審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標異議申立

2026-900003

ハカタタイヨーイッパイ、タイヨーイッパイ

審判番号
2026-900003
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2025-030056
登録番号
6981195
請求日
2026年01月05日
審決日
2026年06月30日
公報発行日
2026年08月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】土井 一夫
  • 【異議申立人】土井 元気
  • 【異議申立人代理人】高松 宏行
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 浜岸 愛
  • 審判官 濱田 佐代子
分類
T1651.18 -Y (W43) / T1651.22 -Y (W43)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項商標法4条1項7号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項、商標法第4条第1項第7号、商標法第3条、商標法第3条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6981195号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6981195号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6981195号商標(以下「本件商標」という。)は、「博多太陽一杯!!」の文字を標準文字で表してなり、令和7年3月21日に登録出願、第43類「飲食物の提供,ラーメンの提供,とんこつラーメンの提供」を指定役務として、同年10月21日に登録査定、同月28日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するものではなく、また、同法第4条第1項第7号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第5号証を提出した(以下、証拠を表示する場合は、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する)。 なお、申立ての理由中に記載されている「商標法第3条1項3号柱書」及び「商標法第3条第1項第3号」の記載は、「商標法第3条第1項柱書」の誤記と認める。 1 本件商標について 本件商標は、「博多太陽一杯!!」の文字及び記号を普通に用いられる方法で横書きしてなり、第43類「飲食物の提供,ラーメンの提供,とんこつラーメンの提供」を指定役務としたものである。 2 本件商標権者と申立人との関係について 本件商標権者と申立人は父子関係にある(甲1)。 3 本件商標権者について 本件商標権者は1999年頃、福岡県福岡市博多区にて「博多元気一杯!!」という名称のラーメン店を開業し、開業から現在に至るまで経営を続けている(甲2及び甲3)。 4 申立人について 申立人は2024年8月頃、福岡県福岡市博多区にて「博多太陽一杯!!」という名称のラーメン店を開業し、開業から現在に至るまで経営を続けている(甲4)。参考情報として、申立人の住民票も併せて提出する(甲5)。 最近では、2025年の10月頃にユーチューブチャンネル「れいわの虎」に出演しており、当時の自身の状況について詳しく述べている(https://www.youtube.com/watch?v=ZA0r4f3EHA&t=1261s)。 5 商標法第3条第1項柱書について 申立人は、「博多太陽一杯!!」というラーメン店を開業するにあたり、2024年8月頃に、実父である本件商標権者に「博多太陽一杯!!」の名称を使用することを電話で伝えた。その際、本件商標権者から「博多太陽一杯!!」の使用を控えるような指示や要請は一切なかった。 また、上述のとおり、本件商標権者は1999年から続く「博多元気一杯!!」という名称のラーメン店を現在も経営している。 以上のような事実から、本件商標権者は「博多太陽一杯!!」を使用しておらず、また、将来にわたって使用する予定もないことが推認できる。 6 商標法第4条第1項第7号について 上述のとおり、本件商標権者は少なくとも2024年8月頃、申立人との間でなされた会話を通じ、申立人がラーメン店「博多太陽一杯!!」を開業することを認識していた。 また、申立人によれば、「博多太陽一杯!!」中「太陽」は、申立人の子供の名前に由来しているとの事である。 このように、本件商標権者は、申立人がラーメン店「博多太陽一杯!!」を経営していることを知りながら、「博多太陽一杯!!」を令和7年(2025年)3月に商標登録出願し、商標登録するに至っている。すなわち、本件商標は、商標登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないものである。 なお、申立人は、当該事実の証拠として、2024年8月頃にスマートフォンを通じて本件商標権者と自身との間でなされたテキストメッセージを保管しており、必要に応じて当該記録を提出する意思がある。 7 むすび したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備するものではなく、また、同法第4条第1項第7号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の3第2項(決定注:同法第43条の2第1号の誤記と認める。)により、取り消されるべきものである。 第3 当審の判断 1 商標法第3条第1項柱書の要件を具備しているかについて 商標法第3条第1項柱書の「自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標」とは、少なくとも登録査定時において、現に自己の業務に係る商品又は役務に使用をしている商標、あるいは将来自己の業務に係る商品又は役務に使用する意思のある商標と解される(平成24年(行ケ)第10019号、同年5月31日知財高裁判決)。 そうすると、本件商標権者が、本件商標の登録査定時において、本件商標を自己の業務に係る指定役務に現に使用していなくても、将来においてその使用をする意思があれば、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しているといえる。 なお、申立人は、「博多太陽一杯!!」というラーメン店を開業するにあたり、本件商標権者に当該名称の使用について電話で伝えたところ、当該名称の使用を控えるような指示や要請は一切なく、また、本件商標権者は1999年から続く「博多元気一杯!!」という名称のラーメン店を現在も経営していることから、本件商標を使用しておらず、また、将来、使用する予定もないことが推認できる旨主張する。 しかしながら、申立人の当該主張及び同人の提出に係る証拠によっては、本件商標権者が、その登録査定時において、将来にわたって、本件商標をその指定役務について使用する意思がなかったとまではいい難く、他にこれを認めるに足りる事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものとはいえない。 2 商標法第4条第1項第7号該当性について (1)商標法第4条第1項第7号の裁判例 商標法第4条第1項第7号でいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、(ア)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、(イ)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会的公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、(ウ)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(エ)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、(オ)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである(平成17年(行ケ)第10349号、平成18年9月20日知財高裁判決)。 そして、当事者間における権利取得が争点である商標の商標法第4条第1項第7号の適用について、「商標法は、出願人からされた商標登録出願について、当該商標について特定の権利利益を有する者との関係ごとに、類型を分けて、商標登録を受けることができない要件を、法4条各号で個別的具体的に定めているから、このことに照らすならば、当該出願が商標登録を受けるべきでない者からされたか否かについては、特段の事情がない限り、当該各号の該当性の有無によって判断されるべきであるといえる。(中略)また、当該出願人が本来商標登録を受けるべき者であるか否かを判断するに際して、先願主義を採用している日本の商標法の制度趣旨などからすれば、商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ」を私的領域にまで拡大解釈することによって商標登録出願を排除することは、商標登録の適格性に関する予測可能性及び法的安定性を著しく損なうことになるので、特段の事情のある例外的な場合を除くほか、許されないというべきである。そして、特段の事情があるか否かの判断に当たっては、出願人と、本来商標登録を受けるべきと主張する者との関係を検討して、例えば、本来商標登録を受けるべきであると主張する者が、自らすみやかに出願することが可能であったにもかかわらず、出願を怠っていたような場合や、契約等によって他者からの登録出願について適切な措置を採ることができたにもかかわらず、適切な措置を怠っていたような場合は、出願人と本来商標登録を受けるべきと主張する者との間の商標権の帰属等をめぐる問題は、あくまでも、当事者同士の私的な問題として解決すべきであるから、そのような場合にまで「公の秩序や善良な風俗を害する」特段の事情がある例外的な場合と解するのは妥当でない。」(平成19年(行ケ)第10391号、平成20年6月26日知財高裁判決)とされている。 (2)上記判示に照らし、本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性を判断すると、以下のとおりである。 ア 本件商標は、上記第1のとおり、「博多太陽一杯!!」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字等からなるものではない。 イ そして、本件商標は、これをその指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえず、また、他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されているものではなく、さらに、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもない。 ウ 申立人は、本件商標権者は、申立人が「博多太陽一杯!!」という名称のラーメン店を経営していることを知りながら、「博多太陽一杯!!」を商標登録するに至っていることから、本件商標は、商標登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない旨述べている。 しかしながら、申立人の主張のとおり、本件商標権者が、申立人によるラーメン店「博多太陽一杯!!」の開業を知りながら本件商標を出願したとしても、その一事をもって、直ちに、本件商標の出願経緯等に、不正の利益を得る目的その他不正の目的があるなど社会通念に照らして著しく社会的相当性を欠くものがあったということはできない。 なお、申立人は、2024年8月頃になされた本件商標権者との会話の記録を提出する意思があると述べているが、上述のとおり、仮に当該証拠を考慮したとしても、そのことをもって本件商標の出願経緯に社会的相当性を欠くものがあったと認めることはできない。 そして、上記のほかに、本件商標権者が、本件商標を利用して、申立人の事業活動を阻害したり、何らかの金銭的な利益を要求したりするなど、申立人に不利益を与えることを目的とする具体的な行為に及んだことを示す証拠もない。 さらに、申立人は、「博多太陽一杯!!」という名称のラーメン店の開業にあたって、その商標を自ら登録出願する機会は十分にあったというべきであって、自ら登録出願しなかった責めを本件商標権者に求めるべき事情を見いだすこともできない。 そうすると、本件のような場合においては、あくまでも、当事者間の私的な問題として解決すべきであるから、本件商標は、商標法の先願登録主義を上回るような、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないということはできない。 エ その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものではなく、かつ、同法第4条第1項第7号にも該当するものでないから、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものとはいえず、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2026-900003

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存