商標無効審判
2025-890024
ジェイオオエスエス、ジョス
- 審判番号
- 2025-890024
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 無効審判(無効の審決)
- 出願番号
- 商願2023-083974
- 登録番号
- 6802753
- 請求日
- 2025年04月01日
- 審決日
- 2026年03月04日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ウェイフェア エルエルシー
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】小暮 理恵子
- 【請求人代理人】行田 朋弘
- 【被請求人】株式会社ジュニアー
- 【被請求人代理人】弁理士法人長谷川内外特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 浜岸 愛
- 分類
- T112 .261-Y (W35) / T112 .262-Y (W35) / T112 .263-Y (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法46条1項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6802753号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6802753号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和5年7月28日に登録出願、第35類に属する別掲2のとおりの役務を指定役務として、令和6年4月15日に登録査定、同年5月9日に設定登録されたものである。
第2 請求人が引用する商標
請求人が、本件商標の登録の無効の理由において、商標法第4条第1項第11号に該当するものとして引用する国際登録1167011号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおり、「JOSS&MAIN」の文字を普通に用いられる方法で書してなり、2013年(平成25年)4月11日に国際商標登録出願、第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、2015年(平成27年)2月27日に我が国において設定登録されたものである。
そして、その後、引用商標の指定役務は、2022年(令和4年)5月11日に国際登録簿に記録された本件の登録の減縮によって、第35類に属する別掲4に示すとおりの指定役務になったものであり、その商標権は現に有効に存続している。
第3 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る役務」という。)についての商標登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を審判請求書において要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 無効事由
本件商標は、請求に係る役務について、商標法第4条第1項第11号に該当するため、同法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。
(1)本件商標と引用商標の類否
引用商標は、本件商標の商標登録出願の日前の商標登録出願に係る請求人の登録商標である。請求人は、本件商標の出願人との関係において他人である。引用商標は、「JOSS」、「&」及び「MAIN」の語からなるところ、当該欧文字からは特定の意味合いは生じず、いずれも造語と認識でき、両語には観念の点において特段の結びつきもないものといえる。さらに、「&」の文字により「JOSS」と「MAIN」の語が結合されているため、視覚上明確に分離して捉えることが可能である。また、各語は特定の意味を有しないことから、観念上の結びつきがあるとはいえない。
これらを総合的に考慮すると、各構成部分を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。そうすると、需要者は、引用商標中「JOSS」と「MAIN」の両部分について称呼、観念がそれぞれ生じ得るとみることができ、出所表示識別標識として認識し得るものであることから、各部分と本件商標を比較することが許される。
よって、本件商標と引用商標中の「JOSS」の語を比較すると、「O」の文字が着色されている点において、相違するものの、構成文字は共通する。商標の類否判断において、需要者・取引者は語頭の語に最も注目するところ、本件商標と引用商標の語頭部は「JOSS」の語が共通することから、外観上、相紛らわしい印象を与えるものである。
また、「JOSS」の語から生じる称呼は「ジョス」であるところ、本件商標と引用商標の語頭部はつづりが同じであることから、称呼は同一である。そうすると、需要者が両商標を聴別することは困難である。したがって、両商標は称呼において類似する商標である。
なお、本件商標と引用商標からは特定の意味合いは生じず、いずれも造語と認識でき、両語には観念の点において特段の結びつきもないことから、両商標は観念において、比較することができない商標である。
以上より、本件商標と引用商標とは、観念は比較し得ないとしても、外観及び称呼において同一又は類似であり、全体として類似の商標である。したがって、需要者において、本件商標は引用商標と出所混同を生じるおそれがある商標である。
(2)指定役務の類否について
本件商標の指定役務中「請求に係る役務」は、引用商標の指定役務(別掲4)と役務の提供に関連する物品が一致する。また、これらの役務に係る需要者の範囲は一致する。
さらに、これらの役務の類似群コードは同一であることから、審査において、類似する役務と推定するとして取り扱われるものである。
したがって、両商標の役務は類似する。
(3)小括
以上より、本件商標と引用商標は、観念において、対比し得ないものの、外観及び称呼が類似する商標であり、その指定役務も類似する役務である。したがって、本件商標を「請求に係る役務」に使用した場合、引用商標と出所混同を生じるおそれがあるため、本件商標登録は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 被請求人の主張
被請求人は、請求人の主張に対し、何ら答弁していない。
第5 当審の判断
1 請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては、当事者間に争いがないものであり、請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、「J.O.S.S」の文字(「O」の文字は着色されている。以下、同じ。)を横書きしてなるところ、本件商標は、各文字の間に「.」(ドット)が付されていることから「ジェイオオエスエス」の称呼が生じるというのが自然であり、また、当該文字は、既成の語として辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語ではないから、本件商標は、特定の観念を有しない一種の造語と理解されるものである。
また、「J.O.S.S」の文字から「.」(ドット)を除いた「JOSS」の文字は、「神像,偶像.」(「プログレッシブ英和中辞典」小学館)ほどの意味を有する語であるとしても、我が国で親しまれた英語とはいえないことから、特定の意味合いを想起させるものではない。
なお、特定の意味を想起させない欧文字については、一般に、我が国において親しまれているローマ字読み又は英語の読みに倣って称呼されることが少なくないことからすると、本件商標は、「ジョス」の称呼も生じ得る。
したがって、本件商標は、「ジェイオオエスエス」又は「ジョス」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、別掲3のとおり、「JOSS&MAIN」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成は、すべての文字及び記号が同じ大きさ、同じ書体、等間隔でまとまりよく表されているものであって、いずれかの文字だけが独立して看者の注意を引くものではない。
また、引用商標の構成中、「JOSS」の文字は、上記(1)のとおり、特定の意味合いを想起させる語ではなく、「&」は、「アンド」と発音し、「二つの語句を対等に接続する語。」である「アンド(and)」の意味で一般に使用されている記号であり(「デジタル大辞泉」小学館)、「MAIN」の文字は、「主要な,主な,」(「プログレッシブ英和中辞典」小学館)ほどの意味をそれぞれ表す語であるところ、これらの文字と記号とを結合してなる引用商標全体よりは明瞭な意味合いが生じるとはいえず、その構成中いずれかの部分が自他役務識別標識として強く支配的な印象を与える部分であるというべき事情も見当たらない。さらに、引用商標全体より生じる「ジョスアンドメイン」の称呼も、冗長でなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうすると、引用商標に接する需要者は、引用商標を一体不可分の造語よりなるものと認識、理解するとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字及び記号に相応して「ジョスアンドメイン」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否について検討すると、外観において、各文字の間の「.」(ドット)の有無、「O」の文字の着色、「MAIN」の文字及び記号の有無に明らかな差異があるから、外観上、明確に区別し得るものである。
次に、本件商標から生じる「ジェイオオエスエス」の称呼と引用商標から生じる「ジョスアンドメイン」の称呼とを比較すると、その構成音数及び音構成において顕著な差異を有することから、称呼上、明瞭に聴別できる。
また、本件商標から生じ得る「ジョス」の称呼と引用商標から生じる「ジョスアンドメイン」の称呼とを比較すると、両者は「アンドメイン」の音の有無という差異を有し、この差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、明瞭に聴別できる。
さらに、観念においては、両者は特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観及び称呼において相紛れるおそれはなく、観念において比較することができないものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両者の指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)請求人の主張について
請求人は、本件商標と引用商標の語頭は、「JOSS」の語が共通することから、観念は比較し得ないとしても、外観及び称呼においては同一又は類似であり、全体として類似の商標である旨主張している。
しかしながら、上記(2)で述べたとおり、引用商標の構成文字及び記号はまとまりよく一体的に表され、これより生ずる「ジョスアンドメイン」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものであり、かつ、「&」は、二つの文字を対等に接続する語の意味で使用されている記号である。そして、引用商標の構成中「JOSS」又は「MAIN」のいずれかの文字が、取引者、需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、いずれかの文字から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるに足りる事情は見いだせない。
そうすると、引用商標は、その構成文字全体が一体不可分のものであって、「ジョスアンドメイン」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものというべきである。
また、本件商標は、上記(1)のとおり、各文字の間に「.」(ドット)が付されていることから「ジェイオオエスエス」の称呼が自然であるし、たとえ「ジョス」の称呼が生じ得るとしても、引用商標とは区別し得るものである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(5)小括
上記のとおり、本件商標と引用商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標の指定役務が、引用商標の指定役務と類似する役務を含むものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第46条第1項第1号の規定により、無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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