商標異議申立
2025-900074
エモジズヌイグルミ、エモジズ
- 審判番号
- 2025-900074
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2024-062541
- 登録番号
- 6891078
- 請求日
- 2025年04月04日
- 審決日
- 2025年10月09日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】サンエックス株式会社
- 【異議申立人】エモジ カンパニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
- 【異議申立人代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T1652.261-Y (W28) / T1652.262-Y (W28) / T1652.263-Y (W28)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6891078号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6891078号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6891078号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和6年6月11日に商標登録出願、「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ,遊園地用機械器具,ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」を含む第28類、第14類、第16類及び第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年1月30日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商標は、以下の1ないし4のとおりであり、これらの商標権は、現に有効に存続しているものである。
1 国際登録第1220980号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:「emoji」の欧文字を横書きしてなるもの
国際商標登録出願日:2014年(平成26年)7月22日
優先権主張日:2014年7月21日(EUIPO)
設定登録日:平成27年11月27日
指定商品・役務:第28類、第38類、第41類及び第45類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
2 国際登録第1233267号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「emoji」の欧文字を横書きしてなるもの
国際商標登録出願日:2014年8月26日
優先権主張日:2014年8月15日(EUIPO)
設定登録日:平成28年6月17日
指定商品:第3類、第9類、第14類、第16類ないし第18類、第20類ないし第22類、第24類ないし第30類及び第32類に属する国際登録に基づく国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品
3 国際登録第1464084号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:「emoji」の欧文字を横書きしてなるもの
国際商標登録出願日:2018年4月16日
優先権主張日:2018年4月9日(EUIPO)
設定登録日:令和4年3月25日
指定商品・役務:第3類、第14類、第16類、第18類、第21類、第24類、第28類ないし第30類、第32類、第35類及び第41類に属する国際登録に基づく国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
4 国際登録第1628745号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
国際商標登録出願日:2021年3月2日
優先権主張日:2020年12月30日(EUIPO)
設定登録日:令和5年10月13日
指定商品:第9類、第24類、第25類及び第28類に属する国際登録に基づく国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品
上記引用商標1ないし引用商標4をまとめていう場合は、以下「引用商標」という。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第28類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ,遊園地用機械器具,ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」(以下「申立てに係る指定商品」という。)は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。
1 商標の類否
(1)本件商標
ア 構成
本件商標は、甲第1号証に示すとおり、上段に「えもじ」の文字と「ずぬいぐるみ」の文字が長音記号を意図していると思しき記号を挟んで表示されており、下段には、上段より小さい文字で「Emoji」の欧文字と「Zunuigurumi」の欧文字が、上段と同じ長音記号を意図していると思しき記号を挟んで表示されている。長音記号を意図していると思しき記号は、始点から上へ向かって輪を描き、1回転した後輪の下側で線がクロスする曲線である。
本件商標の各構成要素についてみると、「えもじ」及び「Emoji」は「絵のような形で言葉・文字・記号の代わりとするもの。メッセンジャ-アプリ等で用いる、1文字サイズのイラストやアニメ-ション」等を意味する「絵文字」の語を平仮名及び欧文字で表したものと解される。「ずぬいぐるみ」及び「Zunuigurumi」は一般の辞書等に記載のない造語と考えられるが、「ぬいぐるみ」及び「nuigurumi」の部分からは「綿等を包み込んで動物等の形に作ったおもちゃ」が想起される可能性はある。
なお、本件商標のうち、長音記号を意図していると思しき記号を長音として考えると、各段は「えもじ-ずぬいぐるみ」及び「EmojiーZunuigurumi」の文字で構成されていると理解される。「えもじーずぬいぐるみ」及び「EmojiーZunuigurumi」の文字からは、上記「絵文字」及び「ぬいぐるみ」の意味が暗示的に想起される可能性はあるとしても、全体では特定の意味を有しない造語である。
イ 外観について
上段の「えもじ」と「ずぬいぐるみ」の文字、及び、下段の「Emoji」と「Zunuigurumi」の欧文字はそれぞれ同じ書体、同じ大きさではあるものの、長音記号を意図していると思しき記号で分断されている。
記号を長音記号と考えた場合、一連の文字としては一体的に感じられるものの、当該記号は上段・下段それぞれの文字の約2文字分の幅を占めており、「えもじ」と「ずぬいぐるみ」、「Emoji」と「Zunuigurumi」の文字は離れて配置されている印象を受ける。
また、ループ状の長音記号「ー」は一般的には本件商標の記号とは異なり、始点から下へ向かって輪を描き、1回転した後輪の上側で線がクロスする曲線として表現されることが多いものと考える。本件商標の記号を上下反転させた記号は、絵文字としても登録されている(甲6、甲7)。
そうとすると、本件商標に接した需要者が本件商標の記号を見てループ状の長音記号「ー」と瞬間的に理解する可能性は高くないというべきである。むしろ、瞬間的には「えもじ」と「ずぬいぐるみ」の文字、「Emoji」と「Zunuigurumi」の欧文字、そしてそれらの文字を分断する位置に配置された何らかの記号と理解するにとどまり、本件商標をじっくりと眺めた後にようやく、本件商標の記号がループ状の長音記号「ー」を表現している可能性に思い至るものと考える。
さらに言えば、長音記号「ー」は通常平仮名及び片仮名の語において使用されるものであるから、「Emoji」と「Zunuigurumi」の間に配されたものが長音記号「ー」であるとは通常理解されない。欧文字においては語と語をつなぐ記号としてハイフン「ー」が使用されるが、長音記号「ー」が本件商標中の記号とは上下逆転しているとはいえループ状に表現されることがあるのに対し、ハイフン「ー」をループ状に表現することが一般的であるとの事実はない。そうとすると、やはり「Emoji」と「Zunuigurumi」の文字は記号によって分断されている印象を需要者に与える。
ウ 観念について
上記のとおり、本件商標全体から特定の観念は生じず、本件商標からは、「えもじ」と「ずぬいぐるみ」の文字、「Emoji」と「Zunuigurumi」の欧文字が記号によって分断されている印象を受けるところ、「えもじ」と「ずぬいぐるみ」、「Emoji」と「Zunuigurumi」の間には観念上のつながりは特にない。したがって、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合しているものとは認められず、これらを常に一体不可分に把握しなければならない特段の事情は見いだし得ないことから、「えもじ」及び「Emoji」の部分より「絵文字」の観念が生じる。「ずぬいぐるみ」及び「Zunuigurumi」の部分は造語であるから、特定の観念は生じない。
エ 称呼について
本件商標の文字部分全体からは、「エモジズヌイグルミ」の称呼が生じる。また、本件商標の長音記号を意図していると思しき記号がループ状の長音記号「ー」であると解された場合には、「エモジーズヌイグルミ」の称呼が生じ得る。これら、本件商標の文字部分全体から生じる称呼は、9音又は長音を含めて10音とやや冗長であって、よどみなく一連に称呼することは容易とまでは言い難い。
そして、上記のとおり、「えもじ」と「ずぬいぐるみ」の文字、及び、「Emoji」と「Zunuigurumi」の欧文字は、それぞれ長音記号を意図していると思しき記号によって外観上分断されている。さらに、上記のとおり、「えもじ」と「ずぬいぐるみ」、「Emoji」と「Zunuigurumi」の間には観念上のつながりは特にない。そうとすると、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合しているものと認められず、これらを常に一体不可分に把握しなければならない特段の事情は見いだし得ない。商標全体から生じる称呼が長いこともあいまって、本件商標からは「エモジ」の称呼も生じ得る。
なお、「ずぬいぐるみ」及び「Zunuigurumi」が造語であって識別力が高いと考えられるのに比べると、「絵文字」を意味する「えもじ」及び「Emoji」は識別力が低いと考えられる可能性もある。
しかし、識別力が低い部分からは称呼が生じない場合があるものの、それは識別力がないまたは著しく低い場合である。「えもじ」及び「Emoji」の文字に関しては、単独では識別力を十分に有すると考えられる上、当該文字は本願商標の先頭と考えられる部分であるから、これを捨象してこの部分から称呼は生じないと判断することは妥当ではない。
オ 小括
以上のとおり、本件商標は、外観上「えもじ」と「ずぬいぐるみ」の文字、「Emoji」と「Zunuigurumi」の欧文字は長音記号を意図していると思しき記号で分断されており、観念上も構成全体から特定の観念が看取されることはなく、それぞれの部分の間のつながりもないことから、これらはそれぞれ独立して自他商品・役務識別標識として機能すると言える。したがって、本件商標の構成中、先頭部分と考えられる「えもじ」及び「Emoji」の文字部分に着目して取引に資される場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
そうすると、本件商標の要部は「えもじ」及び「Emoji」の文字部分にもあるといえ、商標全体から生じる観念・称呼の他、「えもじ」及び「Emoji」の部分のみから「絵文字」の観念及び「エモジ」の称呼が生じる。
(2)引用商標
引用商標1ないし引用商標3は、「emoji」の欧文字単独でなるものである。また、引用商標4は、別掲2に示すとおり、「emoji」の欧文字と記号から構成されるものである。そのため、該文字に相応する「エモジ」の称呼、及び、「絵文字」の観念を生じるものといえる。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 外観について
本件商標と引用商標とは、それぞれ、第2に示すとおりの構成からなるものであるから、その構成全体をもって対比する場合は、外観上、両商標が相紛れるおそれはないものといえる。
イ 称呼及び観合について
本件商標から生じる「エモジ」の称呼と引用商標から生じる「エモジ」の称呼は同一であり、また、両者は、「絵文字」の観念を生じる点において共通するものである。
ウ 小括
上記によれば、本件商標と引用商標とは、外観においては相紛れるおそれはないと言えるものの、称呼及び観念を共通にするものであるから、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合してみれば両商標を同一又は類似の商品について使用した場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
してみれば、本件商標と引用商標は類似する商標である。
2 指定商品の類否
本件商標の指定商品中、第28類の申立てに係る指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、上段に「えもじ」の文字に続きループ状の記号を介して「ずぬいぐるみ」の文字を書してなり、その下段に上段の文字に比べてやや小さく「Emoji」の文字に続き同じくループ状の記号を介して「Zunuigurumi」の欧文字をいずれも手書き風の文字にて上下二段に書してなるものである。
そして、その構成中のループ状の記号は、長音の表現手法の一つとしてループした形状の長音が使用されること(甲6)からすれば、当該ループ状の記号は、長音「ー」を記号化して表記したもの(以下「長音化記号」という。)と把握され得るものである。
また、上段の平仮名部分と下段の欧文字部分とは近接して配置されている上、下段の欧文字部分は、上段の平仮名部分に対応してローマ字表記したものと無理なく理解できるものであり、一方、上段及び下段の各文字は、それぞれ同書、同大にてまとまりよく表されているから、本件商標は、全体としてまとまりのある一体的なものとして認識されるとみるのが相当である。
さらに、本件商標の構成全体から生じる「エモジーズヌイグルミ」の称呼も格別冗長とまではいえず、無理なく一連に称呼し得るものである。
また、他に、本件商標の構成中の一部のみが取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足る事情は見いだせない。
してみると、本件商標のかかる構成からは、「エモジーズヌイグルミ」の一連の称呼をもって取引されるとみるのが自然である。
そして、当該構成文字は、一般的な辞書等に掲載のないものであって、特定の意味を有しない造語と理解されるものであるから、特定の観念を生じない。
そうすると、本件商標は、構成文字全体に相応して「エモジーズヌイグルミ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標1ないし引用商標3は、前記第2の1ないし3のとおり、「emoji」の欧文字を横書きしてなり、引用商標4は、別掲2のとおり、その構成中に「emoji」の欧文字を有してなるところ、「emoji」の語は、「表意文字の一種。絵を簡略化して文字として用いたもの。」(「広辞苑」第7版)の意味を有する「絵文字」の表音を理解させるものであるから、引用商標は、「emoji」の文字に相応して「エモジ」の称呼を生じ、「絵文字」の観念を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 外観について
本件商標の構成中の「Emoji」の文字部分と引用商標を構成する「emoji」文字とはつづりが共通するとしても、「えもじ」及び「ずぬいぐるみ」の平仮名と「Zunuigurumi」の欧文字及び長音化記号の有無により、外観上、明確に区別できるものである。
イ 称呼について
本件商標から生じる「エモジーズヌイグルミ」の称呼と引用商標から生じる「エモジ」の称呼とは「エモジ」の音を共通にするとしても、「ーズヌイグルミ」の音の差異を有するから称呼上、明瞭に聴別できるものである。
ウ 観念について
本件商標は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標からは「絵文字」の観念が生じるから、観念において相紛れないものである。
エ 小括
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標である。
その他、本件商標と引用商標が類似するというべき事情は見いだせない。
以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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