等が、異常陰影を含むスライスの開始を容易に認識することができ、また、異常陰影を含むスライスの終了を容易に認識することができる」ようにすることは、医師等に異常陰影を含むスライスの検索や、そのスライスへの案内をするために行うものであるといえ、「ナビゲートすることを可能にするために」行うものといえる。よって、引用発明と本願発明1は「ユーザが」「医用画像のシーケンスをナビゲートすることを可能にするため」のものである点で一致する。 (6) 引用発明の「送り指令」及び「戻し指令等」は、それらの指令に対応して「次のスライス位置の画像が表示され」るものであるから、本願発明1の「医用画像のシーケンスからの画像を表示するよう」「システムに要求するための」「シーケンスナビゲーションコマンド」といえる。 よって、引用発明の「次のスライス位置の画像が表示され」るための「医師等の」「送り指令」及び「戻し指令等」は、本願発明1の「ディスプレイ上に表示されるピクセルデータの一部として前記医用画像のシーケンスからの画像を表示するよう前記システムに要求するための、」「ユーザからのシーケンスナビゲーションコマンド」に相当する。 そして、引用発明の「入力装置」は、本願発明1の「入力」に相当するといえるから、引用発明の「次のスライス位置の画像が表示され」るための「医師等の」「送り指令」及び「戻し指令等」の「入力装置」は、本願発明1の「ディスプレイ上に表示されるピクセルデータの一部として前記医用画像のシーケンスからの画像を表示するよう前記システムに要求するための、前記ユーザからのシーケンスナビゲーションコマンドを受信するための入力」に相当する。 (7) 引用発明は、「所定の信号音を鳴らす」ものであるから、表示される画像と異なる信号をユーザに提供するものといえる。よって、引用発明と本願発明1は、信号をピクセルデータから分離してユーザに提供する点で一致する。 (8) 引用発明の「異常陰影を含むスライスの最初のフレームが表示される時間より所定時間前であれば、所定の信号音を鳴らし、異常陰影を含むスライスの最終フレームの表示(読影)が終了していた場合、先程の信号音とは音色の異なる所定の信号音を鳴らす」点と、本願発明1の「前記シーケンスにおける前記医用画像のシーケンスの現在表示されている画像の位置と前記シーケンスにおける前記関心画像の位置との差に依存して特性が増加又は減少する感覚信号を前記ピクセルデータから分離して前記ユーザに提供するための信号発生器とを有」する点は、シーケンスにおける医用画像のシーケンスの現在表示されている画像の位置とシーケンスにおける関心画像の位置に基づいて変更される信号をピクセルデータから分離してユーザに提供するための信号発生器を有する点で共通する。 したがって、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 <一致点> 関心画像内の関心領域をユーザに知らせるためのシステムであって、前記関心画像は患者からの医用画像のシーケンスの一つであり、前記システムは前記ユーザが前記医用画像のシーケンスをナビゲートすることを可能にするために前記医用画像のシーケンスを連続的に表示し、 ディスプレイ上に表示されるピクセルデータの一部として医用画像のシーケンスからの画像を表示するようシステムに要求するための、ユーザからのシーケンスナビゲーションコマンドを受信するための入力を有し、 前記シーケンスにおける前記医用画像のシーケンスの現在表示されている画像の位置と前記シーケンスにおける関心画像の位置に基づいて変更される感覚信号をピクセルデータから分離してユーザに提供するための信号発生器を有する、 システム。 <相違点1> 医用画像のシーケンスにおける前記医用画像のシーケンスの現在表示されている画像の位置と前記シーケンスにおける関心画像の位置に基づいて変更される感覚信号が、本願発明1は、現在表示されている画像の位置と関心画像の位置との差に依存して特性が増加又は減少するものであるのに対して、引用発明は、そのようなものではない点。 <相違点2> ユーザからのシーケンスナビゲーションコマンドを受信するための入力と、感覚信号に関して、本願発明1は、入力が前記ユーザから触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信するための触覚入力を有し、前記感覚信号が力覚信号であり、前記入力が前記ユーザから前記触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信しながら前記力覚信号を前記ユーザに提供するための信号発生器をさらに有し、前記触覚入力が前記ユーザによるスクロールホイールの回転を検出することによって前記ユーザからの前記触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信するためのスクロールホイールであり、前記信号発生器が前記スクロールホイールの回転抵抗を調節することによって前記力覚信号を前記ユーザへ提供するものであるのに対して、引用発明は、その点が不明である点。 事案に鑑みて、上記相違点2について、まず検討する。 上記相違点2に係る構成は、引用例1には記載されておらず、また、当該構成は、引用例2にも記載されていない。 そして、上記構成が、本願優先日前において、周知技術であるともいえない。 したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用例1及び引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2 本願発明2について 本願発明2と引用発明とを対比すると、本願発明2と引用発明とは、上記「1 本願発明1について」において対比した、本願発明1と引用発明との対比と同様の点で一致し、以下の点で両者は相違する。 <相違点3> 医用画像のシーケンスにおける前記医用画像のシーケンスの現在表示されている画像の位置と前記シーケンスにおける関心画像の位置に基づいて変更される感覚信号が、本願発明2は、現在表示されている画像の位置と関心画像の位置との差に依存して特性が増加又は減少するものであるのに対して、引用発明は、そのようなものではない点。 <相違点4> ユーザからのシーケンスナビゲーションコマンドを受信するための入力と、感覚信号に関して、本願発明2は、入力が前記ユーザから触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信するための触覚入力を有し、前記感覚信号が力覚信号であり、前記入力が前記ユーザから前記触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信しながら前記力覚信号を前記ユーザに提供するための信号発生器をさらに有し、前記触覚入力が前記ユーザからの接触表面への接触を検出することによって前記ユーザからの前記触覚シーケンスナビゲーションコマンドを受信するための接触表面であり、前記信号発生器が前記接触表面の振動を調節することによって前記力覚信号を前記ユーザへ提供するものであるのに対して、引用発明は、その点が不明である点。 事案に鑑みて、上記相違点4について、まず検討する。 上記相違点4に係る構成は、引用例1には記載されておらず、また、当該構成は、引用例2にも記載されていない。 そして、上記構成が、本願優先日前において、周知技術であるともいえない。 したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明2は、当業者であっても、引用例1及び引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3 本願発明3ないし8について 本願発明3ないし8は、いずれも、本願発明1又は本願発明2の発明特定事項をすべて含み、本願発明1又は本願発明2をさらに限定したものであるので、本願発明1又は本願発明2と同様に、引用例1及び引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 4 本願発明9について 本願発明9は、「関心画像内の関心領域をユーザに知らせる方法」の発明であり、「関心画像内の関心領域をユーザに知らせるためのシステム」の発明である本願発明1の発明のカテゴリを方法の発明に変更したものである。 したがって、上記「1 本願発明1について」での検討と同様に、本願発明9は、当業者であっても、引用例1及び引用例2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 5 本願発明10について 本願発明10は、「関心画像内の関心領域をユーザに知らせる方法」の発明であり、「関心画像内の関心領域をユーザに知らせるためのシステム」の発明である本願発明2の発明のカテゴリを方法の発明に変更したものである。 したがって、上記「2 本願発明2について」での検討と同様に、本願発明10は、当業者であっても、引用例1及び引用例2に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 6 本願発明11について 本願発明11は、「関心画像内の関心領域をユーザに知らせる方法」の発明である本願発明9又は本願発明10の発明のカテゴリを「コンピュータプログラム」に変更したものである。 したがって、上記「4 本願発明9について」及び「5 本願発明10について」において検討したとおり、引用例1及び引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第7 原査定についての判断 平成29年5月25日付けの手続補正により、補正後の請求項1ないし11は、上記相違点2に係る構成又は上記相違点4に係る構成を有するものとなった。 そして、上記相違点2に係る構成、及び、上記相違点4に係る構成は、原査定における引用例AないしDには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし11は、原査定における引用例Aに記載された発明とはいえず、また、当業者であっても、原査定における引用例AないしDに基づいて容易に発明できたものではない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第8 当審拒絶理由についての判断 1 理由1(特許法第17条の2第3項)について 平成29年5月25日付けの手続補正により、補正前の請求項1及び14に存在した「関心画像の位置との差に依存して特性が比例又は反比例する感覚信号」の記載が、補正後の請求項1、2、9及び10における「関心画像の位置との差に依存して特性が増加又は現象する感覚信号」の記載に補正され、補正後の請求項1ないし11に係る発明は、願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面に記載した範囲内のものとなった。 したがって、当審拒絶理由の理由3は解消した。 2 理由2(特許法第29条第2項)について 当審拒絶理由の理由2についての判断は、上記「第6 対比・判断」において検討したとおりであり、本願発明1ないし11は、引用発明、引用例1、引用例2に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3 理由3(特許法第36条第6項第2号)について 平成29年5月25日付けの手続補正により、補正前の請求項4及び請求項11は削除された。 したがって、当審拒絶理由の理由3は解消した。 第9 むすび 以上のとおり、原査定の拒絶理由及び当審拒絶理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-010938

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    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B、537・A61B、55・A61B
  • 2025-005583拒絶査定不服審判 / 2026-03-23 / 原査定取消(特許/登録すべき)X線撮影システムおよびX線撮影装置
    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B、537・A61B、55・A61B
  • 2024-000487拒絶査定不服審判 / 2026-01-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)末梢肺結節にアクセスするための生検針
    共通の審決分類: 113・A61B、121・A61B、537・A61B、55・A61B

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