商標拒絶査定不服審判
2026-001792
ヌーク
- 審判番号
- 2026-001792
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2025-024689
- 請求日
- 2026年02月05日
- 審決日
- 2026年06月09日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】川野 樹一
- 【請求人代理人】荒木 利之
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 山根 まり子
- 審判官 吉岡 めぐみ
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2025-24689拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和7年3月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年9月17日付け:拒絶理由通知書
令和7年10月30日 :意見書の提出
令和7年12月5日付け:拒絶査定
令和8年2月5日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「noook」の欧文字を標準文字で表してなり、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の1及び2のとおりであり(以下、まとめて「引用商標」という場合がある。)、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
1 登録第6681406号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:Nook(標準文字)
登録出願日:令和4年6月16日
設定登録日:令和5年3月16日
指定役務:「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,キーホルダーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
2 登録第6892896号(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:別掲のとおり
登録出願日:令和6年2月16日
設定登録日:令和7年2月5日
指定商品:第8類「毛抜き,手動利器,手動工具,ひげそり用具入れ,ペディキュアセット,まつ毛カール器,マニキュアセット」
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本願商標
本願商標は、上記第2のとおり、「noook」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に掲載のないものであり、また、この文字が、特定の意味合いを想起させる語として知られているものとの事情も見いだせない。
そして、特定の意味合いを認識させない欧文字からなる商標については、一般的に、我が国において親しまれている英語風又はローマ字風の読み方に倣って称呼されるものであることから、本願商標からは「ヌーク」又は「ノーク」の称呼を生じるものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して、「ヌーク」又は「ノーク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標1は、上記第3の1のとおり、「Nook」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「引っ込んだ所」等の意味を有する英語(プログレッシブ英和中辞典 第5版 小学館)として辞書に掲載されているものの、我が国において親しまれた語とはいえないから、特定の意味合いを認識させるものではない。
そして、特定の意味合いを認識させない欧文字からなる商標については、一般的に、我が国において親しまれている英語風又はローマ字風の読み方に倣って称呼されるものであることから、引用商標1からは「ヌーク」又は「ヌック」の称呼を生じるものとみるのが相当である。
そうすると、引用商標1は、その構成文字に相応して「ヌーク」又は「ヌック」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2は、別掲のとおり、上段に「ヌーク」の片仮名を、下段に大きく「NOOK」の欧文字(以下「欧文字部分」という。)をそれぞれ横書きしてなるところ、その構成中、上段の「ヌーク」の片仮名は、下段の欧文字部分の読みを特定しているものと容易に認識されるものである。
そして、「ヌーク」の片仮名は辞書等に掲載のないものであり、欧文字部分については、上記アのとおりであって、いずれも特定の意味合いを認識させるものではない。
そうすると、引用商標2は、その構成文字全体に相応して「ヌーク」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)商標の類否について
ア 本願商標と引用商標1について
本願商標と引用商標1は、上記(1)及び上記(2)アのとおりの構成からなるところ、その構成文字は、語頭及び語尾において、大文字か小文字かの相違はあるものの、「n(N)」及び「k」の文字を共通にしており、中央部においては、いずれも「o」の文字からなる点において共通し、異なるところは、「o」の文字が3文字か2文字かの相違にすぎない。
そして、本願商標と引用商標1は、いずれも標準文字からなるものであることを踏まえると、両商標は、外観において極めて近似した印象を与えるものといえる。
また、称呼においては、本願商標から「ヌーク」の称呼が生じる場合には、引用商標1とは、「ヌーク」の称呼を共通にするものである。
さらに、本願商標と引用商標1からは、いずれも特定の観念を生じないから、観念においては比較することができない。
イ 本願商標と引用商標2について
本願商標と引用商標2は、上記(1)及び上記(2)イのとおりの構成からなるところ、両商標は、片仮名の有無において相違するものの、引用商標2における片仮名は、単に欧文字部分の読みを表したものと認識されるにすぎないから、当該片仮名の有無は外観における特徴として強い印象を与えるものではない。
そして、本願商標と引用商標2の構成中、欧文字部分との比較においては、語頭及び語尾において、大文字か小文字かの相違はあるものの、「n(N)」及び「k(K)」の文字を共通にしており、中央部においては、いずれも「o(O)」の文字からなる点において共通し、異なるところは、「o(O)」の文字が3文字か2文字かの相違にすぎない。
そうすると、本願商標と引用商標2は、外観において近似した印象を与えるものといえる。
また、称呼においては、本願商標から「ヌーク」の称呼が生じる場合には、引用商標2とは、「ヌーク」の称呼を共通にするものである。
さらに、本願商標と引用商標2からは、いずれも特定の観念を生じないから、観念においては比較することができない。
ウ 以上からすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において近似した印象を与えるものであり、称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(4)本願の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
ア 本願の指定役務中、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標1の指定役務中、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,キーホルダーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と同一又は類似する役務である。
イ 本願の指定役務中、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2の指定商品と類似する役務である。
(5)小括
以上により、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似する役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、一般的に知られている英単語において、母音に対応するアルファベットが3つ並ぶものは辞書には存在しないため、本願商標「noook」は、その特殊な構成から、外観上需要者の注意を引き、「o」が3つ並ぶことによる視覚的なロゴ効果を生み、単なる文字の羅列を超えて、鎖、あるいは何らかの連なりを象徴するグラフィカルな印象を強く与えるものである旨、また、引用商標1と、引用商標2の欧文字部分は4文字で、本願商標との文字数の差は5文字対4文字であるところ、これは短音節の商標においては外観上の大きな差異として認識されるものであるから、本願商標と引用商標は、語頭と語尾が共通であるとしても、中間部分の「ooo」により、外観上明確に区別できる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、特徴的な書体からなるものではなく、標準文字により表されてなるものであるから、たとえ、母音に対応するアルファベットが3つ並ぶ語が存在しないとしても、文字の羅列を超えた印象が生じるとはいえず、そのような印象が生じるというべき事情も見いだせない。
そして、本願商標と引用商標は、視覚上最も着目されやすい語頭及び語尾において「n(N)」及び「k(K)」の文字を共通にするものであるから、たとえ、全体の文字数が5文字又は4文字であるとしても、両商標は外観において近似した印象を与えるというべきである。
(2)請求人は、本願商標は、「ooo」という特殊な構成を有するため、需要者はこれを単なる長音としてではなく、例えば「ヌ・オー・ク」や「ノ・オ・オ・ク」のように、母音を意識的に分節して発音するか、あるいは「o」の多さに戸惑い、一拍置いた発音を試みるのが自然であるから、引用商標1の称呼が「ヌーク」あるいは「ヌック」のいずれであっても、音数及びリズムにおいて称呼上、明確に区別でき、引用商標2においても同様である旨主張する。
しかしながら、本願商標から請求人が主張するような称呼が常に生じるというべき一般的、恒常的な取引の実情は見いだせない。
そして、上記1(1)のとおり、辞書等に掲載がなく、特定の意味合いを認識させない欧文字からなる商標については、一般的に、我が国において親しまれている英語風又はローマ字風の読み方に倣って称呼されるものであることから、本願商標からは、「ヌーク」又は「ノーク」の称呼が生じるというべきである。
そうすると、本願商標から「ヌーク」の称呼が生じる場合には、本願商標と引用商標は、「ヌーク」の称呼を共通にするものというのが相当である。
(3)請求人は、本願商標は、辞書等に掲載がなく、特定の観念は生じないが、引用商標からは、「隅」や「小ぢんまりとした居心地のいいスペース。」の観念が生じるから、本願商標と引用商標は、観念上相紛らわしいものではない旨主張する。
しかしながら、商標の観念とは、商標自体が客観的に有する意味をいうのではなく、商標を見又は称呼することによりその商標を付した商品の需要者又は取引者が思い浮べるその商標の意味をいうものと解するのが相当である(東京高等裁判所昭和48年(行ケ)第61号同49年11月14日判決)。
そして、たとえ、引用商標を構成する「Nook(NOOK)」の文字(語)が、請求人が主張するような意味を有するとしても、当該語が我が国において親しまれているとはいえず、また、当該語を見又は称呼することにより、需要者又は取引者が請求人が主張するような意味を思い浮かべるというべき事情も見いだせない。
そうすると、引用商標からは特定の観念は生じないというのが相当である。
(4)したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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