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特許拒絶査定不服審判

2015-020405

遊技機

審判番号
2015-020405
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-056675外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年11月16日
審決日
2017年02月07日
公報発行日
2017年05月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014- 56675号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月 8日出願公開、特開2015-177892号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年3月19日の出願であって、平成27年8月13日付け(発送日:平成27年8月18日)で拒絶査定がなされ、これに対し、平成27年11月16日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに手続補正がなされ、その後、当審において、平成28年8月1日付けで拒絶理由通知がなされ、平成28年9月30日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、平成28年10月20日付けで最後の拒絶理由通知がなされ、これに対し、平成28年12月20日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年12月20日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める。ただし、記号A~Gは分説するため当審にて付した。 「【請求項1】 A 初期位置と、該初期位置と異なる動作位置との間を移動可能な基部と、前記基部に連結され、変位動作が可能であって、少なくとも一部の領域が発光可能に構成されており、かつ、主たる部分の形状が類似する複数の可動部と、を有する装飾部材と、 B 画像を表示する表示画面を有する表示装置と、を備え、 C 前記基部は、前記表示画面に沿って移動可能であり、 D 前記複数の可動部は、前記表示画面に沿って変位可能に構成されており、 E 前記複数の可動部のうち少なくとも2つは、 前記基部が前記初期位置のとき、前記基部によって外部からの視認が抑制される第1の位置となり、 F 前記基部が前記動作位置のとき、前記第1の位置と、該第1の位置よりも外部からの視認性の高い第2の位置と、に変位可能であり、 G 該第2の位置において、前記少なくとも一部の領域が、所定の基準に関して位置関係が対称となり、発光可能に構成されている ことを特徴とする遊技機。」 第3 拒絶理由通知の概要 平成28年10月20日付け拒絶理由通知は、本願発明は、刊行物1である特開2012-24234号公報に示された引用発明、及び、刊行物2である特開2012-205896号公報に示された刊行物2に記載の技術事項に基づき、当業者が容易にすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないというものである。 第4 当審の判断 1 本願発明 本願発明は、上記第2に記載したとおりのものである。 2 刊行物 (1)刊行物1 本願の出願日前に頒布され、平成28年10月20日付け拒絶理由通知で引用された刊行物である特開2012-24234号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、当審にて付した。以下、同じ。)。 ア 「【0001】 本発明は、複数の従動部材を1つの駆動手段で駆動して遊技の演出を行う遊技機に関する。」 イ 「【0005】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より可動部分の動作による演出の趣向性が高い遊技機を提供することを目的とする。」 ウ 「【0047】 遊技領域R1のほぼ中央には本発明に係る「表示器」に相当するメイン表示器35が備えられている。メイン表示器35は、例えば、液晶表示器(TFT-LCDモジュール)であって、その表示画面36が遊技板11に固定された表示枠体40(所謂「センター役物」)で取り囲まれている。表示画面36は、表示枠体40の前面より奥側に配置されており、遊技者は、表示枠体40を通して表示画面36の演出表示を視認可能となっている。」 エ 「【0066】 表示機構枠50のうち演出表示窓53の上辺部と表示機構枠50の上端部に位置した側壁52との間には、上辺回動役物56が収容されている。上辺回動役物56は、表示装飾枠41の後面に回動可能に取り付けられた装飾レバー56Aを有し、その装飾レバー56Aの回動中心は、後端壁51のうち演出表示窓53の右上角部に配置されている。そして、装飾レバー56Aは、通常、図2に示すように、回動中心から水平横方向に延びた水平姿勢になって表示装飾枠41の上辺部後方に退避して隠れ、所定の契機によって下方に回転駆動されて図1に示すように傾斜姿勢になる。また、装飾レバー56Aの長手方向の中間部には、1対の分岐回動レバー56B,56Bが回動可能に取り付けられている。分岐回動レバー56B,56Bは、回動中心から装飾レバー56Aの先端側に延び、装飾レバー56Aが水平姿勢になっているときには、それら分岐回動レバー56B,56Bが図示しないレバーガイド部材との当接により装飾レバー56Aと前後方向で重なった状態になっている。そして、装飾レバー56Aが傾斜姿勢になると、分岐回動レバー56B,56Bがレバーガイド部材から離間して、分岐回動レバー56B,56Bが開脚する。」 オ 図1には、1対の分岐回動レバー56B、56Bは、形状が類似していることが図示されているものと認められる。 カ 図1には、装飾レバー56Aが傾斜姿勢のときに、1対の分岐回動レバー56B、56Bが、装飾レバー56Aにより隠されず、また、装飾レバー56Aの中心線を基準として対称に位置することが図示されているものと認められる。 キ 図2には、装飾レバー56Aが水平姿勢のときに、分岐回動レバー56B、56Bの一部が装飾レバー56Aにより隠されていることが図示されているものと認められる。 ク 図1及び図2より、装飾レバー56Aと1対の分岐回動レバー56B、56Bは、表示画面36に沿って移動可能と認められる。 上記ア~エの記載事項、及び、上記オ~クの認定事項より、刊行物1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。ただし、記号a~gは、本願発明の記号A~Gに対応させて当審にて付した。 「a 回動中心から水平横方向に延びた水平姿勢になって表示装飾枠41の上辺部後方に退避して隠れ、所定の契機によって下方に回転駆動されて傾斜姿勢になる装飾レバー56Aと、装飾レバー56Aの長手方向の中間部に、回動可能に取り付けられ、形状が類似する1対の分岐回動レバー56B、56Bと、を有する上辺回動役物56と、(エ、オ) b 表示画面36を有するメイン表示器35と、を備え、(ウ) c 装飾レバー56Aは、表示画面36に沿って移動可能であり、(ク) d 1対の分岐回動レバー56B、56Bは、表示画面36に沿って移動可能であり、(ク) e 装飾レバー56Aが水平姿勢になっているときには、1対の分岐回動レバー56B、56Bが装飾レバー56Aと前後方向で重なった状態となり、一部が装飾レバー56Aにより隠され、(エ、キ) f 装飾レバー56Aが傾斜姿勢になると、1対の分岐回動レバー56B、56Bがレバーガイド部材から離間して、開脚し、装飾レバー56Aにより隠されず、(エ、カ) g 装飾レバー56Aが傾斜姿勢のときに、1対の分岐回動レバー56B、56Bが、装飾レバー56Aの中心線を基準として対称に位置する(カ) 遊技機。(ア)」 (2)刊行物2 本願の出願日前に頒布され、平成28年10月20日付け拒絶理由通知で引用された刊行物である特開2012-205896号公報(以下、「刊行物2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0001】 本発明は、遊技機本体に対して可動に構成された可動役物を備える遊技機に関する。」 イ 「【0007】 それ故に、本発明の目的は、可動役物から引き回された電線が疲労断線するという問題が生じるのを確実に防止することができ、且つ可動役物の設計上の自由度を向上させることができる遊技機を提供することである。」 ウ 「【0097】 図15は、本変形例における、拳役物7A側および拳役物7B側の動作について説明するための説明図である。動作が開始すると、まず、図15(A)に示される動作前の状態(拳役物7A,7B及び拳カバー80A,80Bが格納された状態)から、図15(B)に示されるように、拳カバー80Aが加えられた拳役物7Aおよび拳カバー80Bが加えられた拳役物7Bがそれぞれ姿勢を変化させて回転移動することによって、装飾枠6の内側(液晶表示器5の表示画面の前面)に出現する。その後、図15(C)に示されるように、拳カバー80Aから拳役物7Aがスライドして飛び出し、同様に、拳カバー80Bから拳役物7Bがスライドして飛び出す。そして、その際に、拳役物7A側および拳役物7B側において、導光部材71の一端部72と発光部(カラーLED158)とが対向位置となり、導光部材71の他端部73が発光する。その後、以上の動作を逆順序で行うことによって、図15(A)に示される動作前の状態に戻る。以上のように、本変形例によれば、より自由度の高い複雑な動作を実現できる。」 エ 図14及び図15より、拳役物7Aと拳役物7Bの他端部73は液晶表示器5の縦方向の中心線に関して位置関係が対称であると認められる。 上記ア~ウの記載事項、及び、上記エの認定事項より、刊行物2には、以下の技術事項が記載されているといえる。 「拳役物7A側および拳役物7B側は、動作が開始すると、動作前の状態(拳役物7A,7B及び拳カバー80A,80Bが格納された状態)から、拳カバー80Aが加えられた拳役物7Aおよび拳カバー80Bが加えられた拳役物7Bがそれぞれ姿勢を変化させて回転移動することによって、装飾枠6の内側(液晶表示器5の表示画面の前面)に出現し、その後、拳カバー80Aから拳役物7Aがスライドして飛び出し、同様に、拳カバー80Bから拳役物7Bがスライドして飛び出し、以上の動作を逆順序で行うことによって、動作前の状態に戻り、(ウ) 拳カバー80Aから拳役物7Aがスライドして飛び出し、同様に、拳カバー80Bから拳役物7Bがスライドして飛び出した際に、拳役物7A側および拳役物7B側において、導光部材71の一端部72と発光部(カラーLED158)とが対向位置となり、導光部材71の他端部73が発光し、拳役物7Aと拳役物7Bの他端部73は液晶表示器5の縦方向の中心線に関して位置関係が対称である(ウ、エ) 遊技機。(ア)」 3 対比 本願発明と引用発明とを分説に従い対比する。 (a)引用発明の「回動中心から水平横方向に延びた水平姿勢」、「下方に回転駆動され」た「傾斜姿勢」、「装飾レバー56A」は、本願発明の「初期位置」、「該初期位置と異なる動作位置」、「基部」にそれぞれ相当する。 また、引用発明の「装飾レバー56Aの長手方向の中間部に、回動可能に取り付けられ」、「上辺回動役物56」は、本願発明の「前記基部に連結され、変位動作が可能であって」、「装飾部材」にそれぞれ相当する。 さらに、引用発明の「形状が類似する」は、全体の形状が類似しているので、本願発明の「主たる部分の形状が類似する」に相当するといえ、引用発明の「1対の分岐回動レバー56B、56B」は、1対は複数であるので、本願発明の「複数の可動部」に相当するといえる。 したがって、引用発明の「回動中心から水平横方向に延びた水平姿勢になって表示装飾枠41の上辺部後方に退避して隠れ、所定の契機によって下方に回転駆動されて傾斜姿勢になる装飾レバー56Aと、装飾レバー56Aの長手方向の中間部に、回動可能に取り付けられ、形状が類似する1対の分岐回動レバー56B、56Bと、を有する上辺回動役物56」と、本願発明の「初期位置と、該初期位置と異なる動作位置との間を移動可能な基部と、前記基部に連結され、変位動作が可能であって、少なくとも一部の領域が発光可能に構成されており、かつ、主たる部分の形状が類似する複数の可動部と、を有する装飾部材」とは、「初期位置と、該初期位置と異なる動作位置との間を移動可能な基部と、前記基部に連結され、変位動作が可能であって、主たる部分の形状が類似する複数の可動部と、を有する装飾部材」の点で共通する。 (b)引用発明の「表示画面36」、「メイン表示器35」は、本願発明の「画像を表示する表示画面」、「表示装置」にそれぞれ相当する。 したがって、引用発明の「表示画面36を有するメイン表示器35と、を備え」は、本願発明の「画像を表示する表示画面を有する表示装置と、を備え」に相当する。 (c)引用発明の「装飾レバー56A」、「表示画面36」は、本願発明の「前記基部」、「前記表示画面」にそれぞれ相当する。 したがって、引用発明の「装飾レバー56Aは、表示画面36に沿って移動可能であり」は、本願発明の「前記基部は、前記表示画面に沿って移動可能であり」に相当する。 (d)引用発明の「1対の分岐回動レバー56B、56B」、「表示画面36」は、本願発明の「前記複数の可動部」、「前記表示画面」にそれぞれ相当する。 したがって、引用発明の「1対の分岐回動レバー56B、56Bは、表示画面36に沿って移動可能であり」は、本願発明の「前記複数の可動部は、前記表示画面に沿って変位可能に構成されており」に相当する。 (e)引用発明の「1対の分岐回動レバー56B、56B」、「装飾レバー56Aが水平姿勢になっているとき」、「装飾レバー56Aと前後方向で重なった状態となり、一部が装飾レバー56Aにより隠され」は、本願発明の「前記複数の可動部のうち少なくとも2つ」、「前記基部が前記初期位置のとき」、「前記基部によって外部からの視認が抑制される」にそれぞれ相当する。 そうすると、引用発明において、装飾レバー56Aと前後方向で重なった状態となり、一部が装飾レバー56Aにより隠される時の分岐回動レバー56B、56Bの「位置」は、本願発明の「第1の位置」に相当する。 したがって、引用発明の「装飾レバー56Aが水平姿勢になっているときには、1対の分岐回動レバー56B、56Bが装飾レバー56Aと前後方向で重なった状態となり、分岐回動レバー56B、56Bの一部が装飾レバー56Aにより隠され」は、本願発明の「前記複数の可動部のうち少なくとも2つは、前記基部が前記初期位置のとき、前記基部によって外部からの視認が抑制される第1の位置となり」に相当する。 (f)引用発明の「装飾レバー56Aが傾斜姿勢になると」は、本願発明の「前記基部が前記動作位置のとき」に相当する。 また、引用発明の「レバーガイド部材から離間して、開脚し、装飾レバー56Aにより隠され」ない時、1対の分岐回動レバー56B、56Bは、その一部が装飾レバー56Aにより隠される「第1の位置」(上記(e)参照)にある時よりも外部からの視認性が高いことは明らかであるから、この時、1対の分岐回動レバー56B、56Bは、本願発明の「該第1の位置よりも外部からの視認性の高い第2の位置」にあるといえる。 したがって、引用発明の「装飾レバー56Aが傾斜姿勢になると、1対の分岐回動レバー56B、56Bがレバーガイド部材から離間して、開脚し、装飾レバー56Aにより隠されず」と、本願発明の「前記基部が前記動作位置のとき、前記第1の位置と、該第1の位置よりも外部からの視認性の高い第2の位置と、に変位可能であり」とは、「前記基部が前記動作位置のとき、第1の位置よりも外部からの視認性の高い第2の位置に変位可能であ」る点で共通する。 (g)上記(f)より、引用発明の1対の分岐回動レバー56B、56Bは、「装飾レバー56Aが傾斜姿勢のとき」、本願発明の「第2の位置」にあるといえる。 また、引用発明の「1対の分岐回動レバー56B、56Bが、装飾レバー56Aの中心線を基準として対称に位置する」は、1対の分岐回動レバー56B、56Bが、全体として、所定の基準に対して位置関係が対称となっており、その少なくとも一部の領域についても、位置関係が対称となっていることは明らかなので、本願発明の「前記少なくとも一部の領域が、所定の基準に関して位置関係が対称となり」に相当する。 したがって、引用発明の「装飾レバー56Aが傾斜姿勢のときに、1対の分岐回動レバー56B、56Bが、装飾レバー56Aの中心線を基準として対称に位置する」と、本願発明の「該第2の位置において、前記少なくとも一部の領域が、所定の基準に関して位置関係が対称となり、発光可能に構成されている」とは、「該第2の位置において、前記少なくとも一部の領域が、所定の基準に関して位置関係が対称とな」る点で共通する。 上記(a)~(g)の対比より、本願発明と引用発明とは、次の点で一致している。 「A’初期位置と、該初期位置と異なる動作位置との間を移動可能な基部と、前記基部に連結され、変位動作が可能であって、主たる部分の形状が類似する複数の可動部と、を有する装飾部材と、 B 画像を表示する表示画面を有する表示装置と、を備え、 C 前記基部は、前記表示画面に沿って移動可能であり、 D 前記複数の可動部は、前記表示画面に沿って変位可能に構成されており、 E 前記複数の可動部のうち少なくとも2つは、 前記基部が前記初期位置のとき、前記基部によって外部からの視認が抑制される第1の位置となり、 F’前記基部が前記動作位置のとき、第1の位置よりも外部からの視認性の高い第2の位置に変位可能であり、 G’該第2の位置において、前記少なくとも一部の領域が、所定の基準に関して位置関係が対称となる 遊技機。」 そして、本願発明と引用発明とは、構成F’に関する相違点1、及び、構成A’及びG’に関する相違点2で相違している。 (相違点1) 基部が動作位置のとき、本願発明は、可動部が第1の位置に変位可能であるのに対し、引用発明は、可動部が第1の位置に変位可能である否か不明である点。 (相違点2) 可動部が第2の位置にある時に、所定の基準に関して位置関係が対称となる少なくとも一部の領域に関して、本願発明は、当該少なくとも一部の領域が発光可能であるのに対し、引用発明は、当該少なくとも一部の領域が発光可能であるか否か不明である点。 4 判断 上記相違点1について検討する。 上記2(2)より、刊行物2には、拳カバー80Aが加えられた拳役物7Aが、姿勢を変化させて回転移動することによって、装飾枠6の内側に出現し、その後、拳カバー80Aから拳役物7Aがスライドして飛び出し、以上の動作を逆順序で行うことによって、動作前の状態に戻ることが記載されているものと認められる。 すなわち、刊行物2には、基部(拳カバー80A)が動作位置(装飾枠6の内側に出現した位置)のときに、可動部(拳役物7A)が第1の位置にあり、その後、第2の位置(スライドして飛び出した位置)に移動し、以上の動作を逆順序で行うことによって、動作前の状態に戻るという技術事項が記載されているといえる。 そして、引用発明と刊行物2とは、共に、遊技機において、演出用の可動部の動作を改良するという共通の課題を有するものであるから(上記2(1)のイ、及び、2(2)のイを参照)、引用発明の可動部の動作として、上記刊行物2に記載の技術事項を適用し、基部が動作位置のとき、可動部が第1の位置に変位可能として、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 上記相違点2について検討する。 上記2(2)より、刊行物2には、拳カバー80Aと拳カバー80Bから拳役物7Aと拳役物7Bがそれぞれスライドして飛び出し、その際に、拳役物7Aと拳役物7Bの他端部73が発光し、拳役物7Aと拳役物7Bの他端部73は液晶表示器5の縦方向の中心線に関して位置関係が対称であることが記載されていると認められる。 すなわち、刊行物2には、1対の可動部(拳役物7Aと拳役物7B)が、第2の位置(スライドして飛び出した位置)にある時、当該可動部の少なくとも一部の領域(他端部73)が液晶表示器5の縦方向の中心線に関して位置関係が対称となり、発光可能であるという技術事項が記載されているといえる。 そして、引用発明と刊行物2とは、共に、遊技機において、演出用の可動部の動作を改良するという共通の課題を有するものであるから、引用発明の「可動部が第2の位置にある時に、所定の基準に関して位置関係が対称となる少なくとも一部の領域」に、上記刊行物2に記載の技術事項を適用し、当該少なくとも一部の領域を発光可能なものとして、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 また、本願発明の作用効果は、引用発明、及び、刊行物2に記載の技術事項から予測される範囲のものにすぎず、格別なものではない。 5 請求人の主張 審判請求人は、平成28年12月20日付け意見書において、「刊行物1、2のいずれにも、複数の可動部の発光する領域が、対称形を形成することについては開示も示唆もされていません。刊行物2には移動する役物に発光部が備えられている点が開示されていますが、仮に、発光部を有していない刊行物1の発明に刊行物2の構成を適用したとしても、それにより得られる構成は、複数の可動部のいずれかの部分において発光部を有する構成となるに過ぎず、可動部それぞれにおける発光する領域が対称となる構成に想到することが容易であるとは言えません。」と主張している。 しかしながら、上記(4)の相違点2の検討において示したとおり、刊行物2には、「可動部の少なくとも一部の領域(他端部73)が液晶表示器5の縦方向の中心線に関して位置関係が対称であり、発光可能である」ことが記載されているといえる。 加えて、引用発明の1対の可動部(分岐回動レバー56B、56B)は、基部(装飾レバー56A)の中心線に対して、形状及び位置が対称に配置されているのであるから、これらに発光部を設ける場合、発光部を備えた領域も基部の中心線に対して対称とすることは、一般的に、装飾物等を配置する際に、これらを何かの基準に対して対称に配置することは、ごく普通に行われているのであるから、当業者であれば適宜なし得た単なる設計的事項にすぎない。 6 小括 したがって、本願発明は、当業者が引用発明、及び、刊行物2に記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明、及び、刊行物2に記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2015-020405

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