特許異議申立
2026-700335
全有機炭素計及び全有機炭素測定方法
- 審判番号
- 2026-700335
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-554095
- 登録番号
- 7756650
- 請求日
- 2026年04月20日
- 審決日
- 2026年07月27日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】ホリバ トカデロ ゲーエムベーハー
- 【権利者代理人】西村 竜平
- 【権利者代理人】齊藤 真大
- 【権利者代理人】中村 惇志
- 【権利者代理人】前田 治子
- 【権利者】株式会社 堀場アドバンスドテクノ
- 【権利者代理人】西村 竜平
- 【権利者代理人】齊藤 真大
- 【異議申立人】根本 学
- 審判長/審判官
- 審判長 南 宏輔
- 審判官 三崎 仁
- 審判官 伊藤 幸仙
- 分類
- P1652.121-Y (G01N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7756650号発明「全有機炭素計及び全有機炭素測定方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7756650号の請求項1~8、11に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7756650号の請求項1~11に係る特許についての出願は、2021年(令和3年)9月30日(優先権主張 令和2年9月30日、同年12月1日、令和3年2月9日)を国際出願日として出願され、令和7年10月9日にその特許権の設定登録がされ、同年10月20日に特許掲載公報が発行された。その後、令和8年4月20日に、特許異議申立人根本学(以下「申立人」という。)は、請求項1~8及び11に係る特許に対する特許異議の申立てを行った。
第2 本件発明及び明細書等
1 本件発明について
特許第7756650号の特許異議の申立てがなされた請求項1~8及び11に係る発明(以下順に「本件発明○」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~8及び11に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
液体試料に含まれる全有機炭素を測定する全有機炭素計であって、
前記液体試料をサンプリングするサンプリングユニットと、
前記液体試料に含まれる全有機炭素を燃焼させて二酸化炭素を発生させる燃焼反応ユニットと、
前記燃焼反応ユニットから流出するガスを除湿する除湿部を有する除湿ユニットと、
前記全有機炭素計を制御する制御部を有する制御ユニットと、
前記サンプリングユニット、燃焼反応ユニット、除湿ユニット、及び制御ユニットを収容する筐体とを備え、
前記サンプリングユニット、前記燃焼反応ユニット、前記除湿ユニット、及び前記制御ユニットが前記筐体に対して個別に着脱可能に構成されている、全有機炭素計。
【請求項2】
前記各ユニットの少なくとも1つは、その他のユニットから分離されて所定の載置面に載置された状態において、そのユニットの構成部品を前記載置面から浮かせた状態で支持する支持体を備える、請求項1記載の全有機炭素計。
【請求項3】
前記各ユニットが組み立てられた状態において、前記支持体の前方を向く正面には、前記構成部品のうちの少なくとも測定時に消耗するものが支持されている、請求項2記載の全有機炭素計。
【請求項4】
前記支持体の前方を向く正面の裏側の背面には、前記構成部品のうちの少なくとも配管又は配線が支持されている、請求項2又は3記載の全有機炭素計。
【請求項5】
前記支持体が、一対の側板及びそれら一対の側板を繋げる前板を有する断面概略コの字状をなす、請求項2乃至4のうち何れか一項に記載の全有機炭素計。
【請求項6】
前記除湿ユニットは、前記燃焼反応ユニットよりも下方に配置されている、請求項1乃至5のうち何れか一項に記載の全有機炭素計。
【請求項7】
二酸化炭素を検出する検出器を有する検出ユニットをさらに備え、
前記検出ユニットが、少なくとも前記除湿ユニットよりも上方に設けられている、請求項1乃至6のうち何れか一項に記載の全有機炭素計。
【請求項8】
前記検出ユニット及び前記制御ユニットが、その他のユニットよりも上方に設けられている、請求項7記載の全有機炭素計。」
「【請求項11】
全有機炭素計を用いて液体試料に含まれる全有機炭素を測定する全有機炭素測定方法であって、
前記全有機炭素計が、
前記液体試料をサンプリングするサンプリングユニットと、
前記液体試料に含まれる全有機炭素を燃焼させて二酸化炭素を発生させる燃焼反応ユニットと、
前記燃焼反応ユニットから流出するガスを除湿する除湿部を有する除湿ユニットと、
前記全有機炭素計を制御する制御部を有する制御ユニットと、
前記サンプリングユニット、燃焼反応ユニット、除湿ユニット、及び制御ユニットを収容する筐体とを備え、
前記サンプリングユニット、前記燃焼反応ユニット、前記除湿ユニット、及び前記制御ユニットが前記筐体に対して個別に着脱可能に構成されている、全有機炭素測定方法。」
2 明細書等
本件特許の明細書及び図面(以下「本件明細書等」という。)には、以下事項が記載されている。なお、下線は当審において付与したものである(以下同様)。
(本ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水質等の分析に用いられる全有機炭素計及び全有機炭素測定方法に関するものである。」
(本イ)「【0022】
本実施形態に係る全有機炭素計100は、例えば上水や下水等の液体試料に含まれる有機物の総量を、有機物中に含まれる炭素量で示すものであり、具体的には図1に示すように、装置本体10と、サンプリングユニット20と、燃焼反応ユニット30と、除湿ユニット40と、制御ユニット50とを備えている。
【0023】
[装置本体10]
装置本体10は、図1に示すように、上述した各ユニット20~50を収容する筺体11を備えており、この筺体11に各ユニット20~50が例えばネジ等の締結具により取り付けられている。なお、これらの各ユニット20~50は、互いに分離可能に構成されており、筺体11に対して着脱可能であり、ユーザが各ユニット20~50の配置をある程度の自由度の範囲内でカスタマイズできるようにしてある。図1にはその配置の一例を示してあり、上中下段に区切られた筺体11のうち、上段に制御ユニット50が、中段の前方から視て右側にサンプリングユニット20が、中段の前方から視て左側に燃焼反応ユニット30が、下段に除湿ユニット40が配置されている。ただし、各ユニットの配置はこれに限られるものではない。」
図1として以下の図面が記載されている。
「【図1】
[図:0001438320000001.jpg]
」
「【0025】
[サンプリングユニット20]
サンプリングユニット20は、図2に示すように、液体試料が貯留される試料容器21と、この試料容器21に塩酸等の酸を送り込むためのバルブ22等を有する前処理部と、キャリアガスを供給するキャリアガス供給部23とを備え、液体試料を酸性にして通気処理を行うことにより、液体試料に含まれる無機炭素を遊離し、その液体試料をキャリアガスによって燃焼反応ユニット30に送り込むものである。
【0026】
より具体的に説明すると、このサンプリングユニット20は、図3に示すように、その他のユニット30、40、50から分離されて所定の載置面Z1に載置された状態において、当該サンプリングユニット20の構成部品を載置面Z1から浮かせた状態で支持する支持体24を備えている。」
図2及び図3として、以下の図面が記載されている。
「【図2】
[図:0001438320000002.jpg]
【図3】
[図:0001438320000003.jpg]
」
「【0034】
[燃焼反応ユニット30]
燃焼反応ユニット30は、図2に示すように、上述したサンプリングユニット20によりサンプリングされた液体試料の所定量を計量する試料計量部31と、計量された所定量の液体試料が注入される燃焼反応部32とを備えるものである。
【0040】
具体的にこの燃焼反応部32は、図5に示すように、燃焼炉本体33と、燃焼炉本体33の内部に収容された気化部材34と、気化部材34を保持する保持部材35と、気化部材34を加熱する加熱機構36とを備えている。」
「【0048】
第1要素371は、外側炉体332の上端部にシール部材S1を介して設けられた金属製のものであり、ここでは上述した樹脂製の試料導入管311が固定されるものである。具体的にこの第1要素371には、外側炉体332の内部空間と連通するネジ穴H1が形成されており、このネジ穴H1に螺合するボルト部材Bに上述した試料導入管311が保持されている(図4参照)。」
図4及び5として、以下の図面が記載されている。
「【図4】
[図:0001438320000004.jpg]
【図5】
[図:0001438320000005.jpg]
」
「【0067】
[除湿ユニット40]
除湿ユニット40は、図2に示すように、上述した燃焼反応ユニット30により発生した気体が導かれる除湿器41と、除湿器41を通過した後の気体から上述した前処理に用いた酸が気化した腐食性ガスを除去するアブソーバ42とを備えている。
【0068】
より具体的に説明すると、この除湿ユニット40は、図7に示すように、その他のユニット20、30、50から分離されて所定の載置面Z2に載置された状態において、当該除湿ユニット40の構成部品を載置面Z2から浮かせた状態で支持する支持体43を備えている。」
図7として以下の図面が記載されている。
「【図7】
[図:0001438320000006.jpg]
」
「【0084】
[制御ユニット50]
制御ユニット50は、物理的には、制御部たるCPU、メモリ、ADコンバータ、入出力手段等を備えた専用乃至汎用のコンピュータであり、機能的には、前記メモリの所定領域に格納された分析プログラムに従って動作することにより、上述した検出ユニットXにより検出された光強度信号に基づいて、液体試料に含まれる全有機炭素の量や濃度を演算する機能を少なくとも発揮するものである。」
(本ウ)「【0091】
加えて、サンプリングユニット20と、燃焼反応ユニット30と、除湿ユニット40と、制御ユニット50とを分離可能に構成しているので、各ユニットの配置の自由度を向上させることができる。
【0092】
また、サンプリングユニット20及び除湿ユニット40が、その他のユニット30、50から分離されて所定の載置面Z1、Z2に載置された状態において、それらのサンプリングユニット20及び除湿ユニット40の構成部品を載置面Z1、Z2から浮かせた状態で支持する支持体24、43を備えるので、構成部品の交換や点検などがしやすく、メンテナンス性が良い。
【0093】
さらに、支持体24、43の正面24a、43aには、構成部品のうちの少なくとも測定時の消耗により交換等が必要となる構成部品を支持させているので、その構成部品が設けられているユニットを、その他のユニットから分離させずとも、その構成部品の交換等が可能となり、メンテナンス性のさらなる向上を図れる。」
第3 申立理由の概要
特許異議申立書(以下「申立書」という。)に記載されている理由は、以下のとおりである。
本件発明1~5及び11は、甲第1号証に記載された発明に基いて、
本件発明6及び7は、甲第1号証に記載された発明、及び甲2に記載された事項に基いて、
本件発明8は、甲第1号証に記載された発明、並びに甲2及び甲3に記載された事項に基いて、
本件特許出願の最先の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~8及び11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
ここで、甲第1~3号証(以下順に「甲○」という。)は、以下のものであり、いずれも本件特許出願の最先の優先日前に、日本国内又は外国において頒布された刊行物、又は、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものである。
甲1:Endress+Hauser、「取扱説明書TOCII CA72TOC触媒燃焼を利用した水媒体のTOC計測用オンラインアナライザ」、BA00448C/33/JA/16.20 71491766、2020年4月30日、pp.1-101
甲2:登録実用新案第3206240号公報
甲3:特開2013-15388号公報
第4 甲号証の記載
1 甲1について
(1)記載事項
甲1には、以下の事項が記載されている。
(甲1ア)「触媒燃焼を利用した水媒体のTOC計測用オンラインアナライザ」(1頁(表紙))
(甲1イ)「
[図:0001438320000007.jpg]
」(9頁)
(甲1ウ)「
[図:0001438320000008.jpg]
」(10頁)
(甲1エ)「4.4 化学製品
本機器を運転するには化学溶液が必要です。
ストリッパー溶液
25%の硝酸(HN03(CAS:7697-37-2)) です。硝酸はストリップチャンバで疎液性の塩を形成しません。燃焼ガス内に生成された酸化窒素は、IR出器の上流側にある酸フィルタによってろ過されます。これは適切な希釈処理後のサンプルの酸性化に使用されます。結果として、炭酸イオンCO32-はCO2に変換され、溶存CO2は溶液から除去されます(TICストリッピング)」(11頁下側)
(甲1オ)「
[図:0001438320000009.jpg]
」(60頁)
(甲1カ)「
[図:0001438320000010.jpg]
」(78頁中間)
「
[図:0001438320000011.jpg]
」(79頁中間)
(2)記載事項の整理
ア (甲1ウ)で摘記したプロセス図(図2)ついて、甲1には何ら説明はないことから、図2が(甲1ア)の「触媒燃焼を利用した水媒体のTOC計測」における「プロセス」であるとの前提のもと、水媒体のTOC計測を行う際の主な経路に着目してプロセス図を読み取ると、以下のとおりである。なお、209、214、213、113、112について、何を表しているのか説明がないが、一応「経路」を示しているといえることから「経路」ということにする。
「水媒体(W)が経路209を通り、酸(S)が経路214及び213を通り、ストリッピングガス(Q2)が経路113及び112を通り、各々、ストリップチャンバ(B)に入り、その後、分離チャンバ(C)に入り、そして、搬送ガス(Q1)とともに、燃焼炉(L)で燃焼された後、冷却器(U)で冷却され、CO2が検知(V)される。」(以下「認定プロセス」という。)
イ (甲1イ)で摘記した製品構成図(図1)の製品構成についても、甲1には何ら説明はないことから、図1が(甲1ア)の「触媒燃焼を利用した水媒体のTOC計測オンライアナライザ」としての「製品構成」であるとの前提のもと、製品構成図を看取すると、以下のことがいえる。
(ア)アナライザは、筐体から構成され、筐体の上部には、メインスイッチ(1)、表示部および操作部(2)、USBポート(3)があり、筐体の中下部の中には部品を取り付ける白いボードがはめ込まれており、その白いボードに各6~28で番号付けられた部品が取り付けられていることが看て取れる。
(イ)上記アの認定プロセスに関連する部品としては「分離チャンバ(8)」、「触媒付き炉管(13)」が看て取れる。
なお、上記アの認定プロセスに記載した「分離チャンバ(8)」及び「触媒付き炉管(13)」以外の、他の「経路209」、「酸(S)」、「経路214及び213」、「ストリッピングガス(Q2)」、「経路113及び112」、「ストリップチャンバ(B)」、「搬送ガス(Q1)」、「冷却器(U)」、「検知(V)」については、図1においてどの番号付けられた部品に相当するのか明確に対応づけることはできない。
ウ 図1における「触媒付き炉管(13)」については、(甲1カ)の図36及び図37から「燃焼炉」といえることから、以下「触媒付き炉管(13)」と「燃焼炉(L)」をともに「燃焼炉(L13)」と称する。また、図2における「分離チャンバ(C)」と図1における「分離チャンバ(8)」は同じものといえることから、以下ともに「分離チャンバ(C8)」と称する。
エ (甲1オ)で摘記した「11.1メンテナンス計画」の表における「メンテナンス作業」には「標準液を交換する」、「ガラス玉を交換する」、「pHセンサを調整する」、「ポンプホースを交換する」、「ベンチレータのフィルタマットを確認し、必要に応じて交換する」、「酸フィルタを交換する」、「触媒を交換する」、「燃焼パイプを洗浄する」、「隔膜フィルタ(ガスフィルタ)を交換する」との記載があることを踏まえると、白いボードに取り付けられている各6~28で番号付けられた部品は、各々部品ごとに交換可能、すなわち各々部品ごとに着脱可能に構成されているといえる。
(3)甲1発明
上記(2)を踏まえて、甲1に記載されている発明(以下「甲1発明」という。)を認定すると、以下のとおりである。
「触媒燃焼を利用した水媒体のTOC計測用オンラインアナライザであって、
水媒体(W)が経路209を通り、酸(S)が経路214及び213を通り、ストリッピングガス(Q2)が経路113及び112を通り、各々、ストリップチャンバ(B)に入り、その後、分離チャンバ(C8)に入り、そして、搬送ガス(Q1)とともに、燃焼炉(L13)で燃焼された後、冷却器(U)で冷却され、CO2が検知(V)されるものであり、
該TOC計測用オンラインアナライザは、筐体から構成され、筐体の上部には、メインスイッチ(1)、表示部および操作部(2)、USBポート(3)があり、筐体の中下部の中には部品を取り付ける白いボードがはめ込まれており、その白いボードに、分離チャンバ(C8)及び燃焼炉(L13)を含む、各6~28で番号付けられた部品が取り付けられており、
白いボードに取り付けられている各6~28で番号付けられた部品は、各々部品ごとに着脱可能に構成されている、TOC計測用オンラインアナライザ。」
2 甲2について
甲2には、以下の事項が記載されている。
「【0014】
図1において、TOC計20は、測定部21と、測定部21の酸化反応部22(燃焼管23)にキャリアガスを送るキャリアガス供給部24と、それらを切り換えるマルチポートバルブ25から構成されている。
マルチポートバルブ25の共通ポートには、試料水を計量して採取するためのサンプリングシリンジ26が接続され、他のポートには、図示していないが、試料導入部、試料水から無機体炭素(IC)成分を除去する際に使用される塩酸、希釈水、無機体炭素反応部(IC反応部)27、燃焼管23および排出用ドレンの各ポートがそれぞれ接続されており、オートサンプラ28から採取した試料を測定部21の燃焼管23に注入できるようになっている。」
「【0020】
つぎに本考案の主要部である除湿用電子クーラ(除湿器)10について、図2を用いて説明する。
図2において、TOC計20(図1参照)に備えた除湿用電子クーラ10は、試料水を燃焼酸化して生成した試料ガスを検出部34(図1参照)のセルに導入する前段で冷却し除湿する。通常、除湿用電子クーラ10は、熱交換ブロック2と、熱交換ブロック2に設けた試料ガス入口側冷却管路7、試料ガス出口側冷却管路8および凝縮された水滴を排出するドレン管路9と、多数の冷却フィン1と、熱交換ブロック2と多数の冷却フィン1の本体との両壁面に密着して設置したサーモモジュール(ペルチェ素子)(図示省略)とからなるが、これは一般的な構成である。このような除湿用電子クーラ10は、TOC計20の筐体5内において壁面の近傍に配置されている。」
上記図1及び図2として、以下の図面が記載されている。
「【図1】
[図:0001438320000012.jpg]
【図2】
[図:0001438320000013.jpg]
」
3 甲3について
甲3には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
筐体と、
前記筐体の内部に配置され、溶液試料を分析する分析ユニットと、
前記筐体の内部に配置され、前記分析ユニットを制御する制御部と、
前記筐体の内部に配置され、分析に用いられる試薬が収容された試薬タンクと、
前記筐体の内部の気体を排気する換気機構と、
前記筐体の内部に気体を吸気する吸気口とを備える分析計であって、
前記分析ユニットの配置領域には、第一吸気口と第一換気機構とが配置されるとともに、前記試薬タンクの配置領域には、第二吸気口と第二換気機構とが配置され、
前記試薬タンクの配置領域から分析ユニットの配置領域に気体が流通しないようにすることを特徴とする分析計。」
「【図4】全有機炭素計の全体概略図。」として、以下の図面が記載されている。
「
[図:0001438320000014.jpg]
」
第5 当審の判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア 全有機炭素計について
甲1発明の「TOC」は、「Total Organic Carbon(全有機炭素)」の略称であり、甲1発明の「水媒体」は液体試料であるから、甲1発明の「水媒体のTOC計測用」「アナライザ」は、本件発明1の「液体試料に含まれる全有機炭素を測定する全有機炭素計」に相当する。
イ 各ユニットについて
「ユニット」は、一般に、例えば「機械における「ユニット」とは、複数の部品が組み合わさり、特定のひとまとまりの機能を発揮する部品群や装置1つのまとまり」(「IT用語辞典e-word」参照)と説明されるものであり、本件明細書等においても、「サンプリングユニット」についての上記(本イ)【0025】、【0026】及び【図3】の記載、「燃焼反応ユニット」についての上記(本イ)【0034】、【0040】、【0048】、【図4】及び【図5】の記載、「除湿ユニット」についての上記(本イ)【0067】、【0068】及び【図7】の記載、「制御ユニット」についての上記(本イ)【0084】の記載を踏まえると、それぞれ「サンプリングユニット」、「燃焼反応ユニット」「除湿ユニット」及び「制御ユニット」における「ユニット」とは、特定の機能を持つ複数の部品のまとまりと解するのが相当である。
(ア)サンプリングユニットについて
甲1発明の「水媒体(W)が経路209を通り」「ストリップチャンバ(B)に入り、その後、分離チャンバ(C8)に入」るところの「分離チャンバ(C8)」は、液体試料である「水媒体(W)」をサンプリングしているといえることから、本件発明1の「液体試料をサンプリングするサンプリングユニット」とは、「液体試料をサンプリングするサンプリング」部という限りにおいて共通する。
(イ)燃焼反応ユニットについて
甲1発明は、「触媒燃焼を利用した水媒体のTOC計測用」「アナライザ」であり、「水媒体(W)が」「搬送ガス(Q1)とともに、燃焼炉(L13)で燃焼された後」「CO2が検知(V)されるもの」であるから、本件発明1の「液体試料に含まれる全有機炭素を燃焼させて二酸化炭素を発生させる燃焼反応ユニット」とは、「液体試料に含まれる全有機炭素を燃焼させて二酸化炭素を発生させる燃焼反応」部という限りにおいて共通する。
(ウ)除湿ユニットについて
甲1発明の「水媒体(W)が」「搬送ガス(Q1)とともに、燃焼炉(L13)で燃焼された後、冷却器(U)で冷却され、CO2が検知(V)されるもの」おける「冷却器(U)」は、燃焼炉(L13)から流出するガスを冷却し、水蒸気を水としてCO2の気体から分離(除湿)するものといえることから、本件発明1の「燃焼反応ユニットから流出するガスを除湿する除湿部を有する除湿ユニット」とは、「燃焼反応ユニットから流出するガスを除湿する除湿部」という限りにおいて共通する。
(エ)制御ユニットについて
甲1発明の「TOC計測用オンラインアナライザ」における「メインスイッチ(1)、表示部および操作部(2)、USBポート(3)」は、(本イ)【0084】に記載されている「検出ユニットXにより検出された光強度信号に基づいて、液体試料に含まれる全有機炭素の量や濃度を演算する機能を少なくとも発揮するもの」とはいえないが、同【0084】に記載の「入出力手段」といえることから、本件発明1の「全有機炭素計を制御する制御部を有する制御ユニット」とは、入出力手段を含む「全有機炭素計の制御部」という限りにおいて共通する。
ウ 筐体について
甲1発明において「TOC計測用オンラインアナライザは、筐体から構成され、筐体の上部には、メインスイッチ(1)、表示部および操作部(2)、USBポート(3)があり、筐体の中下部の中には部品を取り付ける白いボードがはめ込まれており、その白いボードに、分離チャンバ(C8)及び燃焼炉(L13)を含む、各6~28で番号付けられた部品が取り付けられて」いるものであり、当該「筐体」は「チャンバ(C8)」、「燃焼炉(L13)」、「冷却器(U)」並びに「メインスイッチ(1)、表示部および操作部(2)、USBポート(3)」を収容しているといえることから、甲1発明の「筐体」と本件発明1の「前記サンプリングユニット、燃焼反応ユニット、除湿ユニット、及び制御ユニットを収容する筐体」とは、「前記サンプリング部、燃焼反応部、除湿ユニット部、及び制御部を収容する筐体」の点で共通する。
(2)一致点・相違点
上記(1)を踏まえると、本件発明1と甲1発明とは、
「液体試料に含まれる全有機炭素を測定する全有機炭素計であって、
前記液体試料をサンプリングするサンプリング部と、
前記液体試料に含まれる全有機炭素を燃焼させて二酸化炭素を発生させる燃焼反応部と、
前記燃焼反応ユニットから流出するガスを除湿する除湿部と、
前記全有機炭素計の制御部と、
前記サンプリング部、燃焼反応部、除湿部、及び制御部を収容する筐体とを備える、
全有機炭素計」
の点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)
サンプリング部、燃焼反応部、除湿部、及び制御部について、
本件発明1では、サンプリング「ユニット」、燃焼反応「ユニット」、除湿「ユニット」、及び制御「ユニット」であり、そして、「前記サンプリングユニット、前記燃焼反応ユニット、前記除湿ユニット、及び前記制御ユニットが前記筐体に対して個別に着脱可能に構成されている」のに対し、
甲1発明では、各「部」の部品がユニット化されておらず、「各々部品ごとに」着脱可能に構成されている点。
(相違点2)
制御部が、本件発明1では「全有機炭素計を制御する」ものであるのに対し、甲1発明では、「入出力手段」である点。
(3)相違点の判断
事案に鑑み相違点1について判断する。
ア 甲1発明の「TOC計測用オンラインアナライザ」は、「白いボードに取り付けられている各6~28で番号付けられた部品は、各々部品ごとに着脱可能に構成されている」ものであり、(甲1イ)で摘記した図1を参照しても、各6~28で番号付けられた部品(ただし、サンプリング部であることが明らかな「分離チャンバ(8)」及び燃焼反応部であることが明らかな「燃焼炉(13)」については除く)が、各々、サンプリング部、燃焼反応部、除湿部、制御部のうち、どの「部」に関連する部品であるのか明確に把握することはできないことから、まず、各6~28で番号付けられた部品を、それぞれの「部」に関連する部品として区分けすることはできない。
ましてや、図1を参照するに、各6~28で番号付けられた部品は、「白いボードに」比較的散在するように「取り付けられている」といえることから、図1に接した当業者といえども、各6~28で番号付けられた部品を、サンプリング「ユニット」、燃焼反応「ユニット」、除湿「ユニット」、及び制御「ユニット」として区分けしたうえで「ユニット」化するという技術思想を読み取ることはできない。
むしろ、甲1発明は「各々部品ごとに着脱可能に構成されている」ものであり、(甲1オ)で摘記したメンテナンス計画の表を参照すると、各部品ごとにメンテナンス時期があるといえることから、ユニット化することは「各々部品ごとに着脱可能」とすることを逆に妨げるものともいえ、「各々部品ごとに着脱可能」とするために、図1のように「白いボードに」比較的散在するように「取り付けられている」といえる。
そうすると、甲1発明において、各「部」に関連するであろう(上記第4の1(2)イで述べたように、図1からはどの「部」に関連する部品であるのか明確に把握することはできない)部品を「ユニット」化したうえで、「前記サンプリングユニット、前記燃焼反応ユニット、前記除湿ユニット、及び前記制御ユニットが前記筐体に対して個別に着脱可能に構成」することは、当業者が容易になし得たことではない。
イ さらに、上記甲2及び甲3についても、各部品をサンプリング部、燃焼反応部、除湿部、制御部に区分けしたうえで「ユニット」化し、そして、ユニット化した「サンプリングユニット、燃焼反応ユニット、除湿ユニット、及び制御ユニットが筐体に対して個別に着脱可能に構成」するという技術思想は開示されていないことから、甲2及び甲3の記載事項を参照しても、上記相違点1は、当業者が容易になし得たことではない。
ウ 小括
よって、本件発明1の相違点1に係る構成は、甲1発明に基づいて、さらには甲2及び甲3の記載事項を参照しても、当業者が容易に想到し得たことではない。
(4)申立人の主張について
ア 甲1に記載された発明の認定について
(ア)申立人は、申立書において、甲1に記載された発明を以下のように認定している。
「すなわち、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
「A 触媒燃焼を利用した水媒体/液体のTOC計測用オンラインアナライザであって、
B 水媒体/液体をサンプリングする分離チャンバ8、酸ホースコネクタ19、ソレノイドバルブ20、ソレノイドバルブ21、オンラインサンプル/手動サンプル用バルブ22、ポンプ23、ポンプ26、pH電極付きストリップチャンバ28など(「サンプリング部」という)と、
C 水媒体/液体に含まれる全有機炭素を燃焼させて二酸化炭素を発生させる燃焼ユニット(79,80頁)又は触媒付き炉管13(9頁)又は燃焼炉L(10頁)(「燃焼反応ユニット」という)と、
D 燃焼反応ユニットから流出するガスを除湿する酸フィルタ12/N、複合フィルタ(水トラップ)15、冷却器U及び水ブロックO(9,10頁)など(「除湿部分」という)と、
E TOC計測用オンラインアナライザを制御する、表示部および操作部2、メインスイッチ1並びにUSBポート3を有する制御ユニットと、
F サンプリング部、燃焼反応ユニット、除湿部分、及び制御ユニットを収容するハウジングとを備え、
G サンプリング部、燃焼反応ユニット、除湿部分、及び制御ユニットが、ねじ部材によって、ハウジングに対して個別に着脱可能に構成されている、全有機炭素計。」(17頁4~24行)
(イ)申立人の主張に対する当審の判断
甲1に記載された発明は、上記第4の1(3)で記載したように、認定されるべきである。
申立人の認定については、少なくとも、上記構成B、D、E及びGについて、以下の点で的確なものとはいえない。
Bについて
申立人は、「酸ホースコネクタ19、ソレノイドバルブ20、ソレノイドバルブ21、オンラインサンプル/手動サンプル用バルブ22、ポンプ23、ポンプ26、pH電極付きストリップチャンバ28など」を「サンプリング部」としているが、これらの部品が(甲1ウ)で摘記した図2のプロセス図には記載されていないことから、「サンプリング部」に関連する部品であるのか不明であり、さらに、「サンプリング部」である「分離チャンバ8」が白いボードの右上周辺にあるのに対し、「酸ホースコネクタ19、ソレノイドバルブ20、ソレノイドバルブ21、オンラインサンプル/手動サンプル用バルブ22、ポンプ23」は左下周辺にあり、「ポンプ26」は左中周辺、「pH電極付きストリップチャンバ28」は上中周辺にあり、位置関係からしもて「サンプリング部」に関連する部品であるのか明確に把握できない。
Dについて
申立人は、「酸フィルタ12/N、複合フィルタ(水トラップ)15」、「水ブロックO」を「除湿部分」としているが、「酸フィルタ」及び「複合フィルタ」のフィルタが、「除湿」とどのような関連するのか不明であるし、「複合フィルタ(水トラップ)15」と「水ブロックO」との関係も不明であるから、これらの部品を「除湿」に関連するものとして認定するには至らない。
特に「酸フィルタ」については、(甲1エ)に「燃焼ガス内に生成された酸化窒素は、IR出器の上流側にある酸フィルタによってろ過されます。」と記載されていることから、「除湿」に関連するものではない。
Eについて
申立人は、「TOC計測用オンラインアナライザを制御する、表示部および操作部2、メインスイッチ1並びにUSBポート3を有する制御ユニット」と認定しているが、「表示部および操作部2、メインスイッチ1並びにUSBポート3」は「入出力手段」であり、(本イ)の【0084】に記載されている「検出ユニットXにより検出された光強度信号に基づいて、液体試料に含まれる全有機炭素の量や濃度を演算する機能を少なくとも発揮するもの」ではないから、「アナライザを制御する」「制御ユニット」とまではいえない。
Gについて
申立人は、「サンプリング部、燃焼反応ユニット、除湿部分、及び制御ユニットが、ねじ部材によって、ハウジングに対して個別に着脱可能に構成されている」と認定しているが、ハウジングに対して個別に着脱可能に構成されているものは各部品といえても、ユニット、部(申立人は、サンプリング部、除湿部分についても部品のまとまりとして認定している)というまとまりのあるものとして「ハウジングに対して個別に着脱可能に構成されている」とは認定することはできない。
イ 相違点の判断について
(ア)上記アで述べたように、申立人の甲1に記載された発明の認定が的確でない以上、本件発明1と対比をして抽出した相違点について看過したものがあるところではあるが、以下においては、サンプリング部をサンプリング「ユニット」(申立人による相違点1)にすることは容易である、除湿部分を除湿「ユニット」に(申立人による相違点2)することは容易である、との申立人の次の主張について検討することとする。
「そこで、相違点1について検討するに、当業者にとって、全有機炭素計を構成する構成部品の配置の自由度を向上させることは普遍的な課題であると言える。そのために、全有機炭素計の構成部品をその機能に応じてユニットに分けることは、当業者による設計的事項にすぎない。
また、製品構成図から分かるように、実際に、メインスイッチ1、表示部および操作部2並びにUSBポート3が、ひとまとまりの制御ユニットとして構成されている。
80頁には、「燃焼ユニット」と明記され、水媒体/ 液体に含まれる全有機炭素を燃焼させて二酸化炭素を発生させる触媒付き炉管13(9頁)又は燃焼炉L(10頁)が、燃焼反応ユニットとして構成されていることが分かる。
また、製品構成図から分かるように、分離チャンバ8、ソレノイドバルブ20、ソレノイドバルブ21、オンラインサンプル/手動サンプル用バルブ22、ポンプ23、ポンプ26、pH電極付きストリップチャンバ28などのサンプリング部が、比較的まとまりよく隣接して配置されている。
よって、サンプリング部をユニット化してサンプリングユニットとして構成し、相違点1に係る構成とすることは、当業者による設計的事項にすぎない。
次に、相違点2について検討するに、同様に、全有機炭素計の構成部品をその機能に応じてユニットに分けることは、当業者による設計的事項にすぎない。
また、「1 製品構成図」では、酸フィルタ12及び複合フィルタ(水トラップ)15が隣接して配置されている。
よって、燃焼反応ユニットから流出するガスを除湿する酸フィルタ12、複合フィルタ(水トラップ)15、冷却器U及び水ブロックO(9,10頁)などの、除湿の機能を有する除湿部分をユニット化して除湿ユニットとして構成し、相違点2に係る構成とすることは、当業者による設計的事項にすぎない。」(29頁17行~30頁16行)
(イ)申立人の主張に対する当審の判断
a まず、申立人は「全有機炭素計を構成する構成部品の配置の自由度を向上させることは普遍的な課題である」と主張しているが、装置の種類によっては構成部品の配置の自由度を向上させることを普遍的な課題としているものもあるが、全有機炭素計は、液体試料サンプリング、燃焼炉、除湿(冷却)部分、光による検出器、コンピュータ(制御部)等、必要とされる状態、機能の異なる部品が同居するものであり、そして、それらの構成部品間同士には密接な関係があるものであるから、何の証拠を提示することなく、配置の自由度を向上させるという課題が普遍的にあるとまではいえない。
b また、「製品構成図から分かるように、分離チャンバ8、ソレノイドバルブ20、ソレノイドバルブ21、オンラインサンプル/手動サンプル用バルブ22、ポンプ23、ポンプ26、pH電極付きストリップチャンバ28などのサンプリング部が、比較的まとまりよく隣接して配置されている。よって、サンプリング部をユニット化してサンプリングユニットとして構成し、相違点1に係る構成とすることは、当業者による設計的事項にすぎない。」と主張しているが、上記ア(イ)(B)で述べたように、「分離チャンバ8」が白いボードの右上周辺にあるのに対し、「酸ホースコネクタ19、ソレノイドバルブ20、ソレノイドバルブ21、オンラインサンプル/手動サンプル用バルブ22、ポンプ23」は左下周辺にあり、「ポンプ26」は左中周辺、「pH電極付きストリップチャンバ28」は上中周辺にあり、「比較的まとまりよく隣接して配置されている」ことはなく、むしろ散在しているといえる。
c さらに、酸フィルタ12と複合フィルタ(水トラップ)15は比較的近くにあるといえても、冷却器(U)と水ブロック(O)については、図1に記載されていないことから、これらとの位置関係については不明である。
d したがって、申立人の主張のような理由によって、サンプリング部をサンプリング「ユニット」に、除湿部分を除湿「ユニット」にする動機付けはなく、また、そのようにすることは当業者にとって設計的事項であるともいえない。
なお、上記(3)アで述べたように、甲1発明は「各々部品ごとに着脱可能に構成されている」ものであり、(甲1オ)を参照すると、各部品ごとにメンテナンス時期があるといえることから、図1のように「白いボードに」比較的散在するように「取り付けられている」といえるものである。それに対し、各部品をユニット化することは、逆に「各々部品ごとに着脱可能」とすることを妨げるものといえることから、ユニット化することには阻害要因があり、当業者が容易になし得たことではない。
(5)総括
以上のことから、本件発明1は、甲1発明に基づいて、さらには甲2及び甲3の記載事項を参照しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 本件発明2~8
本件発明2~8は、いずれも本件発明1を直接的又は間接的に引用するものであるから、本件発明1と同様に、甲1発明に基づいて、さらには甲2及び甲3の記載事項を参照しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 本件発明11について
本件発明11は、上記第2の1で記載したとおり、「全有機炭素計を用いて液体試料に含まれる全有機炭素を測定する全有機炭素測定方法」の発明であるが、「前記全有機炭素計」についての以下の特定事項は、本件発明1と同じである。
「前記全有機炭素計が、
前記液体試料をサンプリングするサンプリングユニットと、
前記液体試料に含まれる全有機炭素を燃焼させて二酸化炭素を発生させる燃焼反応ユニットと、
前記燃焼反応ユニットから流出するガスを除湿する除湿部を有する除湿ユニットと、
前記全有機炭素計を制御する制御部を有する制御ユニットと、
前記サンプリングユニット、燃焼反応ユニット、除湿ユニット、及び制御ユニットを収容する筐体とを備え、
前記サンプリングユニット、前記燃焼反応ユニット、前記除湿ユニット、及び前記制御ユニットが前記筐体に対して個別に着脱可能に構成されている」
そうすると、本件発明11についても、甲1発明に基づいて、さらには甲2及び甲3の記載事項を参照しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 まとめ
したがって、本件発明1~8及び11は、当業者が容易に発明をすることができたものではないことから、本件発明1~8及び11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1~8及び11に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1~8及び11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2026-700335