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商標異議申立

2026-900047

ルルルン、ルルラン

審判番号
2026-900047
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2025-105744
登録番号
6995158
請求日
2026年02月17日
審決日
2026年08月04日
公報発行日
2026年09月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社マイプラネット
  • 【権利者代理人】齋藤 晴男
  • 【権利者代理人】齋藤 貴広
  • 【異議申立人】Dr.ルルルン 株式会社
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人共生国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 滝口 裕子
分類
T1651.271-Y (W25) / T1651.222-Y (W25)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6995158号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6995158号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6995158号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和7年9月12日に登録出願、第25類「履物,スリッパ,サンダル靴,サンダルげた,浴室用サンダル,浴室用スリッパ,ビーチシューズ,スリッパ底,被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,サスペンダー,ストッキング留め,マネーベルト,仮装用衣服,運動靴及び運動用特殊靴,履物の底及び運動用特殊靴の底,運動用特殊衣服,ゲートル・靴用スパッツ・登山用スパッツ」を指定商品として、同年12月1日に登録査定、同月9日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 2 引用商標 (1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下のア及びイであり、いずれも現に有効に存続しているものである。以下、これらをまとめて「引用商標」という。 ア 登録第5473904号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:別掲2のとおり 指定商品:第3類「化粧品」 登録出願日:平成23年8月25日 設定登録日:平成24年2月24日 イ 登録第5662305号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:別掲3のとおり 指定商品:第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 登録出願日:平成25年7月16日 設定登録日:平成26年4月4日 (2)申立人が、申立人の業務に係る商品「フェイスマスク」(以下「申立人商品」という。)に使用して広く知られていると主張する商標は、以下アないしウであり(以下、これらをまとめて「使用商標」という。)、申立人が同人に係る標章と主張するものである。以下、「引用商標」と「使用商標」をまとめて「引用商標等」という。 ア 別掲4のとおりの構成からなるもの(以下「使用商標1」という。) イ 別掲5のとおりの構成からなるもの(以下「使用商標2」という。) ウ 「ルルルン」の片仮名からなるもの(以下「使用商標3」という。) 3 登録異議申立の理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであり、仮に同号に該当しない場合には、同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨、要旨以下のように述べ、証拠として甲第1号証ないし甲第40号証を提出した。 (1)申立人について 申立人は、化粧品製造販売業者であり、2011年7月よりフェイスマスク「LuLuLun」の販売事業に注力し、当該商品は全国のドラッグストアやコスメショップ等の実店舗及びオンライン通信販売で広く一般に販売している法人である。 なお、その運営主体であった株式会社グライド・エンタープライズは、令和4年12月にDr.ルルルン株式会社に商号変更して現在に至っている(甲7)。 (2)申立人の使用する標章について 申立人は、2011年7月よりフェイスマスク「LuLuLun」の販売を開始するにあたり、濃いピンク色の丸文字のフォントを用いた標章(引用商標1)を採用し、商標登録出願して、商標登録を受けた。 本件商標は、引用商標1の「濃いピンク色の文字」と「丸文字のフォント」という印象・記憶・連想と、「ルルルン」との称呼により、申立人の業務に係る商品と混同を生ずる蓋然性が非常に高くなっている。 その後、申立人は、フェイスマスク「LuLuLun」の爆発的ヒットにより、黒色太字のフォントを用いた標章(引用商標2)を採用し、商標登録出願して、商標登録を受けた。 また、フェイスマスク「LuLuLun」のヒットを受け、いろいろな関連商品・関連シリーズを展開するにあたり、使用商標(甲4~甲6)の使用を開始した。 本件異議申立時点において、申立人は、「化粧品」を指定商品とし、「LuLuLun」の文字を含む登録商標を39件所有し、3件の標章について商標登録出願中であり(甲8)、「化粧品」を指定商品とし、「ルルルン」の文字を含む登録商標を8件所有している(甲9)。 (3)引用商標等の周知性について 申立人は、2011年7月より申立人商品に引用商標1を使用し、2013年頃から引用商標2の使用を開始し、その後、フェイスマスク「LuLuLun」のヒットを受け、いろいろな関連商品・関連シリーズを展開し、使用商標を商品「フェイスマスク」(化粧品)に広く使用している。 以下、時系列でその周知性獲得の経緯を挙げる。 ア 2018年12月「シリーズ累計出荷数8億枚。3年連続フェイスマスクブランドNo1を獲得」とのBEENOS株式会社のプレスリリース(甲10) イ 2019年3月「ルルルン、ついに10億枚突破!!10億枚突破を記念して、豪華賞品の当たる感謝祭を開催中!応募は今月末まで!」との申立人のプレスリリース(甲11) ウ 2023年12月「Dr.ルルルン(東京都渋谷区)が展開するフェイスマスクブランド「ルルルン」が好調だ。2011年7月の発売から、2023年12月までの累計販売枚数は20億枚を突破。」との第三者の記事(甲12) エ 2025年10月「Dr.ルルルン株式会社は、シリーズ累計24億枚突破、フェイスマスクブランド日本No.1のルルルンより、べスコス累計100冠受賞した「ルルルンプレシャス」をリニューアル発売いたします。」との第三者の記事(甲13) 以上のように、引用商標等が使用された申立人商品は、その販売開始から現在までシリーズ累計24億枚を売り上げ、現時点において日本における推定シェア率約25~30%とされ、日本国内のフェイスマスク市場でシェアNo.1を誇るブランドであり(甲14)、全国のドラッグストア、バラエティショップ、オンラインストアなど、約20,000店舗で取り扱われている(甲15)。 また、申立人商品はオンラインショップにおいても需要者の高い評価を受け(甲16)、2024年上半期バズコスメ大賞を受賞し(甲17)、2025年上半期ベストコスメ受賞商品が6商品あり(甲18)、申立人のInstagramのフォロワーは10万人を超え(甲19)、Threadsのフォロワーも1万人を超えており(甲20)、複数のSNSにおいて種々の情報発信を行っている結果として、日本国内のみならず外国においても日本の国民的人気ブランドであり、今や世界の美容市場を席巻しているブランドとして紹介されている事例がある(甲21、甲22)。 以上のとおり、少なくともフェイスマスクを含む化粧品の分野においては、引用商標等の周知性は非常に高いものであり、「ルルルン」との称呼においてその出所が識別されている。 (4)商標法第4条第1項第15号について(混同が生じるおそれ) ア 商標の類似性について 本件商標は、申立人が2011年7月よりフェイスマスク「LuLuLun」の販売を開始するにあたり採用した、引用商標1との間において、「濃いピンク色の文字」と「丸文字のフォント」という印象・記憶・連想と、「ルルルン」との称呼を共通にするものであり、少なくとも「ルルルン」との称呼において、引用商標等と類似するものである。 したがって、本件商標は、引用商標等との関係において、同一又は類似する商品について使用された場合には、商品の出所混同が生じるおそれがある類似商標である。 イ 非類似商品に使用された場合の混同が生じるおそれ 本件商標の指定商品は、第25類の「履物,スリッパ,サンダル靴,サンダルげた,浴室用サンダル,浴室用スリッパ,ビーチシューズ,スリッパ底,被服・・・」であるから、引用商標等が使用されている商品「フェイスマスク(化粧品)」とは非類似の商品である。そこで、以下に、本件の場合の「混同のおそれ」について検討する。 商標法第4条第1項第15号の判断においては、「「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」には、当該商標をその指定商品又は指定役務(以下「指定商品等」という。)に使用したときに、当該商品等が他人の商品又は役務(以下「商品等」という。)に係るものであると誤信されるおそれがある商標のみならず、当該商品等が右他人との間にいわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品等であると誤信されるおそれ(以下「広義の混同を生ずるおそれ」という。)がある商標を含むものと解するのが相当である。」とされる(最高裁平成12年7月11日判決、甲23)。 このようなところ、近年は「美容」という観点から化粧品メーカーや化粧品ブランド、化粧品を取扱うブランド等が自社で、又は第三者とコラボしてルームウエア・ルームシューズを展開する例が、以下のとおり多く見受けられている。 (ア)“美容”を追求したルームウェアブランド「SNIDEL HOME(スナイデル ホーム)」は美容家・神崎恵とのコラボレーションルームウェア(甲24) (イ)気温の変化が大きい夏夜から秋夜を快適に過ごせるように「調温加工」、「吸放湿加工」、「ヒアルロン酸加工」を施したルームウェア(甲25) (ウ)アパレルブランドGapと、化粧品ブランドSummer Fridaysとのアパレルコラボレーション(甲26、甲27) (エ)LUSH初アパレルコラボ「LUSHxLAZY OAF」ポップなストリートウェアブランドと‘ソープ’ライズ*に溢れたアイテム全17種を11月24日(木)より限定発売(甲28) (オ)資生堂のプレステージメンズスキンケアブランド「シセイドウ メン(SHISEIDO MEN)」は10月4日、アパレルブランド「ウィンダンシー(WIND AND SEA)」とのコラボレーションキットを伊勢丹新宿本店メンズ館で発売(甲29) (カ)資生堂ブランド「マジョリカ マジョルカ」とランジェリーブランド アモスタイル バイ トリンプがコラボし、ルームウェア・ルームブーツ(ルーム用フットウェア)等を含む商品を企画・発売した例(甲30) (キ)コーセーのライフスタイル企画「Maison KOSE」が、アートライフブランドとコラボするなど、化粧品ブランドがファッション/生活雑貨系ブランドとコラボした実例(甲31) (ク)韓国コスメブランドと日韓共同プロデュースファッションブランドが2月12日「東京ギフトショー」に初登場(甲32) (ケ)化粧品製造および世界的流通のスペシャリストであるIinnofashionは、日本の大手ファッションブランドANAPとのコラボレーション協議(甲33、甲34) 以上のように、以前から資生堂のブランドがランジェリーブランドとルームウェア・ルームブーツ(ルーム用フットウェア)等を含む商品を企画・発売した例(甲30)や、コーセーが、アートライフブランドとコラボするなど、化粧品ブランドがファッション/生活雑貨系ブランドとコラボした実例がある(甲31)ところ、近年は特に、化粧品ブランドとアパレルブランドのコラボレーション企画が多く話題となっている(甲24~甲28、甲32~甲34)。 本件商標は、引用商標等とは少なくとも「ルルルン」との称呼において同一であって、外観においても類似しており、引用商標等は、化粧品を取り扱う業者や日々のスキンケアに高い関心を持つ需要者には、申立人商品を表示するものとして周知著名であり、かつ、独創的な商標であるといえる。 引用商標等は「ルルルン」との称呼において周知著名であるところ、需要者・取引者が例えばオンライン上で申立人商品を検索する場合には、キーボードで「rururunn」と入力した上で「ルルルン」との片仮名文字に変換する必要があり、我が国の一般的な需要者・取引者は「RU」と「LU」とはいずれも「ル」と称呼し、その相違を区別できないため、本件商標の構成文字「rururun/ルルルン」は、引用商標等と明らかに類似する。 さらに、本件商標の指定商品と化粧品とは、主として女性の身飾・美容・ファッションという点において極めて密接な関連性を有しており、両商品の需要者の相当部分が共通することは明らかである。 このような実情に照らせば、本件商標をその指定商品に使用するときは、その取引者及び需要者において、同商品が申立人と緊密な関係にある営業主の業務に係る商品と広義の混同を生ずるおそれがあるといわざるを得ない。 ウ まとめ 以上のとおり、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間において周知著名な引用商標等に類似する商標であって、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (5)商標法第4条第1項第19号について(不正の目的) 前記のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものであると考えるが、仮にこれに該当しないとしても、本件商標は、証拠(甲2~甲34)から明らかなように、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。 ア 商標の類似性について 前記(4)アに記載のとおり、本件商標は、引用商標等との関係において、同一又は類似する商品について使用された場合には、商品の出所混同が生じるおそれがある類似商標である。 イ 不正の目的について 本件商標の指定商品は、第25類の「履物,スリッパ,サンダル靴,サンダルげた,浴室用サンダル,浴室用スリッパ,ビーチシューズ,スリッパ底,被服・・・」であるから、引用商標等が使用されている商品「フェイスマスク(化粧品)」とは非類似の商品であることから、本件における商標権者の不正の目的の有無について検討する。 商標審査基準において、商標法第4条第1項第19号における「不正の目的」については、考慮事由が挙げられているところ、本号該当性の判断について「本号該当性については、周知度、商標の同一又は類似性の程度、不正の目的のそれぞれの判断要素を総合的に勘案して判断する。」とした上で、「(例)本号に該当する場合」として「日本国内で全国的に知られている商標と同一又は類似の商標について、出所の混同のおそれまではなくても出所表示機能を稀釈化させたり、その名声等を毀損させる目的をもって出願したもの。」が挙げられている(甲35)。 このようなところ、近年は「美容」という観点から化粧品メーカーや化粧品ブランド、化粧品を取扱うブランド等が自社で、又は第三者とコラボしてルームウエア・ルームシューズを展開する例が、多く見受けられているのは、前記(4)イにおいて証拠と共に詳細に記載したとおりである(甲24~甲34)。 以上のように、以前から資生堂のブランドがランジェリーブランドとルームウェア・ルームブーツ(ルーム用フットウェア)等を含む商品を企画・発売した例(甲30)や、コーセーが、アートライフブランドとコラボするなど、化粧品ブランドがファッション/生活雑貨系ブランドとコラボした実例がある(甲31)ところ、近年は特に、化粧品ブランドとアパレルブランドのコラボレーション企画が多く話題となっている(甲24~甲28、甲32~甲34)。 本件商標は、引用商標等とは少なくとも「ルルルン」との称呼において同一であって、外観においても類似しており、引用商標等は、化粧品を取り扱う業者や日々のスキンケアに高い関心を持つ需要者には、申立人商品を表示するものとして周知著名であり、かつ、独創的な商標であるといえる。 そうとすれば、日本国内で全国的に知られている引用商標等と同一又は類似の本件商標について、仮に「出所の混同のおそれ」まではないとしても、本件商標が使用されることによりその出所表示機能が稀釈化され、かつ、その名声等が毀損されるものであり、本件商標の出願人においては、少なくとも引用商標等の周知性にただ乗りしようとする不正の目的が強く推認されるものである。 本件商標権者のウェブページには、代表者の氏名の表記があり(甲36)、同氏が代表者として登記されている同名の株式会社が登記されている(甲37)。 同氏は、2025年12月下旬頃に、テレビショッピング「ショップチャンネル」に「(株)マイプラネット代表取締役」として出演し、本件商標そのものではなく本件商標と類似する「ルルルン♪」との商標を使用して、商品「スリッパ」を宣伝広告・販売した事実がある(甲38、甲39)。 また、上記テレビショッピング「ショップチャンネル」においては、画面の右下部分に「老舗メーカーこだわりの、/ふわもこなスリッパ/「ルルルン」デビュー」とあり、前記引用商標等の周知性に鑑みれば、本件商標権者は、当然に引用商標等の周知性をよく知った上で、あたかも「あのルルルン(申立人のこと)のスリッパがデビューした」といわんばかりの行為であり、あえてそのような行為を行うこと自体、不正な競争又は不正な利益を得る目的があると強く推認させる事情であるといえる。 実際に、この商品販売ウェブページには購入者の感想が「クチコミ」として掲載されており、その中に「暖かい!(・・・|購入日:2025/12/20|公開日:2026/01/05)ちょっとお高いかなと思いましたがルルルンの商品という事もありついポチっとしてしまった」という記載があり(甲40)、引用商標等の周知著名性を勘案すれば、明らかに、本件商標の商標権者は引用商標等の周知性にただ乗りしようとする不正の目的が強く推認されるものである。 ウ まとめ 以上のとおり、本件商標は、申立人の商標として、日本国内において広く一般に知られている引用商標等と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標等の周知性について ア 申立人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)申立人は、2011年から、「LULULUN」の文字をデザイン化した別掲2の構成からなる引用商標1を使用したフェイスマスクの販売を開始し、また、2013年頃から「LuLuLun」の文字をデザイン化した別掲3のとおりの構成からなる引用商標2の使用を開始した(申立人の主張)。また、本件商標の登録査定後の2026年2月10日を印刷日とする申立人ウェブサイトには、使用商標1がパッケージに表示された複数の商品が掲載され、「BRANDS」の見出しの下、別掲5の構成からなる使用商標2を含む「LuLuLun ONE」及び使用商標3を含む「薬用ルルルン」の表示がある(甲4、甲5)。 (イ)BEENOS株式会社のウェブサイト(2018年12月21日)には、「「ルルルン」は、3年連続フェイスマスクブランドNo1を獲得し、シリーズ累計出荷数8億枚を突破」の記載があり、引用商標2がパッケージに表示されている商品写真が掲載され(甲10)、申立人ウェブサイト(2019年3月27日)には、「2011年から販売を開始したルルルンフェイスマスク。・・・2019年3月に累計販売数が10億枚を突破いたしました。」の記載があり、ウェブサイト上部には使用商標1が表示され、引用商標2がパッケージに表示されている商品写真が掲載され(甲11)、ITmediaビジネスONLiNEのウェブサイト(2024年9月15日)には、「Dr.ルルルンが展開するフェイスマスクブランド「ルルルン」が好調だ。2011年の発売から、2023年12月までの累計販売枚数は20億枚を突破。・・・「@cosmeベストコスメアワード2024上半期新作ベストコスメ」では、10商品のうちルルルンの2商品がランクインした。」の記載があり、使用商標1がパッケージに表示されている商品写真が掲載され(甲12)、GISELeのウェブサイト(2025年10月24日)には、「Dr.ルルルン株式会社は、シリーズ累計24億枚突破、フェイスマスクブランド日本No.1のルルルンより、べスコス累計100冠受賞した「ルルルンプレシャス」をリニューアル発売いたします。」の記載があり、使用商標1がパッケージに表示された商品写真が掲載されている(甲13)。 (ウ)株式会社アゼスのウェブサイト(2025年9月9日)には、「美容フェイスマスク市場を詳細分析【国内での成長・拡大、その将来展望】」の見出しの下、「要点(TL;DR)」の項に、「・トップブランドルルルンの金額シェアは推定25~30%」の記載がある(甲14)。 (エ)本件商標の登録査定後ではあるが、申立人ウェブサイト(2026年2月10日印刷)とされるものには、「取扱店舗」として「国内 約15,130店舗」の記載がある(甲15)。 (オ)トレンダーズ株式会社のウェブサイトには、「MimiTV、「2024年上半期バズコスメ大賞」を発表」の見出しの下、「2024年上半期バズコス大賞受賞商品」として「LuLuLun/ルルルン ハイドラ EX マスク」の記載があり(甲17)、申立人のウェブサイトには、「2025年上半期 ベストコスメ受賞商品」の見出しの下、使用商標1がパッケージに表示された6種類の申立人商品の写真が掲載され(甲18)、申立人のInstagramのフォロワー数は印刷日とされる2026年2月10日時点で10万である(甲19)。 イ 上記アによれば、申立人は、引用商標1を使用した申立人商品の販売を2011年に開始し、その後、引用商標2を2013年頃から2019年3月頃まで、使用商標1を2019年3月頃から現在まで継続して販売していることがうかがえるところ、その累計販売数は、2019年3月には10億枚を突破し、フェイスマスクブランドにおいてNo.1であったこと、2023年12月までには累計販売数が20億枚を突破したこと、コスメ関連の複数の賞を受賞したこと、及びフェイスマスクにおいて、そのシェアも高いことからすれば、引用商標2及び使用商標1(以下、これらをまとめて「申立人使用商標」という。)は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国のフェイスマスク及びそれに密接に関連する化粧品を取り扱う分野の取引者、需要者の間において、一定程度知られているものといえる。 しかしながら、提出された証拠によっては、申立人使用商標がフェイスマスク以外の商品に使用されていた事実は認められず、商品の生産者、販売者、流通経路等に照らしても、申立人使用商標に接する取引者、需要者は、主としてフェイスマスク及びそれに密接に関連する化粧品を取り扱う分野に係る取引者、需要者に限られるものといえる。 そうすると、申立人使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、フェイスマスク及びそれに密接に関連する化粧品の分野を超えて、申立人使用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く知られているとはいえない。 なお、申立人の提出した証拠において、引用商標1、使用商標2及び使用商標3は、いずれも、申立人の提出した証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、需要者の間において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたものと認めることはできない。 (2)本件商標と申立人使用商標の類否について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおりの構成からなり、ピンク色の横長長方形の中に、「rururun」の白抜き文字(2文字目と6文字目の「u」の文字の内側には小さい白抜きの丸がある。以下、同じ。)、及びその下部に小さく「ルルルン」の片仮名を配してなるものである。 そして、本件商標からは、その構成文字に相応して「ルルルン」の称呼が生じ、「rururun」の文字は、特定の意味合いを認識させるものではないから、特定の観念は生じない。 イ 申立人使用商標 申立人使用商標は、いずれもデザイン化した「LuLuLun」の文字からなる、別掲3及び別掲4のとおりの構成からなり、その構成文字に相応して「ルルルン」の称呼を生じ、特定の意味合いを認識させるものではないから、特定の観念は生じない。 ウ 本件商標と申立人使用商標の比較 本件商標と申立人使用商標を比較してみれば、外観において、全体を比較した場合には、色彩及び構成態様が明らかに異なり、相紛れるおそれのないものであり、また、本件商標中の「rururun」の文字部分と申立人使用商標とを比較した場合には、1文字目、3文字目及び5文字目において、「r」と「L」の差異及び「U」の文字の白抜きの丸の有無の差異を有するものであるから、その印象が大きく異なるものであって、明確に区別できるものである。 次に、本件商標と申立人使用商標は、称呼において、「ルルルン」の称呼を共通にするものである。 さらに、観念において、比較することができないものである。 そうすると、本件商標と申立人使用商標とは、観念において比較できず、称呼を共通にするとしても、その共通性は外観上の差異を凌駕するほど大きな影響を与えるものとはいえないから、外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 申立人使用商標の周知性について 上記(1)のとおり、申立人使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国のフェイスマスク及びそれに密接に関連する化粧品を取り扱う分野の取引者、需要者の間において、一定程度知られているものといえるものの、申立人使用商標の周知性は、フェイスマスク及びそれに密接に関連する化粧品を取り扱う分野にとどまるというのが相当であり、当該商品分野を超えて、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。 イ 本件商標と申立人使用商標の類似性の程度について 本件商標と申立人使用商標とは、上記(2)のとおり、非類似の商標であって、称呼を共通にするとしても、その類似性の程度は低いものである。 ウ 商品の関連性及び需要者の共通性について 本件商標の指定商品「履物等」及び「被服」等と引用商標等が使用されている商品「フェイスマスク」とは、一般女性が日常的に購入する商品であるから、本件商標とは需要者の一部を共通にするといえるものの、一般的に、生産者、販売者、流通経路等が異なるものであるから、商品の関連性は低いものである。 エ 出所混同のおそれ 上記アのとおり、申立人使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国のフェイスマスク及びそれに密接に関連する化粧品を取り扱う分野の取引者、需要者の間において、一定程度知られているといえるものの、申立人使用商標の周知性は、フェイスマスク及びそれに密接に関連する化粧品を取り扱う分野にとどまるというのが相当であり、本件商標の指定商品の取引者、需要者の間において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたものと認めることはできない。 また、本件商標と申立人使用商標とは、上記イのとおり、類似性の程度が低く、本件商標の指定商品「履物等」及び「被服」等と引用商標等が使用されている商品「フェイスマスク」とは、上記ウのとおり、需要者の一部が重複するとしても、商品の関連性は低いものである。 そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、申立人又は申立人使用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じるおそれはないというべきである。 なお、本件商標と引用商標1及び使用商標2とは、申立人使用商標と同じ理由により非類似の商標であり、また、「ルルルン」の片仮名からなる使用商標3は本件商標の構成中の「ルルルン」と構成文字を同じくするものであって、本件商標と類似性の程度が高いものであるとしても、これら商標は、上記(1)のとおり、申立人商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであるから、本件商標との関係において、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。 その他、本件商標が申立人の業務に係る商品と出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第19号該当性について 上記(1)のとおり、申立人使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国のフェイスマスク及びそれに密接に関連する化粧品を取り扱う分野の取引者、需要者の間において、一定程度知られているものといえるものの、本件商標の指定商品の取引者、需要者の間において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたものと認めることはできず、上記(2)のとおり、本件商標と申立人使用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 また、申立人が提出した証拠からは、本件商標の権利者が申立人使用商標にただ乗りし、さらに、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的その他不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (5)申立人の主張について ア 申立人は、化粧品ブランドが、ファッション/生活雑貨系ブランドとコラボレーションした実例があり、本件商標の指定商品と化粧品とは、主として女性の身飾・美容・ファッションという点において極めて密接な関連性を有し、また、引用商標等は「ルルルン」の称呼において周知著名であって、本件商標と引用商標等は類似し、需要者の相当部分が共通することは明らかであるという実情に照らせば、広義の混同を生じるおそれがある旨主張している。 しかしながら、化粧品を取り扱う者が他社とファッション・生活雑貨等とコラボレーションした事例があるとしても、申立人の提出した証拠によっては、化粧品と上記商品が、通常同一の営業主又は系列会社によって提供されている実情は見いだせないから、これら商品が密接な関連性を有しているまでと認めることはできないものであり、また、本件商標と申立人使用商標が非類似の商標であることは上記(2)のとおりである。 イ 申立人は、本件商標の商標権者が、テレビショッピングで「ルルルン♪」商標を使用して、商品「スリッパ」を広告宣伝・販売した事実があること、及び当該商品の購入者の感想に「ちょっとお高いかなと思いましたがルルルンの商品という事もあり・・・」の記載から、引用商標等の周知性にただ乗りしようとする不正の目的が強く推認される旨主張している。 しかしながら、上記(1)のとおり、「ルルルン」の文字からなる使用商標3を含む引用商標等は、いずれも「スリッパ」等の本件商標の指定商品との関係において、需要者の間に広く認識されているとは認められないものであり、また、購入者の上記感想に記載されている「ルルルン」が、引用商標等を意図するものであるというべき実情も見いだせない。 ウ したがって、上記ア及びイの申立人の主張は、いずれも認めることができない。 (6)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に該当するものではなく、その登録は同条第1項の規定に違反してされたものとはいえないものであり、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 別掲1:本件商標(色彩は原本参照。) [図:0001439387000001.jpg] 別掲2:引用商標1(色彩は原本参照。) [図:0001439387000002.jpg] 別掲3:引用商標2 [図:0001439387000003.jpg] 別掲4:使用商標1 [図:0001439387000004.jpg] 別掲5:使用商標2 [図:0001439387000005.jpg]

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