商標異議申立
2025-900095
コンキャリ
- 審判番号
- 2025-900095
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2024-059806
- 登録番号
- 6901334
- 請求日
- 2025年05月03日
- 審決日
- 2025年09月01日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社Basismall
- 【異議申立人】株式会社 キャリア・ナビゲーション
- 【異議申立人代理人】林 崇朗
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大島 康浩
- 分類
- T1651.251-Y (W3541) / T1651.252-Y (W3541) / T1651.253-Y (W3541) / T1651.254-Y (W3541)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6901334号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6901334号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6901334号商標(以下「本件商標」という。)は、「コンキャリ」の文字を標準文字で表してなり、令和6年5月23日に登録出願、第35類「就職あっせん,就職あっせんに関する指導及び助言,就職に関する広告及びその代理,就職・転職の相談,就職希望者に対する求人情報の提供およびコンサルティング,求人企業に対する求職者情報の提供およびコンサルティング,就職に関する情報の提供」及び第41類「就職・転職に関する企業説明会の企画・運営又は開催,就職セミナーの企画・運営又は開催,就職に関する講習会の企画・運営又は開催」を指定役務として、令和7年1月22日に登録査定、同年2月27日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、「コンキャリ」(以下「引用商標」という。)の文字からなり、申立人が建築土木学生向けの新卒採用支援事業として「就職あっせん,求人情報の提供」等に使用する役務(以下「申立人役務」という場合がある。)を示す商標として需要者の間に広く認識されていると主張するものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第10号について
(1)引用商標が需要者の間に広く知られていること
ア 申立人は、2020年から「コンキャリ」の名称を使用した建築土木学生向け新卒採用支援事業として、就職あっせん、求人情報の提供、就職の相談、就職に関する企業説明会の企画・運営及び開催などを行っている(甲2)。
イ 年間総売上は、2021年に1億円、2022年度に2.5億円、2023年度に7.5億円と年率100%を超えるペースで増加し、2024年度には13億円にまで伸びている。取引実績としては、500以上の建築土木関連企業に及ぶ(甲3)。
ウ 就職を希望する建築土木学生が毎年約15,000人であるのに対して、2024年度の実績として、「コンキャリ」のウェブサイトには月間8,000人以上の北海道から沖縄まで日本全国の学生によるアクセスがある(甲4)。
エ 「コンキャリ」開催の企業説明会には、2024年度には2,986名の学生が参加し、そのうち587名の入社が成立している。2025年度には4,000名の参加、800名の入社が見込まれている(甲5)。
オ 申立人は、学生向け就職ガイダンスにおいて教授から学生向けに「コンキャリ」の宣伝を行う協力関係を各大学と構築している(甲5)。
カ 申立人は、2024年度に東京、大阪、名古屋、福岡、仙台、香川、広島、富山、札幌において合計137回の合同企業説明会を開催している(甲5)。
キ 申立人は、「コンキャリ」事業の一環として、建築土木学生向けのコミュニティスペースを東京、大阪、名古屋、福岡、仙台及び福島に常設している(甲6)。
ク 「日本マーケティングリサーチ機構」の調査によれば、令和6年10月の時点において申立人による「コンキャリ」事業は、「建築土木就活のコンテンツ数No.1」及び「建築土木系イベント開催数No.1」との結果を得ている(甲7)。
ケ 申立人は、令和6年5月23日に「第6回国際建設・測量展(CSPI-EXPO2024)」において「建設産業界に求められる新卒採用戦略」と題した講演を行っている(甲8)。
コ 申立人は、令和6年11月13日及び14日に開催された「建設技術展2024関東」にブースを出展している(甲9)。
サ 申立人は、令和6年5月22日~24日に開催された「第6回国際建設・測量展(CSPI-EXPO2024)」にブースを出展している(甲10)。
シ 申立人の「コンキャリ」事業は、新聞および雑誌などのマスメディアで多数取り上げられている(甲11~甲13)。
ス 申立人の「コンキャリ」事業は、ビーチバレーボール日本代表の黒川寛輝ディラン選手に協賛している(甲14)。
セ 申立人は、令和6年10月19日~21日に開催された「能登半島ワークショップ2024」にブースを出展している(甲15)。
ソ 以上のように、申立人による「コンキャリ」の建築土木学生向け新卒採用支援事業は、日本全国における500以上の建築土木関連企業に認知されているとともに、毎年、就職を希望する日本全国の建築土木学生の過半数に認知されるものである。
してみれば、申立人による「コンキャリ」(甲2)は、建築土木学生向け新卒採用支援事業において需要者の間に全国的に広く知られた商標である。
(2)本件商標と周知商標との対比
本件商標はその構成から「コンキャリ」の称呼を生ずる。これに対し、申立人の周知商標はその構成から「コンキャリ」の称呼を生ずるものであるから、両商標は「コンキャリ」の称呼を共通にする類似のものである。また、本件商標の指定役務である第35類「就職あっせん,就職あっせんに関する指導及び助言,就職に関する広告及びその代理,就職・転職の相談,就職希望者に対する求人情報の提供およびコンサルティング,求人企業に対する求職者情報の提供およびコンサルティング,就職に関する情報の提供」、並びに、第41類「就職・転職に関する企業説明会の企画・運営又は開催,就職セミナーの企画・運営又は開催,就職に関する講習会の企画・運営又は開催」は、申立人の建築土木学生向け新卒採用支援事業と同一又は類似のものである。
2 むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、本件商標登録は商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
(1)申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。
ア 申立人は、建築土木学生向けの就活総合サービスの名称として「コンキャリ」の名称を使用し、申立人の当該サービスに登録すると、各企業のスカウトを受け取ることができ、多くの建築土木就活イベントへの参加や就活情報の閲覧を行うことができる(甲2)。
イ 申立人に係る「コンキャリ」のウェブサイトの月間訪問者数は、8,000人以上であり、日本各地の建築土木学生に利用され、引用商標に係る就活サポートを提供している(甲4)。
ウ 甲第5号証は、「2026(27)新卒採用イベントのご提案」と題する営業資料であるところ、2024年度卒業予定の学生が「コンキャリ」のサービスにエントリーした者が2,986名、そのうち587名が入社している。また、2025年度卒業予定の学生については、エントリーした者が4,000名、そのうち800名が入社している。
さらに、建築土木学生向けの合同企業説明会を、東京、大阪、愛知、福岡、宮城等で開催している。
エ 甲第7号証は、日本マーケティングリサーチ機構による利用許可書であり、当該利用許可書によれば、2024年10月期における市場調査に基づき、申立人が、申立人の業務に係る「コンキャリ/キャリアミートアップ」と称するサービスについて、2024年10月から2025年9月までの間、「建築土木就活のコンテンツ数No.1」、「建築土木系イベント開催数No.1」のフレーズを使用することについて許可を受けている。
オ 申立人は、展示会において引用商標を用いて講演会やブースを出展(甲8~甲10)するとともに、日刊建設工業新聞及び地方の建設新聞等に申立人が提供するサービスに関する記事が掲載された(甲11~甲13)。
(2)上記(1)によれば、引用商標を名称とする建築土木学生向けの就活情報サービスについては、我が国において、本件商標の登録出願前から、申立人により、建築土木に特化した就活情報を取り扱うとともに、就活をサポートするコンテンツの発信も行っている。そして、日本マーケティングリサーチ機構による2024年10月期における市場調査に基づき、申立人の業務に係る「コンキャリ/キャリアミートアップ」と称するサービスについて、「建築土木就活のコンテンツ数No.1」、「建築土木系イベント開催数No.1」のフレーズを使用することについて許可を受けたことがうかがえる。
しかしながら、建築及び土木関連の就職・求人サイト等が複数存在する中において、「建築土木就活のコンテンツ数」や「建築土木系イベント開催数」が2024年10月期における市場調査において1位であったとしても、当該調査対象のサービス名は「コンキャリ/キャリアミートアップ」であり、引用商標とは異なることから、一概に引用商標の周知性を認めるに足りる証拠と判断することはできない。
また、建築及び土木関連の就職・求人情報を取り扱う事業者が複数存在する中において、申立人の引用商標に係るサービスの我が国における市場シェア、継続的な売上高、広告宣伝の費用や規模等、その周知性を客観的に把握することができる具体的な証拠は提出されていない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標に係る販売実績や広告実績を客観的に把握できないことから、引用商標が、どの程度の需要者に知られているかを評価することができない。
したがって、提出された証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第10号該当性
本件商標は、前記第1のとおり、「コンキャリ」の文字を標準文字で表してなり、引用商標は、前記第2のとおり、「コンキャリ」の文字からなるところ、両者は構成文字を同じくし、「コンキャリ」の称呼を共通にする。また、当該文字は辞書類に掲載されている語ではなく、一種の造語として理解されるものであるから、両者は特定の観念を生じない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念においては比較できないものの、外観及び称呼において同一又は類似するから、これらを総合すると、両者は相紛れるおそれのある類似の商標といえるものであり、かつ、本件商標の指定役務は、申立人が引用商標を使用する「建築土木学生向けの就活情報サービス」と類似する役務を含むものである。
しかしながら、引用商標は、上記1のとおり、申立人役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているものではない。
してみると、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ないから、同項同号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するとはいえず、他に同法の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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