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特許拒絶査定不服審判

2015-004125

色質の向上した固体照明システム

審判番号
2015-004125
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2011-543527外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年03月03日
審決日
2017年07月11日
公報発行日
2018年01月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H05B) / P18 .536-WZ (H05B) / P18 .537-WZ (H05B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第184条の3第1項、特許法第29条、特許法第36条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2011-543527「色質の向上した固体照明システム」拒絶査定不服審判事件〔2010年7月8日国際公開,WO2010/077492,平成24年6月21日国内公表,特表2012-514327〕について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は,成り立たない。

理由

【理 由】 第1 事案の概要 1 手続の経緯 特願2011-543527号(以下「本件出願」という。)は,特許法184条の3第1項の規定により2009年11月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2008年12月30日 アメリカ合衆国)にされたとみなされた特許出願であって,その手続の概要は,以下のとおりである。 平成24年11月 1日差出:手続補正書 平成25年 7月 1日付け:拒絶理由通知書 平成26年 1月 9日差出:意見書 平成26年 1月 9日差出:手続補正書 平成26年 4月22日付け:拒絶理由通知書 平成26年 7月30日差出:意見書 平成26年10月28日付け:拒絶査定 平成27年 3月 3日差出:審判請求書 平成28年 3月18日付け:拒絶理由通知書 平成28年 9月23日差出:手続補正書 平成28年 9月23日差出:意見書 平成28年11月15日付け:拒絶理由通知書 (以下,この拒絶理由通知書によって通知された拒絶の理由を「当合議体の拒絶の理由」という。) 平成29年 5月22日差出:手続補正書 (以下,この手続補正書による補正を「本件補正」という。)) 平成29年 5月22日差出:意見書 (以下「本件意見書」という。) 2 本願発明 本件出願の特許請求の範囲の請求項1~12に係る発明は,本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~12に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ,その請求項1に係る発明は,次のとおりのものである(以下「本願発明」という。)。 「 通電時に2000K~20000Kの範囲の相関色温度(CCT)を呈する照明システム(10)であって, 複数の有機エレクトロルミネセンス素子(23)であって,通電時に白色に見える全光であってCQSの15個の色見本(VS1~VS15)それぞれに対して以下に規定するデルタ彩度値を有する全光を色混合によって与えるように組み合わされた複数の有機エレクトロルミネセンス素子(23)を備える,照明システム(10)。 (A)CCTが2000K~3000Kの範囲にあるシステムでは,前記デルタ彩度値は,次の通り, 前記CQSのVS1~VS3のうちの2以上の色見本が,-2~7のVS1,-3~7のVS2,-7~7のVS3のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS4~VS5のうちの1以上の色見本が,-2~8のVS4,-2~15のVS5のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS6~VS8のうちの2以上の色見本が,1~25のVS6,4~26のVS7,-1~15のVS8のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS9~VS11のうちの2以上の色見本が,-6~7のVS9,-4~6のVS10,-2~8のVS11のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS12~VS13のうちの1以上の色見本が,-1~8のVS12,-1~13のVS13のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS14~VS15のうちの1以上の色見本が,-7~13のVS14,-9~12のVS15のパラメータ内にあり, (B)CCTが3000K~4500Kの範囲にあるシステムでは,前記デルタ彩度値は,次の通り, 前記CQSのVS1~VS3のうちの2以上の色見本が,-5~7のVS1,-3~7のVS2,-7~7のVS3のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS4~VS5のうちの1以上の色見本が,-3~8のVS4,-2~15のVS5のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS6~VS8のうちの2以上の色見本が,0~22のVS6,3~26のVS7,-1~15のVS8のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS9~VS11のうちの2以上の色見本が,-6~7のVS9,-4~6のVS10,-4~6のVS11のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS12~VS13のうちの1以上の色見本が,-1~8のVS12,-1~13のVS13のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS14~VS15のうちの1以上の色見本が,-7~15のVS14,-7~12のVS15のパラメータ内にあり, (C)CCTが4500K~7500Kの範囲にあるシステムでは,前記デルタ彩度値は,次の通り, 前記CQSのVS1~VS3のうちの2以上の色見本が,-5~7のVS1,-3~7のVS2,-5~7のVS3のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS4~VS5のうちの1以上の色見本が,-3~7のVS4,-2~15のVS5のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS6~VS8のうちの2以上の色見本が,0~22のVS6,1~26のVS7,-1~15のVS8のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS9~VS11のうちの2以上の色見本が,-6~7のVS9,-5~6のVS10,-4~6のVS11のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS12~VS13のうちの1以上の色見本が,-2~8のVS12,-1~16のVS13のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS14~VS15のうちの1以上の色見本が,-5~22のVS14,-6~15のVS15のパラメータ内にあり, (D)CCTが7500K~20000Kの範囲にあるシステムでは,前記デルタ彩度値は,次の通り, 前記CQSのVS1~VS3のうちの2以上の色見本が,-3~7のVS1,-3~7のVS2,-5~8のVS3のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS4~VS5のうちの1以上の色見本が,-3~6のVS4,-3~15のVS5のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS6~VS8のうちの2以上の色見本が,0~22のVS6,0~25のVS7,-1~15のVS8のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS9~VS11のうちの2以上の色見本が,-5~7のVS9,-5~6のVS10,-4~6のVS11のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS12~VS13のうちの1以上の色見本が,-3~8のVS12,-1~16のVS13のパラメータ内にあり, 前記CQSのVS14~VS15のうちの1以上の色見本が,-3~24のVS14,-4~15のVS15のパラメータ内にある。」 3 当合議体の拒絶の理由 当合議体の拒絶の理由は,概略,以下の理由を含むものである。 (1) 理由1の(6)(36条6項1号,36条4項1号) 本願発明の光源は,有機エレクトロルミネセンス素子である。 しかしながら,発明の詳細な説明には,光源がLEDである照明システムは開示されているとしても,光源が有機エレクトロルミネセンス素子であり,かつ本願発明の要件を満たす照明システムは開示されていない。 このような発明の詳細な説明の記載では,たとえ当業者であっても,光源が有機エレクトロルミネセンス素子であり,かつ本願発明の要件を満たす照明システムが,発明の詳細な説明に記載されていると理解することができず,また,実施することもできない。 (2) 理由2(29条2項) 本願発明は,その優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において,電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明及び周知技術に基づいて,その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 引用例1:国際公開第2008/150392号 第2 当合議体の判断 1 理由1(36条6項1号,36条4項1号)について (1) 発明の詳細な説明の記載 本件出願の発明の詳細な説明には,以下の事項が記載されている。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は,固体照明システムに関し,より具体的には,色質の向上した固体照明システムに関する。」 イ 「【背景技術】 【0002】 白熱照明システム及び蛍光照明システムは,一般用途に広く用いられている照明システムである。照明システム下での物体の色の質は,光源の価値の重要な側面である。 …(省略)… 【0003】 一般に,物体の色の質は,指定された条件に対してある光源によって照明された物体の心理物理色が基準光の心理物理色に一致する度合いの測度である演色で表して説明されている。ここで使用される演色とは,物体色を,基準光源下における同じ物体の色に対して正確に表すことを指す。 【0004】 近年のエネルギー効率が良いタイプの照明システムの1つは,発光ダイオードなどの固体発光素子を用いている。 …(省略)… 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 カラーコントラストが魅力的に向上した光源を作成する方法を定量化するモードがあれば望ましいであろう。また,カラーコントラストが魅力的に向上した固体照明システムがあれば望ましいであろう。」 ウ 「【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明の一実施形態は,通電時に約2000K~約20000Kの範囲の相関色温度(CCT)を示し,白熱光源又は黒体光源に比べカラーコントラストが向上した有機エレクトロルミネセンスに基づく照明システムに関する。このシステムは,1以上の有機エレクトロルミネセンス素子と,適宜1以上のフィルタと,適宜1以上の光輝性材料と,適宜1以上の無機発光ダイオードとを備える。このシステムは,通電時に白色に見える全光を与えるように構成され,複合光は,指定の値に従ってカラーコントラストが向上するように所定のCQS(Color Quality Scale)の15個の色見本それぞれに対するデルタ彩度値を有する。 …(省略)… 【発明を実施するための形態】 【0013】 上述の通り,本発明の一実施形態は,通電時に約2000K~約20000Kの範囲にあり改善された色質スケールを有する相関色温度を呈する照明システムに関する。 …(省略)… 【0018】 一般に理解されているように,OLED装置は,一般に,透光性基板である場合が多い基板上に形成された電極,例えばカソード及び透光性アノードの間に配置される,1以上の有機発光層を含む。発光層は,アノード及びカソードを通して電流を印加すると光を放射する。電流を印加すると,電子をカソードから有機層に注入することができ,正孔をアノードから有機層に注入することができる。電子及び正孔は,一般に,有機層を通過してから発光中心で,一般には有機分子又は高分子で再結合し,その再結合プロセスによって,通常はスペクトルの紫外又は可視域であり得る光子が放射される。本明細書で用いる用語「有機エレクトロルミネセンス素子」は,一般に,エレクトロルミネセンス特性を示す有機材料(分子もしくは高分子)を有する活性層を含むデバイス(例えば,電極及び活性層を含む)を指す。有機エレクトロルミネセンス素子を組み込んだデバイスは,無機材料の存在を除外しない。2以上の「有機エレクトロルミネセンス素子」が存在するものと指定された場合,有機材料は同一であってもよく(例えば,同じ材料の複数層が配列される)又は異なってもよい(例えば,異なる材料の複数層が配列される)。さらに,異なる種類の有機エレクトロルミネセンス材料が同じ層において存在する(例えば,混合される)ことができる。 【0019】 当業者には認識されるように,有機エレクトロルミネセンス素子は,正孔輸送層,正孔注入層,電子輸送層,電子注入層,光吸収層又はそれらの任意の組合せなど,追加の層を含んでもよい。本開示による有機エレクトロルミネセンス素子は,また,基板層,耐摩耗層,接着層,耐薬品層,発光層,放射線吸収層,放射線反射層,バリア層,平坦化層,光拡散層及びそれらの組合せの1以上などであるが,それらに限定されない他の層を含んでもよい。 【0020】 有機エレクトロルミネセンス材料の化学組成によって,発光中心から放射される光の「バンドギャップ」及びそれに対応する波長分布が決まる。LEDの知覚色を特徴付ける色帯域と同様に,有機エレクトロルミネセンス層から放射される波長の分布も色帯域を生成する。しかし,LED色帯域の一般的なガウス形状の分布の場合とは異なり,有機エレクトロルミネセンス素子の色帯域は,複数のピーク波長及び場合によってはより広いスペクトル幅を有することがあり,それでもなお,有機エレクトロルミネセンス層内の各発光中心は知覚色によって特徴付けられてもよく,可視光の全範囲よりも狭い有限の波長分布を有する知覚色は色帯域と呼ばれることがある。各有機発光層内に1以上の異なる組成の発光中心があることがあるので,各発光層は1以上の色帯域の光を放射することがある。 【0021】 上述の通り,本発明のいくつかの実施形態によれば,照明システムは1以上の有機エレクトロルミネセンス素子を含んでもよい。当業者は,一般に,有機エレクトロルミネセンス素子及びそれらの構造に精通している。本発明のいくつかの実施形態は,複数の固体発光素子が積み重ねた又は重ね合わせた構造で配列された複数の有機エレクトロルミネセンス素子を備える照明システムを含む。当業者には理解されるように,照明システムが複数の有機エレクトロルミネセンス素子を備える際に色混合を達成するため,積み重ねた構造で組み立てられた異なる基板上に作製された複数の有機エレクトロルミネセンス層を含んでもよい。それらは適宜互いに重ね合わされてもよい。一実施形態では,複数の有機エレクトロルミネセンス層を互いに積み重ねるのに透明(例えば,接着)層が使用される。一実施形態では,そのような積み重ねられた有機エレクトロルミネセンス層は,白色発光有機エレクトロルミネセンス層も含んでもよい。本開示の別の実施形態では,照明システムは,例えば,赤,緑及び青の有機エレクトロルミネセンス発光素子のスペクトルの組合せによって白色光放射を形成することができる,単一の電源によって駆動されてもよいタンデムOLEDタイプのランプであることができる。 【0022】 本発明の他のいくつかの実施形態は,また,1以上の固体発光素子からの光を異なる波長に変換する,1以上の光輝性材料(一般には,リン光体,量子ドット及びそれらの組合せから選択されるが,それらに限定されない)を備える照明システムを含む。本発明の別の実施形態は,照明システムの全光を修正する1以上のフィルタを備える照明システムを含む。適切なフィルタは,場合によっては,ネオジム含有ガラスフィルタなど,照明システムの全光のスペクトルのうち特定の領域を低下させる材料を含んでもよい。最後に,1以上の有機エレクトロルミネセンス素子を有する照明システムの実施形態では,1以上の無機発光ダイオードをシステムに組み込んでもよい。同様に,複数の無機発光ダイオードを有する(その場合,2以上の無機発光ダイオードは異なる色放射帯域を有する)照明システムの実施形態では,1以上の有機エレクトロルミネセンス素子をシステムに組み込んでもよい。 【0023】 本開示の実施形態では,照明システムは,向上もしくは改善されたカラーコントラスト又は従来の白熱光源もしくは黒体光源よりも全体的に魅力的な見え方を示す。 …(省略)… 【0024】 本発明の実施形態によれば,照明システムは,通電時に白色に見える全光を与えるように構成され,この複合光は,相関色温度に対して所定のCQSの15個の色見本それぞれに対するデルタ彩度(Δ彩度)値を有する。CQSについては以下にさらに記載する。 …(省略)… 【0025】 National Institute of Standards and Technology(NIST)によって開発されたCQSは,より一般に知られている演色評価数(CRI)によって行われるのと同様に,15個のマンセル色見本を使用して,光源によって照明された物体の色の外見を評価する。なお,以前のCRIシステムは,14個の標準色見本(R1~R14又は全体的にRiで示される)を利用して演色性を評価する。一般に,CRIによる演色スコアが報告されるときは,すべて低から中程度の色調飽和度である最初の8個の見本のみに対するRi値の平均である「平均演色評価数」(Raと呼ばれる)である。しかし,物体色を測定するCRIシステムには,例えば,色空間の赤色領域が不均一であり,Raを計算するのに使用される8個の色見本の飽和度が高くないといった不利な点がある。Ra値が高くても,飽和色の演色は非常に乏しい場合がある。換言すれば,非常に高いRa値に従ってランプのスペクトルを(原理的に)最適化することができるが,実際の演色ははるかに乏しいことがある。8個の色見本は単にRa値を得るために平均化されるので,ランプは,1つ又は2つの色の表現が非常に乏しいとしても高いスコアを得る場合がある。この問題は,Raを計算するのに使用される見本のうち,高い色調飽和度をもつものがほとんどないために起こる。 【0026】 CQSは,CRIシステムのこれらの不利な点を克服し,したがって,本開示の実施形態によれば,物体色の外見を評価するシステムとして使用される。CQSシステムは,多くの場合,合計15個の色見本の顕色を組み込んだ全体のQa値を使用し,それらの色見本はすべて,比較的高い色調飽和度を有し,色空間内でほぼ均一に分布する。Qa値は,一般に,15個の色見本それぞれに対する個々のCQS値の平均に相当する。Qa値の計算は,W. Davis and Y. Ohno, ”Toward an improved color rendering metric,” Proc. SPIE Fifth International Conference on Solid State Lighting, 5941, 2005にさらに十分に記載されており,その記載内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす。。 【0027】 NISTによって設定されるように,CQSは,表1に示す色相値及び彩度を有する標準的な一連の15個の飽和したマンセル色見本(色「票」と呼ばれることがある)を利用する。 【0028】 【表1】 これらの値(色相値/彩度)はそれぞれ,VS1~VS15として名付けられたCQSの15個のマンセル色見本に対応する。換言すれば,VS1は第1の標準マンセル色見本に対応し,VS2は第2のマンセル色見本に対応し,以下同様である。色相ラベルは次の種類を有する。「P」は紫,「PB」は青紫,「B」は青,「BG」は青緑,「G」は緑,「GY」は黄緑,「Y」は黄,「YR」は黄赤,「R」は赤,「RP」は赤紫である。 【0029】 CRI及びCQSなど,現在の業界の測定基準は,所望の値からの偏差の方向(すなわち符号)が省略される形で使用されてきた。例えば,CRIシステムでRaの値を計算するとき,デルタE(顕色の差)の計算は偏差の方向性を無視する。照明システムの設計者が従来の方式でCRI又はCQSを使用した場合,演色の飽和度に関する情報が失われる。本開示によれば,出願人らは彩度値の演算上の差を判断し,したがって,そのような方向性又は符号が保存される。さらに,CRI又はCQSシステムを使用する通常の方法は輝度(L)部分を含む。しかし,出願人らは,(基準及び試験見本のLa*b*の差を計算することによって),L部分を含んでも最小限の寄与しかないことを見出している。したがって,出願人らは一般に彩度値を使用することを好む。 【0030】 本発明の実施形態によれば,CQSは以下のやり方で使用される。照明システムは,複合光に対する所与の相関色温度(CCT)で,かつ所与の色ポイント(又は色度座標)で,各色票に対して彩度値を有する全光を生成する。次に,これらの彩度値は,基準光源を使用して生成された各色票に対する一連の基準彩度値と比較される。その基準光源は,調査中の照明システムと同じ色温度及び同じ色ポイント(色度座標)を有するプランク黒体放射線である。調査中の照明システムによって照明されている各色票に対するデルタ彩度(Δ彩度)値は,調査中の照明システムの全光の彩度値と基準光源の彩度値との演算上の差である。 【0031】 したがって,本開示はまた,所望の顕色をもつ全白色光を有する1以上の固体発光素子を備える照明システムの製造方法を提供する。 …(省略)… 【0034】 照明システムからの全光が,前記相関色温度に対して「所定の」CQSの15個の色見本それぞれに対するデルタ彩度(Δ彩度)値を有するか否かを判断するため,一般に,照明システムのCCTに応じて,後述するガイドラインに従ってもよい。従来の規定の理想的な光源(例えば,標準的な白熱電球)に対する目標デルタ彩度値は,15個のマンセル色票すべてについてほぼゼロのVS値を有することに留意されたい。しかし,本開示における向上したカラーコントラスト及び視覚的魅力を提供する光源の目標デルタ彩度値は,CCTに応じたやり方で,VS=0という目標から大幅に外れる場合がある。偏差は,2000~4500KのCCT値において,VS6,VS7,VS8,VS13,VS14,VS15について明示されてもよく,4500~20000KのCCT値において,VS6,VS7,VS8,VS13,VS14について明示されてもよい。 …(省略)… 【0040】 本発明の特定の実施形態によれば,複数のLEDを使用するとき,それらはそれぞれ,LEDの発光スペクトルが最大となる波長(ピーク波長)によって特徴付けられる色を有し,ガウス分布関数によって近似的に表される近接波長における発光強度の分布を有する。一般に,特徴的な幅は約5~50nmである。いくつかの実施形態は,1以上の固体発光素子が(通電時に)約432nm~約467nmの範囲のピーク波長を有する光を放射するように構成される照明システムであって,システムの1以上の固体発光素子が,通電時に約518nm~約542nmの範囲のピーク波長を有する光を放射するように構成され,システムの1以上の固体発光素子が,通電時に約578nm~約602nmの範囲のピーク波長を有する光を放射するように構成され,システムの1以上の固体発光素子が,通電時に約615nm~約639nmの範囲のピーク波長を有する光を放射するように構成される,照明システムに関する。 【0041】 個々の固体発光素子に対するこれらの変動する色は(組み合わされると)所望の色質を達成するのに有効であるが,2以上の追加の固体発光素子を含め(特に現在は市販のLEDを選択することを考慮すれば),それらの追加の固体発光素子のうち少なくとも1つが,通電時に約458nm~約482nmの範囲のピーク波長を有する光を放射するように構成され,かつそれらの追加の固体発光素子のうち少なくとも1つが,通電時に約605nm~約629nmの範囲のピーク波長を有する光を放射するように構成されることによって向上をもたらすことができる。 …(省略)… 【0053】 白色に見える全光を供給するため,有機エレクトロルミネセンス素子を配列する多数の方法が可能である。1つのそのようなOLED構成の具体例が図4に示す。連続層の概略断面図では,上部基板21,カソード22,有機エレクトロルミネセンス層23,電荷阻害層(charge-blocking layer)24,アノード25(透明アノードであってもよい)及び下部ガラス基板26で構成される発光システム20が示される。層23は,本質的に赤,緑及び青である色帯域をそれぞれ放射する,3つの異なるタイプの有機エレクトロルミネセンス材料R,G,Bで構成されてもよい。デバイス20の底部から抽出される光(図示なし)を結合して白色光を供給することができる。3つのエレクトロルミネセンス材料は,層23内で横方向に配置されるものとして示されているが,当然ながら,当業者には理解されるように,それらは他の構成(混合など)で配置されてもよい。」 (当合議体注:図4は以下の図である。) エ 「【0054】 本発明の理解を深めるため,以下の実施例が提供される。この実施例は限定のためではなく例証として示される。 【実施例】 【0055】 多重LED照明システムを,6つの異なる色を有する15個のLEDチップから構築した。選択されたチップはすべて,商用の供給元から得られるランベルト放射パターン(lambertian radiation pattern)を有する高出力の単色LEDであった。観察された波長ピークはすべて,50nm未満,通常は35nm未満の一般的な半値幅を伴っていた。 【0056】 【表2】 表2に示す15個のLEDチップは,ヒートシンクを備えた共通の制御回路基板上にハチの巣状パターンで配列し,色混合及び光の均質性を促進するため,光混合機構及び拡散要素を上に重ねた。 【0057】 この例示的なシステムから得られたスペクトルを図5に示す。アレイから抽出された複合光/全光は,x=0.440及びy=0.3948の色ポイント(CIE色度系による),2808のCCT,並びに60.2のCRI(Ra)値を有していた。CQSシステムにおけるその総Qa値は80.2であった。このランプからの光は,CQSシステムの15個の色見本それぞれについて,表3に示すようなデルタ彩度値(ΔC*ab)を示した。異なる色のLEDチップの結合には,見る者が白色であると知覚することができる光を放射するという効果があった。 【0058】 【表3】 上述の表3において表形式で示されるCQS出力は,図6にもグラフ形式で示される。 【0059】 この実施例におけるランプは,通電時に物体をより魅力的又は自然に見せることができる光を発することが見出された。特に,利益をもたらすことができるいくつかのそのような物体としては,木材色,木目色及び肌の色を有するものが挙げられる。 …(省略)… 【0060】 発光素子としてLEDを利用する一実施例を提示してきたが,当業者であれば,本実施例に従って作られるランプのスペクトルパターンを確定することによって,同じCQS演色特性を有するLED及び/又はOLED及び/又は他の固体発光素子の組合せからランプを構築又は改造することができる。上述の実施例に記載した本発明の組合せに使用されるLEDのスペクトルに一致する発光素子が選択される。」 (2) 発明が解決しようとする課題について 発明が解決しようとする課題に関して,本件出願の明細書の【0006】には,以下のとおり記載されている。 「 カラーコントラストが魅力的に向上した光源を作成する方法を定量化するモードがあれば望ましいであろう。また,カラーコントラストが魅力的に向上した固体照明システムがあれば望ましいであろう。」 ここで,本願発明は,「光源を作成する方法」の発明ではなく,「照明システム」の発明である。また,【0006】には,「固体照明システム」との文言があるが,本件補正後の本願発明は,「有機エレクトロルミネセンス素子(23)を備える,照明システム(10)」である。加えて,【0006】には,「カラーコントラストが魅力的に向上した」という,主観的な(明確でない)記載があるところ,本件補正後の本願発明は,CQS色見本との関係において(A)~(D)のデルタ彩度値を有すること(以下,「CQS条件」といい,区別する場合は「(A)のCQS条件」などという。)が規定されている。 そうしてみると,本願発明が解決しようとする課題は,以下のものと解するのが相当である(以下「本願発明が解決しようとする課題」という。)。 「カラーコントラストがCQS条件を満たす程度に魅力的に向上した有機エレクトロルミネセンス素子による照明システムを提供すること。」 (3) 判断 ア 本件出願の発明の詳細な説明において,CQS条件が確認されている具体的実施例は,(A)のCQS条件を満たす(調光に関する構成を具備しない)LED照明システム(【0055】~【0059】)のみである。 また,有機エレクトロルミネセンス素子を備える照明システムについては,以下のとおり,本願発明が解決しようとする課題を解決するための設計指針が全く記載されていない。 すなわち,【0018】~【0021】には,白色有機エレクトロルミネセンス装置に関する記載があるが,一般的事項の概説にすぎない。加えて,【0022】には,無機発光ダイオードを組み込んでも良いことが記載されているが,具体性がない。さらに,【0053】には,R,G,Bの3つの有機エレクトロルミネセンス材料からなる発光システムが説明されている。そして,CQS条件が確認されている具体的な実施例は一つも示されていない。 したがって,本件出願の発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲は,(A)のCQS条件のみを満たすLED照明システムに限られるというべきである。そして,CQS条件を満たす有機エレクトロルミネセンス素子を備える照明システムについては,本件出願の発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲内にあるとははいえない。 加えて,このような発明の詳細な説明の記載内容では,当業者は,本願発明の照明システムを作ることができない。 すなわち,本件出願の発明の詳細な説明には,CQS条件を満たすために,どのような有機エレクトロニクス素子の組み合わせを選択すべきか,その設計指針が全く開示されていない。また,LED素子と有機エレクトロルミネセンス素子では,その発光スペクトルの幅や形状が大きく異なるから,(A)のCQS条件を満たすLED照明システムの波長ピーク(【0056】の【表2】)を参考に有機エレクトロルミネセンス素子を選択しても,同じ分光分布は得られない。少なくとも,(A)のCQS条件を満たすLED照明システムが,(B),(C)又は(D)のCQS条件を満たす有機エレクトロルミネセンス素子を備える照明システムを作るための設計指針になるとはいえない。 かえって,本件出願の発明の詳細な説明の【0053】には,R,G,Bの3つの有機エレクトロルミネセンス材料からなる発光システムが説明されているが,この構成によりCQS条件を満たすような発光システムを実現することは,極めて困難である。すなわち,本願発明においては,CQSの15個の色見本のうち,少なくとも9個の色見本との関係において(A),(B),(C)又は(D)のCQS条件を満たすことが必要である。したがって,装置設計に際し,考慮すべきパラメータ(分光分布)は少なくとも9個ある。しかしながら,R,G,Bの有機エレクトロルミネセンス材料(3種類の分光分布)の組み合わせにより,少なくとも9個のCQS条件を満たす(9個の色票に対応する分光分布の組み合わせの)照明システムを作ることは,技術的にみて極めて困難である。 加えて,特許請求の範囲には,CQS色見本毎に,デルタ彩度値が満たすべきパラメータの上限と下限が開示されている。ここで,これらパラメータの下限の多くは,0に近いものである。したがって,これらパラメータの下限に近い照明システムは,黒体光源を得ることを指針にして装置を設計すれば良いと考えられる。しかしながら,これらパラメータの上限を集めてなる照明システムを作ること,すなわち,「従来の白熱光源もしくは黒体光源よりも全体的に魅力的な見え方を示す」(【0023】)照明システムを作るためには,別の設計指針が必要である。しかしながら,本件出願の発明の詳細な説明には,この設計指針について,記載も示唆もされていない。 以上のとおりであるから,本願発明の,CQS条件を満たす有機エレクトロルミネセンス素子を備える照明システムについては,本件出願の発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲内にあるということできない。また,当業者は,本願発明の,CQS条件を満たす有機エレクトロルミネセンス素子を備える照明システムを作るために,当業者が期待し得る程度を越えた試行錯誤をする必要があるといえる。 イ ところで,当業者ならば,有機エレクトロルミネセンス素子の発光スペクトルが,無機発光ダイオードよりも広いことを,技術常識として心得ている。したがって,当業者ならば,[a]比較的少ない種類の有機エレクトロルミネセンス素子で,比較的広いスペクトル範囲をカバーできること,及び比較的滑らかな分光分布を得やすいことに気付くといえる。また,当業者ならば,[b]適切な色フィルタにより,各有機エレクトロルミネセンス素子の分光分布(の形状)を設計可能なことにも気付くといえる。加えて,当業者ならば,種々の有機エレクトロルミネセンス材料の分光分布を,技術常識として心得ている。したがって,当業者ならば,[c]所望の分光分布に近い有機エレクトロルミネセンス材料を自在に選択することができる。また,当業者ならば,[d]所望の有機エレクトロルミネセンス素子を作り,照明システムに追加する(色の数を増やす)こともできる。そして,本願発明においては,CQSの15個の色見本のうち,少なくとも9個の色見本との関係において,(A),(B),(C)又は(D)のCQS条件を満たせばよい。 そうしてみると,当業者ならば,[e]9種類を目安として,所望の分光分布に近い有機エレクトロルミネセンス素子を組み合わせれば,本願発明の照明システムを作ることができることに気付くといえる。 しかしながら,上記[a]~[e]のような知見は,当業者における容易推考の範疇に属するものであり,容易推考できることを根拠として,本願発明が発明の詳細な説明に記載したものであるということはできない。本件出願の発明の詳細な説明には,上記[a]~[e]のような知見を導き出すような記載はなく,かえって,【0053】には,R,G,Bの3つの有機エレクトロルミネセンス材料からなる発光システムが説明されている。 (4) 付記 なお,当合議体の拒絶の理由に対する本件補正により,特許請求の範囲から調光に関する記載(コントローラ及びプロセッサに関する記載)が削除された。ただし,特許請求の範囲には,依然として,「通電時に2000K~20000Kの範囲の相関色温度(CCT)を呈する照明システム(10)」という記載がある。 ここで,当合議体は,この記載は,[1]本願発明の照明システムの相関色温度(CCT)が2000K~20000Kの範囲のどこかにあることを意味し,[2]本願発明の照明システムが,2000K~20000Kの範囲の相関色温度(CCT)にわたって調光可能である照明システム(10)であることを意味するとは解していない。 ただし,仮に,[2]の意味に解すべきならば,なおさら,本願発明は,発明の詳細な説明に記載したものであるということができない。また,本件出願の発明の詳細な説明の記載は,当業者が本願発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということができない。 (5) 小括 以上のとおりであるから,本願発明は,発明の詳細な説明に記載したものであるということができない。また,本件出願の発明の詳細な説明の記載は,当業者が本願発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるということができない。 2 理由2(29条2項)について (1) 引用例の記載 本件出願の優先日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった(インターネットを利用した方法で発行された)国際公開2008/150392号(当合議体の拒絶の理由における引用例1,以下「引用例1」という。)には,以下の記載がある。なお,下線は,引用発明に特に関係する箇所を示す。また,行数は,各頁左側の番号に基づいて表記した。 ア 1頁3~8行 「FIELD OF THE INVENTION The present invention relates to the structure and manufacture of a lamp and, more particularly, to a lamp capable of producing a multiplicity of colors and spectral power distributions of white light which approximate blackbody or daylight lighting sources with two, independently addressable, light-emitting elements.」 (参考訳:技術分野 本発明は照明装置の構造及び製造に関し,特に,複数の色と,独立してアドレス指定可能な2つの発光素子を有する黒体もしくは昼光光源とほぼ同じである白色光の分光分布とを生じさせることができる照明装置に関する。) イ 1頁10~22行 「BACKGROUND OF THE INVENTION Lamps capable of producing multiple colors of light are known to satisfy many applications; including lamps for general purpose lighting that allow "white" light to be generated in such a way to allow the user to adjust the correlated color temperature of the light. Lights with adjustable color temperature are further known for use in specialized lighting applications, such as camera strobes and motion picture lighting systems. Within this application space, it is most desirable to create lamps that provide outputs having both colorimetric coordinates and spectral power distributions that match those of typical blackbody radiators, typical daylight lighting, or standard daylight sources. The colorimetric coordinates of natural light that exists during the day typically fall near a curve, referred to as the Planckian Locus or black body curve, within CIE chromaticity space.」 (参考訳:背景技術 光の複数の色を生じさせることができる照明装置は,ユーザーが光の相関色温度を調整できるような方法で「白色」光を発生させる,一般的な照明目的のための照明装置を含む多くの用途を満足させることが知られている。カメラのストロボ及び映画照明システムなどの特別な照明用途での使用のための調整可能な色温度を有する照明がさらに知られている。この応用空間の中では,一般的な黒体放射体,一般的な昼光照明もしくは標準昼光源の色度座標及び分光分布と一致する色度座標及び分光分布の両方を有する出力を提供する照明装置をつくり出すことが最も望ましい。日中の間,存在する自然光の色度座標は,CIE色空間でプランク軌跡もしくは黒体曲線と呼ばれる曲線の近傍に一般的に該当する。) ウ 6頁30行~7頁24行 「   There is a need, therefore, for a lamp that provides multiple colors of light output and specifically multiple colors of light output with chromaticity coordinates that lie on or near the Planckian Locus, that is less complex to manufacture, and simpler than the prior art solutions to control while still having the capacity to create light output with an acceptable CRI as compared to standard illumination sources. SUMMARY OF THE INVENTION A white-light electro-luminescent lamp has an adjustable spectral power distribution, including a first light-emitting element that emits light within each of three wavelength bands, 1) between 440 and 520 run, 2) between 520 and 600 nm, and 3) between 600 and 680 nm. An integrated spectral power within the first wavelength band is higher than the second wavelength band and the integrated spectral power within the second wavelength band is higher than the third wavelength band. A second light- emitting element emits light within each of three wavelength bands, 1) between 440 and 520 nm, 2) between 520 and 600 nm, and 3) between 600 and 680 nm. The integrated spectral power within the third wavelength band is higher than the integrated spectral power of the second wavelength band and the integrated spectral power within the second wavelength band is higher than the integrated spectral power within the first wavelength band. A controller modulates the integrated spectral power of the light produced by the first and the second light-emitting elements such that the spectral power distribution of the light formed by combining the light produced by the modulated first and second light-emitting elements is substantially equal to a CIE standard daylight spectral power distribution for correlated color temperatures between 4000K-9500K.」 (参考訳: したがって,複数色の光出力,特にプランク軌跡に,もしくはプランク軌跡の近傍に位置する色度座標の複数色の光出力を供給し,先行技術の制御するための解決策に比べて製造するのに複雑ではなく単純であり,その上,さらに標準照明光源に比べて許容できるCRIを有する光出力を作り出す能力を有する照明装置に関する必要性が存在する。 発明の概要 白色光エレクトロルミネセント照明装置は調整可能な分光分布を有し,1)440nmと520nmとの間,2)520nmと600nmとの間及び3)600nmと680nmとの間の3つのそれぞれの波長帯域中の光を放射する第1の発光素子を有する。第1の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第2の波長帯域に比べて高く,第2の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第3の波長帯域に比べて高い。第2の発光素子は,1)440nmと520nmとの間,2)520nmと600nmとの間及び3)600nmと680nmとの間の3つのそれぞれの波長帯域中の光を放射する。第3の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第2の波長帯域の積分スペクトルパワーに比べて高く,第2の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第1の波長帯域中の積分スペクトルパワーに比べて高い。コントローラーは,調整された第1及び第2の発光素子によって生成された光を合わせることによって形成された光の分光分布が,4000Kと9500Kとの間の相関色温度でCIE標準昼光分光分布と実質的に等しくなるように,第1及び第2の発光素子によって生成された光の積分スペクトルパワーを調整する。) エ 9頁1~25行 「DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION The present invention provides a white-light, electro-luminescent lamp 2 as shown in Fig.1, having an adjustable spectral power distribution emission, wherein the spectral power distribution approximates the spectral power distribution of a plurality of standard daylight distributions as specified by the CIE. This lamp 2 includes two light-emitting elements 4, 6. The first light-emitting element 4 emits light within each of three wavelength bands, including a first wavelength band between 440 and 520 nm, a second wavelength band between 520 and 600 nm, and a third wavelength band between 600 and 680 nm; wherein an integrated spectral power within the first wavelength band is higher than the second wavelength band, and the integrated spectral power within the second wavelength band is higher than the third wavelength band. The second light-emitting element 6 emits light within each of three wavelength bands, including a first wavelength band between 440 and 520 nm, a second wavelength band between 520 and 600 nm, and a third wavelength band between 600 and 680 nm; wherein the integrated spectral power within the third wavelength band is higher than the integrated spectral power of the second wavelength band, and the integrated spectral power within the second wavelength band is higher than the integrated spectral power within the first wavelength band. The lamp 2 further includes a controller 8. The controller 8 modulates the integrated spectral power of the first and the second light-emitting element such that a spectral power distribution of the combined first and second light-emitting elements produces a spectral power distribution that is substantially equal to a CIE standard daylight spectral power distribution for correlated color temperatures between 4000K-10000K.」 (参考訳:発明を実施するための形態 本発明は,図1に示すような白色光エレクトロルミネセント照明装置2を提供し,調整可能な分光分布放射を有し,その分光分布は,CIEによって指定された複数の標準昼光分布の分光分布とほぼ同じである。この照明装置2は2つの発光素子4,6を含む。第1の発光素子4は,440nmと520nmとの間の第1の波長帯域,520nmと600nmとの間の第2の波長帯域及び600nmと680nmとの間の第3の波長帯域を含む3つのそれぞれの波長帯域中の光を放射し,ここで,第1の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第2の波長帯域に比べて高く,第2の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第3の波長帯域に比べて高い。第2の発光素子6は,440nmと520nmとの間の第1の波長帯域,520nmと600nmとの間の第2の波長帯域及び600nmと680nmとの間の第3の波長帯域を含む3つのそれぞれの波長帯域中の光を放射し,ここで,第3の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第2の波長帯域に比べて高く,第2の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第1の波長帯域に比べて高い。照明装置2はコントローラー8をさらに含む。コントローラー8は,第1の発光素子と第2の発光素子とを組み合わせた分光分布が,4000Kと10000Kとの間の相関色温度でCIE標準昼光の分光分布と実質的に等しい分光分布を生じさせるように,第1の発光素子及び第2の発光素子の積分スペクトルパワーを調整する。) (当合議体注:図1は以下の図である。) オ 22頁3~10行 「   Note that while devices can be created from species of emitters having narrow bandwidths, such as 30 nm bandwidths, it will generally be possible to employ fewer species of emitters with broader bandwidths to create a continuous spectra as is required for each of the light-emitting elements of the present invention. However, there is a limit to this trend as broader band species do not enable the selectivity that is necessary to create the most desired spectral shapes. Generally, the most preferred species of emitters will have bandwidths of between 30 and 120 nm.」 (参考訳: 30nmの帯域幅などの狭い帯域幅を有する,複数の種類の発光体からデバイスを作り出すことができるが,本発明のそれぞれの発光素子に求められているような連続的なスペクトルを作り出すために,広い帯域幅を有する,より少ない種類の発光体を使用することが一般に可能であるということに留意されたい。しかし,より帯域の広い種類の発光体では,最も望ましいスペクトル形状を作り出すのに必要な選択性が可能にならないので,この傾向には限度がある。一般に,好ましい種類の発光体のほとんどが,30nmと120nmとの間の帯域幅を有する。) カ 23頁3行~24頁7行 「   It is further possible to employ species of emitters with even broader spectral power distributions. For instance, it is known that organic light-emitting diodes often have bandwidths on the order of 90 nm. Such materials may also be employed within an embodiment of the present invention to create, for example, light-emitting elements having a spectral power distribution as shown in Fig.10. As shown in Fig.10, the amplitude of the spectral power distribution for the first light-emitting element 112 decreases as a function of wavelength between 450 and 680. The amplitude of the spectral power distribution for the second light-emitting element 114 decreases as a function of wavelength between 440 nm and 680 nm for this second light-emitting element 6. Particularly important in this invention is that the first light-emitting element 4 emits light within each of three wavelength bands, including a first wavelength band 34 between 440 and 520 nm, a second wavelength band 36 between 520 and 600 nm, and a third wavelength band 38 between 600 and 680 nm wherein the integrated spectral power within the first wavelength band is higher than the integrated spectral power within the second wavelength band and the integrated spectral power within the second wavelength band is higher than the integrated spectral power within the third wavelength band. For the spectral power distribution 114 shown in Fig.10, the integrated radiant power is 6505, 8662, and 10344 for the first, second and third wavelength bands, respectively. Combining five species of emitters having 90 run bandwidths, with spectral power distributions having center frequencies of 410, 465, 525, 585, and 655 nm, forms the spectral power distribution 112. Combining six 90 nm bandwidth emitter spectral power distributions having center frequencies of 430, 490, 550, 610, 670, and 730 nm forms the spectral power distribution 114.」 (参考訳: さらに広い分光分布を有する複数の種類の発光体を使用することがさらに可能である。たとえば,有機発光ダイオードは,おおよそ90nmの帯域幅を有することが多いことが知られている。また,本発明の態様の中で,たとえば,図10に示すような分光分布を有する発光素子を作り出すために,そのような材料を使用することができる。図10に示すように,第1の発光素子112に関する分光分布の振幅が,450と680との間の波長の関数として減少する。第2の発光素子114に関する分光分布の振幅が,この第2の発光素子6について440nmと680nmとの間の波長の関数とし減少する。本発明において,特に重要であることは,第1の発光素子4が,440nmと520nmとの間の第1の波長帯域34,520nmと600nmとの間の第2の波長帯域36及び600nmと680nmとの間の第3の波長帯域38を含む3つのそれぞれの波長帯域中の光を放射し,ここで,第1の波長帯域中の積分スペクトルパワーは,第2の波長帯域中の積分スペクトルパワーに比べて高く,第2の波長帯域中の積分スペクトルパワーは,第3の波長帯域中の積分スペクトルパワーに比べて高いことである。図10に示す分光分布114の場合,積分放射強度は,第1,第2及び第3の波長帯域について,それぞれ6505,8662及び10344である。410,465,525,585及び655nmの中心周波数を有する分光分布を伴い90nmの帯域幅を有する5種類の発光体を組み合わせることによって,分光分布112が形成される。430,490,550,610,670及び730nmの中心周波数を有する90nmの帯域幅の6つの発光体の分光分布を組み合わせることによって,分光分布114が形成される。) (当合議体注:図10は以下の図である。) キ 33頁6~10行 「   Many dopants are known that produce light with a dominant peak at one wavelength within the visible spectrum. Often the devices of the present invention require an OLED structure that is capable of creating light that has dominant peaks at two or more separate wavelengths in order to create the broadband emission that is necessary to practice the current invention.」 (参考訳: 可視スペクトル内の1つの波長に主ピークを有する光を生成する多くのドーパントが知られている。本発明を実施するために必要な広帯域放射を作り出すために,本発明のデバイスは,2つもしくは3つ以上の個別の波長に主ピークを有する光を作り出すことができるOLED構造を要することが多い。) ク 35頁26~32行 「   OLED devices of this invention can employ various well-known optical effects in order to enhance its properties if desired. This includes optimizing layer thicknesses to yield maximum light transmission, providing dielectric mirror structures, replacing reflective electrodes with light-absorbing electrodes, providing anti glare or anti-reflection coatings over the device, providing a polarizing medium over the device, or providing colored, neutral density, or color conversion filters over the device.」 (参考訳: 本発明のOLEDデバイスは,必要に応じて,その特性を高めるために,様々な周知の光学的効果を採用することができる。これには,最大の光伝達を生じさせるための層厚みを最適化すること,誘電体ミラー構造を備えること,反射電極を光吸収電極と取り替えること,デバイスを覆う防眩もしくは反射防止被覆物を備えること,デバイスを覆う偏光媒体を備えること,又は,デバイスを覆う,色フィルタ,減光フィルタもしくは色変換フィルタを備えることがある。) ケ 40頁27行~41頁1行 「   Although this lamp may be manually controlled to produce light having different output spectral power distributions, there are systems in which it is desirable to automatically control the output spectral power distribution and potentially the overall luminous output to obtain a desired effect. In one such system, a user may wish that the spectral power distribution provided by the lamp match the spectral power distribution of natural light from an outdoor environment.」 (参考訳: 異なる出力分光分布を有する光を生成するためにこの照明装置をマニュアルで制御することができるが,所望の効果を得るために,出力分光分布及び潜在的には光出力全体を自動的に制御することが望ましいシステムが存在する。そのようなシステムでは,ユーザーは,照明装置によって供給される分光分布が,屋外の環境からの自然光の分光分布と一致することを望む。) コ 44頁11~15行 「   The examples provided in this disclosure have generally discussed two light-emitting elements for emitting light having a color temperature of 4000K and 9500K. However, one skilled in the art will recognize that this is not required and the color temperature of either emitter may be significantly smaller or larger than either of these values.」 (参考訳: この開示で示された例では,4000K及び9500Kの色温度を有する光を放射するための2つの発光素子を概して検討してきた。しかし,当業者は,これは必須でなく,どちらの発光体の色温度もこれらの値のどちらかに比べて著しく小さいかもしくは大きくてもよいことを認識するであろう。) (2) 引用発明 引用例1の9頁1~25行(前記(1)エ)には,図1に示されるような白色光エレクトロルミネセント照明装置2が記載されている。また,引用例1の23頁2~4行には,発光体として有機発光ダイオードを使用できることが記載されている。 そうしてみると,引用例1からは,図1に示されるような白色光エレクトロルミネセント照明装置2の発光体として有機発光ダイオードを使用してなる,以下の発明が記載されている(以下「引用発明」という。)。 「 白色光エレクトロルミネセント照明装置2であって, 白色光エレクトロルミネセント照明装置2は2つの発光素子4,6を含み, 第1の発光素子4は,440nmと520nmとの間の第1の波長帯域,520nmと600nmとの間の第2の波長帯域及び600nmと680nmとの間の第3の波長帯域を含む3つのそれぞれの波長帯域中の光を放射し, ここで,第1の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第2の波長帯域に比べて高く,第2の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第3の波長帯域に比べて高く, 第2の発光素子6は,440nmと520nmとの間の第1の波長帯域,520nmと600nmとの間の第2の波長帯域及び600nmと680nmとの間の第3の波長帯域を含む3つのそれぞれの波長帯域中の光を放射し, ここで,第3の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第2の波長帯域に比べて高く,第2の波長帯域中の積分スペクトルパワーは第1の波長帯域に比べて高く, 白色光エレクトロルミネセント照明装置2はコントローラー8を含み, コントローラー8は,第1の発光素子と第2の発光素子とを組み合わせた分光分布が,4000Kと10000Kとの間の相関色温度でCIE標準昼光の分光分布と実質的に等しい分光分布を生じさせるように,第1の発光素子及び第2の発光素子の積分スペクトルパワーを調整し, 2つの発光素子4,6は,有機発光ダイオードである, 白色光エレクトロルミネセント照明装置2。」 (3) 対比 ア 照明システム 引用発明の「白色光エレクトロルミネセント照明装置2はコントローラー8を含み」,「コントローラー8は,第1の発光素子と第2の発光素子とを組み合わせた分光分布が,4000Kと10000Kとの間の相関色温度でCIE標準昼光の分光分布と実質的に等しい分光分布を生じさせるように,第1の発光素子及び第2の発光素子の積分スペクトルパワーを調整する」。 ここで,引用発明の「白色光エレクトロルミネセント照明装置2」は,その構成からみて照明システムということができ,また,その相関色温度は,2000K~20000Kの範囲に含まれる。加えて,引用発明の「白色光エレクトロルミネセント照明装置2」が,通電時に相関色温度を呈する(照明光を発する)ことは,当然のことである。 そうしてみると,引用発明の「白色光エレクトロルミネセント照明装置2」は,本願発明の「照明システム」に相当する。また,引用発明の「白色光エレクトロルミネセント照明装置2」は,本願発明の「通電時に2000K~20000Kの範囲の相関色温度(CCT)を呈する」という構成を具備する。 イ 有機エレクトロルミネセンス素子 引用発明の「白色光エレクトロルミネセント照明装置2は2つの発光素子4,6を含」み,「2つの発光素子4,6は,有機発光ダイオードである」。また,引用発明において,「コントローラー8は…CIE標準昼光の分光分布と実質的に等しい分光分布を生じさせるように,第1の発光素子及び第2の発光素子の積分スペクトルパワーを調整する」。したがって,引用発明の「2つの発光素子4,6」は,通電時に白色に見える全光を色混合によって与えるように組み合わされたものである。 そうしてみると,引用発明の「2つの発光素子4,6」は,本願発明の「複数の有機エレクトロルミネセンス素子」に相当する。また,引用発明の「2つの発光素子4,6」と本願発明の「複数の有機エレクトロルミネセンス素子」は,「複数の有機エレクトロルミネセンス素子であって,通電時に白色に見える」「全光を色混合によって与えるように組み合わされた複数の有機エレクトロルミネセンス素子」の点で共通する。 なお,引用発明の「第1の発光素子4」及び「第2の発光素子6」は,照明光としては,ともに「白色に見える全光」を呈する(色温度が異なるにすぎない。)。したがって,捉え方によっては,引用発明の「第1の発光素子4」及び「第2の発光素子6」は,「全光を色混合によって与え」ているとはいえないかもしれない。 しかしながら,引用発明において白色に見える全光を呈する発光素子を作るためには,必然的に,色が異なる複数の発光体を組み合わせることになる(引用例1の24頁2~7行の記載(前記(1)カの下線を引いた最後の2文)からも確認できる事項である。)。そして,これら複数の発光体を,本願発明の「複数の有機エレクトロルミネセンス素子」を対応付けて検討すると,結局,同様の対比結果となり,以下に述べる一致点及び相違点が導き出されることになる。 (4) 一致点及び相違点 ア 一致点 本願発明と引用発明は,次の構成で一致する。 「 通電時に2000K~20000Kの範囲の相関色温度(CCT)を呈する照明システムであって, 複数の有機エレクトロルミネセンス素子であって,通電時に白色に見える全光を色混合によって与えるように組み合わされた複数の有機エレクトロルミネセンス素子を備える,照明システム。」 イ 相違点 本願発明と引用発明は,以下の点で相違する。 (相違点) 本願発明の「複数の有機エレクトロルミネセンス素子」は,「CQSの15個の色見本(VS1~VS15)それぞれに対して以下に規定するデルタ彩度値を有する」全光を色混合によって与えるように組み合わされたものであるのに対して,引用発明は,これが明らかではない点。 (当合議体注:「以下に規定するデルタ彩度値」は,請求項1に記載のとおりであり,要するに,CCTが2000K~3000Kの範囲にあるシステムでは,「(A)のCQS条件」,CCTが3000K~4500Kの範囲にあるシステムでは「(B)のCQS条件」,CCTが4500K~7500Kの範囲にあるシステムでは,「(C)のCQS条件」,CCTが7500K~20000Kの範囲にあるシステムでは,「(D)のCQS条件」のことである。) (5) 判断 本願発明は,(A),(B),(C)又は(D)のCQS条件のうち,いずれか1つのCQS条件を満たす照明システムである。そこで,判断の便宜上,(C)のCQS条件を満たす照明システムについて検討すると,以下のとおりである。 すなわち,引用発明の「白色光エレクトロルミネセント照明装置2」は,分光分布を「CIE標準昼光の分光分布と実質的に等しい」ものとする構成を具備する。また,その分光分布の技術的意義は,分光分布を黒体放射体ないし自然光と一致させることを意図したものである(前記(1)ア,イ及びケを参照。)。ここで,引用例1の24頁2~7行には,有機発光ダイオードとして,おおよそ90nmの帯域幅を有する,合計11種類の中心波長の発光体を使用することが例示されている(前記(1)カを参照。)。また,引用例1の35頁31~32行には,色フィルタを使用することが示唆されている(前記(1)クを参照。)。なお,引用例1の44頁11~15行には,2つの発光素子の色温度(4000K及び9500K)は必須でないことも明示されている(前記(1)コ参照。)。 そうしてみると,当業者が,上記引用例1の示唆を考慮して,引用発明の「白色光エレクトロルミネセント照明装置2」が十分に黒体放射体に合致するようするべく,引用発明の有機発光ダイオードの中心波長の種類を増やし(周知の有機エレクトロルミネセンス材料の中から適切なものを取捨選択し),また,必要に応じて色フィルタを併用し,さらに,2つの発光素子の色温度を,例えば4500K~7500Kの範囲内の必要な範囲にとどめることは,引用発明を具体化する当業者における通常の創意工夫の範囲内の事項にすぎない。 ところで,本件出願の明細書の【0030】には,「基準光源は,調査中の照明システムと同じ色温度及び同じ色ポイント(色度座標)を有するプランク黒体放射線である。調査中の照明システムによって照明されている各色票に対するデルタ彩度(Δ彩度)値は,調査中の照明システムの全光の彩度値と基準光源の彩度値との演算上の差である。」と記載されている。 そうしてみると,引用発明において,分光分布を黒体放射体と一致させた場合のデルタ彩度値は,0となり,本願発明の(C)のCQS条件のうち,「-5~7のVS1」,「-3~7のVS2」,「-5~7のVS3」,「-3~7のVS4」,「-2~15のVS5」,「0~22のVS6」,「-1~15のVS8」,「-6~7のVS9」,「-5~6のVS10」,「-4~6のVS11」,「-2~8のVS12」,「-1~16のVS13」,「-5~22のVS14」及び「-6~15のVS15」のパラメータ内に入ることとなる。 すなわち,以上のとおり創意工夫してなる引用発明は,本願発明の発明特定事項の全てを具備した照明装置となる。 (6) 請求人の主張について 請求人は,本件意見書において,概略,引用例1には,照明システムの全光を構成する際の基準として,上記の表に示すように相関色温度に応じて所定のCQSの15個の色見本それぞれに対して所定のデルタ彩度(Δ彩度)値を有する全光を与えるように有機エレクトロルミネセンス素子を組み合わせることは記載も示唆もされていない,と主張する(5頁下から4行~末行)。 しかしながら,前記(5)の判断のとおりであるから,本願発明の照明システムは,引用例1の示唆が示唆する延長線上のものにすぎない(なお,本願発明は,CQS色見本を具備する製造方法等の発明ではない。)。 したがって,請求人の主張は採用できない。 (7) 小括 本願発明は,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明できたものである。 第3 まとめ 本件出願は,特許法36条6項1号及び同法同条4項1号に規定する要件を満たしておらず,また,本願発明は,同法29条2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって,他の請求項に係る発明について審理するまでもなく,本件出願は拒絶すべきものである。 よって,結論のとおり審決する。

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2015-004125

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