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特許拒絶査定不服審判

2015-016215

空気熱エネルギーを利用して仕事、冷却、および水を出力するための方法および装置

審判番号
2015-016215
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-542270
請求日
2015年09月02日
審決日
2016年12月05日
公報発行日
2019年03月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】リュウ、ジェイソン
  • 【請求人代理人】龍華国際特許業務法人
審判長/審判官
  • 審判長 中村 達之
  • 審判官 松下 聡
  • 審判官 槙原 進
分類
P18 .1 -WZ (F01K) / P18 .536-WZ (F01K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項特許法36条4項1号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項、特許法第36条第4項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-542270号「空気熱エネルギーを利用して仕事、冷却、および水を出力するための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年5月23日国際公開、WO2013/073972、平成27年1月22日国内公表、特表2015-502482号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2012年11月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年11月16日 ニュージーランド)を国際出願日とする出願であって、平成26年3月7日に国内書面が提出され、平成26年5月12日に国際出願翻訳文提出書により、明細書、特許請求の範囲、要約書及び図面の翻訳文が提出され、平成26年10月31日付けで拒絶理由が通知され、平成27年2月10日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成27年5月8日付けで拒絶査定がされ、それに対して平成27年9月2日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書及び上申書が提出され、その後、当審において平成28年7月14日付けで拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、平成28年10月17日に意見書が提出されたものである。 第2 本願請求項1ないし15に係る発明 本願請求項1ないし15に係る発明は、平成27年2月10日提出の手続補正書により補正された明細書及び平成27年9月2日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲並びに国際出願時の図面及び図面の翻訳文からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「 【請求項1】 空気熱エネルギーを利用して仕事、冷却、および水を出力するための装置であって、第1サイクルと第2サイクルとを包含し、前記第1サイクルが、気化器と、膨張器と、前記膨張器と前記気化器とを通る巡回路内において極低温作動流体を圧送するように構成された作動流体ポンプとを包含し、前記第2サイクルが、前記気化器と、周囲熱交換器と、前記気化器と前記周囲熱交換器とを通る巡回路内において熱伝達液体を圧送するように構成された循環ポンプとを包含し、前記気化器が、熱交換器として作用して前記熱伝達液体から前記極低温作動流体へ熱を伝達するように構成され、前記極低温作動流体が前記熱を吸収し、気化して高圧蒸気となり、前記膨張器内で断熱膨張が発生してピストンホイールを推進して回転させ、シャフトの仕事および極低温液体を発生させ、前記周囲熱交換器が、熱交換ユニットとして作用して、外部熱源である周囲空気から前記熱伝達液体へ熱を伝達するとともに冷却能力と凝縮液と乾燥空気とを出力するように構成される、装置。 【請求項2】 前記気化器は、前記高圧蒸気を発生させるために使用され、前記作動流体ポンプと前記膨張器との間に設置され、前記気化器のシェル側が高圧の前記極低温作動流体を流通させて管側が低圧の前記熱伝達液体を流通させる、請求項1に記載の装置。 【請求項3】 前記膨張器は、 前記気化器と前記作動流体ポンプとの間に設置されて前記高圧蒸気を機械的仕事および前記極低温液体に変換し、 前記機械的仕事を出力するシャフトと、 前記シャフトの周りに配置され、複数のピストン室としての巣箱状の室で構成される複数の円環を有し、前記高圧蒸気の前記断熱膨張により回転されるピストンホイールと、 前記複数のピストン室の外周面に配置される帯状シールリングと、 前記複数のピストン室との間に前記帯状シールリングが密着されるように前記ピストンホイールを覆う円筒形ケースと、 前記膨張器の端面に配置されるベアリングおよび端部と、 前記円筒形ケースの外周に設けられ、前記極低温作動流体のための入口および出口を前記円筒形ケースに接面で接続させる複数のベースと、 を有し、 前記複数のピストン室の前記複数の円環は、前記複数の円環の一つと前記複数の円環の他の一つとを接続する直列の接続管により直列接続される、請求項1または2に記載の装置。 【請求項4】 前記ピストンホイールの各ピストン室が開口部を有し、前記帯状シールリングの設置のための溝が設けられ、前記帯状シールリングが、自己シール機能を有するU字形断面の間隙を内周全体に有する、請求項3に記載の装置。 【請求項5】 前記作動流体ポンプが前記膨張器と前記気化器との間に設置され、前記膨張器を出て前記気化器へ再び圧送される前記極低温液体の圧力を上昇させ、前記膨張器、前記作動流体ポンプ、及び前記膨張器と前記作動流体ポンプとの間の接続管の外側はすべて、熱伝達を減少させる少なくとも一つの絶縁層を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。 【請求項6】 自然気体であるN2、空気、CO2が前記第1サイクルの前記極低温作動流体として使用され、前記第2サイクルの前記熱伝達液体として水または低凝固点の不凍液が使用される、請求項1から5のいずれか1項に記載の装置。 【請求項7】 装置を使用して周囲空気の熱エネルギーを変換して機械的仕事、冷却、および水の少なくとも一つを2回のサイクルで出力する方法であって、第1サイクルと第2サイクルとを包含する方法であり、前記第1サイクルにおいて、極低温作動流体が気化器内で高圧蒸気状態まで加熱されてから膨張器に伝達されて断熱膨張し、ピストンホイールを推進して回転させ、シャフトの仕事および極低温液体を出力することで、液化するまで前記高圧蒸気状態の温度を低下させ、結果的に生じる前記極低温液体が次に前記気化器へ再び圧送され、前記第2サイクルにおいて、熱伝達液体が前記気化器から周囲熱交換器へ圧送されて前記周囲空気から熱を受け取って前記周囲空気の温度を低下させるとともに前記熱伝達液体の温度を上昇させ、前記熱伝達液体が次に、前記気化器へ循環されて前記極低温作動流体へ前記熱を伝達して気化させることにより、前記熱伝達液体の前記温度を低下させる、方法。 【請求項8】 極低温作動流体熱力学的冷却サイクルまたは前記第1サイクルが、接続された三つの熱力学的プロセスである、前記気化器による等圧吸熱(気化)プロセスと、前記膨張器による断熱膨張(仕事)プロセスと、作動流体ポンプによる等エントロピー圧縮プロセス(圧力上昇)とから成る、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 使用される技術が作動流体気体液体相変化サイクルであり、気体状の前記作動流体の液化温度(T2)と高い膨張比(前記極低温作動流体がN2の場合、P1:P2=120-150、ここでP1およびP2は、それぞれ、前記断熱膨張の前および前記断熱膨張の後における前記作動流体の圧力を示す)とにしたがって前記第1サイクルの一次圧力パラメータ(P1)が設定される、請求項7または8に記載の方法。 【請求項10】 前記第2サイクルの循環する前記熱伝達液体の流量を調節することにより前記周囲熱交換器の作動温度が達成される、請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。 【請求項11】 車両、船舶、航空機、および様々な機械に動力供給するのに直接使用されうるか、電気または熱エネルギーに変換されうる前記機械的仕事を前記膨張器が出力し、散逸効果のため大気への排熱となり、前記排熱が再使用されて熱エネルギーの再循環を実現する、請求項7から10のいずれか1項に記載の方法。 【請求項12】 前記膨張器が前記極低温液体を出力し、出力された前記極低温液体に対して熱交換を行うことにより、極低温冷却能力の別々の段階を利用した空調用、保管用、冷却用、冷凍用、極低温使用用、または空気液化用の冷却機械が製作される、請求項7から11のいずれか1項に記載の方法。 【請求項13】 前記周囲熱交換器が、収集されて高品質の真水として精製される大量の凝縮液を発生させることにより、前記装置が空気から水を生成するデバイスとなり、生成された前記真水が使用後に環境へ放出されてから大気中へ気化して、有益な水循環を創出する、請求項7から12のいずれか1項に記載の方法。 【請求項14】 用途に応じ、前記装置のサイズが要件にしたがって設計され、可搬式発電機、大規模発電所となるように製造されるか、電力、冷却および空調、そして水を供給するため各家庭に装備される発電機となるように製造されうる、請求項7から13のいずれか1項に記載の方法。 【請求項15】 前記装置が水域である河川、湖沼、海洋で熱エネルギーを使用して仕事を行うことができ、船舶および潜水艦を駆動する動力デバイスに製作されうる、請求項7から14のいずれか1項に記載の方法。」 第3 当審拒絶理由の概要 当審拒絶理由の概要は次のとおりである。 [理由1]本願の請求項1ないし15に係る発明は、下記の点で特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。 ピストンホイールの作動流体入口ポート(23)から、ほぼ定容積であるピストン室(31)に封入された高圧蒸気は、ピストンホイールの作動流体出口ポート(24)まで、ほぼ定容積のままで順次運ばれるのみであって、個々のピストン室(31)内における高圧蒸気が断熱膨脹を行う余地はないと考えられるから、気化器内で加熱されて高圧蒸気となった極低温作動液体がピストンホイール内で断熱膨脹し、その温度を低下させることにより液化することはできない。 よって、本件の請求項1及び請求項7に係る発明によっては、本件の課題を解決することができないことは明らかであって、請求項1を直接的あるいは間接的に引用する請求項2ないし請求項6、及び、請求項7を引用する請求項8ないし15においても同様のことがいえるから、本件の請求項1ないし請求項15に係る発明は、特許法第29条第1項柱書に規定されている「産業上利用することができる発明」に該当しない。 [理由2]本件出願は、明細書における発明の詳細な説明の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 ピストンホイールの作動流体入口ポート(23)から、ほぼ定容積であるピストン室(31)に封入された高圧蒸気は、ピストンホイールの作動流体出口ポート(24)まで、ほぼ定容積のままで順次運ばれるのみであって、個々のピストン室(31)内における高圧蒸気が断熱膨脹を行う余地はないから、本件明細書におけるピストンホイールにおいて、どのような機序によって、気化器内で加熱されて高圧蒸気となった極低温作動液体がピストンホイール内で断熱膨脹し、その温度を低下させることにより液化するのか不明である。 よって、本件の明細書における発明の詳細な説明の記載は、当業者が発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 第4 当審の判断 1.当審拒絶理由の[理由1]についての検討 本件の請求項1に係る発明においては、「極低温作動流体が熱を吸収し、気化して高圧蒸気となり、膨脹器内で断熱膨脹が発生してピストンホイールを推進して回転させ、シャフトの仕事および極低温液体を発生させ」ることが特定され、本件の請求項7に係る発明においては、「極低温作動流体が気化器内で高圧蒸気状態まで加熱されてから膨脹器に伝達されて断熱膨脹し、ピストンホイールを推進して回転させ、シャフトの仕事および極低温流体を出力することで、液化するまで高圧蒸気状態の温度を低下させ」ることが特定されている。 そして、本件の請求項1及び請求項7に係る発明において特定されるピストンホイールは、本件明細書段落【0054】ないし【0066】の記載、及び、図4ないし図8の図示内容を参酌すると、それぞれ複数のピストン室(31)が周方向に並んだ3つの円環部からなり、個々の円環部において、外周方向に向いた開口部がケーシング(17)によって覆われた、ほぼ定容積の独立した空間であるピストン室(31)がシャフト(22)を中心として周方向に並ぶという構成を備えるものである。 そうすると、ピストンホイールの作動流体入口ポート(23)から、定容積であるピストン室(31)に封入された高圧蒸気は、ピストンホイールの作動流体出口ポート(24)に至るまで、定容積のままで順次運ばれるのみであって、個々のピストン室(31)内において断熱膨脹を行うことはできないから、気化器内で加熱されて高圧蒸気となった極低温作動液体がピストンホイール内で断熱膨脹し、その温度を低下させることにより液化することや、定容積のピストン室(31)に封入されて密閉状態となった高圧蒸気が機械的仕事をすることはできない。 よって、本件の請求項1及び請求項7に係る発明によっては、本件の課題を解決することができないことは明らかであって、請求項1を直接的あるいは間接的に引用する請求項2ないし請求項6、及び、請求項7を引用する請求項8ないし15においても同様のことがいえるから、本件の請求項1ないし請求項15に係る発明は、特許法第29条第1項柱書に規定されている「産業上利用することができる発明」に該当しない。 2.当審拒絶理由の[理由2]についての検討 本件明細書における段落【0054】ないし【0066】の記載、及び、図4ないし図8の図示内容を参酌すると、ピストンホイールは、それぞれ複数のピストン室(31)が周方向に並んだ3つの円環部からなり、個々の円環部において、外周方向に向いた開口部がケーシング(17)によって覆われた、ほぼ定容積の独立した空間であるピストン室(31)がシャフト(22)を中心として周方向に並ぶという構成を備えるものである。 そうすると、ピストンホイールの作動流体入口ポート(23)から、定容積であるピストン室(31)に封入された高圧蒸気は、ピストンホイールの作動流体出口ポート(24)に至るまで、定容積のままで順次運ばれるのみであって、個々のピストン室(31)内において断熱膨脹を行うことはできないから、本件明細書におけるピストンホイールにおいて、どのような機序によって、気化器内で加熱されて高圧蒸気となった極低温作動液体が定容積のピストン室(31)に封入されて密閉状態となったピストンホイール内で断熱膨脹し、その温度を低下させることにより液化するのか本件明細書の記載において不明である。 さらに、ピストンホイールの作動流体入口(23)及び作動流体出口(24)に相対する位置において開口するピストン室(31)のみは、それぞれ、わずかに高圧蒸気の封入及び放出により動力を発生すると考えられる。 しかしながら、作動流体入口(23)と作動流体出口(24)との間に位置する大多数の定容積のピストン室(31)において、ピストン室(31)に封入されて密閉状態となった高圧蒸気は、定容積のままで順次運ばれるのみであり、技術常識からみて、ピストン室(31)内の壁全体に等しく力を及ぼすものであって、その容積が変化するものではないから、ピストンホイールを推進して回転させる機械的仕事を供給することはできないと認められる。 そうすると、ピストンホイールのシールリンクとケーシング間の摩擦に打ち勝ち、さらに、発電機を回転させるために十分な機械的仕事を、どのようにピストンホイールから得るのか、本件明細書の記載において不明である。 また、仮に、明細書に記載された実施例において、動作の初期段階において気化器(1)に液体状態の第1流体(例えば液体窒素)が注入された(本件の明細書段落【0014】及び【0020】参照。)後、気化器(1)において気化して膨脹した第1流体がピストンホイールを推進して回転することができたとしても、作動流体入口(23)と作動流体出口(24)との間に位置する大多数の定容積のピストン室(31)において、ピストン室(31)に封入されて密閉状態となった高圧蒸気は、定容積のままで順次運ばれるのみであり個々のピストン室(31)内において断熱膨脹を行うことはできないから、ピストンホイールにおいては第1流体は液化せず、ピストンホイールの作動流体出口ポート(24)からは気化したままの第1流体が得られる状態となる。 したがって、気化器(1)に注入した液体状態の第1流体が残留している限りにおいては、気化して膨脹した第1流体がピストンホイールを推進して回転させるが、気化器(1)に注入した第1流体が全て気化した時点で、第1サイクルはほぼ平衡状態となって、第1流体がピストンホイールを推進して回転させることはできないと認められる。 よって、本件の明細書における発明の詳細な説明の記載は、当業者が本願の請求項1ないし15に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 第5 平成28年10月17日提出の意見書について 請求人は、平成28年10月17日提出の意見書「2.(1)」において、「本願におけるピストンホイール膨張器は、複数の密閉された室、およびピストンホイールに対する接面に存在し、加圧状態の気体が押す方向を決定する入口を有する。加圧状態の気体は、ピストン室に入ると、その力が平衡ではない(釣り合っていない)ので、ピストンホイールを推進して回転させ、機械的仕事を供給する。加圧状態の気体のエネルギーが機械的仕事に変換されると、液化するまで気体の圧力および温度が下がる。この過程は、理想気体の断熱膨張状態方程式に当てはまる。」及び同意見書「2.(2)」において、「ピストンホイールの接面方向にあり、ピストンホイールを押して回転させるように気体流を方向付ける入口を介して、高圧の気体がピストンホイール室に入る。ピストンホイールが回転すると、高圧気体からのエネルギーが機械的仕事に変換され、その後、気体の圧力および温度が下がり、ひとたび温度が液化範囲に達すると、気体が液化する。液化する作動気体は、断熱膨張冷却および極低温気体製造(例えば、液体窒素、液体酸素等)の理論的基礎を形成する。これが、リークシール無し、定積過程、大きな膨張比(N2、P1:P2=120~150)、長い変位(直列に接続された、複数のピストンホイール室による3つの円環)、並びに、その他の技術的および理論的要請により、本願発明が特徴付けられる理由である。大まかに読めることから評価するのは不十分であり、より専門的で深い理解が必要である。従って、「断熱膨張」が「定積過程」では生じ得ず、気体作動媒体の温度が低下せず、液化もしないとの拒絶理由は成立しない。」と主張している。 しかしながら、定容積のピストン室(31)に封入されてから密閉状態となった加圧状態の気体は、技術常識からみて、ピストン室(31)内の壁全体に等しく力を及ぼすものである。しかも、密閉状態であるピストン室(31)は定容積であって、封入された気体の体積が変化するのではないから、封入された気体がピストン室(31)内で断熱膨脹することによってピストンホイールを推進して回転させる機械的仕事を供給することができるとは依然として認められない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、本願は、請求項1ないし請求項15に係る発明が、特許法第29条第1項柱書に規定されている「産業上利用することができる発明」に該当しないから特許を受けることができないものであり、また、発明の詳細な説明の記載が、当業者が発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではなく、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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