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商標異議申立

2025-900148

インテリジェントエッジ

審判番号
2025-900148
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2024-118435
登録番号
6932020
請求日
2025年07月09日
審決日
2026年03月16日
公報発行日
2026年05月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社obniz
  • 【異議申立人】有限会社 エム・ディー・エス
審判長/審判官
  • 審判長 濱田 佐代子
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 浜岸 愛
分類
T1651.13 -Y (W094142) / T1651.272-Y (W094142)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6932020号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6932020号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6932020号商標(以下「本件商標」という。)は、「Intelligent Edge」の文字を標準文字で表してなり、令和6年10月22日に登録出願、第9類、第41類及び第42類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和7年4月18日に登録査定、同年5月27日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第52号証(なお、表記にあたっては、「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載する。)を提出した。 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について ア 本件商標の意味合い 本件商標の構成文字のうち、「Intelligent」の文字は「知性のある、合理的な」を、「Edge」の文字は、「端、境界」を意味する英単語であり、それらが結合した「Intelligent Edge」の語は、「データが生成される現場でデータを分析し、ソリューションを開発する」といったコンピュータ関連技術の一種の名称として、複数のオンラインの用語集等に掲載されている(甲2~甲9)。したがって、本件商標は、コンピュータ関連技術の一種の名称として理解されるものである。 イ 本件商標に関する取引の実情 日本のコンピュータ業界において、多数の事業者により、本件商標の日本語の音訳である「インテリジェントエッジ(インテリジェント・エッジ)」がコンピュータ関連技術の一種の名称として広く使用されている(甲10~甲52)。 ウ 本件商標に対する需要者の認識 上記ア及びイのとおり、本件商標は、コンピュータ関連技術の一種の名称として辞書等にも掲載があり、その日本語の音訳である「インテリジェントエッジ」がそのような意味合いで広く使用されている事情からすると、本件商標に接する需要者は、本件商標をコンピュータ関連技術の名称として、商品の品質等を記述的に表す表示として認識し、また、将来を含め、そのように認識する可能性はきわめて高いといえる。 エ 本件商標には独占適応性がないこと 上述のとおり、本件商標は、コンピュータ関連技術の名称として、商品の品質等を記述的に表すものであり、そのような商品等を提供する事業者や利用する需要者であれば、その活動上必要な表示として使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上も適当ではない。また、現に、本件商標は、多くの事業者や需要者によってそのような記述的な表示として広く使用されている実態があるため、特定人に独占使用を認めることは、市場に混乱を招く恐れも極めて高い。 オ 小括 本件商標は、需要者から、商品の品質等を表す語として認識・理解されているものであり、自他商品役務識別標識としての機能を果たし得ないばかりか、取引に際し必要適切な表示であって、特定人による独占使用を認めるのは公益上適当ではない。 よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。 (2)商標法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、指定商品を取り扱う業界のみならず需要者一般により、その商品の品質又は役務の質を表すものと認識される可能性がある。そうすると、本件商標を、その指定商品のうち、そのようなコンピュータ関連技術以外の商品に使用するときは、商品の品質や役務の質に誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。 (3)むすび 本件商標は、商品の品質や役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといえ、特定の商品等との関係では、自他商品役務識別標識としての機能を果たさず、また、独占適応性を欠くものでもあり、商標法第3条第1項第3号に該当する。他方、上記特定の商品等以外の商品等との関係では、本件商標は、商品の品質や役務の質に誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。 3 当審の判断 本件商標は、上記1のとおり「Intelligent Edge」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「Intelligent」の文字は、「知的なさま。知能の高いさま。情報処理機能のあるさま。」の意味を有する語であり、また、「Edge」の文字は、「端。ふち。へり。」を意味する語である(いずれも「広辞苑第七版」岩波書店)。 そして、本件商標に係る指定商品及び指定役務中には、別掲のとおり、コンピュータやデータ処理に関係する商品及び役務が含まれているところ、これらの商品及び役務を取り扱う業界において、「Intelligent(インテリジェント)」の文字は、「情報処理機能を有するさま。コンピューターの端末装置などが,データ処理能力を持っていること。」(「コンサイスカタカナ語辞典第5版」三省堂)の意味を有し、また、「EDGE(エッジ)」の文字は、「コンピューターネットワークの端、へり。」ほどの意味で、例えば「エッジコンピューティング(edge computing)」(「デジタル大辞泉」小学館)、「エッジAI[edge AI]」(「コンサイスカタカナ語辞典第5版」三省堂)のように使用されている。 しかしながら、申立人の提出に係る証拠によれば、「Intelligent Edge」の表音の片仮名表記「インテリジェント(・)エッジ」の文字は、新聞記事やインターネット記事等で使用されている事実は見受けられるものの、その多くは、特定の一企業が、2017年頃から同社の今後の方向性やコンセプトを表す際に提唱した語として紹介されている記事である(甲14、甲17、甲18、甲22、甲24、甲26~甲28、甲32~甲35、甲41、甲42、甲44、甲52)。 加えて、「インテリジェント(・)エッジ」の文字は、例えば、申立人が主張するように「データが生成される現場でデータを分析し、ソリューションを開発すること」(甲2)のほか、「データ処理と分析がデータソースに近いネットワークのエッジで行われるコンピューティング・パラダイム」(甲4)、「“インテリジェント・エッジ”という用語はいろいろな意味で使われているが、おそらく場所として考えるのが一番だろう。」(甲6)、「データ分析などの高度なコンピュータ処理を可能にするIoTエッジインフラ」(甲38)、「データを取得した場所の近くで分析・集約する、絶え間なく成長を続けるコネクテッドシステムおよびデバイスの集合」(甲51)といった説明がなされているように、これらの証拠において、「Intelligent Edge」に通ずる「インテリジェント(・)エッジ」の文字は、様々な文言で表現されていることから、一義的な意味合いで使用されているとはいい難く、本件商標のコンピュータやデータ処理に関係する指定商品及び指定役務の分野の取引者、需要者に具体的な商品の品質及び役務の質として看取されているとまではいえない。 さらに、本件商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「Intelligent Edge」又は「インテリジェント(・)エッジ」の各文字が、商品の品質又は役務の質を具体的に表すものとして、取引上一般に使用されていると認めるに足りる事実も見当たらないほか、上記文字に接する取引者、需要者が、特定の意味合いを認識するというべき事情も見いだすことはできなかった。 そうすると、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者が当該指定商品の品質及び指定役務の質を具体的に表すものとして認識するとまではいい難いものである。 してみれば、本件商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、自他商品役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれはないものである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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