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商標異議申立

2025-900005

フォウエラ、フォーエラ

審判番号
2025-900005
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2024-006688
登録番号
6857218
請求日
2024年12月27日
審決日
2025年09月09日
公報発行日
2026年01月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】深▲せん▼宜利来貿易有限公司
  • 【異議申立人】アッコ ブランズ コーポレイション
  • 【異議申立人代理人】北口 貴大
  • 【異議申立人代理人】篠森 重樹
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 深田 彩紀子
分類
T1651.261-Y (W09) / T1651.262-Y (W09) / T1651.263-Y (W09) / T1651.271-Y (W09)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6857218号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6857218号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6857218号商標(以下「本件商標」という。)は、「FOWERA」の文字を標準文字で表してなり、令和6年1月24日に登録出願、第9類「仮想現実用ゴーグル,コンピュータ周辺機器,データ処理装置用カプラー,スマートフォン用のカバー,スマートフォン用のケース,コンピュータの画面保護用フィルム,充電式蓄電池,眼鏡型携帯情報端末,腕時計型携帯情報端末,携帯電話機用ストラップ,着用可能なアクティビティトラッカー,携帯電話機の画面保護用フィルム,スピーカー用筐体,スピーカー,イヤホーン,ヘッドホーン,カメラ用三脚,レンズフード,カメラ及び写真機械器具用バッグ,電気用ケーブル,プラグ・ソケットその他の電気接続具」を指定商品として、同年9月5日に登録査定、同年10月23日に設定登録されたものである。 第2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立ての理由に該当するとして引用する登録商標は、以下の1から3であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。 1 国際登録第1450252号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2018年(平成30年)5月15日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条による優先権を主張し、同年11月9日に国際商標登録出願、第9類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年1月8日に設定登録されたものである。 2 国際登録第1450590号商標(以下「引用商標2」という。)は、「POWERA」の文字を書してなり、2018年(平成30年)5月9日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条による優先権を主張し、同年11月9日に国際商標登録出願、第9類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年1月8日に設定登録されたものである。 3 国際登録第1454511号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2018年(平成30年)5月9日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条による優先権を主張し、同年11月9日に国際商標登録出願、第9類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和3年2月12日に設定登録されたものである。 なお、上記の引用商標1から引用商標3について、まとめていうときは、以下「引用商標」といい、そのほかに引用商標1及び引用商標3を「引用商標A」という場合がある。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により、取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証の1から甲第21号証を提出した。 以下、証拠の表記に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する。 1 商標法第4条第1項第11号について (1)外観における対比 ア 本件商標と引用商標2は、6文字の欧文字のみを構成要素とする点で共通する。具体的には、前者が「FOWERA」を標準文字で表してなるものであり、後者が「POWERA」を横書きに表してなる。両商標は、接頭文字「F」と「P」が相違するものの、それらに続く「OWERA」の5文字を共通にしている。加えて、相違文字である「F」と「P」は、共に、左側に縦線を持ち、右上に横線又は湾曲部分が加わるという共通した構造を有しており、基本態様が酷似している。フォントによっては、「P」の上部右側へ突き出した曲線部分が簡略化されることも少なくなく、「F」と視覚的に区別がつき難くなる場合がある。 また、欧文字「F」と「P」の外観上の近似(酷似)性については、異議事件でも認定されており、欧文字6文字からなる商標について、外観上の類似性を認定した審決等もある。 以上を踏まえると、本件商標「FOWERA」と引用商標2「POWERA」は、外観上相紛らわしい類似商標と考えるのが相当である。 イ 引用商標Aは、文字要素の他に図形要素をもその構成に含むものである。しかしながら、当該文字及び図形要素は一体的に表示されておらず、むしろ、各要素が分離可能な程度に上下又は左右に離れて配置されている。引用商標Aの文字要素は、やや丸みを帯びた特徴的なフォントで表されているものの、それにより該文字要素がいかなる文字列で構成されているかについて、その理解を妨げる程度のものではない。 また、当該文字列は、全て大文字で構成されておらず、語頭及び語尾のみを大文字で「PowerA」と表示されている。しかしながら、この事実が、引用商標Aが「P」「O(o)」「W(w)」「E(e)」「R(r)」「A」という文字列により成るとの理解を妨げるものではない。 よって、本件商標と引用商標Aについても、6文字中5文字のつづりを共通にし、さらに、相違文字「F」及び「P」自体酷似しているから、本件商標とこれらの商標は、外観上、類似するものである。 (2)称呼における対比 本件商標「FOWERA」は辞書等に掲載されている既成の語ではない。そのため、該文字列からは、ローマ字読み「フォウェラ」との称呼が生ずる。また、本件商標の語頭5文字「FOWER」が「POWER(パワー)」と近似して看取されやすいこと、当該5文字が「FLOWER(フラワー)」とも近似し、該文字を想起させやすいことを考慮すると、本件商標からは「ファワーエイ(FowerA)」との称呼も生ずる。 他方、引用商標の文字要素からは、「ポウェラ」又は「パワーエイ」との称呼が生ずる。 本件商標と引用商標から生ずる「フォウェラ」と「ポウェラ」は3音構成からなり、そのうち2音が共通している。相違音「フォ」と「ポ」は、聴取上、明確に区別されない場合があると考えられ、かかる相違を基に、両称呼を峻別することは容易ではない。 また、それぞれの商標から生ずる他の称呼である「ファワーエイ」と「パワーエイ」は、5音構成からなり、そのうちの4音が共通し、異なるのは語頭に位置する「ファ」と「パ」の点のみであるが、これらの相違音は、母音「a」を共通にしている。そして、日本語では「f」が両唇音として発音される傾向にあるため、両者は近似した音として聴取される。 よって、それぞれを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が極めて近似したものとなり、称呼上相紛れるおそれがあるものといわなければならない。 なお、「ファ」と「パ」の聴覚的な違いは、母音が共通していること及び両者とも無声音であることなどから、発話環境によっては混同されやすい音であると考えられる。 2件の異議決定においても、「ファ」と「パ」の音の差異について、母音や調音位置の共通性により称呼が極めて近似することを理由に、相紛れるおそれを肯定したものがあり、現代音声学においても、発話状況や聴取環境によっては近似した音として知覚される可能性があると指摘されている。 よって、本件商標と引用商標との間に存在する称呼上の相違は微差にすぎず、本件商標とこれらの商標は、称呼においても類似するというのが相当である。 (3)観念における対比 本件商標及び引用商標(の文字要素)のいずれも、辞書等に掲載されている語ではないから、これらは、特定の観念を生じさせない造語といって差し支えない。 以上より、本件商標と引用商標(の文字要素)は、6文字中5文字のつづりを共通にし、さらに、相違文字「F」及び「P」自体酷似しているから、本件商標とこれらの商標は、外観上、類似するものである。 そして、これらの商標は、称呼においても、語調、語感が極めて近似(酷似)して聴取されるものであり、その差異は微差にすぎず、本件商標と引用商標とを識別するための決定的な契機とはなり得ない。 さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも造語であり、特定の観念を生じさせないから、観念を契機としこれらの商標を識別することもできない。 よって、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において相紛らわしい類似商標というのが相当である。 (4)指定商品における対比 本件商標に係る指定商品は、引用商標に係る指定商品と類似する。 以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号について (1)引用商標の周知・著名性について 申立人は、世界的に事務用品、学用品及び消費者向け電子機器アクセサリ(付属品)などを手掛ける米国法人であり、多数のグローバルブランドを展開している。これらの製品は、オフィスや家庭、学校など幅広い環境で使用されており、北米・欧州・アジアを含む各地域で販売実績を有している。 その中でもPOWERAブランドは、申立人が展開する家庭用ゲーム機器向けアクセサリの専門ブランドであり、特にNintendo SwitchやXboxなどのゲームプラットフォームに対応するコントローラー、充電器、収納ケースなどを提供している。 引用商標に象徴されるPOWERAブランドは、申立人の日本法人であるアコ・ブランズ・ジャパン株式会社によって日本国内でも継続的に使用されている商標であり、家庭用ゲーム機器及び関連アクセサリ分野において一定の認知を得ている。 POWERA製品の売上げは年間1億円前後で推移しており、毎年一定の販売実績を維持し、日本国内における継続的な使用実績と市場での流通を確認することができることから、POWERAブランドは、単なる海外製ゲームアクセサリーの一ブランドにとどまらず、日本国内のゲームユーザー及びメディアの間において、着実に認知と評価を高めている。 とりわけ、Nintendo SwitchやXboxといった人気プラットフォーム向けに展開される同ブランドの製品は、任天堂の公式ライセンス商品であることから高い信頼性を有し、ゲーム系ニュースメディアやレビューサイト、個人ブログ等において繰り返し取り上げられている。 加えて、ゲームアクセサリー市場の動向を報じた「PressWalker」によれば、ゲームパッド市場は2022年において約312億ドル規模に達したとされており、POWERAはこの成長分野において継続的に製品を供給しているブランドの一つとされている(甲21)。 POWERAは、元々ワシントン州を拠点とする米国法人ベンスッセン・ドイチ・アンド・アソシエイツ エルエルシー(Bensussen Deutsch & Associates, LLC)が2009年に立ち上げ、展開していた家庭用ビデオゲームアクセサリーブランドであったが、2020年12月、申立人が同ブランドを買収し、申立人のポートフォリオの一部門となった。 同ブランドは、主要なゲームプラットフォームやタイトル出版社と長年にわたり協力関係を築いており、コンソールゲーム業界での確固たる実績を有している。同ブランド製品は、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ラテンアメリカなど、世界中の主要小売業者やeコマースパートナーを通じて提供されてきた。 上記買収後もブランド保有者名ではなくブランド名が前面に出ていることは、当該ブランドが市場において相当程度浸透し、独立して識別され得る存在となっていることの証左である(甲21)。 以上のように、POWERAブランドは、国際的なバックグラウンドを有しつつも、日本市場において実際に使用され、報道され、評価されている実態が確認できる。かかる事実より、引用商標により表象される当該ブランドは、本件商標の指定商品の分野において、申立人又はそのグループを表示するものとして、需要者の間で広く認識されている。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度について 本件商標は、欧文字6文字で「FOWERA」を標準文字で表してなり、その構成文字中5文字「OWERA」を引用商標(の文字要素)と共通にしている。 相違文字「F」と「P」自体も極めて近似しており、本件商標と引用商標間には、外観上、相当程度高い類似性が認められる。また、本件商標と引用商標とが、称呼上も近似していることは既に述べたとおりである。 本件商標と引用商標は、共に造語であり特定の観念を生じるものでないから、観念において比べるべくもない。そのため、本件商標と引用商標の類似性の程度は高い。 引用商標は、辞書等に掲載されておらず造語と理解できるから、本件商標に係る指定商品の分野において、申立人及びその関連会社並びにそれらの業務に係る商品を表示する商標として一定程度の独創性を有する。 してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、その商品が、あたかも申立人又は申立人と組織的若しくは経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるというのが相当である。 以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「FOWERA」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は一般的な辞書等に載録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせないものであることから、特定の観念を生じることのない造語として認識されるというのが相当である。 そして、造語からなる欧文字にあっては、ローマ字読み又は英語読みに倣って発音するのが一般的であるから、本件商標は、その構成文字に相応して、「フォウエラ」又は「フォーエラ」の称呼が生じるものである。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「フォウエラ」又は「フォーエラ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標 ア 引用商標Aは、別掲1及び別掲2のとおり、「PowerA」の文字を構成中に含むものであり、「Power」の文字(語)は、「力」ほどの意味を有する語であるが、全体としては特定の意味合いを想起させる語とは認められないものである。 そうすると、引用商標Aは、その構成文字に相応して「パワーエイ」の称呼を生じ、全体として特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標2は、「POWERA」の文字を横書きしたものであるから、その構成文字に相応して、「ポウエラ」又は「ポーエラ」の称呼を生じ、当該文字は、一般の辞書等に載録がない語であることから、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標の類否 ア 外観について (ア)本件商標と引用商標Aとを比較するに、両者は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、「FOWERA」の文字と「PowerA」の文字とは、外観の識別上重要な要素である語頭において、「F」と「P」の文字の差異を有するものであるから、たとえ「OWERA(owerA)」のつづりが共通するとしても、この差異が、さほど冗長ともいえない6文字の構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいとはいえず、また、大文字のみの構成か小文字を含む構成かの差異、図形又は色彩の有無により、構成態様が明らかに相違するものである。 (イ)本件商標と引用商標2とを比較するに、両者は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、「FOWERA」の文字と「POWERA」の文字とは、外観の識別上重要な要素である語頭において、「F」と「P」の文字の差異を有するものであるから、たとえ「OWERA」の文字が共通するとしても、この差異が、さほど冗長ともいえない6文字の構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいとはいえないものである。 (ウ)したがって、本件商標と引用商標は、外観上、明確に区別し得るものである。 イ 称呼について (ア)本件商標から生じる「フォウエラ」又は「フォーエラ」の称呼と、引用商標Aから生じる「パワーエイ」の称呼とは、明瞭に聴別し得るものである。 (イ)本件商標から生じる「フォウエラ」又は「フォーエラ」の称呼と、引用商標2から生じる「ポウエラ」又は「ポーエラ」の称呼とは、語頭の音が「フォ」と「ポ」で相違するから、明瞭に聴別し得るものである。 (ウ)したがって、本件商標と引用商標は、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。 ウ 観念について 本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は観念上、具体的な比較をすることができない。 エ 以上より、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において明確に区別し得るものであり、称呼において明瞭に聴別できるものであるから、両商標が与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。 (4)小括 本件商標と引用商標は、上記(3)のとおり、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知性について 申立人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 ア 申立人は、事務用品、学用品及び消費者向け電子機器アクセサリ(付属品)などを手掛ける米国法人であり、北米・欧州・アジアを含む各地域で販売実績を有している(申立人の主張)。 イ POWERAブランドは、申立人が展開する家庭用ゲーム機器向けアクセサリの専門ブランドであり、特にNintendo SwitchやXboxなどのゲームプラットフォームに対応するコントローラー、充電器、収納ケースなどを提供している(申立人の主張)。 ウ POWERAブランドは、申立人の日本法人であるアコ・ブランズ・ジャパン株式会社によって、日本国内でも継続的に使用されている商標である(申立人の主張)。 エ 2019年度から2023年度の過去5年間におけるPOWERAブランド製品の売上げは、年間1億円前後で推移している(申立人の主張)。 オ 「ファミ通.com」のウェブサイトにおいて、引用商標3が使用されており、PowerAブランドのNintendo Switch用コントローラーが紹介され、2022年に国内販売を開始、2024年2月に任天堂のライセンスを正式に取得したことが掲載されている(甲15)。 カ 「株式会社インプレス」のウェブサイトにおいて、PowerAブランドのNintendo Switch用コントローラーが紹介されている(甲16)。 キ 「note」のブログサイトにおいて、2019年及び2022年に海外Amazonから購入したPowerAのコントローラーに関する2名のレビューが掲載されている(甲17~甲19)。 ク 「価格.com」のウェブサイトにおいて、2024年9月6日発売のPowerAのコントローラーが紹介されており、売れ筋ランキングは234位、レビュー投稿数は1件である(甲20)。 ケ 「PressWalker」のウェブサイトにおいて、「ゲームパッド市場レポート:世界のゲームパッド市場規模は2022年までに約312億ドル」の見出しの下、「2.本レポートに含まれる内訳」として、「会社別」にPowerAが掲載されている(甲21)。 コ POWERAは、元々ワシントン州を拠点とする米国法人ベンスッセン・ドイチ・アンド・アソシエイツ エルエルシー(Bensussen Deutsch & Associates, LLC)が2009年に立ち上げ、展開していた家庭用ビデオゲームアクセサリーブランドであったが、2020年12月、申立人が同ブランドを買収し、申立人のポートフォリオの一部門となった。同ブランド製品は、北米、ヨーロッパ、オーストラリア、ラテンアメリカなど、世界中の主要小売業者やeコマースパートナーを通じて提供されてきた(申立人の主張)。 サ 上記アからコによれば、POWERA製品は、申立人の日本法人であるアコ・ブランズ・ジャパン株式会社によって、日本国内において、年間1億円前後の売上げがあり(2019年度~2023年度)、ゲーム関連のウェブサイトにおいて、PowerAブランドのNintendo Switch用コントローラーが2回紹介され、2022年に国内販売を開始、2024年2月に任天堂のライセンスを正式に取得したこと、2名の個人ブログサイトにおいて、海外Amazonから購入したPowerAのコントローラーに関するレビューが掲載されていること等が認められる。 しかしながら、商品の売上げはさほど高いとはいえず、紹介記事もさほど多くはなく、また、引用商標を使用した商品に関する広告宣伝の規模等は不明であることから、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又はその日本法人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度 上記1(3)のとおり、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (3)小括 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又はその日本法人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に、広く認識されているものと認めることはできず、また、本件商標と引用商標とは、類似性の程度が低いものであるから、本件商標は、その商標権者がこれをその指定商品について使用しても、これに接する需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。 3 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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