商標異議申立
2026-900032
リポガード
- 審判番号
- 2026-900032
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2025-105194
- 登録番号
- 7000576
- 請求日
- 2026年01月27日
- 審決日
- 2026年07月31日
- 公報発行日
- 2026年09月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】永堀 達男
- 【異議申立人】小坂 雄斗
- 審判長/審判官
- 審判長 大井手 正雄
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T1651.12 -Y (W09) / T1651.13 -Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項2号商標法3条1項3号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第2号、商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第7000576号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第7000576号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第7000576号商標(以下「本件商標」という。)は、「LIPO GUARD」の文字を標準文字で表してなり、令和7年9月11日に登録出願、第9類「バッテリーボックス」を指定商品として、同年12月1日に登録査定、同月24日に設定登録された。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同項第2号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第3号証(枝番号あり。以下、証拠の記載に当たっては「甲○」と記載する。)を提出した。
1 商標の構成及び意味内容
本件商標は、リチウムポリマー電池(Lithium Polymer Battery)を指す略語として、電池・電子機器分野において一般に使用されている語である「LIPO」及び「保護」「防護」を意味する英語である「GUARD」の文字を組み合わせたものである。
各語はいずれも、辞書及び技術用語資料等において、一般語として確認されている。
2 指定商品との関係
本件商標の指定商品は「バッテリーボックス」であるところ、本件商標「LIPO GUARD」に接した需要者は、当該商品がリチウムポリマー電池を保護するための容器又はケースであることを、直ちに理解するものといえる。
すなわち、本件商標は、指定商品の用途及び機能を直接的に表示する構成からなる。
3 商標法第3条第1項第3号該当性
本件商標は、電池の種類を示す「LIPO」と、保護機能を示す「GUARD」から構成され、指定商品であるバッテリーボックスの用途及び機能をそのまま表した標章である。
したがって、本件商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 商標法第3条第1項第2号該当性
(1)自社による使用実態
申立人は、本件商標の登録出願日前より、Amazon.co.jpにおいて、リチウムポリマー電池の保護を目的とするバッテリーボックス相当の商品を販売しており、その商品タイトル(商品名)において、「リポガード」「LIPO」「LiPo」等の表記を用いてきた。
これらの表示は、特定の事業者の出所を表示する目的ではなく、当該商品の用途及び機能を示す商品名の一部として使用されているものである。
(2)他社による使用実態
さらに、Amazon.co.jpにおいて「LIPO GUARD」の語を検索すると、複数の異なる事業者によるリチウムポリマー電池用の保護バッグ又はケースが一覧表示される状況が確認できる。
これらの商品は、出品者、価格、ブランド表示等がそれぞれ異なっており、「LIPO GUARD」の語が、特定の一事業者の出所を示す標識としてではなく、商品の内容又は用途を示す説明的表示として取引上使用されている実情が認められる。
(3)商品本体表示について
当該商品においては、商品本体に「LIPO GUARD」の文字が表示されている例も見られるが、これは当該商品がリチウムポリマー電池を保護するための製品であることを示す表示として付されたものであり、特定の事業者の出所を表示する態様で使用されているものではない。
5 識別力の欠如
以上の取引実情に照らすと、本件商標は、需要者において自他商品識別標識として認識されるものではなく、業界において慣用的に使用されている標章であるとともに、指定商品の用途及び機能を表示するにすぎない標章である。
第3 当審の判断
1 商標法第3条第1項第2号及び同項第3号該当性について
(1)商標法第3条第1項第2号は、「その商品について慣用されている商標」については商標登録を受けることができない旨定めているところ、その「慣用されている商標」とは、同業者間において一般的に使用されるに至った結果、自己の商品と他人の商品とを識別することができなくなった商標をいうと解される。
また、商標法第3条第1項第3号は、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。・・・)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」については、商標登録を受けることができない旨定めているところ、その商標が、その指定商品又は指定役務に使用されたときに、取引者又は需要者が商品又は役務の用途等を表示するものと一般に認識するものをいうと解される。
そして、本件商標がこれら各号に該当するか否かの判断時は、登録査定時である。
(2)本件商標は、上記第1のとおり、「LIPO GUARD」の文字を標準文字で表してなり、第9類「バッテリーボックス」を指定商品とするものである。
(3)申立人の提出に係る証拠によれば、Amazon.co.jpのウェブサイトにおいて、「【最強防災】バッテリー リポガード 【2個セット】LiPo Bag リポ 保管 セーフティーバッグ 防爆バッグ リポバッテリー 耐火バッグ ケース」の文字が商品名欄に記載された商品が掲載されたこと(甲1)、また、同ウェブサイトにおいて「LIPO GUARD」の文字を検索すると、前記商品を含む8つの商品(「LIPO GUARD」の文字が商品名欄の一部に記載されている。)が表示されたこと(甲2)が認められる。
しかしながら、これらの証拠はいずれも作成日が不明であり、本件商標の登録査定日(令和7年12月1日)より前のものであるとは認められず、登録査定時における「LIPO GUARD」の文字の使用状況を認めることができない。
また、仮に、各証拠が本件商標の登録査定日より前のものであるとしても、「LIPO GUARD」の文字が、本件商標の指定商品である「バッテリーボックス」との関係で、商品名欄の一部に記載があったことはうかがえるものの、これらの証拠によっては、当該文字が、どのような意味合いで使用されているのかを把握することはできず、当該文字が、当該同業者間において、一般的といえるほどに使用されている事実や、取引者又は需要者において、当該商品の用途等を表示するものと一般に認識されている事実は見いだせない。
そして、職権による調査によっても、「LIPO GUARD」の文字が、本件商標の指定商品について慣用されているというべき事情及び「LIPO GUARD」の文字が、本件商標の指定商品について、その用途等を表示するものと一般に認識されているというべき事情は見いだせない。
してみると、「LIPO GUARD」の文字からなる本件商標は、「その商品について慣用されている商標」及び「その商品の用途等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」のいずれにも該当するとはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第2号及び同項第3号のいずれにも該当しない。
2 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第2号及び同項第3号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、本件商標の登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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