審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2015-016860

ゲーム機、それを含むゲームシステム、それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラム

審判番号
2015-016860
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2012-285902外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年09月14日
審決日
2017年08月03日
公報発行日
2017年09月29日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
審判長/審判官
分類
P18 .121-WY (A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2012-285902「ゲーム機,それを含むゲームシステム,それに用いられる制御方法及びコンピュータプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年7月7日出願公開,特開2014-124504,請求項の数(9)〕について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。

理由

【理 由】 本願は,平成24年12月27日の出願であって,平成27年3月17日付けで拒絶理由通知がされ,同年5月25日付けで手続補正がされ,同年6月8日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,同年9月14日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされ,平成29年3月31日付けで拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知」という。)がされ,同年6月2日付けで手続補正がされたものである。 第2 原査定の概要 原査定(平成27年6月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 本願請求項1乃至9に係る発明は,以下の引用文献A乃至Eに基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 A.特開2002-315966号公報 B.特開2012-169911号公報(周知技術を示す文献) C.特開2010-288015号公報(周知技術を示す文献) D.特開2010-224658号公報(周知技術を示す文献) E.特開2010-3307号公報(周知技術を示す文献) 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 本願請求項1乃至9に係る発明は,以下の引用文献1乃至4に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2002-315966号公報(拒絶査定時の引用文献A) 2.特開2010-3307号公報(拒絶査定時の引用文献E) 3.特開2010-224658号公報(拒絶査定時の引用文献D) 4.特開2012-109934号公報(当審において新たに引用した文献) 第4 本願発明 本願請求項1乃至9に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」乃至「本願発明9」という。)は,平成29年6月2日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1乃至9に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1乃至9は以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 所定のゲームを提供するゲーム機であって, 操作部を有する入力装置と, 前記操作部に対する第1操作に基づいて,複数の選択肢をそれぞれ含む複数の分類の少なくともいずれか一つを特定する分類特定手段と, 前記操作部に対する第2操作の操作量に基づいて,前記分類特定手段によって特定された分類に含まれる複数の選択肢の少なくともいずれか一つを特定する選択肢特定手段と, 前記選択肢特定手段によって特定された選択肢に基づいて,当該選択肢に応じた変化を前記所定のゲーム内に付与する変化付与手段と,を備え, 前記操作部として,方向を有する操作を実行可能な操作部が利用され, 前記分類特定手段は,前記第1操作として,前記操作部の操作方向を利用し, 前記選択肢特定手段は,前記第1操作として利用する操作方向に対する前記操作部の操作量を前記第2操作の操作量として利用し, 前記入力装置として,タッチパネルが利用され, 前記操作部は,前記タッチパネルの任意の位置がタッチ操作された場合に,当該タッチ操作された位置に設けられ, 各選択肢を選択するために前記タッチ操作されたタッチ位置には,当該タッチ位置が前記第1操作の操作方向及び前記第2操作の操作量の両方の基準となる初期位置として使用されるように,前記複数の分類に属さずに前記複数の分類の各選択肢への分岐として機能するニュートラル選択肢が毎回設定される,ことを特徴とする,ゲーム機。 【請求項2】 前記複数の選択肢として,感情表現に関連する選択肢が用意され, 前記複数の分類として,感情を区別する分類が利用されている,請求項1に記載のゲーム機。 【請求項3】 前記感情を区分する分類として,ネガティブ分類及びポジティブ分類が利用されている,請求項2に記載のゲーム機。 【請求項4】 前記選択肢特定手段は,前記第2操作の操作量が多いほど激しい感情を表現する選択肢を特定する,請求項2又は3に記載のゲーム機。 【請求項5】 前記選択肢特定手段は,前記第2操作の操作量として,前記第1操作が実行された操作部に対して連続的に実行された操作の操作量を利用する,請求項1~4のいずれか一項に記載のゲーム機。 【請求項6】 前記所定のゲームとして,複数のプレイヤが互いに内容の異なる複数のゲーム画面をそれぞれ利用して対戦する対戦型のゲームが提供され, 前記入力装置には,前記操作部がプレイヤ毎に設けられ, 前記変化付与手段は,前記第1操作及び前記第2操作が実行された場合に,当該第1操作及び当該第2操作が実行された操作部に対応するプレイヤの対戦相手のプレイヤのゲーム画面に前記選択肢に応じた変化が生じるように,当該選択肢に応じた変化を前記所定のゲーム内に付与する,請求項1~5のいずれか一項に記載のゲーム機。 【請求項7】 請求項1~5に記載の複数のゲーム機を含み, 前記所定のゲームとして,前記複数のゲーム機間で互いに対戦する対戦型のゲームが提供され, 前記変化付与手段は,前記第1操作及び前記第2操作が実行された場合に,当該第1操作及び当該第2操作が実行されたゲーム機の対戦相手のゲーム機が提供する前記所定のゲーム内に前記選択肢に応じて変化を付与する,ことを特徴とするゲームシステム。 【請求項8】 所定のゲームを提供するゲーム機であって,操作部を有する入力装置を備えたゲーム機に適用され, 前記操作部に対する第1操作に基づいて,複数の選択肢をそれぞれ含む複数の分類の少なくともいずれか一つを特定する分類特定手順と, 前記操作部に対する第2操作の操作量に基づいて,前記分類特定手順によって特定された分類に含まれる複数の選択肢の少なくともいずれか一つを特定する選択肢特定手順と, 前記選択肢特定手順によって特定された選択肢に基づいて,当該選択肢に応じた変化を前記所定のゲーム内に付与する変化付与手順と,を備え, 前記操作部として,方向を有する操作を実行可能な操作部が利用され, 前記分類特定手順では,前記第1操作として,前記操作部の操作方向が利用され, 前記選択肢特定手順では,前記第1操作として利用する操作方向に対する前記操作部の操作量が前記第2操作の操作量として利用され, 前記入力装置として,タッチパネルが利用され, 前記操作部は,前記タッチパネルの任意の位置がタッチ操作された場合に,当該タッチ操作された位置に設けられ, 各選択肢を選択するために前記タッチ操作されたタッチ位置には,当該タッチ位置が前記第1操作の操作方向及び前記第2操作の操作量の両方の基準となる初期位置として使用されるように,前記複数の分類に属さずに前記複数の分類の各選択肢への分岐として機能するニュートラル選択肢が毎回設定される,制御方法。 【請求項9】 所定のゲームを提供するゲーム機であって,操作部を有する入力装置を備えたゲーム機に組み込まれるコンピュータを, 前記操作部に対する第1操作に基づいて,複数の選択肢をそれぞれ含む複数の分類の少なくともいずれか一つを特定する分類特定手段,前記操作部に対する第2操作の操作量に基づいて,前記分類特定手段によって特定された分類に含まれる複数の選択肢の少なくともいずれか一つを特定する選択肢特定手段,及び前記選択肢特定手段によって特定された選択肢に基づいて,当該選択肢に応じた変化を前記所定のゲーム内に付与する変化付与手段として機能させるとともに, 前記操作部として,方向を有する操作を実行可能な操作部が利用され, 前記分類特定手段は,前記第1操作として,前記操作部の操作方向を利用し, 前記選択肢特定手段は,前記第1操作として利用する操作方向に対する前記操作部の操作量を前記第2操作の操作量として利用し, 前記入力装置として,タッチパネルが利用され, 前記操作部は,前記タッチパネルの任意の位置がタッチ操作された場合に,当該タッチ操作された位置に設けられ, 各選択肢を選択するために前記タッチ操作されたタッチ位置には,当該タッチ位置が前記第1操作の操作方向及び前記第2操作の操作量の両方の基準となる初期位置として使用されるように,前記複数の分類に属さずに前記複数の分類の各選択肢への分岐として機能するニュートラル選択肢が毎回設定されるように構成されたゲーム機用のコンピュータプログラム。」 第5 引用文献,引用発明等 1.引用文献1について 平成29年3月31日付けの拒絶の理由に引用された引用文献1には,図面とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0007】 【発明の実施の形態】以下,本発明の実施形態を添付の図面を参照しながら説明する。図1は,本実施形態に係るビデオゲーム装置の全体構成を示すブロック図である。ビデオゲーム装置1は,一例として,ビデオゲーム装置1を制御する制御装置2,ならびに制御装置2に接続された入力装置(例えば,キーパッド)3および出力装置(例えば,テレビジョンセット)6を備えている。ゲーム装置1は,ゲームの途中経過データや環境設定データなどのゲームデータを保存するメモリカード5を更に備えている。」 イ 「【0020】入力装置3は,ゲームに関する様々な指示を制御装置2に入力するためにプレイヤによって操作される複数の操作具を備えている。入力装置3は,操作具が操作されると,その操作具に応じた指令信号をインターフェース部13を介して制御装置2に送る。本実施形態では,一例として,家庭用ゲーム機に一般的に付属するキーパッド30が入力装置3として用意されている。 【0021】図2(a)は,キーパッド30を示す平面図であり,(b)は,キーパッド30を示す背面図である。図2(a)に示されるように,キーパッド30には,方向指示を入力するための十字キー31や,各種の指令を制御装置2に入力するための操作キー(例えば,○ボタン32,△ボタン33,□ボタン34,×ボタン35,スタートボタン36,セレクトボタン42)などが操作具として設けられている。○ボタン32の表面には丸印が,△ボタン33の表面には三角の印が,□ボタン34の表面には四角の印が,×ボタン35の表面にはばつ印がそれぞれ付されている。また,キーパッド30には,操作具としてジョイスティック37aおよび37bも設けられている。図2(b)に示されるように,キーパッドの背面にも,複数の操作キー(R1ボタン38,R2ボタン39,L1ボタン40,L2ボタン41)が操作具として設けられている。更に,キーパッド30は,バイブレーション(振動)機能を有している。つまり,キーパッド30はモータを内蔵しており,制御装置2から所定の制御信号を受けることでモータが作動し,キーパッド30を全体的に振動させることができるようになっている。」 ウ 「【0023】出力装置6は,制御装置2からの映像信号や音声信号に基づいてゲーム画像を表示し,音声を出力する。本実施形態では,テレビジョン(TV)セットが出力装置6として用意されている。このテレビジョンセットは,画像表示用の表示画面61および音声出力用のスピーカ62を備えている。テレビジョンセットは,グラフィック処理部15からのビデオ信号に応答して画像を表示画面61に表示するとともに,サウンド処理部14からのサウンド信号に応答してスピーカ62から音声を出力する。したがって,テレビジョンセットは,表示装置および音声出力装置の双方として機能する。」 エ 「【0030】本実施形態では,プレイヤが仮想世界の中でプレイヤキャラクタを動作させることにより進行するビデオゲームが出力装置6の画面61上に表示される。この仮想世界には,自然物,人工物,アイテム,ノンプレイヤキャラクタなど様々なオブジェクトが配置されている。画面61には,プレイヤが操作するキャラクタ(「自キャラクタ」とも呼ばれる)が表示されるほか,ゲームに参加する他のプレイヤが存在する場合には,他のプレイヤが操作するキャラクタ(「他キャラクタ」とも呼ばれる)も表示される。本実施形態では,同じゲームソフトウェア(同じゲームプログラムおよびゲームデータを含む)が記録されたCD-ROM4をビデオゲーム装置1にセットすることで,複数のプレイヤが共通の仮想世界のなかで各自のキャラクタを操作し,共同でゲームをプレイすることができる。」 オ 「【0039】プレイヤは,プレイヤキャラクタに受け答えのためのジェスチャーを行わせるだけでなく,感情を表現するジェスチャーを行わせることも可能である。図7は,図5に示されるようにプレイヤP1が操作するキャラクタ201が行った否定動作に対して,プレイヤP2が操作するキャラクタ202が感情表現動作を行っている様子を示している。この例では,キャラクタ201の否定動作に対して,キャラクタ202が怒りを表すジェスチャーを行っている。このようにプレイヤは,他のプレイヤに対して感情を表現するための感情表現動作を自キャラクタに行わせることが可能である。 【0040】プレイヤキャラクタの感情表現動作には,喜び,怒り,悲しみ,驚きなど様々な感情を表すものが考えられる。本実施形態では,L2ボタン41を押しながら○ボタン32が押されると喜びの感情表現動作が指令され,L2ボタン41を押しながら△ボタン33が押されると,怒りの感情表現動作が指令され,L2ボタン41を押しながら□ボタン34が押されると驚きの感情表現動作が指令され,L2ボタン41を押しながら×ボタン35が押されると悲しみの感情表現動作が指令される。このようなボタン32~35への感情の割り当てにも工夫が施されている。すなわち,「まる」が持つプラスのイメージに注目して,表面に丸印が付された○ボタン32に喜びの感情が割り当てられ,「ばつ」が持つマイナスのイメージに注目して,表面にばつ印が付された×ボタン35に悲しみの感情が割り当てられている。また,「三角」が持つとがったイメージに注目して,△ボタン33に怒りの感情が割り当てられ,「四角」が大きく開けた口をイメージさせることに注目して,□ボタン34に驚きの感情が割り当てられている。このように操作ボタンの表面に付された識別用の記号が持つイメージに関連付けて操作ボタンに感情を割り当てることにより,プレイヤは操作ボタンへの感情の割り当てを容易に覚えることができる。以下では,プレイヤキャラクタの感情表現動作が割り当てられたこれらの操作ボタン32~35を感情表現用ボタンと称することがある。」 カ 「【0041】また,本実施形態では,同じ種類の感情を異なる度合いで表現するために複数の異なるジェスチャーが用意されており,これらの動作は感情表現用ボタンが押された回数に応じて区別して実行される。図8は,キャラクタ202に対して予め用意された様々な画像を示しており,(a)は標準画像,(b)~(d)は度合いの異なる怒りの感情をそれぞれ表現する画像である。 【0042】プレイヤP2が所定の制限時間内にL2ボタン41を押しながら△ボタン33を1回押すと,図8(a)に示される標準画像から腕を組んで不満げな表情をする動作をキャラクタ202が行う。動作が終了すると,画面に表示されるキャラクタ202の画像は,図8(b)のやや怒った表情を示す画像となる。この後,所定の表情持続時間が経過すると,キャラクタ202の画像は図8(a)の標準画像に変更され,キャラクタ202が標準の表情を取り戻す。プレイヤP2が制限時間内にL2ボタン41を押しながら△ボタン33を2回押した場合は,図8(a)の標準画像からいっそう怒った表情を示す図8(c)の画像に移行する動作をキャラクタ202が行う。プレイヤP2が制限時間内にL2ボタン41を押しながら△ボタン33を3回以上連打すると,図8(a)の標準画像から図8(d)の激怒した表情を示す画像に移行する動作をキャラクタ202が行う。このように,感情表現用ボタンが押された回数に応じて,そのボタンに割り当てられた感情を異なる度合いで示す動作(ジェスチャー)をプレイヤキャラクタが行う。」 したがって,上記引用文献1には次の発明(以下,「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「ビデオゲーム装置1を制御する制御装置2,制御装置2に接続された入力装置3,および出力装置6を備えたビデオゲーム装置1において, 入力装置3は,ゲームに関する様々な指示を制御装置2に入力するためにプレイヤによって操作される複数の操作具を備えた,家庭用ゲーム機に一般的に付属するキーパッド30であって, 出力装置6は,画像表示用の表示画面61および音声出力用のスピーカ62を備え, 出力装置6の画面61上には,プレイヤが仮想世界の中でプレイヤキャラクタを動作させることにより進行するビデオゲームが表示され,プレイヤが操作する自キャラクタが表示されるほか,ゲームに参加する他のプレイヤが存在する場合には,他のプレイヤが操作する他キャラクタも表示され, 操作具が操作されると,その操作具に応じた指令信号をインターフェース部13を介して制御装置2に送り,プレイヤキャラクタに受け答えのためのジェスチャーを行わせるだけでなく,感情を表現するジェスチャーを行わせることが可能であって, キーパッド30には,方向指示を入力するための十字キー31や,各種の指令を制御装置2に入力するための操作キー(例えば,○ボタン32,△ボタン33,□ボタン34,×ボタン35,スタートボタン36,セレクトボタン42)などが操作具として設けられ, キーパッドの背面には,複数の操作キー(R1ボタン38,R2ボタン39,L1ボタン40,L2ボタン41)が操作具として設けられており, プレイヤは,他のプレイヤに対して感情を表現するための感情表現動作を自キャラクタに行わせることが可能であって, L2ボタン41を押しながら○ボタン32が押されると喜びの感情表現動作が指令され, L2ボタン41を押しながら△ボタン33が押されると,怒りの感情表現動作が指令され, L2ボタン41を押しながら□ボタン34が押されると驚きの感情表現動作が指令され, L2ボタン41を押しながら×ボタン35が押されると悲しみの感情表現動作が指令され, さらに,同じ種類の感情を異なる度合いで表現するために複数の異なるジェスチャーが用意されており,これらの動作は感情表現用のボタンが押された回数に応じて区別して実行されるものであって,キャラクタ202に対して予め用意された様々な画像を示しており, プレイヤP2が所定の制限時間内にL2ボタン41を押しながら△ボタン33を1回押すと,標準画像から腕を組んで不満げな表情をする動作をキャラクタ202が行い,動作が終了すると,画面に表示されるキャラクタ202の画像は,やや怒った表情を示す画像となり,この後,所定の表情持続時間が経過すると,キャラクタ202の画像は標準画像に変更され,キャラクタ202が標準の表情を取り戻し, プレイヤP2が制限時間内にL2ボタン41を押しながら△ボタン33を2回押した場合は,標準画像からいっそう怒った表情を示す画像に移行する動作をキャラクタ202が行い,プレイヤP2が制限時間内にL2ボタン41を押しながら△ボタン33を3回以上連打すると,標準画像から激怒した表情を示す画像に移行する動作をキャラクタ202が行うビデオゲーム装置。」 2.引用文献2について 平成29年3月31日付けの拒絶の理由に引用された引用文献2には,図面とともに次の事項が記載されている。 キ 「【0032】 以下,本発明の携帯情報端末の一実施の形態である携帯電話機について,図面を参照しつつ説明する。なお,本発明の携帯情報端末は,携帯電話機に限定されない。つまり,本発明の携帯情報端末は,タッチパネルを備える端末であれば,たとえば携帯電話機に搭載される通話機能等の特有の機能を備えることを必要とされるものではない。」 ク 「【0037】 操作画面31には,それぞれが個々の機能に対応する操作ボタン310が複数含まれる。携帯電話機100には,操作画面31上の複数のボタン310について,タッチパネル上のどの位置にどの機能に対応するボタンを表示しているかが適宜記憶される。そして,携帯電話機100では,当該情報と,タッチパネルのどの位置が操作されたかを検出することにより,これから実行する処理内容が決定される。」 ケ 「【0102】 また,第2の方法としては,図10に示すように,ステップS104で検出されたタッチパネル40上のタッチ位置Bを左右方向および上下方向の中心として,操作画面31が表示されるようにしてもよい。」 したがって,上記引用文献2には次の発明(以下,「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「タッチパネル40上のタッチ位置Bを左右方向および上下方向の中心として,個々の機能に対応する操作ボタン310が複数含まれる操作画面31が表示される携帯情報端末。」 3.引用文献3について 平成29年3月31日付けの拒絶の理由に引用された引用文献3には,図面とともに次の事項が記載されている。 コ 「【0024】 図2は,ナビゲーション装置100の機能ブロック構成の一例を示す。ナビゲーション装置100は,操作処理部200,設定可能領域格納部240,閾値記憶部222,閾値設定部220,ユーザ特定部210,基準値記憶部212,鍵所有者記憶部230,鍵情報取得部232,および操作入力ユニット250を備える。操作処理部200は,機能設定部201,機能実行部202,操作判断部204,振動制御部207,および,表示制御部206を有する。 【0025】 操作入力ユニット250は,入力デバイス260,振動部272,表示部274,および操作信号算出部280を有する。入力デバイス260は,入力部262を含む。操作信号算出部280は,位置算出部282および押下強さ算出部284を含む。 【0026】 操作入力ユニット250は,ユーザからの操作入力を受け付ける。図1に関連して説明した入出力部110は,入力部262の一部領域であってよい。なお,以下の説明では,入出力部110において,ユーザ操作が可能な領域とユーザに画像を提供することができる領域とは略一致しているとする。したがって,以下の説明では,入出力部110に表示することを,入力部262に表示するとして説明する。 【0027】 ナビゲーション装置100の各部の動作を概略説明すると,操作入力ユニット250は,ユーザによる押下点および押下強さを示す操作信号を外部に出力する。操作処理部200には,操作信号を取得して,押下点および押下強さに応じて,機能選択メニュー120を表示部274に表示させたり,各種の機能を実行したりする。また,操作処理部200は,振動部272を振動させることで入力デバイス260を振動させることもできる。 【0028】 以下に,ナビゲーション装置100が有する構成要素の機能および動作をより詳細にする。入力デバイス260は,例えばタッチパッドデバイスであってよい。入力デバイス260が有する入力部262は,ユーザが押下することによりユーザ入力を受け付ける機能を有する。位置算出部282は,入力部262が押下された押下位置を算出する。また,押下強さ算出部284は,押下された強さを算出する。なお,位置算出部282および押下強さ算出部284の機能および動作については,図10および図11に関連して説明される。」 シ 「【0059】 また,機能設定部201は,待機画面300に対しては,機能ボタン304aおよび機能ボタン304bを表示している領域以外の領域には,押下された場合に,他の機能を選択するための機能選択メニューを表示する機能を割り当てている。ここで,ユーザが指150で,入力部262上の位置318に対して所定の押下操作をしたとする。所定の押下操作としては,単なる短時間のタッチ操作の他に,所定長さの期間以上の長押し操作などを例示することができる。このように,機能設定部201は,予め定められた値を超える時間長さの期間にわたって第1領域がユーザにより押下された場合に,第2領域に操作機能を割り当ててよい。 【0060】 この場合,機能設定部201,表示制御部206,および振動制御部207は,位置318を含む操作信号を操作信号算出部280から取得する。この場合に,表示制御部206は,位置318を中心とした周囲の領域に,機能選択メニュー314をオーバーレイ表示する(機能選択画面310)。図示されるように,表示制御部206は,機能ボタン304aおよび機能ボタン304bとともに,機能選択メニュー314を表示部274に表示させる。」 したがって,上記引用文献3には次の発明(以下,「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。 「操作処理部200,操作入力ユニット250を備え, 操作処理部200は,機能設定部201,表示制御部206を有し, 操作入力ユニット250は,入力部262を含む入力デバイス260,表示部274,位置算出部282を含む操作信号算出部280を有するとともにユーザからの操作入力を受け付けて,ユーザによる押下点および押下強さを示す操作信号を外部に出力し, 操作処理部200は,操作信号を取得して,押下点および押下強さに応じて,機能選択メニュー120を表示部274に表示させたり,各種の機能を実行したりするものであって, 入力デバイス260は,例えばタッチパッドデバイスであってよく, 入力デバイス260が有する入力部262は,ユーザが押下することによりユーザ入力を受け付ける機能を有し, 位置算出部282は,入力部262が押下された押下位置を算出し, ユーザが指150で,入力部262上の位置318に対して所定の押下操作をすると,表示制御部206は,位置318を含む操作信号を操作信号算出部280から取得し,位置318を中心とした周囲の領域に,機能選択メニュー314をオーバーレイ表示するナビゲーション装置100。」 4.引用文献4について 平成29年3月31日付けの拒絶の理由に引用された引用文献4には,図面とともに次の事項が記載されている。 ス 「【0012】 立体画像表示装置100(以下,単に表示装置100と称する。)は,立体画像の表示および編集を行う装置である。図1に示すように表示装置100は,表示部101と,操作部110と,記憶部120と,メモリ130と,画像処理部140と,制御部150と,バス160と,を備えている。」 セ 「【0045】 図8に示すように,表示部101には,抽出された画像の奥行きを調整するための奥行き調整用スライダ800を表示できるよう構成されている。そして,奥行き調整用スライダ800を指で動かすことにより,抽出された画像の奥行きを適宜修正することができる。例えば,奥行き調整用スライダ800を使用者の指で左側にスライドさせれば,抽出画像が手前に飛び出すように表示され,奥行き調整用スライダ800を使用者の指で右にスライドさせれば,抽出画像が奥に引っ込むように表示される。使用者の指の動きはタッチパネルにより検出され,奥行き調整用スライダ800の動きに反映される。」 したがって,上記引用文献4には次の発明(以下,「引用発明4」という。)が記載されていると認められる。 「表示部101を備える立体画像表示装置100であって, 表示部101には,抽出された画像の奥行きを調整するための奥行き調整用スライダ800が表示でき, 使用者の指の動きはタッチパネルにより検出されて奥行き調整用スライダ800の動きに反映されるものであって, 奥行き調整用スライダ800を使用者の指で左側にスライドさせれば,抽出画像が手前に飛び出すように表示され,奥行き調整用スライダ800を使用者の指で右にスライドさせれば,抽出画像が奥に引っ込むように表示される立体画像表示装置100。」 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明1とを対比する。 後者の「ビデオゲーム装置1」は,プレイヤが仮想世界の中でプレイヤキャラクタを動作させることにより進行するビデオゲームが表示されるから,前者の「所定のゲームを提供するゲーム機」に相当する。 後者の「操作キー」は,前者の「操作部」に相当する。 後者の「入力装置3」は,前者の「入力装置」に相当する。 後者の「喜び,怒り,驚き,悲しみ」の感情表現動作は,前者の「複数の分類」に相当する。 後者において,同じ種類の感情を異なる度合いで表現するために用意される「複数の異なるジェスチャー」は,前者の「複数の選択肢」に相当する。 後者において,いずれかの感情を表現するために,操作キーのうち「○ボタン32,△ボタン33,□ボタン34,×ボタン35」の対応するいずれかを選択しているのであって,該選択は複数の感情表現動作から一つを特定していることに等しいから,前者の「複数の分類の少なくともいずれか一つを特定する分類特定手段」に相当しているといえ,さらに後者において操作キーを選択することは,前者の「操作部に対する第1操作」に相当する。 後者において,「同じ種類の感情を異なる度合いで表現するために複数の異なるジェスチャーが用意されており,これらの動作は感情表現用のボタンが押された回数に応じて区別して実行」されるのであるから,後者は前者の「操作部に対する第2操作の操作量に基づいて,分類特定手段によって特定された分類に含まれる複数の選択肢の少なくともいずれか一つを特定する選択肢特定手段」に相当する構成を有していることは自明である。 後者においてキャラクタの動作や表情がボタン操作によって変化するのであるから,後者は前者の「選択肢特定手段によって特定された選択肢に基づいて,当該選択肢に応じた変化を前記所定のゲーム内に付与する変化付与手段」に相当する構成を有していることは自明である。 したがって,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 (一致点) 「所定のゲームを提供するゲーム機であって, 操作部を有する入力装置と, 前記操作部に対する第1操作に基づいて,複数の選択肢をそれぞれ含む複数の分類の少なくともいずれか一つを特定する分類特定手段と, 前記操作部に対する第2操作の操作量に基づいて,前記分類特定手段によって特定された分類に含まれる複数の選択肢の少なくともいずれか一つを特定する選択肢特定手段と, 前記選択肢特定手段によって特定された選択肢に基づいて,当該選択肢に応じた変化を前記所定のゲーム内に付与する変化付与手段と,を備えたゲーム機。」 (相違点1)操作部に関して,本願発明1は「方向を有する操作を実行可能な操作部」であるのに対し,引用発明はそのようなものではない点。 (相違点2)第1操作に関して,本願発明1は「操作部の操作方向」を利用しているのに対し,引用発明は「ボタン」の選択である点。 (相違点3)第2操作の操作量に関して,本願発明1は「第1操作として利用する操作方向に対する操作部の操作量」であるのに対し,引用発明は「ボタン」を押した回数である点。 (相違点4)入力装置に関して,本願発明1は「タッチパネル」であるのに対し,引用発明は「操作キー(ボタン)」である点。 (相違点5)操作部に関して,本願発明1は「タッチパネルの任意の位置がタッチ操作された場合に,当該タッチ操作された位置に設け」られ,「各選択肢を選択するためにタッチ操作されたタッチ位置には,当該タッチ位置が第1操作の操作方向及び第2操作の操作量の両方の基準となる初期位置として使用されるように,複数の分類に属さずに前記複数の分類の各選択肢への分岐として機能するニュートラル選択肢が毎回設定」されるものであるのに対し,タッチパネルを有さない引用発明は,そのようなものではない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて,上記相違点5について先に検討すると,相違点5に係る本願発明1の「各選択肢を選択するためにタッチ操作されたタッチ位置には,当該タッチ位置が第1操作の操作方向及び第2操作の操作量の両方の基準となる初期位置として使用されるように,複数の分類に属さずに前記複数の分類の各選択肢への分岐として機能するニュートラル選択肢が毎回設定」されるという発明特定事項は,上記引用文献1乃至4には記載されておらず,本願出願日前において周知技術であるともいえず,また当業者にとって設計的事項とする根拠もない。 したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明1及び引用発明2乃至4に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2乃至7について 本願発明2乃至7も,本願発明1の「選択肢を選択するためにタッチ操作されたタッチ位置には,当該タッチ位置が第1操作の操作方向及び第2操作の操作量の両方の基準となる初期位置として使用されるように,複数の分類に属さずに前記複数の分類の各選択肢への分岐として機能するニュートラル選択肢が毎回設定」されるという発明特定事項を備え,さらに他の発明特定事項を限定したものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1及び引用発明2乃至4に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 3.本願発明8及び9について 本願発明8は制御方法に係る発明であり,本願発明9はコンピュータプログラムに係る発明であって,本願発明1の「選択肢を選択するためにタッチ操作されたタッチ位置には,当該タッチ位置が第1操作の操作方向及び第2操作の操作量の両方の基準となる初期位置として使用されるように,複数の分類に属さずに前記複数の分類の各選択肢への分岐として機能するニュートラル選択肢が毎回設定」されるという発明特定事項と,実質的に同一の発明特定事項を備えるものであるから,本願発明8及び9は本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明1及び引用発明2乃至4に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第7 原査定についての判断 平成29年6月2日付けの補正により,補正後の請求項1乃至9は「選択肢を選択するためにタッチ操作されたタッチ位置には,当該タッチ位置が第1操作の操作方向及び第2操作の操作量の両方の基準となる初期位置として使用されるように,複数の分類に属さずに前記複数の分類の各選択肢への分岐として機能するニュートラル選択肢が毎回設定」されるという発明特定事項を実質的に有するものとなった。当該発明特定事項は,原査定における引用文献A乃至E(当審拒絶理由における引用文献1乃至3を含む)には記載されておらず,本願出願日前における周知技術であるともいえず,また当業者にとって設計的事項とする根拠もないので,本願発明1乃至9は,当業者であっても,原査定における引用文献A乃至Eに基づいて容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。 第8 むすび 以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。 他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2015-016860

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決134件(株式会社コナミデジタルエンタテインメント)
  • 2025-015092拒絶査定不服審判 / 2026-04-14 / 原査定取消(特許/登録すべき)ゲームシステム、制御プログラム及び制御方法
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 2025-007950拒絶査定不服審判 / 2026-01-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)メッセージシステム、制御方法、及びプログラム
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 2024-016906拒絶査定不服審判 / 2025-11-11 / 原査定取消(特許/登録すべき)ゲーム装置、ゲーム装置のプログラム、及び、ゲームシステム
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 2024-017318拒絶査定不服審判 / 2025-10-15 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報システム、情報処理方法、プログラムおよび動画配信システム
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
  • 2024-017314拒絶査定不服審判 / 2025-04-21 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報システム、情報処理方法およびプログラム
    同じ当事者: 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)4,588件(121・A63F)
  • 2025-016609拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-016610拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-018455拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-016769拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-007784拒絶査定不服審判 / 2026-08-13 / 原査定取消(特許/登録すべき)制御プログラム、制御方法及びコンピュータ
    共通の審決分類: 121・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存