審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2026-700217

施工管理システム及び施工管理方法

審判番号
2026-700217
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-201058
登録番号
7739161
請求日
2026年03月12日
審決日
2026年06月11日
公報発行日
2026年07月31日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社小松製作所
  • 【権利者代理人】弁理士法人酒井国際特許事務所
  • 【異議申立人】仲村 靖
審判長/審判官
  • 審判長 松田 直也
  • 審判官 古川 哲也
  • 審判官 田付 徳雄
分類
P1651.121-Y (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7739161号発明「施工管理システム及び施工管理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7739161号の請求項1~14に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7739161号の請求項1~14に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和3年12月10日に出願され、令和7年9月5日にその特許権の設定登録がされ、同年9月16日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許の請求項1~14に係る特許に対し、令和8年3月12日に特許異議申立人 仲村 靖(以下「異議申立人」という。)により、特許異議の申立てがされた。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~14に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明14」という。また、これらの発明をまとめて「本件発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 作業機械が稼働する施工現場の画像を示す画像データを取得する画像データ取得部と、 前記施工現場の地形の3次元形状を示す地形データを記憶する地形データ記憶部と、 前記画像における人を特定する人特定部と、 前記画像における前記人の2次元位置を特定する2次元位置特定部と、 前記2次元位置と前記地形データとに基づいて、前記施工現場における前記人の3次元位置を特定する3次元位置特定部と、を備え、 前記画像データ取得部は、前記施工現場を撮像するカメラから画像データを取得し、 前記カメラの光学中心と前記人との間に透視投影面が規定され、 前記3次元位置特定部は、前記光学中心と前記透視投影面における前記人とを結ぶベクトルと、前記地形との交点に基づいて、前記3次元位置を特定する、 施工管理システム。 【請求項2】 前記ベクトルは、前記透視投影面における前記人の部位を通るように設定される、 請求項1に記載の施工管理システム。 【請求項3】 前記人の部位は、前記人の足元である、 請求項2に記載の施工管理システム。 【請求項4】 前記カメラは、移動体に配置される、 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の施工管理システム。 【請求項5】 前記移動体は、飛行体及び作業機械の少なくとも一方を含む、 請求項4に記載の施工管理システム。 【請求項6】 前記人特定部は、物体の特徴量を入力とし人を出力とする学習モデルに基づいて、前記人を特定する、 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の施工管理システム。 【請求項7】 前記3次元位置を表示装置に表示させる表示制御部を備える、 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の施工管理システム。 【請求項8】 コンピュータが、 作業機械が稼働する施工現場の画像を示す画像データを取得することと、 前記施工現場の地形の3次元形状を示す地形データを記憶することと、 前記画像における人を特定することと、 前記画像における前記人の2次元位置を特定することと、 前記2次元位置と前記地形データとに基づいて、前記施工現場における前記人の3次元位置を特定することと、を実行し、 前記コンピュータは、 前記画像データを、前記施工現場を撮像するカメラから取得し、 前記カメラの光学中心と前記人との間に透視投影面を規定し、 前記光学中心と前記透視投影面における前記人とを結ぶベクトルと、前記地形との交点に基づいて、前記3次元位置を特定する、 施工管理方法。 【請求項9】 前記コンピュータは、前記ベクトルを、前記透視投影面における前記人の部位を通るように設定する、 請求項8に記載の施工管理方法。 【請求項10】 前記人の部位は、前記人の足元である、 請求項9に記載の施工管理方法。 【請求項11】 前記カメラは、移動体に配置される、 請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の施工管理方法。 【請求項12】 前記移動体は、飛行体及び作業機械の少なくとも一方を含む、 請求項11に記載の施工管理方法。 【請求項13】 前記コンピュータは、物体の特徴量を入力とし人を出力とする学習モデルに基づいて、前記人を特定する、 請求項8から請求項12のいずれか一項に記載の施工管理方法。 【請求項14】 前記コンピュータは、前記3次元位置を表示装置に表示させることを実行する、 請求項8から請求項13のいずれか一項に記載の施工管理方法。」 第3 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要 異議申立人は、次の甲第1号証~甲第3号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲3」という。)を証拠として提出し、本件発明1は、甲1記載の発明と甲2、甲3記載の事項とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~14についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。 甲第1号証:国際公開第2019/111859号 甲第2号証:Robert T.Collins, Yanghai Tsin, J.Ryan Miller and Alan J.Lipton, “Using a DEM to Determine Geospatial Object Trajectories” Tech.Report, CMU-RI-TR-98-19, Robotics Institute Carnegie Mellon University, 1998 甲第3号証:特開平8-94320号公報 第4 甲号証について 1 甲1に記載されている事項、甲1発明について (1)甲1に記載されている事項 甲1には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 「[0001] 本発明は、ショベル等の作業機械に搭載される周辺監視装置等に関する。」 「[0002] ショベル等の作業機械の周辺の所定の監視対象(例えば、人)が検知されると、警報を出力したり、作業機械の動作を制限したり等し、作業機械の周辺の安全性を確保する周辺監視装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。」 「[0004] しかしながら、特許文献1等では、作業機械の周辺の監視対象領域内で検知される監視対象の全てが、警報の出力や動作の制限の対象となる可能性がある。そのため、実際上、作業機械と検知された監視対象とが接触等する可能性は極めて低い(例えば、ショベルの作業面と、監視対象が存在する平面との間に大きな段差がある)状況にも関わらず、作業機械における警報の出力や動作制限が実行される可能性がある。つまり、不要な警報の出力やショベルの動作制限が行われることで、作業機械の作業性を低下させる可能性がある。 [0005] そこで、上記課題に鑑み、作業機械の周辺に存在する監視対象の検知に基づく警報の出力や動作の制限等を行う場合に、作業性の低下を抑制することが可能な周辺監視装置等を提供することを目的とする。」 「[0042] 尚、本実施形態では、複数の外部装置600が設けられるが、少なくとも一つ設けられればよい。また、外部装置600には、上述以外の他の態様も含まれうる。例えば、外部装置600は、コンピュータ等の情報処理部やRF送受信機、移動通信モジュール等の通信機器を含み、ショベル500の作業現場の上空を飛行し、搭載されたカメラで、ショベル500の作業現場を撮像可能な監視用のドローン(情報処理装置の一例)であってもよい。これにより、外部装置600としてのドローンは、撮像画像から認識されうるショベル500と監視対象との相対位置関係に基づき、ショベル500の周辺の安全状況を確認し、解除許可通知をショベル500に送信することができる。つまり、当該外部装置600としてのドローンは、撮像画像に基づき、監視エリア内に監視対象(人)がいないと判定した場合に、解除許可通知をショベル500に送信することができる。」 「[0078] 図3に戻り、検知部301は、例えば、既知の各種画像処理手法や人工知能(AI:Artificial Intelligence)等を含む機械学習ベースの識別器等を任意に適用することにより、撮像画像内の監視対象を認識する。そして、検知部301は、認識した監視対象の実在位置(ショベル500から認識した監視対象までの距離D等)を特定することができる。また、検知部301は、監視対象の種類(例えば、人であるか、人以外の障害物であるか)を特定することも可能である。 [0079] 監視対象は、上述の如く、例えば、ショベル500の周辺で作業する作業者や監督者等の人や、仮置きされた建材や工事車両等のショベル500の作業に支障を来す障害物を含む。 [0080] 尚、検知部301は、撮像装置40の撮像画像に代えて、或いは、加えて、ショベル500に搭載される他のセンサの検出結果(距離画像等)に基づき、ショベル500の周辺の監視対象を検知してもよい。検知部301は、例えば、ショベル500に搭載されるミリ波レーダ、LIDAR、ステレオカメラ等の検出結果に基づき、監視対象を検出することができる。」 「[0236] 周辺監視装置100は、コントローラ30と、撮像装置40と、表示装置50と、音声出力装置52と、ゲートロック弁54と、解除スイッチ60と、監視機能ON/OFFスイッチ(以下、便宜的に「監視機能スイッチ」と称する)62と、表示内容切替スイッチ64を含む。」 「[0238] コントローラ30は、その機能が任意のハードウェア、ソフトウェア、或いは、これらの組み合わせにより実現されてよい。コントローラ30は、上述の如く、例えば、CPU、RAM、ROM、補助記憶装置、RTC、各種通信用インターフェース等を含むマイクロコンピュータを中心に構成される。コントローラ30は、例えば、ROMや補助記憶装置に格納される各種プログラムをCPU上で実行することにより実現される機能部として、検知部301と、表示制御部302と、警報出力部303と、動作制限部304を含む。 [0239] 撮像装置40(センサの一例)は、上部旋回体3の上部に取り付けられ、ショベル500の周辺を撮像する。撮像装置40は、カメラ40B,40L,40Rを含む。 [0240] カメラ40B、カメラ40L、及び、カメラ40Rは、上述の如く、それぞれ、上部旋回体3の後端上部、左端上部、及び、右端上部に取り付けられ、上部旋回体3の後方、左側方、及び、右側方を撮像する。例えば、カメラ40B、カメラ40L、及び、カメラ40R(それぞれ、単眼カメラの一例)は、それぞれ、非常に広い画角を有する単眼の広角カメラである。具体的には、カメラ40B、カメラ40L、及び、カメラ40Rは、それぞれ、上部旋回体3の上部において、光軸が斜め下方に向くように取り付けられ、ショベル近傍の地面からショベルの遠方までを含む上下方向の撮像範囲を撮像する。カメラ40B、カメラ40L、及び、カメラ40Rは、それぞれ、ショベル500の運転中、所定周期(例えば、1/30秒)ごとに、撮像画像を出力し、出力された撮像画像は、コントローラ30に取り込まれる。」 「[0247] 検知部301は、撮像装置40により撮像された撮像画像に基づき、ショベル500の周辺の所定領域、具体的には、ショベル500から見た水平方向、つまり、ショベル500が作業している(下部走行体1が接地している)平面に沿う方向(以下、単に「水平方向」と称する)の監視エリア内において、監視対象を検知する。具体的には、検知部301は、ショベル500からの水平方向の距離Dが所定距離D1(例えば、5メートル)以内の監視エリア内で、監視対象を検知する。」 「[0251] 図10及び図11に戻り、また、検知部301は、撮像装置40により撮像された撮像画像に基づき、上述のショベル500から見た水平方向の条件に加えて、ショベル500から見た高さ方向、つまり、ショベル500が作業している(下部走行体1が接地している)平面を基準とする鉛直方向(以下、単に「高さ方向」と称する)の条件を満足する監視対象を検知する。具体的には、検知部301は、水平方向で規定される監視エリア内において、高さ方向で所定範囲HR1(第1範囲の一例)内の位置に存在する監視対象を検知する。つまり、検知部301は、監視エリア内において、ショベル500が作業を行う作業面との高さ方向の差が比較的小さい監視対象を検知する。より具体的には、検知部301は、監視エリア内において、ショベル500の特定の高さに関する基準位置に対して、正方向及び負方向の少なくとも一方の範囲で規定される所定範囲HR1(例えば、-2メートル~+2メートル等)内に存在する監視対象を検知する。これにより、周辺監視装置100は、ショベル500の作業面との間の高さ方向の差が比較的大きい位置に存在する監視対象を監視機能の対象外にすることができる。」 「[0253] 例えば、検知部301は、既知の各種画像処理手法や人工知能(AI:Artificial Intelligence)等を含む機械学習ベースの識別器等を任意に適用することにより、撮像画像内の監視対象を認識する。 [0254] また、検知部301は、既知の各種手法を適用することにより、単眼の撮像装置40による撮像画像に含まれる、認識された監視対象(人)が存在する位置(以下、「実在位置」と称する。例えば、足元位置)を判定(推定)することができる。」 「[0280] また、検知部301は、他の方法で、撮像装置40の撮像画像から認識される監視対象(人)が、高さ方向で所定範囲HR1内にあるか否かを判定してもよい。 [0281] 例えば、図13は、周辺監視装置100が搭載されるショベル500の更に他の例を示す図である。本例では、ショベル500、つまり、周辺監視装置100は、更に、ライダ(LIDAR:Light Detection and Ranging)42を含む。 [0282] LIDAR42(センサの一例)は、ショベル500の周辺の障害物や地形を含む物体を検出する。また、LIDAR42は、検出した物体(検出物体)の位置(具体的には、当該物体のショベル500から見た方向及び距離)に関する情報を出力する。つまり、LIDAR42は、ショベル500の周辺の地形に関する位置情報(地形情報)を出力することができる。 [0283] これにより、検知部301は、LIDAR42から出力される地形情報に基づき、撮像画像から認識した監視対象の水平方向の位置に対応する地形を特定することができる。そのため、検知部301は、特定した地形に対応する高さ方向の位置に基づき、認識した監視対象が、高さ方向で所定範囲HR1内にあるか否かを判定することができる。 [0284] 尚、本例では、地形情報が取得可能であれば、他のセンサが採用されてもよい。例えば、LIDAR42の代わりに、ミリ波レーダ、ステレオカメラ等が採用されてもよい。 [0285] また、例えば、図14は、周辺監視装置100が搭載されるショベル500の更に他の例を示す図である。本例では、ショベル500、つまり、周辺監視装置100は、更に、GPS(Global Positioning System)モジュール80と、通信機器72を含む。 [0286] GPSモジュール80(位置情報取得部の一例)は、ショベル500の上空の3以上、好ましくは、4以上の衛星から送信されるGPS信号を受信し、ショベル500の位置を測位する。GPSモジュール80により測位されたショベル500の位置情報は、コントローラ30に取り込まれる。 [0287] 通信機器72(地形情報取得部の一例)は、所定の外部装置(例えば、作業現場の外部に設けられる管理サーバ900や作業現場の管理事務所に設けられる管理端末700等)との間で、所定の方式での通信を行う。通信機器72は、例えば、所定の通信ネットワークを通じて外部装置と通信を行う移動通信モジュールや、比較的近くに存在する外部装置と通信を行うRF(Radio Frequency)通信機器等である。 [0288] これにより、コントローラ30は、通信機器72を通じて、所定の外部装置(例えば管理サーバ900等)にアクセスし、当該外部装置からショベル500の作業現場の情報化施工に関する地形情報を取得することができる。そのため、検知部301は、GPSモジュール80によるショベル500の位置情報と、作業現場の地形情報とに基づき、作業現場におけるショベル500の位置を特定すると共に、撮像画像から認識した監視対象の水平方向の位置に対応する地形を特定することができる。そのため、検知部301は、図13の例示の場合と同様、特定した地形に対応する高さ方向の位置に基づき、認識した監視対象が、高さ方向で所定範囲HR1内にあるか否かを判定することができる。 [0289] 尚、検知部301は、撮像装置40の撮像画像に代えて、或いは、加えて、ショベル500に搭載される他のセンサの検出結果(距離画像等)に基づき、ショベル500の周辺の監視対象を検知してもよい。検知部301は、例えば、ショベル500に搭載されるミリ波レーダ、LIDAR、ステレオカメラ等の検出結果に基づき、監視対象を検出することができる。この場合、検知部301は、図12A~図12Dに対応する方法によって、監視対象が高さ方向で所定範囲HR1内にあるか否かを判定してよい。 [0290] 表示制御部302は、表示装置50に各種情報画像を表示させる。」 (2)甲1に記載された発明 上記(1)から、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「検知部301と表示制御部302を含むコントローラ30と、撮像装置40を含む周辺監視装置100であって、([0236][0238]) 撮像装置40は、ショベル500の上部旋回体3の上部に取り付けられ、ショベル500の周辺を撮像するカメラ40B、カメラ40L、カメラ40Rを含み、([0239]) カメラ40B、カメラ40L、カメラ40Rは、ショベル近傍の地面からショベルの遠方までを含む上下方向の撮像範囲を撮像し、撮像画像を出力し、出力された撮像画像は、コントローラ30に取り込まれ([0240]) 表示制御部302は、表示装置50に各種情報画像を表示させ、([0290]) 検知部301は、 撮像画像に基づき、ショベル500から見た水平方向の監視エリア内において、ショベル500からの水平方向の距離Dが所定距離D1以内の監視エリア内の監視対象を検知し、([0247]) 撮像装置40による撮像画像に含まれる監視対象である人の存在する位置である足元位置を推定し、([0254]) 周辺監視装置100は、LIDAR42を更に含み、([0281]) LIDAR42は、ショベル500に搭載され、ショベル500の周辺の障害物や地形を含む物体を検出し、検出した物体の位置(当該物体のショベル500から見た方向及び距離)に関する情報を出力し、ショベル500の周辺の地形に関する位置情報(地形情報)を出力することができ、([0281][0282]) 検知部301は、LIDAR42から出力される地形情報に基づき、撮像画像から認識した監視対象の水平方向の位置に対応する地形を特定し、特定した地形に対応する高さ方向の位置に基づき、認識した監視対象が、高さ方向で所定範囲HR1内にあるか否かを判定し、([0283]) コントローラ30は、ショベル500の作業現場の情報化施工に関する地形情報を取得することができる、([0288]) 周辺監視装置100。([0001])」 2 甲2に記載されている事項 (1)甲2に記載されている事項 甲2には、次の事項が記載されている。 「Abstract This paper addresses the estimation of moving object trajectories within a geospatial coordinate system, using a network of video sensors. A high-resolution (0.5m grid spacing) digital elevation map (DEM) has been constructed using a helicopter-based laser range-finder. Object locations are estimated by intersecting viewing rays from a calibrated sensor platform with the DEM. Continuous object trajectories can then be assembled from sequences of single-frame location estimates using spatio-temporal filtering and domain knowledge.」(1頁9行~15行) (当審訳) 「概要 本稿では、ビデオセンサーネットワークを用いて、地理空間座標系における移動物体の軌跡を推定する手法について述べる。高解像度(0.5mグリッド間隔)のデジタル標高モデル(DEM)は、ヘリコプター搭載型レーザー距離計を用いて構築した。物体の位置は、校正済みのセンサープラットフォームからの視線(レイ)とDEMとの交点を求めることで推定される。その後、空間時間フィルタリングとドメイン知識を用いて、単一フレームの位置推定値のシーケンスから連続的な物体軌跡を生成することができる。」 「3 Estimating Target Location The VSAM testbed contains highly effective algorithms for detecting, classifying and tracking moving targets through a 2D video sequence [7]. Target locations in the scene are estimated from the bounding box of stable motion regions in each frame of the sequence. Each location estimate is obtained by shooting a 3D viewing ray through the center of the bottom edge of the target image bounding box out into the scene, and determining where it intersects the terrain. This procedure is illustrated in Figure 5.」(7頁8行~8頁2行) (当審訳) 「3 ターゲット位置の推定 VSAMテストベッドには、2Dビデオシーケンスにおける移動ターゲットの検出、分類、追跡のための非常に効果的なアルゴリズムが搭載されている[7]。シーン内のターゲット位置は、シーケンスの各フレームにおける安定した動きの領域の境界ボックスから推定される。各位置推定は、ターゲット画像の境界ボックスの下端の中心を通る3D視線(レイ)をシーンに向けて発射し、地形との交点を求めることで得られる。この手順を図5に示す。」 「 [図:0001437434000001.jpg] Figure 5: Estimating object locations by intersecting view rays with a terrain model.」 (当審訳) 「図5:視線(レイ)と地形モデルの交差による物体の位置の推定」 「3.2 Ray Intersection with the DEM Given a calibrated sensor, and an image pixel corresponding to the assumed contact point between an object and the terrain, a viewing ray (x0+ku, y0+kv, z0+kw) is constructed, where (x0, y0, z0) is the 3D sensor location, (u, v, w) is a unit vector designating the direction of the viewing ray emanating from the sensor, and k ≧ 0 is an arbitrary distance. General methods for determining where a viewing ray first intersects a 3D scene (for example, ray tracing) can be quite involved. However, when scene structure is stored as a DEM, a simple geometric traversal algorithm suggests itself, based on the well-known Bresenham algorithm for drawing digital line segments. Consider the vertical projection of the viewing ray onto the DEM grid (see Figure 6). Starting at the grid cell (x0, y0) containing the sensor, each cell (x, y) that the ray passes through is examined in turn, progressing outward, until the elevation stored in that DEM cell exceeds the z-component of the 3D viewing ray at that location. The z-component of the view ray at location (x, y) is computed as either [図:0001437434000002.jpg] depending on which direction cosine, u or v, is larger. This approach to viewing ray intersection localizes objects to lie within the boundaries of a single DEM grid cell. A more precise sub-cell location estimate can then be obtained by interpolation. If multiple intersections with the terrain beyond the first are required, this algorithm can be used to generate them in order of increasing distance from the sensor, out to some cut-off distance.」(9頁11行~末行) (当審訳) 「3.2 DEMとの視線(レイ)交差 校正済みのセンサーと、物体と地形との想定される接触点に対応する画像ピクセルが与えられた場合、視線(レイ)(x0+ku, y0+kv, z0+kw)が構築される。ここで、(x0, y0, z0)は3Dセンサーの位置、(u, v, w)はセンサーから発せられる視線(レイ)の方向を示す単位ベクトル、k≧0は任意の距離である。視線(レイ)が3Dシーンと最初に交差する位置を決定する一般的な方法(例えば、レイ・トレーシング)は非常に複雑になる場合がある。しかし、シーン構造がDEMとして格納されている場合、デジタル線分を描画するためのよく知られたBresenhamアルゴリズムに基づいた、単純な幾何学的走査アルゴリズムが有効である。視線(レイ)のDEMグリッドへの垂直投影を考えてみる(図6参照)。センサーを含むグリッドセル(x0, y0)から開始し、視線(レイ)が通過する各セル(x, y)を順に調べ、外側に向かって進み、その DEM セルに格納されている標高が、その位置における3D視線(レイ)のz成分を超えるまで続ける。位置(x, y)における視線(レイ)のz成分は、方向余弦uまたはvのどちらが大きいかに応じて、以下のいずれかとして計算される。 [図:0001437434000003.jpg] この視線(レイ)交点検出法により、物体は単一の DEMグリッドセルの境界内に位置するように特定される。その後、補間によって、より精度の高いサブセル位置推定値が得られる。地形との交点が複数必要な場合、最初の交点以降も、このアルゴリズムを使用して、センサーからの距離が増加する順に、あるカットオフ距離まで交点を生成できる。」 「 [図:0001437434000004.jpg] Figure 6: A Bresenham-like traversal algorithm determines which DEM cell contains the first intersection of a viewing ray and the terrain.」 (当審訳) 「図6:Bresenham型走査アルゴリズムによる、視線(レイ)と地形の最初の交点を含むDEMセルの特定」 (2)甲2記載事項 上記(1)から、甲2には、次の事項(以下、「甲2記載事項」という。)が記載されているといえる。 「ビデオセンサーネットワークを用いて、地理空間座標系における移動物体の軌跡を推定する手法において、物体の位置は、校正済みのセンサープラットフォームからの視線(レイ)とデジタル標高モデル(DEM)との交点を求めることで推定されるものであり、ターゲット画像の境界ボックスの下端の中心を通る3D視線(レイ)をシーンに向けて発射し、地形モデルであるDEMとの交点を求めることで推定されること。」 3 甲3に記載されている事項 (1)甲3に記載されている事項 甲3には、次の事項が記載されている。 「【0014】 【実施例】物体の運動法則を画像による移動物体計測のための処理に知識として組み入れるために、射影変換によって画像上の法則に変換すると複雑な関係になる。そこで、逆に画像上での位置を射影変換の逆操作によって3次元空間内での位置に変換して、3次元空間内で運動方程式を適用する。もちろん射影変換は縮退変換であるので逆は存在せず、逆操作を行うためには何らかの拘束が必要であるが、例えば1993年電子情報通信学会秋季大会、6-333ページ「実空間特徴量による監視方式」で報告されているように、物体は地上面に存在するという拘束を用いることによって、画像上の位置情報を3次元空間内の情報に変換することができる。」 「【0017】次に、本発明による車両監視装置について述べる。車両監視装置とは、道路画像から車両を移動物体として検出・追跡し、その位置、速度を計測する装置のことである。」 「【0020】2D/3D変換手段13では画像上の車両位置yc(t)を道路上の位置に変換する。3次元空間中の道路を横から眺めると図4のようになる。ここで、Hはカメラの焦点の道路面41からの高さ、θは道路面41に対するカメラの俯角、fは焦点距離、Zc(t)はカメラの直下を原点としたときの車両の道路上での位置である。車両の画像上での位置yc(t)と道路上の位置Zc(t)の関係はy0 を画像中心のy座標として次式で表される。」 【0021】 [図:0001437434000005.jpg] 」 「【図4】 [図:0001437434000006.jpg] 」 (2)甲3記載事項 上記(1)から、甲3には、次の事項(以下、「甲3記載事項」という。)が記載されているといえる。 「車両監視装置において、物体は地上面に存在するという拘束を用いることによって、カメラからの画像上の車両の位置情報を3次元空間内の情報に変換すること。」 第5 当審の判断 1 本件発明1について (1) 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 「作業機械が稼働する施工現場の画像を示す画像データを取得する画像データ取得部と、」について 甲1発明の「ショベル500」は、本件発明1の「作業機械」に相当する。 また、甲1発明は、「撮像装置40」に含まれる「カメラ40B、カメラ40L、カメラ40R」が、「ショベル近傍の地面からショベルの遠方までを含む上下方向の撮像範囲を撮像し、撮像画像を出力」するものである。 そして、甲1発明の「ショベル500」は、作業機械の周辺の安全性を確保する等のために、ショベル500に取り付けられた撮像装置40が撮像するものであるから、甲1発明の「ショベル近傍の地面からショベルの遠方までを含む上下方向の撮像範囲」は、本件発明1の「作業機械が稼働する施工現場」に相当し、甲1発明の「ショベル近傍の地面からショベルの遠方までを含む上下方向の撮像範囲」を撮像した「撮像画像」は、本件発明1の「作業機械が稼働する施工現場の画像を示す画像データ」に相当する。 したがって、甲1発明の「撮像装置40」は、本件発明1の「作業機械が稼働する施工現場の画像を示す画像データを取得する画像データ取得部」に相当する。 イ 「前記施工現場の地形の3次元形状を示す地形データを記憶する地形データ記憶部と、」について 甲1発明は、「LIDAR42は、ショベル500に搭載され、ショベル500の周辺の障害物や地形を含む物体を検出し、検出した物体の位置(当該物体のショベル500から見た方向及び距離)に関する情報を出力し、ショベル500の周辺の地形に関する位置情報(地形情報)を出力」し、また、「コントローラ30は、ショベル500の作業現場の情報化施工に関する地形情報を取得することができ」る。 そして、Light Detection And Ranging(LiDAR)は、高精度の3次元情報を取得できるレーザー光を利用して対象物を測量するリモートセンシング技術であるから、上記アを踏まえると、甲1発明の「LIDAR42」が出力する「ショベル500の周辺の地形に関する位置情報(地形情報)」は、ショベル500の作業現場の情報化施工に関するものであるから、本件発明1の「前記施工現場の地形の3次元形状を示す地形データ」に相当する。 さらに、甲1発明において、地形情報は、地形情報を取得するコントローラ30を含む周辺監視装置100で記憶されることは明らかである。 したがって、甲1発明の地形情報を記憶する手段は、本件発明1の「前記施工現場の地形の3次元形状を示す地形データを記憶する地形データ記憶部」に相当する。 ウ 「前記画像における人を特定する人特定部と、」について 甲1発明は、「検知部301」が「撮像画像に基づき、ショベル500から見た水平方向の監視エリア内において、ショベル500からの水平方向の距離Dが所定距離D1以内の監視エリア内の監視対象を検知」するものであって、監視対象に「人」が含まれる。 そうすると、甲1発明の「撮像画像に基づき」「監視対象を検知」することは、「本件発明1の「前記画像における人を特定する」ことに相当する。 したがって、甲1発明の「検知部301」は、本件発明1の「前記画像における人を特定する人特定部」に相当する。 エ 「前記画像における前記人の2次元位置を特定する2次元位置特定部と、」について 甲1発明は上記構成を有しない点で、本件発明1と相違する。 オ 「前記2次元位置と前記地形データとに基づいて、前記施工現場における前記人の3次元位置を特定する3次元位置特定部と、を備え、」について 甲1発明は上記構成を有しない点で、本件発明1と相違する。 カ 「前記画像データ取得部は、前記施工現場を撮像するカメラから画像データを取得し、」について 上記アを踏まえると、甲1発明の「カメラ40B、カメラ40L、カメラ40R」が、撮像した「撮像画像」は、本件発明1の「前記施工現場を撮像するカメラから画像データ」に相当する。 したがって、甲1発明の「撮像装置40」が「撮像画像」を撮像することは、本件発明1の「前記画像データ取得部は、前記施工現場を撮像するカメラから画像データを取得」することに相当する。 キ 「前記カメラの光学中心と前記人との間に透視投影面が規定され、」について 甲1発明は上記構成を有しない点で、本件発明1と相違する。 ク 「前記3次元位置特定部は、前記光学中心と前記透視投影面における前記人とを結ぶベクトルと、前記地形との交点に基づいて、前記3次元位置を特定する、」について 甲1発明は上記構成を有しない点で、本件発明1と相違する。 ケ 「施工管理システム。」について 甲1発明の「周辺監視装置100」は、上記ア~ウ、カを踏まえると、後述する相違点は別にして、本件発明1の「施工管理システム」に相当する。 コ そうすると、本件発明1と甲1発明との間には、次のとおりの一致点及び相違点がある。 [一致点] 作業機械が稼働する施工現場の画像を示す画像データを取得する画像データ取得部と、 前記施工現場の地形の3次元形状を示す地形データを記憶する地形データ記憶部と、 前記画像における人を特定する人特定部と、 を備え、 前記画像データ取得部は、前記施工現場を撮像するカメラから画像データを取得する、 施工管理システム。 [相違点] (相違点1) 本件発明1は、「前記画像における前記人の2次元位置を特定する2次元位置特定部と、前記2次元位置と前記地形データとに基づいて、前記施工現場における前記人の3次元位置を特定する3次元位置特定部と」を備えるのに対して、甲1発明はそのような構成を有しているか定かではない点。 (相違点2) 本件発明1は、「前記カメラの光学中心と前記人との間に透視投影面が規定され」、「前記3次元位置特定部は、前記光学中心と前記透視投影面における前記人とを結ぶベクトルと、前記地形との交点に基づいて、前記3次元位置を特定する」のに対して、甲1発明はそのような構成を有しない点。 (2) 判断 ア 相違点2について 事案に鑑み、相違点2について検討する。 上記第4の2(2)、同3(2)のとおり、甲2、甲3には、それぞれ、甲2記載事項、甲3記載事項が記載されている。そして、これらは、相違点2に係る構成に相当するといえる。 しかしながら、甲1発明は、「撮像画像に基づき、ショベル500から見た水平方向の監視エリア内において、ショベル500からの水平方向の距離Dが所定距離D1以内の監視エリア内の監視対象を検知」するものである。すなわち、甲1発明は、ショベル500からの水平方向の距離Dが所定距離D1以内の監視エリア外の人は、作業現場内にいたとしても、監視対象とならない(そのような人の3次元位置を特定しない。)。 そのため、ショベル500からの水平方向の距離Dが所定距離D1以内の監視エリア内の監視対象を検知することを前提とする甲1発明に、監視エリアの概念のない甲2記載事項、甲3記載事項を適用しようとする動機付けはない。さらに、甲1発明に、甲2記載事項及び甲3記載事項を組み合わせると、ショベル500からの水平方向の距離Dが所定距離D1以内の監視エリア内でない人の位置を特定することになり、甲1の課題である「不要な警報の出力やショベルの動作制限が行われることで、作業機械の作業性を低下させる可能性がある。」(甲1[0004]参照)を解決できなくなるため、甲1発明に甲2記載事項、甲3記載事項を適用することには阻害要因がある。 したがって、当業者であっても、甲1発明、甲2記載事項及び甲3記載事項に基づいて、相違点2に係る構成を容易に想到することができたものではない。 なお、甲2又は甲3から特定し得る発明を主引用発明としたとしても、当該主引用発明と概念の異なる(つまり、「ショベル500からの水平方向の距離Dが所定距離D1以内の監視エリア」の概念。)甲1発明を適用することに動機付けはなく、むしろ阻害要因があるため、当業者であっても、相違点2に係る構成を容易に想到することができたものではない。 そして、当該相違点2の構成を採用することで、本件発明1は「施工現場における人の位置を確認することができる。」(【0007】)との、格別顕著な作用効果を奏するものである。 イ 異議申立人の主張について 異議申立人は、特許異議申立書22頁において、概略、次のように主張する。 「甲1発明において、監視対象である人の3次元位置を特定する手段として、公知のどのような特定手段を採用するかは、当業者の通常の創作能力の発揮にすぎず、甲2開示事項を適用することに阻害する事情も見当たらない。 したがって、甲1発明に甲2開示事項を適用し上記相違点1に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 また、そもそも、監視対象の3次元位置を特定するのに、カメラの光学中心と監視対象との間に透視投影面を規定し、光学中心と透視投影面における監視対象とを結ぶベクトルと地形との交点に基づいて行うことは、甲2のほかに例えば甲3にも開示されるように従来周知の技術である。」 異議申立人の上記主張について、甲1発明に相違点2に係る構成を適用しようとすると、甲1発明が解決しようとする課題を解決することができなくなるため、甲1発明に基づいて、相違点2に係る構成としようとすることは、当業者であっても容易に想到することはできない。また、上記アで述べたことを踏まえると、甲2記載事項及び甲3記載事項が周知技術であることは、判断に影響しない。したがって、上記アで述べたとおり、甲1発明、甲2記載事項及び甲3記載事項に基づいて、当業者であっても、相違点2に係る構成を容易に想到することができたものではない。 したがって、異議申立人の上記主張は採用できない。 (3) 小括 以上のとおりであるから、相違点1を検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲2、甲3記載事項に基づいて、当業者が容易に発明することができたものではない。 2 本件発明2~7について 本件発明2~7は、本件発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、本件発明1と同様に上記相違点2に係る構成を有しているから、上記「1 本件発明1について」で示したものと同様の理由により、甲1発明及び甲2、甲3記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本件発明8~14について 本件発明8は、本件特許発明1の「施工管理システム」に係る発明が実行するステップを「施工管理方法」として表現したものであり、上記「1(1)対比」で言及した相違点2に係る処理を行うステップが備わっているから、上記「1(2)判断」で検討したとおり、甲1に記載された発明及び甲2、甲3記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 本件発明9~14は、本件発明8の構成に限定を加えて減縮したものであり、本件発明8と同様に上記相違点2に係る構成を有しているから、上記「1 本件発明1について」で示したものと同様の理由により、甲1に記載された発明及び甲2、甲3記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~14に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2026-700217

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存