商標異議申立
2026-900030
マイクライングベビー、マイクライング、ベビー
- 審判番号
- 2026-900030
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2025-047751
- 登録番号
- 6987046
- 請求日
- 2026年01月26日
- 審決日
- 2026年06月30日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】エフエスコリア インダストリーズ インク
- 【権利者代理人】有吉 修一朗
- 【権利者代理人】森田 靖之
- 【権利者代理人】遠藤 聡子
- 【異議申立人】ポップ マート (シンガポール) ホールディング ピーティーイー リミテッド
- 【異議申立人代理人】城山 康文
- 【異議申立人代理人】岩瀬 吉和
- 【異議申立人代理人】横川 聡子
- 【異議申立人代理人】木下 恵理子
- 審判長/審判官
- 審判長 濱田 佐代子
- 審判官 大島 康浩
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T1651.4 -Y (W0335)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法8条1項商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第8条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6987046号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6987046号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6987046号商標(以下「本件商標」という。)は、「My Crying Baby」の欧文字を横書きしてなり、令和7年5月1日に登録出願、第3類及び第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年11月4日に登録査定、同月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1881139号商標(以下「引用商標」という。)は、「CRYBABY」の欧文字を横書きしてなり、第3類、第4類、第9類ないし第11類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類ないし第28類、第35類及び第41類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2025年2月11日にシンガポールにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2025年(令和7年)8月4日に国際商標登録出願されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、引用商標に係る出願の後願に係るものであり、その指定商品及び指定役務も引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるから、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものであり、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。なお、以下、甲各号証の証拠番号は、甲1のように省略して記載する。
(1)本件商標について
本件商標は、「My Crying Baby」の欧文字を横書きしてなるものであり、「マイクライングベイビー」の称呼が生じる。
そして、「CRYBABY」が「泣き虫」程の意味合いを有する語であることからすれば、本件商標からは「私の泣き虫」程の観念が生じる(甲3)。
(2)引用商標について
引用商標は、「CRYBABY」の欧文字を横書きしてなるものであり、その構成から「クライベイビー」の称呼が生じ、「泣き虫」の観念が生じる。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、その構成において、大文字と小文字の差はあるものの、引用商標を構成する文字をすべて含んでいるから、外観において類似する。
本件商標からは「私の泣き虫」程の観念が生じ、引用商標からは「泣き虫」の観念が生じる。また、本件商標の構成中「My」の文字は、所有格を表す語であり、ブランド名と結合して使用されることも多いことから(甲4~甲6)、本件商標からは「Crying Baby」というブランドが想起される。そうすると、需要者は、いずれの商標からも「泣き虫」を意味するブランドとの意味合いを想起するから、両商標は観念において類似する。
さらに、本件商標の構成中「My」の語は、ブランド名の前に所有格として付加されることがある語であって、識別力が弱く、印象に残りにくいものであるから、需要者等は、本件商標から「クライングベイビー」の称呼を主に聞き取る。そして、「クライングベイビー」と引用商標から生じる「クライベイビー」の称呼とは、「ング」の音の有無において相違があるものの、本件商標の称呼は引用商標の称呼をすべて含み、かつ、最も聞き取りやすい語頭及び語尾の音を共通にするから、称呼において相紛らわしい。
加えて、「CRYBABY」は、引用商標の出願人によりキャラクター名として使用されているから(甲7)、本件商標に接する需要者は、引用商標に係るブランドであると混同するおそれがある。
したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念において相紛らわしい類似の商標である。
(4)指定商品及び指定役務の類否について
本件商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務中、第3類及び第35類に属する商品及び役務と同一又は類似のものである。
(5)まとめ
したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標に係る出願の後願に係るものであって、その指定商品及び指定役務も引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるから、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、「My Crying Baby」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、本件商標は、構成全体として、我が国において親しまれた英語である「My」、「Crying」及び「Baby」の各語からなるものと容易に理解されるものであって、「My」の文字は「私の」の意味を有する英語、「Crying」の文字は「cry」の現在分詞又は動名詞で「泣いている」の意味を有する英語、また、「Baby」の文字は「赤ちゃん」の意味を有する英語であることから(出典:「新英和中辞典 第七版」株式会社研究社)、これらを一連に看取、把握するときは、「私の泣いている赤ちゃん」程の意味合いを認識させるものというのが相当である。
また、本件商標の構成中、「My」の文字が所有格を表す語であるとしても、同文字が直ちに自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を有しない部分であるとはいえず、他に、本件商標の構成中、「Crying Baby」の文字部分のみが取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべき事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分のものとして認識、把握されるというべきであって、その構成文字に相応して、「マイクライングベイビー」の称呼を生じ、「私の泣いている赤ちゃん」程の観念を生じるものである。
(2)引用商標
引用商標は、「CRYBABY」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成中、「CRY」の文字は「泣く」の意味を有する英語(前掲書)として、また、「BABY」の文字は「赤ちゃん」の意味を有する英語(前掲書)として、いずれも我が国の取引者、需要者に親しまれている語である。
しかしながら、引用商標は、「CRY」と「BABY」の各文字を結合して一連に表してなるものであり、これに接する取引者、需要者は、これを「泣く」の意味を有する「CRY」の語と「赤ちゃん」の意味を有する「BABY」の語を組み合わせてなるものと理解するとしても、構成全体から直ちに特定の熟語的意味合いを認識するとはいい難い。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「クライベイビー」の称呼を生じるものの、特定の観念を生じないものというのが相当である。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、本件商標は「My Crying Baby」の欧文字からなるのに対し、引用商標は「CRYBABY」の欧文字からなるものである。
両者は、いずれも「Cry」又は「CRY」及び「Baby」又は「BABY」の文字においてつづりを共通にする部分があるとしても、本件商標は、語頭に「My」の文字を有し、かつ、「Crying」と「Baby」の各語を間隔を空けて表してなるものであるのに対し、引用商標は、「CRYBABY」の文字を一連に表してなるものである。そして、それらの差異は、両者の外観全体の視覚的印象に与える影響が小さいものとはいえず、両者は、外観上、判然と区別し得るものであって、相紛れるおそれはない。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「マイクライングベイビー」の称呼と、引用商標から生じる「クライベイビー」の称呼とは、語頭における「マイ」の音の有無に加え、中間部における「ング」の音の有無を異にするものである。
そして、これらの差異は、いずれも称呼全体に及ぼす影響が小さいものとはいえず、両称呼は、構成音数、語調及び語感を異にするから、明瞭に聴別し得るものであり、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、観念においては、本件商標からは「私の泣いている赤ちゃん」程の観念を生じるのに対し、引用商標からは特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれがないものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、互いに非類似の商標というべきである。
その他、両商標が類似するというべき事情は見いだせない。
(4)小括
以上によれば、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものとはいえない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2026-900030