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特許拒絶査定不服審判

2016-002441

通信機能を有するテレビ、テレビシステムおよび通信機能を有する機器の操作装置

審判番号
2016-002441
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-011909外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年02月17日
審決日
2017年09月01日
公報発行日
2017年11月24日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (H04N) / P18 .537-WY (H04N)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014- 11909「通信機能を有するテレビ、テレビシステムおよび通信機能を有する機器の操作装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月 3日出願公開、特開2014-123959、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成18年4月7日出願の特願2006-106109号の一部を平成24年2月11日に新たな特許出願とした特願2012-27876号について、さらに、その一部を平成26年1月25日に新たな特許出願としたものであって、手続の概要は以下のとおりである。 手続補正       : 平成26年2月23日 拒絶理由通知     : 平成26年12月26日(起案日) 手続補正       : 平成27年3月30日 拒絶査定       : 平成27年10月21日(起案日) 拒絶査定不服審判請求 : 平成28年2月17日 手続補正       : 平成28年2月17日 前置報告       : 平成28年7月21日 拒絶理由通知(当審) : 平成28年12月27日(起案日) 手続補正       : 平成29年3月25日 第2 原査定の概要 原査定(平成27年10月21日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願の請求項1-5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1:特開2005-348365号公報 第3 当審拒絶理由について 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 理由A.この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号、第2号に規定する要件を満たしていない。 記 請求項1-5について ア)請求項1の「前記手動操作部による番組にかかわらず同じ手動操作に応答し」、請求項4の「前記手動操作部による番組にかかわらず」、請求項5の「番組にかかわらず同じ手動操作に応答し」とは、どのような事項を記載しているか明確ではない。 イ)請求項1において、「外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組をその動画番組の選択を要さない操作で見ることによって遠隔地の者同士であってもほぼ同時期に疑似的に同体験をする」ためには、何らかの手段で、「前記外部で鑑賞されている動画番組に関する情報を受信する」ことが必要と認めるが、当該受信するための構成を有していないから、請求項1の発明は、上記発明に必須の構成を有していない。 請求項1を引用する他の請求項についても同じである。 理由B.この出願の請求項1-5に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特表2002-521873号公報 (当審において新たに引用した文献) 引用文献2.特開2005-348365号公報(拒絶査定時の引用文献1) 第4 本願発明 1.本願請求項1-5に係る発明 本願請求項1-5に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明5」という。)は、平成29年3月25日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1-5に記載された事項により特定される、以下のとおりの発明である。 (本願発明1) 「【請求項1】 外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組をその動画番組の選択を要さない操作で見ることによって遠隔地の者同士であってもほぼ同時期に疑似的に同体験をする動画番組鑑賞システムであって、動画番組内容を取得する番組取得部と、前記番組取得部が取得すべき動画番組を任意または前記単一の動画番組に関する情報の受信に基づいて選択する選択部と、前記選択部の選択に基づいて前記番組取得部が取得する動画番組を表示する番組鑑賞画面とを持つ番組鑑賞装置、および、番組の選択にかかわらず同じ手動操作をするための手動操作部と、前記手動操作部による前記同じ手動操作に応答し、前記外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組を前記単一の動画番組に関する情報の受信に基づいて前記選択部に選択させる信号を前記番組鑑賞装置に送信する送信部とを持つリモコン、を有することを特徴とする動画番組鑑賞システム。」 (本願発明2) 「【請求項2】 前記選択部は放送のチャンネルを選択するとともに、前記番組取得部は、放送される動画番組を受信することを特徴とする請求項1記載の動画番組鑑賞システム。」 (本願発明3) 「【請求項3】 前記選択部はサーバ型放送の番組コードを選択するとともに、前記番組取得部は、提供される動画番組データをダウンロードすることを特徴とする請求項1記載の動画番組鑑賞システム。」 (本願発明4) 「【請求項4】 前記リモコンは、前記手動操作部による前記同じ再手動操作により、前記外部で鑑賞されているのと同じ動画番組から当初の動画番組へと前記選択手段による選択を復帰させる信号を前記送信部から前記番組鑑賞装置に送信することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動画番組鑑賞システム。」 (本願発明5) 「【請求項5】 外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組をその動画番組の選択を要さない操作で見ることによって遠隔地の者同士であってもほぼ同時期に疑似的に同体験をする動画番組鑑賞システムであって、動画番組内容を取得する番組取得部と、前記番組取得部が取得すべき動画番組を選択する選択部と、前記選択部の選択に基づいて前記番組取得部が取得する番組を表示する番組鑑賞画面と、前記単一の動画番組に関する情報を受信する受信手段とを有し、番組の選択にかかわらず同じ手動操作に応答し、前記外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組を前記受信手段が受信する情報に基づいて前記選択部に選択させることを特徴とする動画番組鑑賞システム。」 2.本願発明5の分説 本願発明5を分説すると、次のとおりである。 (本願発明5) 「(A)外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組をその動画番組の選択を要さない操作で見ることによって遠隔地の者同士であってもほぼ同時期に疑似的に同体験をする動画番組鑑賞システムであって、 (B)動画番組内容を取得する番組取得部と、 (C)前記番組取得部が取得すべき動画番組を選択する選択部と、 (D)前記選択部の選択に基づいて前記番組取得部が取得する番組を表示する番組鑑賞画面と、 (E)前記単一の動画番組に関する情報を受信する受信手段とを有し、 (F)番組の選択にかかわらず同じ手動操作に応答し、前記外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組を前記受信手段が受信する情報に基づいて前記選択部に選択させる (A)ことを特徴とする動画番組鑑賞システム。」 ((A)~(F)は、当審で付与した。以下各構成要件を「構成A」等という。) 第5 引用文献、引用発明等 1.引用文献1について (1)引用文献1の記載事項 平成28年12月27日付けの拒絶の理由に引用された引用文献1(特表2002-521873号公報)には、「一世帯内に複数のデバイスを備える双方向テレビ番組ガイドシステム」(発明の名称)として、図面とともに次の事項が記載されている。 ア.「【0001】 (発明の背景) 本発明は、双方向テレビ番組ガイドに関し、より詳細には、世帯内のマルチプルデバイスに関する双方向テレビ番組機能を提供する技術に関する。 (中略) 【0002】 ケーブル、衛星、および放送テレビシステムは、多数のテレビチャンネルを視聴者に提供する。視聴者は、従来、印刷されたテレビ番組スケジュールを見て、特定の時間に放送される番組を決定する。より最近では、双方向電子テレビ番組ガイドが開発され、これによってテレビ番組情報を視聴者のテレビに表示することが可能になった。 (中略) 【0004】 子供がいる世帯では、現在利用可能な広範囲の番組に含まれる、潜在的に不快なアダルト内容から子供を保護することに懸命している。ある番組ガイドは、ユーザが親制御(parental control)機能を使用して、チャンネルまたは番組を遮断することを可能にする。 (中略) 【0006】 家族は、しばしば世帯内に配置される複数のテレビおよびセットトップボックスを有する。ある家族の世帯では複数の家を有することさえある。」 (中略) 【0007】 従って、本発明の目的は、1つの位置から世帯内の異なる位置において、ユーザが複数の番組ガイドのユーザ設定に調節することを可能にする番組ガイドシステムを提供することである。」 (中略) 【0014】 番組ガイドは、任意の適切なトポロジーおよび通信プロトコルを使用してリンクされ得る。例えば、ユーザテレビ機器の様々な要素は、ツリー、バス、またはリングトポロジーを使用して相互接続され得る。」 イ.「【0043】 図10は、ユーザテレビ機器44(図1)についての例示的な構成要素を示す。図10の構成において、セットトップボックス48はデータ入力装置140に接続される。データ入力装置140は、キーボード、キーパッド、またはテキスト(有線または無線)、音声または映像を入力するための適切な任意のデバイスであり得る。ビデオカセットレコーダ50は、セットトップボックス48およびテレビ52に接続される。リモコン54は、セットトップボックス48、ビデオカセットレコーダ50、およびテレビ52の動作を制御するために使用される。 (中略) 【0053】 番組ガイドによりユーザは、子供が不適切な内容を視聴する可能性を防ぐために親制御をセットすることができる。図17の工程1010において、例えば、番組ガイドは、ユーザに図12のメイン画面170にアクセスする機会を提供し得る。メイン画面170上で、ユーザは、リモコン54を用いて強調表示領域177を親制御オプション176に移動し、入力キーを押すことによってそのオプションを選択し得る。 【0054】 図17の工程1011において、ユーザが、図15の入力パスワード画面210上に予め選択したパスワード211(図15)を入力した後、番組ガイドはパスワードをチェックする。誤ったパスワードが提供されると、図17の工程1014において、ユーザに図15の無効なパスワード画面212が示され、そして図12のメインメニュー画面170に戻り得る。ユーザが有効なパスワードを提供すると、番組ガイドは工程1015において種々のオプションを提供する。工程1015において、ユーザは、図16の親制御画面190にアクセスし得、リモコン54を使用してチャンネルオプションの設定191、最大格付けオプションの設定193、および視聴オプションのモニタ195等のオプション間でナビゲートし得る。ユーザは、図17の工程1016においてチャンネルオプションの設定191を選択し、強調表示領域192を移動し、選択を押すことによって図18aのチャンネル設定画面200でナビゲートし得る。 (中略) 【0059】 ユーザは、図16の視聴オプションのモニタ195を選択し(図17の工程1019)、強調表示領域192を視聴オプションのモニタ195に移動して、入力を押すことによって、図19の視聴画面のモニタ230にナビゲートし得る。 【0060】 次いで別の場合には、ユーザの位置での番組ガイドは、ユーザに視聴画面のモニタ230を提供する。視聴画面のモニタ230は、各位置が現在視聴しているチャンネル、または他の位置が視聴しているチャンネルを示すバナーまたは情報スモールボックスのようなオーバーレイを示すが、ユーザにユーザの位置で番組項目を見続けることを可能にする。ユーザの位置での番組ガイドは、世帯内の他の位置において番組ガイドをポーリングし、誰が現在テレビを視聴しているか、およびユーザがどのチャンネルに合わせているかを判定し得る。視聴画面のモニタはまた、映像、音声、さらには他の位置で視聴されているチャンネルに関連付けられたイメージの視聴を可能にする。例えば、現在のチャンネルの映像を背景にして、遠隔位置の映像を画面上のスモールボックス内に示し得る。」 (2)引用文献1に記載された発明 上記ア.、イ.の記載及び関連する図面ならびにこの分野における技術常識を考慮して引用文献1の記載事項を検討する。 (i)引用文献1には、上記ア.にあるように、1つの位置から世帯内の異なる位置の番組ガイドのユーザ設定の調節を可能にする番組ガイドシステムについて記載されており、複数のテレビ機器が相互に接続され(段落【0014】)、番組ガイドが親制御機能を備えること(段落【0004】)が記載されている。 よって、引用文献1には、『ユーザの位置のテレビ機器と他の位置のテレビ機器とが相互に接続され、親制御機能を有する番組ガイドシステム』が記載されている。 (ii)上記イ.の段落【0053】、【0054】、【0059】には、番組ガイドの親制御機能の一つとして、リモコンによる操作でアクセスできる「視聴画面のモニタ」機能を有することが記載されている。 ここで、「視聴画面のモニタ」の画面は、リモコンによる操作に『応答し』て表示されることは明らかであり、その操作手順は、「番組ガイド」のメイン画面から順次項目を選択する操作であって、特定の『チャンネルの選択を伴わない』操作であるといえる。 よって、引用文献1には、ユーザ位置の番組ガイドの親制御機能は、「視聴画面のモニタ」機能を有し、「視聴画面のモニタ」の画面は、『チャンネルの選択を伴わない操作』に『応答し』て表示されること、が記載されているといえる。 (iii)上記イ.の段落【0060】には、ユーザ位置の番組ガイドが、他の位置の番組ガイドを「ポーリングし」て、「他の位置が視聴しているチャンネル」を、判定することが記載されている。 ここで、ポーリングによるチャンネルの判定は、他の位置のテレビ機器の番組ガイドに対して視聴中のチャンネルを問い合わせ、その回答として送信される『チャンネルの情報』を『受信する』ことにより行われることは、技術常識から明らかである。 よって、引用文献1には、ユーザの位置の番組ガイドが、『他の位置で視聴中のチャンネルの情報を受信する』ことが記載されているといえる。 (iv)上記イ.の段落【0060】によれば、「視聴画面のモニタ」の画面では、「現在のチャンネルの映像を背景にして、遠隔位置の映像を画面上のスモールボックス内に表示する」ことが記載されている。 ここで、「現在のチャンネルの映像」は、『ユーザの位置で視聴中のチャンネルの映像』であること、及び、「遠隔位置の映像」は、『他の位置と同じ映像』であり、その表示は、番組ガイドが『受信』した『他の位置で視聴中のチャンネルの情報に基づいて』行われることは明らかであるから、引用文献1には、ユーザの位置の番組ガイドが、『他の位置で視聴中のチャンネルの情報に基づき同じ映像を表示する』ものであること、及び、『受信した情報に基づいて、ユーザの位置で視聴中のチャンネルの映像を背景にして、他の位置と同じ映像をスモールボックス内に表示する』ものであることが記載されているといえる。 また、「視聴画面のモニタ」機能は、親制御機能の一つとして提供されるものであるから、他の位置で視聴中の映像は、どのような映像であっても、これを表示することを想定しているといえる。言い換えれば、引用文献1に記載の「視聴画面のモニタ」機能は、『他の位置で視聴中の映像がいかなる映像であっても』、その映像を表示する機能であるといえる。 (v)引用文献1には明記されていないが、ユーザの位置のテレビ機器には、『放送を受信して映像を取得する取得手段』、『受信するチャンネルを選択する選択手段』、『取得した映像を表示する番組鑑賞画面』が備わることは、技術常識である。 したがって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。なお、下記のとおり説明のために(1a)ないし(1e)の記号を当審において付与した。以下、構成1a、構成1b等と称することにする。 (引用発明1) 「(1a)ユーザの位置のテレビ機器と他の位置のテレビ機器とが相互に接続され、他の位置で視聴中のチャンネルの情報に基づき同じ映像を、チャンネルの選択を伴わない操作で表示する番組ガイドシステムであって、 (1b)放送を受信して映像を取得する取得手段、 (1c)受信するチャンネルを選択する選択手段、 (1d)取得した映像を表示する番組鑑賞画面、 (1e)前記操作に応答し、他の位置にて視聴中のチャンネルの情報を受信して、他の位置で視聴中の映像がいかなる映像であっても、受信した情報に基づいて、ユーザの位置で視聴中のチャンネルの映像を背景にして、他の位置の映像と同じ映像をスモールボックス内に表示する番組ガイド、を備える、 (1a)番組ガイドシステム」 2.引用文献2について (1)引用文献2の記載事項 平成28年12月27日付けの拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2005-348365号公報)には、「コンテンツ指定指示装置およびコンテンツ指定方法」(発明の名称)として、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審により付与した。)。 ウ.「【0001】 本発明は、コンテンツ指定指示装置およびコンテンツ指定方法に関し、特に、コンテンツを特定する情報を送信するコンテンツ指定指示装置およびコンテンツ指定方法に関する。 (中略) 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 「この番組は面白いよ」という情報を友人に伝えるためには、まず番組を指定する情報を作成し、次に番組を指定する情報を送信する、という二つのステップを踏む必要がある。 (中略) 【0006】 本発明は、上記課題に基づいて創案したものであり、コンテンツを指定する情報の作成を簡単化し、他人に教えることができるコンテンツ指定指示装置ならびにコンテンツ指定方法を提供することを目的としている。」 エ.「【0071】 (第1の実施の形態) 図1は、本発明の第1の実施の形態におけるコンテンツ指定指示装置と、コンテンツ視聴指示装置とからなるシステムの構成を示す図である。 【0072】 図1に示したとおり、コンテンツ指定指示装置1とコンテンツ視聴指示装置2はネットワーク0を通じて互いに通信を行う。 オ.「【0073】 ユーザは、コンテンツ指定指示装置1を用いてコンテンツを視聴し、他の人に勧めたいコンテンツを見ているときに「情報送信」ボタン10を押下する。コンテンツ指定指示装置1は、この「情報送信」ボタン10の押下を受け、見ていたコンテンツが何であるかを表示画面11に示すように特定し、他の機械においてもそのコンテンツを特定できるような情報(以下、「コンテンツ指定情報」という。)を生成する。その後、コンテンツ指定指示装置1は自動的に、この生成されたコンテンツ指定情報を含んだメッセージ12を作成し、ネットワーク0を通じてコンテンツ視聴指示装置2に送信する。コンテンツ視聴指示装置2は、コンテンツ指定情報が含まれたメッセージを受信したとき、もしくはユーザからコンテンツ視聴指示を受けたとき、コンテンツ指定情報によって指定されたコンテンツの視聴が開始されるようコンテンツの再生を行なう。」 【0074】 コンテンツ指定情報は、コンテンツを指定するための情報である。本明細書中では主に、コンテンツ指定情報は、コンテンツが配信されるチャンネル(コンテンツ指定チャンネル)と、コンテンツ指定情報を送る側が指定するコンテンツの時間(コンテンツ指定時間)とから構成されることとする。「チャンネル」は、従来の地上波放送の番組を提供するチャンネル以外にも、衛星放送、地上波や衛星のデジタル放送を提供するチャンネル、ラジオ放送のチャンネル、WWWのホームページであればその所在を表すURL(Uniform Resource Locator)やURI(Uniform Resource Identifiers)、ビデオ、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体など、コンテンツの所在を示すもの一般を含むものとする。 カ.「【0118】 図12は、図1のコンテンツ視聴指示装置2の機能構成を示す図である。 【0119】 コンテンツ視聴指示装置2は、ネットワークI/F408を経由してメッセージ受信部412でメッセージを受信し、受信したメッセージに含まれるコンテンツ指定情報が指定するコンテンツをコンテンツ受信部407で取得し、コンテンツ制御部401で制御し、出力部404に出力し視聴させる。 (中略) 【0121】 この際の出力コンテンツである、コンテンツ指定情報の指定するコンテンツが、蓄積されているかどうかをコンテンツ蓄積情報記憶部41001を用いて調べ、蓄積されていればコンテンツ蓄積部410の中からコンテンツ指定情報にて指定されたコンテンツを出力コンテンツとする。また、出力コンテンツがリアルタイムに放送されているコンテンツであれば、チャンネル切り替え部411を用いて受信チャンネルを切り替え、コンテンツを出力する。このチャンネル切り替え部411は、コンテンツ視聴指示装置2の構成によって、実際にチャンネルの切り替えを行うこともあるが、チャンネルの切り替えを指示する信号を出す働きをするだけでもかまわない。また、必要に応じて、コンテンツ視聴指示装置2は番組情報取得部409を用いて番組の情報を取得する。 (中略) 【0136】 この方法を用いることによって、ユーザは、リアルタイムに届いたコンテンツ指定情報であってもすぐに視聴することが可能となる。この切り替えステップの実行は、自動的に行ってもよいし、ユーザに実行許可を問い合わせてから行ってもよい。」 (2)引用文献2に記載された発明 上記ウ.~カ.の記載及び関連する図面ならびにこの分野における技術常識を考慮して引用文献2の記載事項を検討する。 (i)引用文献2には、上記ウ.及び、エ.にあるように、「コンテンツを指定する情報の作成を簡単化し、番組に関する情報を他人に教えることができる」ことを課題とした、『コンテンツ指定指示装置と、コンテンツ視聴指示装置とからなるシステム』が記載されている。 (ii)上記オ.の段落【0073】には、「コンテンツ指定指示装置」について、「ユーザ」が、「コンテンツを見ているとき」に、「情報送信ボタン」の押下操作を行うと、「見ていたコンテンツ」を特定できる「コンテンツ指定情報」を含む「メッセージ」を、「ネットワークを通じてコンテンツ視聴指示装置に送信する」ことが記載され、「コンテンツ視聴指示装置」について、「コンテンツ指定情報が含まれたメッセージを受信したとき」、「指定されたコンテンツ」の「再生を行う」ことが記載されている。ここで、「指定されたコンテンツ」は、受信した「コンテンツ指定情報」に基づいて特定される、「ユーザが見ているコンテンツ」と「同じコンテンツ」であることは明らかである。 また、段落【0074】には、「コンテンツ指定情報」には、「コンテンツが配信されるチャンネル」の情報が含まれることが記載されている。 よって、引用文献2には、『コンテンツ指定指示装置』について『コンテンツを視聴中のユーザが、情報送信操作をすると、ユーザが視聴中のコンテンツが配信されるチャンネル情報を含むメッセージを、ネットワークを通じてコンテンツ視聴指示装置に送信する』ことと、『コンテンツ視聴指示装置』について『チャンネル情報が含まれたメッセージを受信したとき』、『受信したチャンネル情報に基づき同じコンテンツを再生する』ことが記載されている。 (iii)上記カ.の段落【0119】には、「コンテンツ視聴指示装置」について、「メッセージ受信部」によりメッセージを受信すること、「コンテンツ受信部」によりコンテンツを取得すること、及び、取得したコンテンツを「出力部」に出力し視聴させること、が記載されており、段落【0121】には、「リアルタイムに放送されているコンテンツ」であれば、「チャンネル切り替え部」を用いて、コンテンツの受信チャンネルを切り替え、コンテンツを出力することが記載されている。ここで、ユーザが視聴中のチャンネル情報は、リアルタイムに放送されているコンテンツのものであることは明らかであるから、「コンテンツ視聴指示装置」は、『ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれるメッセージを受信したとき』、『受信チャンネルを切り替える』ものであるといえる。 そして、段落【0136】には、受信チャンネルの切り替えを「自動的に行う」ことも記載されている。 よって、引用文献2には、コンテンツ視聴指示装置が、『コンテンツを取得するコンテンツ受信部』と、『コンテンツを取得する受信チャンネルを切り替えるチャンネル切り替え部』と、『コンテンツを出力する出力部』と、『メッセージを受信するメッセージ受信部』とを備え、『ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれたメッセージを受信したとき、自動的に受信チャンネルを切り替える』ことが記載されている。 したがって、上記引用文献2には次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明2) 「コンテンツを視聴中のユーザによる情報送信操作により、ユーザが視聴中のコンテンツが配信されるチャンネル情報を含むメッセージを、ネットワークを通じてコンテンツ視聴指示装置に送信する、コンテンツ指定指示装置と、受信したチャンネル情報に基づき同じコンテンツを再生するコンテンツ視聴指示装置とからなるシステムであって、 コンテンツ視聴指示装置は、 コンテンツを取得するコンテンツ受信部と、 コンテンツを取得する受信チャンネルを切り替えるチャンネル切り替え部と、 コンテンツを出力する出力部と、 メッセージを受信するメッセージ受信部と、を備え、 ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれたメッセージを受信したとき、自動的に受信チャンネルを切り替える、 システム。」 (3)引用文献2に記載された技術事項 上記(1)、(2)で検討した引用文献2の記載から、「コンテンツ指定指示装置」にて行われる操作と、それに応じて「コンテンツ視聴指示装置」にて行われる処理内容とに着目すると、引用文献2には、以下の技術事項が記載されていると認められる。 (引用文献2に記載の技術事項) 「コンテンツ指定指示装置でコンテンツを視聴中の者による情報送信操作により送信される、視聴中のコンテンツのチャンネル情報を受信すると、受信したチャンネル情報に基づいて、コンテンツを取得する受信チャンネルを切り替えるコンテンツ視聴指示装置の技術」 第6 対比・判断 1.本願発明5について (1)対比 本願発明5と引用発明1とを対比する。 (i)本願発明5の構成Aと引用発明1の構成1aについて 引用発明1のシステムは、「テレビ機器」を含み、テレビ機器における「映像」の「視聴」は、「動画番組」の「鑑賞」と言い換えることができる。してみれば、引用発明1の構成1aの「ユーザの位置のテレビ機器と他の位置のテレビ機器とが相互に接続され」た「番組ガイドシステム」は、テレビ機器を用いて動画番組を鑑賞するシステムであるといえるから、本願発明5の構成Aの「動画番組鑑賞システム」として機能するといえる。 引用発明1の構成1aにおける「他の位置で視聴中のチャンネルの情報」に関して、「他の位置」は、ユーザの位置とは異なる位置であるから、「外部」を含むということができ、「視聴中」は、「現に鑑賞されている」ことと同義である。また、「視聴中のチャンネルの情報」は、映像を「確定した単一の映像」として特定し得るものといえるから、引用発明1の構成1aの「他の位置で視聴中のチャンネルの情報」は、本願発明5の構成Aの「外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報」に相当する。 また、引用発明1の構成1aの「チャンネルの選択を伴わない操作」は、本願発明5の構成Aでいう「その動画番組の選択を要さない操作」であるといえ、引用発明1の構成1aにおいて、映像を「表示する」ことは、映像を「見る」ことを前提としていることは明らかである。 よって、引用発明1の構成1aと本願発明5の構成Aとは、「外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組をその動画番組の選択を要さない操作で見る、動画番組鑑賞システム」である点で共通し、本願発明5が、「同じ動画番組」を「見る」ことにより、「遠隔地の者同士であってもほぼ同時期に疑似的に同体験をする」ものであるのに対し、引用発明1は、そうであるか不明な点で相違する。 (ii)本願発明5の構成B~Dと引用発明1の構成1b~1dについて 上記(i)で述べたように、引用発明1の「映像」は、本願発明5の「動画番組」に相当する。してみると、引用発明1の構成1b「放送を受信して映像を取得する取得手段」は、動画番組の内容を取得するものであるといえるから、本願発明5の構成Bに相当し、引用発明1の構成1c「受信するチャンネルを選択する選択手段」は、チャンネルの選択により、取得する動画番組を選択するものであるから、本願発明5の構成Cに相当する。 また、引用発明1の構成1d「取得した映像を表示する番組鑑賞画面」は、選択手段により選択され、取得手段により取得された動画番組を表示するから、本願発明5の構成Dに相当する。 よって、引用発明1の構成1b~1dは、それぞれ本願発明5の構成B~Dに相当する。 (iii)本願発明5の構成Eと引用発明の構成1eについて 引用発明1の構成1eにおいて、「番組ガイド」が「受信」する「他の位置にて視聴中のチャンネルの情報」は、上記(i)で検討したように、本願発明5の「外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報」に相当するから、引用発明の構成1eの「番組ガイド」は、本願発明5の構成Eの「前記単一の動画番組に関する情報」を受信する受信手段としての機能を備えているといえる。 (iv)本願発明5の構成Fと引用発明の構成1eについて 引用発明1の構成1eの「前記操作」は、(i)で検討したとおり、「チャンネルの選択を伴わない操作」であるから、「番組の選択にかかわらず同じ操作」であるといえ、また、「手動操作」であることも明らかであるから、引用発明1の構成1eの「前記操作に応答し、」は、本願発明5の構成Fの「番組の選択にかかわらず同じ手動操作に応答し、」と一致する。 また、引用発明1の構成1eの「他の位置で視聴中の映像」及び「他の位置の映像と同じ映像」は、本願発明5の構成Fの「外部で現に鑑賞されている番組」及び「その番組と同じ動画番組」に相当し、引用発明1の構成1eの「受信した情報」は、本願発明5の構成Fの「受信手段が受信する情報」に相当する。 そして、引用発明1の構成1eの「他の位置で視聴中の映像がいかなる映像であっても、受信した情報に基づいて、ユーザの位置で視聴中のチャンネルの映像を背景にして、他の位置の映像と同じ映像をスモールボックス内に表示する」ことと、本願発明5の構成Fの「前記外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組を前記受信手段が受信する情報に基づいて前記選択部に選択させる」こととは、「外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組」を見るために、「受信手段が受信する情報」に基づいて、特定の処理を行う点では共通するものの、その処理内容が、以下のとおり相違している。 本願発明5は、「前記選択部」、すなわち、構成Cの「番組取得部が取得すべき動画番組を選択する選択部」に、同じ動画番組を「選択させる」処理であるのに対し、引用発明1は、「番組ガイド」に「ユーザの位置で視聴中のチャンネルの映像を背景にして、他の位置の映像と同じ映像をスモールボックス内に表示」させる処理であり、他の位置の映像と同じ映像を表示させるにあたり、構成1cの「チャンネル選択手段」にチャンネルを選択させる処理を含むかどうかは明らかでない点。 (v)まとめ 上記(i)ないし(iv)で検討したとおりであるから、本願発明5と引用発明1とは、以下の点で一致ないし相違している。 [一致点] 外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組をその動画番組を要さない操作で見る動画番組鑑賞システムであって、 動画番組内容を取得する番組取得部と、 前記番組取得部が取得すべき動画番組を選択する選択部と、 前記選択部の選択に基づいて前記番組取得部が取得する番組を表示する番組鑑賞画面と、 前記単一の動画番組に関する情報を受信する受信手段とを有し、 番組の選択にかかわらず同じ手動操作に応答して、前記外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組に関する処理を、前記受信手段が受信する情報に基づく特定の処理を行う動画番組鑑賞システム。 [相違点] (相違点1) 「受信手段が受信する情報に基づく特定の処理」が、本願発明5は、動画番組を選択する「選択部」に、同じ動画番組を「選択させる」処理であるのに対し、引用発明1は、「番組ガイド」に「ユーザの位置で視聴中のチャンネルの映像を背景にして、他の位置の映像と同じ映像をスモールボックス内に表示」させる処理であり、他の位置の映像と同じ映像を表示させるにあたり、「チャンネル選択手段」にチャンネルを選択させる処理を含むかどうかが明らかでない点。 (相違点2) 「同じ動画番組」を「見る」ことにより、本願発明5は、「遠隔地の者同士であってもほぼ同時期に疑似的に同体験をする」のに対し、引用発明1は、そうであるか不明な点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて、相違点1について検討する。 上記第5の2(3)に示したとおり、引用文献2には、「コンテンツ指定指示装置でコンテンツを視聴中の者による情報送信操作により送信される、視聴中のコンテンツのチャンネル情報を受信すると、受信したチャンネル情報に基づいて、コンテンツを取得する受信チャンネルを切り替えるコンテンツ視聴指示装置の技術」が開示されており、上記相違点1に係る本願発明5の構成の、受信手段が受信する情報に基づいて、動画番組を選択する「選択部」に、同じ動画番組を「選択させる」処理、に相当する技術が開示されているといえる。 そこで、引用発明1に対して、引用文献2に記載の技術事項を組み合わせることを、当業者が容易に想到し得るかどうかについて検討する。 引用文献2に記載の技術は、コンテンツを視聴中の者が情報送信操作を行った、特定のコンテンツのチャンネル情報が送信されるものであり、操作を行わないコンテンツのチャンネル情報は送信されないものである。 このような、コンテンツを視聴中の者が、自らの意思で選択した特定のコンテンツについてのみチャンネル情報が送信される技術を、引用発明1のような、他の位置の者の意思にかかわらず、他の位置で視聴中の映像がいかなる映像であってもその映像と同じ映像をユーザ位置にて表示するシステムと組み合わせる動機付けは見いだせない。 したがって、当業者であっても、引用発明1及び引用文献2に記載された技術事項から、上記相違点1に係る本願発明5の構成を容易に想到し得るとはいえない。 そして、上記相違点1に係る構成は、自明なものであるとも認められない。 以上のとおりであるから、他の相違点について論じるまでもなく、本願発明5は、当業者が、引用発明1及び引用文献2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願発明1-4について 本願発明1-4も、上記相違点1に係る構成を有しているから、本願発明5と同じ理由により、当業者が、引用発明1及び引用文献2に記載の技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 3.引用文献2に記載の発明に基づく進歩性の有無について 平成28年12月27日付け拒絶理由通知においては、先に検討した引用文献1、2に記載された発明に基づく進歩性の欠如と合わせて、引用文献2に記載された発明に基づく進歩性の欠如について言及があるので検討する。 (1)引用発明2 上記第5の2(2)で認定した、引用発明2を再掲する。なお、下記のとおり説明のために(2a)ないし(2c)の記号を当審において付与した。以下、構成2a、構成2b1等と称することにする。 (2a)コンテンツを視聴中のユーザによる情報送信操作により、ユーザが視聴中のコンテンツが配信されるチャンネル情報を含むメッセージを、ネットワークを通じてコンテンツ視聴指示装置に送信する、コンテンツ指定指示装置と、受信したチャンネル情報に基づき同じコンテンツを再生するコンテンツ視聴指示装置とからなるシステムであって、 (2b)コンテンツ視聴指示装置は、 (2b1)コンテンツを取得するコンテンツ受信部と、 (2b2)コンテンツを取得する受信チャンネルを切り替えるチャンネル切り替え部と、 (2b3)コンテンツを出力する出力部と、 (2b4)メッセージを受信するメッセージ受信部と、を備え、 (2c)ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれたメッセージを受信したとき、自動的に受信チャンネルを切り替える、 (2a)システム。 (2)対比 本願発明5と引用発明2とを対比する。 (i)本願発明5の構成Aと引用発明2の構成2aについて 引用発明2における「コンテンツ」は、本願発明5の「動画番組」及び「動画番組内容」に相当し、コンテンツの「視聴」は「鑑賞」と言い換えることができるから、引用発明2の構成2aの「コンテンツ指定指示装置」と「コンテンツ視聴指示装置」とからなる「システム」は、本願発明5の構成Aでいう「動画番組鑑賞システム」として機能するものであるといえる。 引用発明2の構成2aにおける「ユーザが視聴中のコンテンツが配信されるチャンネル情報を含むメッセージ」に関して、「ユーザ」は、ネットワークを通じてメッセージを送信してくる者であるから、「外部」の者であるといえ、「視聴中」は、「現に鑑賞されている」ことと同義である。また、「コンテンツが配信されるチャンネル情報」は、ユーザが視聴中のコンテンツを「確定した単一のコンテンツ」として特定し得るものといえるから、引用発明2の構成2aの「ユーザが視聴中のコンテンツが配信されるチャンネル情報」は、本願発明5の構成Aの「外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報」に相当する。 そして、引用発明2の構成2aにおいて、コンテンツを「再生する」ことは、コンテンツを「見る」ことを前提としていることは明らかであるから、引用発明2の構成2aの「コンテンツ視聴指示装置」において、「受信したチャンネル情報に基づき同じコンテンツを再生する」ことは、本願発明5の構成Aの「外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組を見る」ことに相当するといえる。 よって、引用発明2の構成2aと本願発明5の構成Aとは、「外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組を見る動画番組鑑賞システム」である点で共通し、以下の2点で相違する。 「同じ動画番組を見る」にあたり、本願発明5では、動画番組を見る者が、動画番組鑑賞システムに対し、「その動画番組の選択を要さない操作」を行うのに対し、引用発明2では、「コンテンツを視聴中のユーザ」により、「コンテンツ指定指示装置」に「情報送信操作」が行われるものの、動画番組を見る者の「コンテンツ視聴指示装置」に対する操作は特定されていない点。 「同じ動画番組を見る」ことにより、本願発明5は、「遠隔地の者同士であってもほぼ同時期に疑似的に同体験をする」のに対し、引用発明2は、そうであるか不明な点。 (ii)本願発明5の構成B~Dと引用発明2の構成2b、2b1~2b3について 引用発明2の構成2bの「コンテンツ視聴指示装置」が備える、構成2b1の「コンテンツを取得するコンテンツ受信部」は、コンテンツすなわち動画番組内容を取得するものであるから、本願発明5の構成Bに相当する。 構成2b2の「コンテンツを取得する受信チャンネルを切り替えるチャンネル切り替え部」は、受信チャンネルを切り替えることにより、構成2b1の「コンテンツ受信部」により取得するコンテンツを選択するものであるから、本願発明5の構成Cに相当する。 構成2b3の「コンテンツを出力する出力部」は、構成2b2の「チャンネル切り替え部」により選択され、構成2b1の「コンテンツ受信部」により受信されたコンテンツを出力するものであるから、構成2b3「コンテンツを出力する出力部」は、本願発明5の構成Dに相当する。 (iii)本願発明5の構成Eと引用発明2の構成2b4について 引用発明2の構成2b4の「メッセージ受信部」は、構成2aに記載の「ユーザが視聴中のコンテンツが配信されるチャンネル情報を含む」メッセージを受信するものであるから、本願発明5の構成Eの「単一の動画番組に関する情報」を受信する受信手段としての機能を備えているといえる。 (iv)本願発明5の構成Fと引用発明2の構成2cについて 引用発明2の構成2cの「ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれたメッセージを受信したとき、自動的に受信チャンネルを切り替える」ことについて、「ユーザが視聴中のチャンネル情報」は、「外部で現に鑑賞されている番組と同じ動画番組」を特定する情報であり、「自動的に受信チャンネルを切り替える」ことは、受信したメッセージに含まれる「チャンネル情報」に基づいて、構成2b2の「チャンネル切り替え部」に行わせることは明らかである。 してみれば、引用発明2の構成2cは、本願発明5の構成Fと、「外部で現に鑑賞されている番組」と「同じ動画番組」を「受信手段が受信する情報に基づいて選択部に選択させる」ものである点で共通し、次の2点で相違する。 「同じ動画番組」を「選択部に選択させる」ことが、本願発明5では、「番組の選択にかかわらず同じ手動操作に応答し」て行われるのに対し、引用発明2では、「ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれたメッセージを受信したとき、自動的に」行われる点。 選択部に選択させる「同じ動画番組」が、本願発明5では「外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組」であるのに対し、引用発明2では、「ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれたメッセージを受信した」コンテンツ、すなわち、「コンテンツ指定指示装置」にて「コンテンツを視聴中のユーザ」が「情報送信操作を行った」コンテンツであり、「ユーザが視聴中のコンテンツがいかなるコンテンツであってもそのコンテンツと同じコンテンツ」ではない点。 (v)まとめ 上記(i)ないし(iv)で検討したとおりであるから、本願発明5と引用発明2とは、以下の点で一致ないし相違している。 [一致点] 外部で現に鑑賞されている確定した単一の動画番組に関する情報に基づき同じ動画番組を見る動画番組鑑賞システムであって、 動画番組内容を取得する番組取得部と、 前記番組取得部が取得すべき動画番組を選択する選択部と、 前記選択部の選択に基づいて前記番組取得部が取得する番組を表示する番組鑑賞画面と、 前記単一の動画番組に関する情報を受信する受信手段とを有し、 前記外部で現に鑑賞されている番組と同じ動画番組を前記受信手段が受信する情報に基づいて前記選択部に選択させる、 動画番組鑑賞システム。 [相違点] (相違点1) 「同じ動画番組を見る」にあたり、本願発明5では、動画番組を見る者が、動画番組鑑賞システムに対し、「その動画番組の選択を要さない操作」を行うのに対し、引用発明2では、「コンテンツを視聴中のユーザ」により、「コンテンツ指定指示装置」に「情報送信操作」が行われるものの、動画番組を見る者の「コンテンツ視聴指示装置」に対する操作は特定されていない点。 (相違点2) 「同じ動画番組を見る」ことにより、本願発明5は「遠隔地の者同士であってもほぼ同時期に疑似的に同体験をする」のに対し、引用発明2は、そうであるか不明な点。 (相違点3) 「同じ動画番組」を「選択部に選択させる」ことが、本願発明5では、「番組の選択にかかわらず同じ手動操作に応答」して行われるのに対し、引用発明2では、「ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれたメッセージを受信したとき、自動的に」行われる点。 (相違点4) 選択部に選択させる「同じ動画番組」が、本願発明5では「外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組」であるのに対し、引用発明2では、「ユーザが視聴中のチャンネル情報が含まれたメッセージを受信した」コンテンツ、すなわち、「コンテンツ指定指示装置にて、コンテンツを視聴中のユーザが、情報送信操作を行った」コンテンツであり、「ユーザが視聴中のコンテンツがいかなるコンテンツであってもそのコンテンツと同じコンテンツ」ではない点。 (3)相違点についての判断 事案に鑑みて、上記相違点4について検討する。 上記第5の2.(2)(i)にて検討したとおり、引用発明2は、「コンテンツを指定する情報の作成を簡単化し、番組に関する情報を他人に教えることができる」ことを課題とする発明であり、コンテンツを視聴しているユーザが、自らの意思で選択した特定のコンテンツの情報を他人に提供するという機能を備えるシステムを前提とした発明であるといえる。 一方、上記相違点4に係る本願発明5の構成は、「外部で現に鑑賞されている番組がいかなる番組であってもその番組と同じ動画番組」を選択部に選択させるというものであるから、ユーザが視聴中のコンテンツの情報は、ユーザの意思にかかわらず、全て他人に提供されるものであり、引用発明2のシステムが備える、ユーザが自らの意思で選択した特定コンテンツの情報を他人に提供するという機能を果たし得ない構成であるといえる。 してみれば、引用発明2において、上記相違点4に係る本願発明5の構成を採用することは、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。 したがって、他の相違点について論じるまでもなく、本願発明5は、当業者であっても引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 また、本願発明1-4も、上記相違点4に係る構成を備えているので、本願発明5と同じ理由により、当業者であっても、引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 4.当審拒絶理由の理由Aについて 指摘事項(ア)に関し、平成29年3月25日付けの補正により、請求項1及びこれを引用する同4の「手動操作部」について「番組の選択にかかわらず同じ手動操作をするための手動操作部」と補正され、請求項5については「番組の選択にかかわらず同じ手動操作に応答し」と補正された。 同(イ)に関し、請求項1の「選択部」について「前記番組取得部が取得すべき動画番組を任意または前記単一の動画番組に関する情報の受信に基づいて選択する選択部」と補正された。 これらの補正により、請求項1-5に係る発明は明確となり、発明の詳細な説明に記載された範囲内のものとなったから、当審拒絶理由Aは解消した。 第7 原査定についての判断 平成29年3月25日付けの手続補正書により補正された請求項1-5に係る発明は、上記第6の3.において検討したとおり、原査定における引用文献1(当審拒絶理由における引用文献2)に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、原査定を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-002441

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