特許異議申立
2026-700199
モータ駆動コンベヤローラコントローラ、こうしたコントローラを含むシステム、およびモータローラを動作させるための方法
- 審判番号
- 2026-700199
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2023-574752
- 登録番号
- 7737100
- 請求日
- 2026年03月06日
- 審決日
- 2026年07月31日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】キョウワ ヨーロッパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
- 【権利者代理人】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
- 【権利者】インダストリアル ソフトウェア
- 【権利者代理人】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
- 【異議申立人】副島 朋子
- 審判長/審判官
- 審判長 神山 茂樹
- 審判官 山田 由希子
- 審判官 高田 元樹
- 分類
- P1651.121-Y (B65G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7737100号発明「モータ駆動コンベヤローラコントローラ、こうしたコントローラを含むシステム、およびモータローラを動作させるための方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7737100号の請求項1~13に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯の概略
1 手続の経緯
特許7737100号の請求項1~13に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、2022年(令和4年)1月25日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2021年(令和3年)2月24日 欧州特許庁(EP))を国際出願日とする出願であって、令和7年9月2日に特許権の設定登録がされ、令和7年9月10日に特許掲載公報が発行された。
その後、本件特許について、令和8年3月6日に特許異議申立人副島朋子(以下「申立人」という。)により、請求項1~13に係る特許に対する特許異議の申立てがされたものである。
第2 本件発明
本件特許の請求項1~13に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明13」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
コンテナを運搬するためのコンベヤ設備のためのモータ駆動コンベヤローラコントローラであって、
- 電源インレットと、
- 有線I/Oポートと、
- 有線モータローラポートとを含み、
- 前記コントローラが、
- 前記モータローラポートにおいてモータローラに対するモータローラ制御信号を出力することと、
- 前記モータローラポートにおいて前記モータローラからモータローラ状態信号を受信することと、
- 前記有線I/Oポートにおいて前記モータローラに対するモータローラ制御信号を受信することとを行うように構成され、
- 前記有線I/Oポートが、中央制御センタと制御情報を交換するように構成され、
- 前記コントローラが、前記中央制御センタを介さずにモバイルデバイスから少なくとも前記モータローラに対する構成信号をワイヤレスで受信するように構成されるワイヤレス構成ポートを具備したこと
を特徴とする、コントローラ。
【請求項2】
- 前記コントローラが、モータローラ状態情報を表すデータを含むデータをログするように構成されたメモリをさらに含み、
- 前記ワイヤレス構成ポートが、前記ログデータをワイヤレスで送信するようにさらに構成されること
を特徴とする、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記ワイヤレス構成ポートが固有通信識別を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記コントローラのケーシングに前記固有通信識別を表すコードが印刷され、特に前記コードがバーコードまたは2Dコードであることを特徴とする、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記ワイヤレス構成ポートが、前記固有通信識別を用いてモバイルデバイスとペアリングされるように構成されることを特徴とする、請求項3または4に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記ワイヤレス構成ポートがポーリングされるように構成されることによって、ポーリングの際に前記ワイヤレス構成ポートが前記固有通信識別をワイヤレスで送信することを特徴とする、請求項3~5の何れか一項に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記ワイヤレス構成ポートが無線通信ポートであるか、または前記ワイヤレス構成ポートが光通信ポートであることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記有線モータローラポートが、1つの単一のモータローラのみと接続するために構成されることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載のコントローラ。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載のコントローラと、モバイルデバイスとを含むシステムであって、前記モバイルデバイスが、前記コントローラとペアリングされるように構成され、さらに、前記ワイヤレス構成ポートに少なくとも前記モータローラに対する構成信号をワイヤレスで送信すること、および/または前記ワイヤレス構成ポートからモータローラ状態情報を表す状態信号を受信することを行うように構成される、システム。
【請求項10】
前記モバイルデバイスが、前記ワイヤレス構成ポートからログデータを受信するようにさらに構成されることを特徴とする、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記モバイルデバイスが、固有通信識別を用いて前記コントローラとペアリングされるように構成されることを特徴とする、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記モバイルデバイスが、ログデータおよび/または前記状態情報をリモート制御センタに送信するように構成されることを特徴とする、請求項9~11の何れか一項に記載のシステム。
【請求項13】
モータローラを動作させるための方法であって、
- 請求項1~8の何れか一項に記載のコントローラが、
- 前記有線モータローラポートを介して前記モータローラに電力を提供し、かつ前記モータローラの前記動作を制御し、
- 前記有線I/Oポートを介して中央制御センタからモータローラ制御情報を受信し、かつ前記有線I/Oポートを介して中央制御センタにモータローラ状態情報を送信し、
- 前記モータローラポートを介して前記モータローラ制御情報に従って前記モータローラを動作させ、
- 前記ワイヤレス構成ポートが、前記中央制御センタを介さずにモバイルデバイスから前記モータローラに対する少なくとも構成信号をワイヤレスで受信すること
を特徴とする、方法。」
第3 特許異議申立理由の概要
申立人が主張する特許異議の申立ての理由は、概略、以下のとおりである。
本件発明1~13は、甲第1号証記載の発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明することができたものであり、本件特許の請求項1~13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
(証拠方法)
甲第1号証:特開2017-171506号公報
甲第2号証:特表2019-519012号公報
甲第3号証:特表2016-507809号公報
甲第4号証:国際公開第2020/227681号
甲第5号証:国際公開第2020/255082号
甲第6号証:国際公開第2020/219300号
甲第7号証:国際公開第2020/252539号
甲第8号証:特開2009-233923号公報
甲第9号証:特開2004-140772号公報
(以下、甲第1号証~甲第9号証をそれぞれ「甲1」~「甲9」という。)
第4 甲1~甲9の記載
1 甲1
(1)甲1には、次の記載がある(下線は、当審合議体が付したもの。)。
「【0001】
本発明は、ネットワーク接続された複数のコンベアコントローラを使用したコンベアシステムの制御に関する。」
「【0024】
図1は、本発明の実施形態に適応される1つ以上のモジュラコンベアコントローラ12a~12cを使用するコンベアシステム10の一部の斜視図である。特にコンベアシステム10の図示された部分は、複数の非電動ローラ20によって点在させられた複数の電動ローラ18を有するコンベアベルト16を含むコンベアアセンブリ14を含む。コンベアアセンブリ14はさらに複数のセンサ22と電源ユニット24とを含む。センサ22は、コンベアアセンブリ14上で運搬される物品23の有無を検出するよう構成されており、一方で、電源ユニット24は、1つ以上のモジュラコンベアコントローラ12、電動ローラ18および/またはセンサ22に電力を供給するよう構成されている。
【0025】
図1に示されるように、モジュラコンベアコントローラ12(以下では「コントローラ」12と称する)のそれぞれは、2つ以下の電動ローラ18と2つ以下のセンサ22とに相互接続しかつ/またはそれらを制御する。そのようなものとして、各コントローラ12は、コンベアアセンブリ14の1つ以上の個別の「帯域」(例えばコンベアアセンブリ14の個々の領域)を制御するよう構成されてもよい。各帯域は、1つ以上の電動ローラ18と1つ以上のセンサ22とを含んでもよい。図1に示されるように、各コントローラ12a~12cは、2つの帯域を制御するよう構成されている。より詳細には、コントローラ12aは帯域A1およびA2を制御するよう構成され、コントローラ12bは帯域B1およびB2を制御するよう構成され、かつコントローラ12cは帯域C1およびC2を制御するよう構成される。いくつかの実施形態において、各センサ22は、コンベアアセンブリ14上に物品23が存在していることを検出するよう構成されたIRセンサなどの光学センサであってもよい。作動中、1つ以上のコントローラ12が、物品23をコンベアシステム10に沿って下流方向26へ移動させるよう構成されている。
【0026】
図2は、本発明の実施形態に適応されるコントローラ12のハードウェアおよびソフトウェア環境のダイアグラム図である。コントローラ12は、メモリ42に接続された少なくとも1つの中央演算装置(「CPU」)40を含む。各CPU40は一般的に、1つ以上の物理的な集積回路デバイス(つまりチップ)内で処理される回路論理を使用してハードウェアにより実現され、かつ1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、現場でプログラム可能なゲートアレイ(「FPGAs」)またはASICsから構成されてもよい。メモリ42は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(「DRAM」)、スタティックランダムアクセスメモリ(「SRAM」)、フラッシュメモリ、電気的に消去およびプログラム可能なリードオンリーメモリ(「EEPROM」)および/または他のデジタルストレージ媒体を含んでもよく、また一般的に、1つ以上の物理的な集積回路デバイス(つまりチップ)で処理される回路論理を用いて実現されてもよい。そのようなものとして、メモリ42は、コントローラ12の他の部分に物理的に配置された例えばCPU40におけるキャッシュメモリなどのメモリストレージや、例えば少なくとも1つのネットワークインターフェース44a,44b(「ネットワークAインターフェース」44aおよび「ネットワークBインターフェース」44bとして図示される)を介してコントローラ12に接続される他のコントローラ12またはコンピューティングシステム90(図2)に格納されるような、仮想メモリとして使用されるストレージキャパシタを含むことも考えられ得る。
【0027】
コントローラ12は、個々のモータインターフェース46a,46b(「モータAインターフェース」46aおよび「モータBインターフェース」46bとして図示される)を介して2つ以下の電動ローラ18に接続されるよう構成されている。特にCPU40は、選択的にモータに電力を供給して電動ローラ18の回転状態を決定することによって、電動ローラ18のモータ(図示せず)を制御するよう構成されている。モータインターフェース46a,46bはそれぞれ、CPU40が、電動ローラ18に電力を供給しかつ電動ローラ18のモータに関する情報を特定できるようにする。特に各モータインターフェース46a,46bは概して、電動ローラ18の回転速度を制御するためにブラシレスDC(「BLDC」)モータ整流制御のために使用されてもよい。より詳細には、モータインターフェース46a,46bは、電動ローラ18を回転させるためにモータインターフェースに接続されるモータの個々の巻線に選択的に電流を流し、モータインターフェースに接続されたモータによって消費された電流を検知し、かつモータインターフェースに接続されたモータの回転状態を検出する能力を含む。モータインターフェース46a,46bはまた、モータと関連付けられるブレーキ(図示せず)を制御する能力を含んでもよい。
【0028】
電動ローラ18に加えて、CPU40は、個々のセンサインターフェース48a,48b(「センサAインターフェース」48aおよび「センサBインターフェース」48bとして図示される)を介して2つ以下のセンサ22に接続されるよう構成されている。コントローラ12はまた、個々のハードウェアインターフェース49a,49b(「ハードウェアAインターフェース」49aおよび「ハードウェアBインターフェース」49bとして図示される)を介して、さらなるハードウェア(図示せず)の2つ以下の部品(例えばセンサインターフェース48a,48bを介して接続されていない、さらなるセンサ22)に接続されるよう構成されている。コントローラ12は、電力インプットおよび調整インターフェース50を介して電源ユニット24から電力を受け取るよう構成されている。
【0029】
CPU40は、インプット/アウトプットデバイスインターフェース52(「I/O I/F」52と図示されており、以下ではこのように称する)を介して、ユーザからのインプットを受け取りかつ/または人が知覚可能なアウトプットをユーザに提供するよう、さらに構成されている。いくつかの実施形態において、I/O I/F52は、少なくとも1つのユーザインターフェース54を介してユーザからデータを受信し、かつ/または少なくとも1のアウトプットデバイス56を介してユーザに対して人が知覚可能なアウトプットを提供するよう構成されている(ユーザインターフェース54は、例えば1つ以上のソフトキー、キーボード、マウス、マイクロホン、および/または他のユーザインターフェースを含む。アウトプットデバイス56は、例えば特定の情報を呈する1つ以上のLED、ディスプレイ、スピーカーおよび/または他のアウトプットデバイスを含む)。いくつかの実施形態において、I/O I/F52は、タッチスクリーンディスプレイ(図示せず)のように、組み合わせてユーザインターフェース54およびアウトプットデバイス56として作動するデバイスと連絡する。特定の実施形態において、少なくとも1つのユーザインターフェース54は所定のソフトキーを含む。該ソフトキーは、第1の規定の時間にわたって持続された操作に応じて、CPU40が、ユーザが自動的に複数のコントローラ12を設定することを要求していると決定でき、かつ第2の規定の時間にわたって持続された操作に応じて、CPU40が、ユーザがコントローラ12をリセットすることを要求していると決定できるようにする。さらに特定の実施形態において、少なくとも1つのアウトプットデバイス56は複数のLEDを含む。これらLEDは、それぞれ、ネットワークインターフェース44a,44bを介した連結ネットワーク、ネットワークインターフェース44a,44bを介したネットワークトラフィック、コントローラ12が接続されたネットワークのステータス、モータインターフェース46a,46bに接続される個々の電動ローラ18の1つ以上の各モータのステータス、センサインターフェース48a,48bに接続される1つ以上のセンサ22の個々のステータス、ハードウェアインターフェース49a,49bに接続されるハードウェアの1つ以上の部品それぞれのステータス、コントローラ12への電力のステータス、および/またはコントローラ12のステータスを表示する。
【0030】
コントローラ12は、一般的に、ファームウェア57と同様にオペレーティングシステム、アプリケーションおよび/またはコントローラ12を制御するよう構成された他のプログラムコード(「制御コード58)として図示されており、以下ではこのように称する)の制御下にある。そのようなものとして、コントローラ12は、本発明の実施形態と適応するさまざまなコンピュータソフトウェアアプリケーション、オペレーションシーケンス、コンポーネント、プログラム、ファイル、オブジェクト、モジュールなどを実行しあるいはそれらに依存している。特定の実施形態において、ファームウェア57は、コントローラ12の構成要素を制御するためのデータを含み、一方で制御コード58が本発明の実施形態に適応されるさまざまなオペレーションを実施するよう実行される。コントローラ12はまたネットワークサーバ59を含む。ネットワークサーバ59は、ウェブサーバおよび/またはDHCPサーバを含んでもよい。そのようなものとして、ネットワークサーバ59は、別のコンピューティングシステム90(図3)が、ネットワーク82(図3)を介してコントローラ12からの情報に直接アクセスできるようにし、かつ/または別のコンピューティングシステム90が、コントローラ12とともに自動的にTCP/IPコネクションを構成するようコントローラ12に直接接続できるようにする。
【0031】
コントローラ12はまた、該コントローラ12および他のコントローラ12の作動のためのデータを格納し得るマスストレージデバイス60を用いて構成される。特定の実施形態において、マスストレージデバイス60は、コントローラ12のコンフィグレーションデータと、隣接するコントローラ12に関するコンフィグレーションデータとをコンフィグレーションデータストラクチャ62に含む。マスストレージはまた、そのIPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイ、およびパラメータデータストラクチャ64におけるコントローラ12の設定および/または作動に使用され得るリストまたはルックアップテーブルなどの他のデータストラクチャなどのオペレーションのためのパラメータを格納し得る。
【0032】
コントローラ12は、少なくとも1つの付加的なコントローラ12のみを、あるいは少なくとも1つの付加的なコントローラ12と関連して作動するよう構成されてもよい。さらにコントローラ12は、上記コンピューティングシステム90を用いて外部制御されるよう構成されてもよい。そのような本発明の実施形態と適合されるものとして、図3には、通信リンク(コミュニケーションリンク)80a~80cを介した複数のコントローラ12a~12cの相互接続と、コンピューティングシステム90を用いた制御のための少なくとも1つのネットワーク82に対する1つ以上のコントローラ12の接続と、を示すダイアグラム図が図示される。特定の実施形態において、複数のコントローラ12間の各通信リンク80は、イーサネット(登録商標)ワーク通信用に使用されるカテゴリー5ケーブルなどのネットワークケーブルを介して実現される。1つのコントローラ12aが、別のコントローラ12b,12c(例えばこの場合においてはコントローラ12b)と直接的に通信し、あるいは別のコントローラ12b,12c(例えばこの場合においてはコントローラ12b)と間接的に通信するよう構成されてもよい。
【0033】
上述したように、コンベアシステム10は、コントローラ12a~12cを制御でき、ひいてはコンベアシステム10の動作を制御できるコンピューティングシステム90を含んでもよい。コンピューティングシステム90は、メモリ94に接続された少なくとも1つのCPU92を含む。各CPU92は一般的に1つ以上の物理的な集積回路デバイス(つまりチップ)で処理される回路論理を使用してハードウェアにより実現され、かつ1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGAsまたはASICsであってもよい。メモリ94は、RAM、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、および/または他のデジタルストレージ媒体を含んでもよく、また一般的に、1つ以上の物理的な集積回路デバイス(つまりチップ)で処理される回路論理を用いて実行される。そのようなものとして、メモリ94は、コンピューティングシステム90の他の部分に物理的に配置されたメモリストレージ(例えば少なくとも1つのCPU92におけるキャッシュメモリ)と、例えばマスストレージデバイス96、別のコンピューティングシステム(図示せず)、ネットワーク格納デバイス(例えばテープドライブ)、あるいは少なくとも1つのネットワーク82を用いて少なくとも1つのネットワークインターフェース98(「ネットワークI/F)98として図示され、以下ではこのように称する)を介してコンピューティングシステム90に接続される他のネットワークデバイス(図示せず)に格納されるような、仮想メモリとして使用されるストレージキャパシタとを含むことも考えられてもよい。ネットワークI/F90は、ネットワーク92にワイヤレスで(例えば多数のIEEE 802標準規格のうちの1つを介して)あるいはハードワイヤリンク(例えばイーサネット(登録商標)ケーブル)を介して接続されてもよい。当然のことながら、少なくとも1つのネットワーク82が、少なくとも1つの専用通信ネットワーク(例えばイントラネット)および/または少なくとも1つの公共の通信ネットワーク(例えばインターネット)を含んでもよい。」
「
[図:0001438311000001.jpg]
」(図1)
「
[図:0001438311000002.jpg]
」(図2)
「
[図:0001438311000003.jpg]
」(図3)
(2)上記記載から、甲1には次の技術的事項が記載されていると認められる。
ア コントローラ12は、物品23を運搬するコンベアアセンブリ14の1つ以上の個別の帯域を制御するように構成される(【0024】、【0025】)。
イ コントローラ12は、電力インプットおよび調整インターフェース50を含む(【0028】、図2)。
ウ コントローラ12は、ネットワークインターフェース44a、44b及びネットワークサーバ59を含み、少なくとも1つのネットワークインターフェース44a、44bはコンピューティングシステム90に接続され、ネットワークサーバ59はコンピューティングシステム90がコントローラ12からの情報に直接アクセスできるようにするものである(【0026】、【0030】、図2、図3)。
エ コントローラ12は、モータインターフェース46a、46bを含む(【0027】、図2)。
オ コントローラ12は、CPU40を含み、CPU40は、選択的にモータに電力を供給して電動ローラ18の回転状態を決定することによって、電動ローラ18のモータを制御するように構成されている(【0026】、【0027】、図2)。
カ モータインターフェース46a、46bはそれぞれ、CPU40が、電動ローラ18に電力を供給しかつ電動ローラ18のモータに関する情報を特定するために、モータインターフェースに接続されるモータの個々の巻線に選択的に電流を流し、モータインターフェースに接続されたモータによって消費された電流を検知し、かつモータインタフェースに接続されたモータの回転状態を検出する(【0027】)。
キ コンピューティングシステム90は、コントローラ12を外部制御することで、コンベアシステム10の動作を制御する(【0032】、【0033】)。
ク コントローラ12が、ユーザインタフェース54を介してユーザからデータを受信するI/O I/F52を含み、前記データは、ユーザが自動的に複数のコントローラ12を設定することを要求していることを意味する、ソフトキーの第1の規定の時間にわたって持続された操作、及び、ユーザがコントローラ12をリセットすることを要求していることを意味する、ソフトキーの第2の規定の時間にわたって持続された操作が含まれる(【0029】、図2)。
以上を総合すると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
[甲1発明]
「物品23を運搬するコンベアシステム10のコンベアアセンブリ14の1つ以上の個別の帯域を制御するように構成されるコントローラ12であって、
- 電力インプットおよび調整インターフェース50と、
- ネットワークインターフェース44a、44b及びネットワークサーバ59と、
- モータインターフェース46a、46bとを含み、
- 少なくとも1つの前記ネットワークインターフェース44a、44bはコンピューティングシステム90に接続され、前記ネットワークサーバ59は前記コンピューティングシステム90が前記コントローラ12からの情報に直接アクセスできるようにするものであり、
- 前記コントローラ12が、CPU40を含み、
- 前記CPU40は、選択的にモータに電力を供給して電動ローラ18の回転状態を決定することによって、前記電動ローラ18のモータを制御するように構成され、
- 前記モータインターフェース46a、46bはそれぞれ、前記CPU40が、前記電動ローラ18に電力を供給しかつ前記電動ローラ18のモータに関する情報を特定するために、モータインターフェースに接続されるモータの個々の巻線に選択的に電流を流し、モータインターフェースに接続されたモータによって消費された電流を検知し、かつモータインタフェースに接続されたモータの回転状態を検出し、
- 前記コンピューティングシステム90は、前記コントローラ12を外部制御することで、前記コンベアシステム10の動作を制御し、
- 前記コントローラ12が、ユーザインタフェース54を介してユーザからデータを受信するI/O I/F52を含み、前記データは、前記ユーザが自動的に複数の前記コントローラ12を設定することを要求していることを意味する、ソフトキーの第1の規定の時間にわたって持続された操作、及び、前記ユーザが前記コントローラ12をリセットすることを要求していることを意味する、前記ソフトキーの第2の規定の時間にわたって持続された操作が含まれる、
前記コントローラ12。」
2 甲2
甲2は、制御機器一般において、作業員の負担軽減等のため、モバイルデバイスにより制御機器の設定を行えるようにする技術は、従来周知の技術に過ぎないことを示すために提示されたものであり、ここでは、その摘記を省略する。
3 甲3
甲3は、制御機器一般において、作業員の負担軽減等のため、モバイルデバイスにより制御機器の設定を行えるようにする技術は、従来周知の技術に過ぎないことを示すために提示されたものであり、ここでは、その摘記を省略する。
4 甲4
甲4は、モバイルデバイスからの信号を、コントローラが中央制御センタを介さずに直接、ワイヤレスで受信する構成は、従来周知の技術に過ぎないことを示すために提示されたものであり、ここでは、その摘記を省略する。
5 甲5
甲5は、モバイルデバイスからの信号を、コントローラが中央制御センタを介さずに直接、ワイヤレスで受信する構成は、従来周知の技術に過ぎないことを示すために提示されたものであり、ここでは、その摘記を省略する。
6 甲6
甲6は、モバイルデバイスからの信号を、コントローラが中央制御センタを介さずに直接、ワイヤレスで受信する構成は、従来周知の技術に過ぎないことを示すために提示されたものであり、ここでは、その摘記を省略する。
7 甲7
甲7は、モバイルデバイスからの信号を、コントローラが中央制御センタを介さずに直接、ワイヤレスで受信する構成は、従来周知の技術に過ぎないことを示すために提示されたものであり、ここでは、その摘記を省略する。
8 甲8
甲8は、通信機器一般において、ワイヤレス構成ポートに固有通信識別を設けること、2Dコード等の固有通信識別を用いること、及び、2次元コード等の固有通信識別を用いてモバイルデバイスとペアリングすることは、周知技術に過ぎないことを示すために提示されたものであり、ここでは、その摘記を省略する。
9 甲9
甲9は、通信機器一般において、ワイヤレス構成ポートに固有通信識別を設けること、2Dコード等の固有通信識別を用いること、及び、2次元コード等の固有通信識別を用いてモバイルデバイスとペアリングすることは、周知技術に過ぎないことを示すために提示されたものであり、ここでは、その摘記を省略する。
第5 判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア 甲1発明の「コンベアシステム10」は、本件発明1の「コンベヤ設備」に相当し、甲1発明の「コントローラ12」は、本件発明1の「モータ駆動コンベヤローラコントローラ」又は「コントローラ」に相当する。
よって、甲1発明の「コンベアシステム10のコンベアアセンブリ14の1つ以上の個別の帯域を制御するように構成されるコントローラ12」は、本件発明1の「コンベヤ設備のためのモータ駆動コンベヤローラコントローラ」に相当する。
イ 甲1発明の「電力インプットおよび調整インターフェース50」は、本件発明1の「電源インレット」に相当する。
ウ 甲1発明の「少なくとも1つ」が「コンピューティングシステム90に接続され」る「ネットワークインターフェース44a、44b」は、本件発明1の「有線I/Oポート」との対比において、「I/Oポート」の限りにおいて一致する。
エ 甲1発明の「モータインターフェースに接続されるモータの個々の巻線に選択的に電流を流」す「モータインターフェース46a、46b」は、有線接続するものであると認められるから、本件発明1の「有線モータローラポート」に相当する。
オ 甲1発明の「前記モータインターフェース46a、46b」が「モータの個々の巻線に選択的に電流を流」すことは、本件発明1の「前記モータローラポートにおいてモータローラに対するモータローラ制御信号を出力すること」に相当する。
また、甲1発明において「前記モータインターフェース46a、46b」が「モータの個々の巻線に選択的に電流を流」すことは、「前記コントローラ12」が含む「前記CPU40」が、「選択的にモータに電力を供給して電動ローラ18の回転状態を決定することによって、前記電動ローラ18のモータを制御する」ために行うことであるから、「前記モータインターフェース46a、46b」が「モータの個々の巻線に選択的に電流を流」すことは、「前記コントローラ12」が行っていると認められる。
してみると、甲1発明の「前記コントローラ12が、CPU40を含み、」「前記CPU40は、選択的にモータに電力を供給して電動ローラ18の回転状態を決定することによって、前記電動ローラ18のモータを制御するように構成され、」「前記モータインターフェース46a、46bはそれぞれ、前記CPU40が、前記電動ローラ18に電力を供給」「するために、モータインターフェースに接続されるモータの個々の巻線に選択的に電流を流」すことは、本件発明1の「前記コントローラが、」「前記モータローラポートにおいてモータローラに対するモータローラ制御信号を出力すること」「を行うように構成され」ることに相当する。
カ 甲1発明の「前記モータインターフェース46a、46b」が「モータインターフェースに接続されたモータの回転状態を検出」することは、本件発明1の「前記モータローラポートにおいて前記モータローラからモータローラ状態信号を受信すること」に相当する。
また、甲1発明において「前記モータインターフェース46a、46b」が「モータインターフェースに接続されたモータの回転状態を検出」することは、「前記コントローラ12」が含む「前記CPU40」が、「前記電動ローラ18のモータに関する情報を特定するため」に行うことであるから、「前記モータインターフェース46a、46b」が「モータインターフェースに接続されたモータの回転状態を検出」することは、「前記コントローラ12」が行っていると認められる。
してみると、甲1発明の「前記コントローラ12が、CPU40を含み、」「前記モータインターフェース46a、46bはそれぞれ、前記CPU40が、」「前記電動ローラ18のモータに関する情報を特定するために、」「モータインターフェースに接続されたモータの回転状態を検出」することは、本件発明1の「前記コントローラが、」「前記モータローラポートにおいて前記モータローラからモータローラ状態信号を受信すること」「を行うように構成され」ることに相当する。
キ 甲1発明の「コンピューティングシステム90」は、本件発明1の「中央制御センタ」に相当する。
また、甲1発明において、「前記コントローラ12を外部制御することで、前記コンベアシステム10の動作を制御」する「前記コンピューティングシステム90」が、「少なくとも1つの前記ネットワークインターフェース44a、44b」に「接続され」ることから、コントローラ12は、少なくとも1つのネットワークインターフェース44a、44bを経由して、コンベアシステム10の動作を制御するための信号を受信していると認められる。
さらに、甲1発明において、「前記ネットワークサーバ59は前記コンピューティングシステム90が前記コントローラ12からの情報に直接アクセスできるようにするものであ」るから、ネットワークサーバ59は、コンピューティングシステム90へ、コントローラ12からの情報を送信していると認められる。
したがって、甲1発明の「コントローラ12」が「ネットワークインターフェース44a、44b及びネットワークサーバ59」「を含み、」「少なくとも1つの前記ネットワークインターフェース44a、44bはコンピューティングシステム90に接続され、前記ネットワークサーバ59は前記コンピューティングシステム90が前記コントローラ12からの情報に直接アクセスできるようにするものであり、」「前記コンピューティングシステム90は、前記コントローラ12を外部制御することで、前記コンベアシステム10の動作を制御」することは、本件発明1の「前記コントローラが、」「前記有線I/Oポートにおいて前記モータローラに対するモータローラ制御信号を受信することとを行うように構成され、」「前記有線I/Oポートが、中央制御センタと制御情報を交換するように構成され」ていることとの対比において、「前記コントローラが、」「前記I/Oポートにおいて前記モータローラに対するモータローラ制御信号を受信することとを行うように構成され、」「前記I/Oポートが、中央制御センタと制御情報を交換するように構成され」ていることの限りにおいて一致する。
以上を総合すると、甲1発明と本件発明1とは以下の一致点で一致し、また以下の相違点で相違する。
[一致点]
「コンベヤ設備のためのモータ駆動コンベヤローラコントローラであって、
- 電源インレットと、
- I/Oポートと、
- 有線モータローラポートとを含み、
- 前記コントローラが、
- 前記モータローラポートにおいてモータローラに対するモータローラ制御信号を出力することと、
- 前記モータローラポートにおいて前記モータローラからモータローラ状態信号を受信することと、
- 前記I/Oポートにおいて前記モータローラに対するモータローラ制御信号を受信することとを行うように構成され、
- 前記I/Oポートが、中央制御センタと制御情報を交換するように構成される、
コントローラ。」
[相違点1]
本件発明1のコンベヤ設備は「コンテナを運搬するための」ものであるのに対し、甲1発明のコンベアアセンブリ14は「物品23を運搬する」ものである点。
[相違点2]
「I/Oポート」について、本件発明1は「有線I/Oポート」であるのに対し、甲1発明では少なくとも1つがコンピューティングシステム90に接続されるネットワークインターフェース44a、44bが「有線」I/Oポートであるか明らかでない点。
[相違点3]
本件発明1は「前記コントローラが、前記中央制御センタを介さずにモバイルデバイスから少なくとも前記モータローラに対する構成信号をワイヤレスで受信するように構成されるワイヤレス構成ポートを具備した」のに対し、甲1発明は、コントローラ12が、このようなワイヤレス構成ポートを具備していない点。
(2)判断
事案に鑑み、相違点3について検討する。
甲2~甲9のいずれにも、コンベヤ設備のためのモータ駆動コンベヤローラコントローラは記載されておらず、分野が異なる。
さらに、甲2~甲9のいずれにも、中央制御センタと制御情報を交換するコントローラであることを前提に、当該コントローラに、中央制御センタを介さずにモバイルデバイスから少なくともモータローラに対する構成信号をワイヤレスで受信するように構成されるワイヤレス構成ポートを具備することは記載されていない。
よって、甲1発明に、甲2~甲9により立証されるような周知技術を適用する動機付けがあるとは認められない。
(3)申立人の主張について
申立人は、甲2や甲3にも記載されているように、制御機器一般において、作業員の負担軽減等のため、モバイルデバイスにより制御機器の設定を行えるようにする技術は、従来周知の技術に過ぎず、甲4~甲7にも記載されているように、モバイルデバイスからの信号を、コントローラが中央制御センタを介さずに直接、ワイヤレスで受信する構成も、従来周知の技術に過ぎないから、本件発明1の構成A5「前記コントローラが、前記中央制御センタを介さずにモバイルデバイスから少なくとも前記モータローラに対する構成信号をワイヤレスで受信するように構成されるワイヤレス構成ポートを具備したこと」は、甲2から甲7に例示される周知技術に過ぎないため、本件発明1は甲1発明及び周知技術(甲2~甲7)から当業者が容易に想到できたものであり、進歩性を有しない旨、主張している(特許異議申立書第48頁最終行~第49頁第11行)。
しかし、当該主張に対する判断は上記(2)のとおりであり、申立人の上記特許異議申立書における主張は採用できない。
(4)小括
以上のとおり、甲1発明及び周知技術から、本件発明1の相違点3に係る構成に想到することが、当業者にとって容易であるとはいえないから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものではない。
2 本件発明2~13について
本件発明2~13は、本件発明1にさらに限定を付加したものであり、本件発明1と同様に周知技術を勘案しても当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
したがって、上記1から明らかなとおり、本件発明2~13は、甲1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでない。
第6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1~13に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1~13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2026-700199