特許拒絶査定不服審判
2016-005900
検出器状態監視システム及び、検出器状態を監視する方法
- 審判番号
- 2016-005900
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2011-136837外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年04月21日
- 審決日
- 2017年06月05日
- 公報発行日
- 2017年07月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
- 【請求人代理人】荒川 聡志
- 【請求人代理人】小倉 博
- 【請求人代理人】黒川 俊久
- 【請求人代理人】田中 拓人
- 分類
- P18 .121-WY (G03B) / P18 .537-WY (G03B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2011-136837「検出器状態監視システム及び、検出器状態を監視する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成24年 1月12日出願公開、特開2012- 8567、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成23年6月21日(優先権主張2010年6月28日、米国)の出願であって、平成26年6月17日に手続補正がなされ、平成27年6月8日付けで拒絶理由が通知され、同年8月6日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、平成28年1月22日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年4月21日付けで拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正がなされ、当審において、平成29年2月1日付けで平成28年4月21付けの手続補正が却下されるとともに拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成29年4月20日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし7に係る発明は、平成29年4月20日になされた手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載の事項によりそれぞれ特定されるものと認められるところ、請求項1ないし7に係る発明(以下、本願の請求項1ないし7に係る発明をそれぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」といい、本願発明1ないし7を総称して「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
複数のドッキング・コネクタ接点122を有するドッキング・コネクタ100を含む可搬型撮像用検出器14を動作させる方法であって、
第一のドッキング・コネクタ接点122を介して、カセッテ・ホルダ22にあるときには前記カセッテ・ホルダ22から、充電箱20にあるときには前記充電箱20から電力を受ける一方、前記第一のドッキング・コネクタ接点122において電圧を測定するステップと、
第二の異なる一対のドッキング・コネクタ接点122に跨がる抵抗を測定するステップと、
前記測定される電圧及び抵抗を用いて前記可搬型撮像用検出器14が前記カセッテ・ホルダ22にあるときには前記カセッテ・ホルダ22にあると決定し、前記充電箱20にあるときには前記充電箱20にあると決定し、可搬状態にあるときには前記可搬状態にあると決定するステップと
を備えた方法。
【請求項2】
前記可搬型撮像用検出器14が前記充電箱20に設置されていると決定されたとき又は前記可搬型撮像用検出器14が前記可搬状態で動作していると決定されたときに前記可搬型撮像用検出器14をアイドル・モードに自動的に置くステップをさらに含んでいる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記可搬型撮像用検出器14が前記カセッテ・ホルダ22に設置されていると決定されたときに前記可搬型撮像用検出器14を待機モードに自動的に置くステップをさらに含んでいる請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
測定された前記抵抗が実質的に0であるときに前記可搬型撮像用検出器14を第一の動作モードとして構成するステップと、
測定された前記抵抗が100Ωよりも大きいときに前記可搬型撮像用検出器14を第二の異なる動作モードとして構成するステップと
をさらに含んでいる請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ドッキング・コネクタ100は複数の電力接点を含んでおり、該複数の電力接点において電圧を測定するステップをさらに含んでいる請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記可搬型撮像用検出器14が前記充電箱20での設置状態から前記可搬状態へ移行するときに前記可搬型撮像用検出器14を充電モードからアイドル・モードへ移行させるステップをさらに含んでいる請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記可搬型撮像用検出器14が前記可搬状態から前記カセッテ・ホルダ22での設置状態へ移行するときに前記可搬型撮像用検出器14をアイドル・モードから待機モードへ移行させるステップをさらに含んでいる請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。」
第3 当審拒絶理由について
1 当審拒絶理由の概要
(1)理由1
本件出願は、平成27年8月6日になされた手続補正によって補正された特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
記
ア 請求項1には「ディジタル・カセッテ・モードで動作しているのか、又はカセッテ・ホルダ22又は充電箱20に設置されているのかを決定する」と記載されているが、当該記載は、以下(ア)及び(イ)のうち、いずれの意味であるかが不明である。
(ア)「ディジタル・カセッテ・モードで動作しているのか」又は「カセッテ・ホルダ22に設置されているのか」を決定すること、及び、「ディジタル・カセッテ・モードで動作しているのか」又は「充電箱20に設置されているのか」を決定することのいずれかで良いという意味、要するに、「カセッテ・ホルダ22に設置されている」状態、及び、「充電箱20に設置されている」状態のいずれか一方が存在すればよいという意味(以下「第1の意味」という。)。
(イ)「ディジタル・カセッテ・モードで動作しているのか」又は「カセッテ・ホルダ22又は充電箱20に設置されているのか」を決定するという意味、要するに、「カセッテ・ホルダ22に設置されている」状態、及び、「充電箱20に設置されている」状態の双方が必須であるという意味(以下「第2の意味」という。)。
イ 請求項2、4、5又は8には「前記可搬状態」と記載されているが、かかる記載の前には「可搬状態」という記載はない。
ウ 請求項3には「前記第一の対に跨がる抵抗」と記載されているが、請求項3が引用する請求項1には「第一の対に跨がる電圧を測定」していることが記載されており、「第一の対」で測定する対象が、請求項1と矛盾する。この点、請求項6についても同様である。
エ 請求項6には、「前記測定される抵抗」と記載されているが、かかる記載の前には「測定される抵抗」という記載はない。
オ 請求項8には、「前記固定状態」と記載されているが、かかる記載の前には「固定状態」という記載はない。
カ 請求項10には、「第一の対」と記載されているが、何が第一の対であるのか不明である。
よって、請求項1ないし10に係る発明は明確でない。
(2)理由2
本件出願の平成27年8月6日になされた手続補正によって補正された請求項1ないし10に係る発明は、その優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用例1.特開2006-208305号公報
引用例2.特開2009-60472号公報
引用例3.特開2006-58076号公報
引用例4.特開2008-142094号公報
請求項1ないし10に係る発明は、当業者が引用例1に記載された発明、引用例4の記載事項及び引用例2、3に記載された周知技術に基づいて容易に発明することができたものである。
2 当審拒絶理由の判断
(1)理由1について
ア 平成29年4月20日付け手続補正(以下単に「補正」という。)によって、補正前の請求項1の「ディジタル・カセッテ・モードで動作しているのか、又はカセッテ・ホルダ22又は充電箱20に設置されているのかを決定する」は、補正後の請求項1において「前記可搬型撮像用検出器14が前記カセッテ・ホルダ22にあるときには前記カセッテ・ホルダ22にあると決定し、前記充電箱20にあるときには前記充電箱20にあると決定し、可搬状態にあるときには前記可搬状態にあると決定する」と補正されることにより、当審拒絶理由の上記1(1)アは解消した。
イ 補正により、補正前の請求項2が削除され、補正前の請求項4が補正後の請求項2及び3に分割され、補正前の請求項5が補正後の請求項4となり、補正前の請求項8が補正後の請求項6及び7に分割された。補正前の請求項2、4、5又は8の「前記可搬状態」と記載されていることについては、補正後の請求項2ないし4、6及び7が引用する請求項1に「可搬状態」が記載されることにより、当審拒絶理由の上記1(1)イは解消した。
ウ 補正により、補正前の請求項3、6及び10が削除されることにより、当審拒絶理由の上記1(1)ウ、エ及びカは解消した。
エ 補正後の請求項6及び7は補正前の請求項8に基づいて補正したものであるところ、補正後の請求項6に「充電箱20での設置状態」と記載され、補正後の請求項7に「カセッテ・ホルダでの設置状態」と記載されることにより、当審拒絶理由の上記1(1)オは解消した。
オ 以上のとおり、当審拒絶理由の理由1が解消し、本願発明1ないし7は明確となった。
(2)理由2について
ア 引用例1の記載事項
当審拒絶理由に引用例1として引用され、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2006-208305号公報には、次の事項が図とともに記載されている(下線は審決で付した。以下同じ。)。
(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射された放射線を検出して放射線画像情報を得る放射線画像検出器において、
複数の駆動部を備え、
動作状態として、前記複数の駆動部のうち放射線の検出に必要な前記駆動部が稼動している撮影可能状態と、前記撮影可能状態よりも消費電力量の少ない撮影待機状態とを有し、
電池を備える内部電源と、外部電源と接続される接続端子とから構成され、前記各駆動部に電力を供給する電力供給手段と、
前記接続端子が前記外部電源と接続されているか否かに応じて、前記撮影可能状態又は撮影待機状態となるように前記複数の駆動部の稼動状態を制御する制御部とを備えることを特徴とする放射線画像検出器。・・・」
(イ)「【0054】
次に、放射線画像検出器5は、放射線画像撮影装置10の放射線源12から照射されて被写体9を透過した放射線を検出して放射線画像を取得するものであり、撮影を行う際に放射線源12から照射される放射線の照射範囲に配置されるようになっている。なお、放射線画像検出器5は、例えば、図1に示すように、被写体9と被写体9を載置する寝台13との間に配置されるが、放射線画像検出器5を配置する位置はこれに限定されず、例えば、寝台の下方に放射線画像検出器5を装着する検出器装着口(図示しない)を設けて、放射線画像検出器5がこの検出器装着口に装着されるようにしてもよい。」
(ウ)「【0068】
また、放射線画像検出器5には、放射線画像検出器5を構成する複数の駆動部(例えば、走査駆動回路16、信号読出し回路17、通信部24(後述)、画像記憶部18、電力残量検知手段(図示せず)、インジケータ25(後述)、入力操作部26(後述)、撮像パネル15など)に電力を供給する電力供給手段19として電池を備える内部電源20と外部電源40と接続される接続端子21とを備えている。
・・・略・・・
【0070】
接続端子21は、例えば、図2に示すように筐体14の一端に形成されており、図1に示すようにケーブル23によって外部電源40と接続されるようになっている。放射線画像検出器5の各駆動部は、接続端子21が外部電源40と接続されることによって外部電源40から電力の供給を受けることができるようになっている。
・・・略・・・
【0077】
本実施形態において、放射線画像検出器5の動作状態としては、撮影可能状態と、撮影状態よりも消費電力の少ない3つの撮影待機状態とがある。制御部27は、後述するように、電力供給手段19としての接続端子21が外部電源40と接続されているか否かによって、放射線画像検出器5の動作状態をいずれの動作状態とするかを切り替えるようになっている。接続端子23が外部電源40と接続されているか否かは、例えば、接続端子23に電力が供給されているか否かが検知され、この検知結果が制御部27に送られることにより制御部27に把握されるようになっている。なお、接続端子23が外部電源40と接続されているか否かを検知する手段はここに例示したものに限定されない。例えば、接続端子23近傍に図示しない接触センサ等の検知手段が設けられ、この接触センサにより接続端子23が外部電源40と接続されているか否かが検知されて検知結果が制御部27に送られることにより制御部27に把握されるようにしてもよい。」
(エ)「【0107】
また、本実施形態においては、放射線画像検出器5の接続端子21にケーブル23を接続することにより外部電源40から電力の供給を受けるようにしたが、放射線画像検出器5をクレードル等の外部装置に載置することにより接続端子21と外部装置側の接続端子とが接続されて外部電源40からの電力の供給を受けることができる構成としてもよい。
【0108】
なお、前記のように放射線画像検出器5がクレードル等の外部装置に載置されることにより外部電源40から電力の供給を受けるようになっている場合にも、接続端子23が外部電源40と接続されているか否かは、例えば、接続端子23に電力が供給されているか否かが検知され、この検知結果が制御部27に送られることにより制御部27に把握されるようにする。なお、クレードル等の外部装置を用いる場合にも接続端子23が外部電源40と接続されているか否かを検知する手段はここに例示したものに限定されないことはケーブル23を接続することにより外部電源40から電力の供給を受ける場合と同様である。例えば、放射線画像検出器5をクレードル等の外部装置に載置したときにその接触を検知する接触センサを設けたり、放射線画像検出器5を載置することによって押圧され信号を発するようにピンを設ける等により接続端子23が外部電源40と接続されているか否かを検知するようにしてもよい。」
(オ)上記(ア)ないし(エ)から、引用例1には次の発明が記載されているものと認められる。
「放射線画像撮影装置10の放射線源12から照射されて被写体9を透過した放射線を検出して放射線画像を取得する放射線画像検出器5の接続端子21が外部電源40と接続されているか否かを把握する方法であって、
走査駆動回路16、信号読出し回路17、通信部24、画像記憶部18、電力残量検知手段、インジケータ25、入力操作部26、撮像パネル15などの複数の駆動部に、電力を供給する電力供給手段19として電池を備える内部電源20と、外部電源40と接続される接続端子21とを備え、クレードル等の外部装置に載置することにより接続端子21と外部装置側の接続端子とが接続されて外部電源40からの電力の供給を受けることができる構成としてもよく、
接続端子23が外部電源40と接続されているか否かは、接続端子23に電力が供給されているか否かが検知され、この検知結果が制御部27に送られることにより制御部27に把握されるようになっている、
放射線画像検出器5の接続端子23が外部電源40と接続されているか否かを把握する方法。」(以下「引用発明」という。)
イ 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明の「接続端子23」及び「放射線画像検出器」は、それぞれ本願発明1の「ドッキング・コネクタ100」及び「可搬型撮像用検出器14」に相当する。また、引用発明は、その「接続端子23」が複数の接点を備え、接続端子に電力を供給させることにより「放射線画像検出器」(本願発明1の「可搬型撮像用検出器」に相当)を動作させることは技術常識であるから、引用発明は、本願発明1の「複数のドッキング・コネクタ接点122を有するドッキング・コネクタ100を含む可搬型撮像用検出器14を動作させる方法」との構成を備える。
(イ)上記(ア)からみて、引用発明の「クレードル等の外部装置に載置することにより接続端子21と外部装置側の接続端子とが接続されて外部電源40からの電力の供給を受けることができる」との構成と、本願発明1の「第一のドッキング・コネクタ接点122を介して、カセッテ・ホルダ22にあるときには前記カセッテ・ホルダ22から、充電箱20にあるときには前記充電箱20から電力を受ける」との構成とは、「ドッキング・コネクタ接点を介して、外部装置側から電力を受けるステップを備え」る点で共通することは明らかである。
(ウ)上記(ア)及び(イ)からみて、本願発明1と引用発明とは、
「複数のドッキング・コネクタ接点を有するドッキング・コネクタを含む可搬型撮像用検出器を動作させる方法であって、
ドッキング・コネクタ接点を介して、外部装置側から電力を受けるステップを
備えた方法。」である点で一致し、次の点で相違する。
・相違点1
本願発明1では、「第一のドッキング・コネクタ接点122を介して、カセッテ・ホルダ22にあるときには前記カセッテ・ホルダ22から、充電箱20にあるときには前記充電箱20から電力を受ける」のに対し、
引用発明では、接続端子21(ドッキングコネクタ)の接点が電力を供給されるのは外部装置とあるだけで、カセッテ・ホルダ又は充電箱であるのかどうかは明らかでない点。
・相違点2
本願発明1では、「前記第一のドッキング・コネクタ接点122において電圧を測定するステップと、第二の異なる一対のドッキング・コネクタ接点122に跨がる抵抗を測定するステップと、前記測定される電圧及び抵抗を用いて前記可搬型撮像用検出器14が前記カセッテ・ホルダ22にあるときには前記カセッテ・ホルダ22にあると決定し、前記充電箱20にあるときには前記充電箱20にあると決定し、可搬状態にあるときには前記可搬状態にあると決定するステップ」を有しているのに対し、
引用発明では、放射線画像検出器(可搬型撮像用検出器)の接続端子23に電力が供給されているか否かが検知されることにより、前記接続端子23が外部電源40と接続されているか否か把握するものではあるが、測定される電圧及び抵抗を用いて、放射線画像検出器(可搬型撮像用検出器)の状態を決定するものではない点。
ウ 判断
上記相違点2について検討する。
(ア)一般的に、外部装置が接続されているか否かを検出する方法として、一対の接点に跨がる電圧を測定することは本件の優先日前に周知(以下「周知技術」という。例.引用例2(【0040】、図1参照。)、引用例3(特許請求の範囲参照。))である。また、引用例4(特に【0102】参照)には、充電器及びホルダの各機能をそれぞれ持たせた別々のクレードルとすることが示唆されている。
(イ)引用発明において、電力が供給されているか否かの検知は、電流又は電圧を測定することによるものといえるところ、周知技術や引用例4の記載事項を考慮しても、電圧及び抵抗を測定することとなし、測定された電圧及び抵抗を用いて可搬型撮像用検出器の状態を決定するようになすこと、すなわち、上記相違点2に係る本願発明1の構成となすことは当業者が引用例4の記載事項及び周知技術に基づいて容易に想到し得たものではない。
(ウ)したがって、引用例1には、上記相違点2に係る事項が開示されてなく、しかも、当該事項が引用例4の記載事項及び周知技術から想到容易であるともいえないから、上記相違点1について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者が引用例1に記載された発明、引用例4の記載事項及び周知技術に基づいて容易に発明することができたものではない。
エ 本願発明2ないし7について
本願発明1が、引用発明、引用例4の記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるといえないのであるから、本願発明1の発明特定事項をすべて含み、さらに他の発明特定事項を付加した本願発明2ないし7も同様に、引用発明、引用例4の記載事項及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。
第4 原査定の理由について
1 原査定の理由の概要
この出願の平成27年8月6日付けで手続補正によって補正された請求項1ないし9に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1.特開2006-208305号公報
引用文献2.特開2009-60472号公報
引用文献3.特開2006-58076号公報
引用文献4.特開2006-208310号公報
引用文献1に記載された発明において、周知の技術を採用し、請求項1ないし9に係る発明のごとく構成することは当業者が容易になし得る事項である。
2 原査定の理由の判断
引用文献1ないし3はそれぞれ上記引用例1ないし3であり、該引用文献1ないし3には、上記相違点2に係る事項が記載されておらず、また、引用文献1ないし3の記載に基づいて、上記相違点2に係る事項とすることが当業者にとって容易でないことは上記第3の2(2)イ及びウで示したとおりであり、さらに原査定で引用した引用文献4の記載事項を踏まえても、上記相違点2に係る事項とすることが当業者にとって容易でないことは同様である。
してみると、本願発明1ないし7は、当業者が引用文献1ないし4に記載された発明に基づいて容易に発明することができたものではない。
第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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