特許異議申立
2025-700113
非燃焼加熱式たばこ及び電気加熱式たばこ製品
- 審判番号
- 2025-700113
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-572024
- 登録番号
- 7522863
- 請求日
- 2025年01月27日
- 審決日
- 2026年05月20日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】日本たばこ産業株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
- 【異議申立人】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
- 【異議申立人代理人】池田 成人
- 【異議申立人代理人】戸津 洋介
- 審判長/審判官
- 審判長 大山 健
- 審判官 槙原 進
- 審判官 松永 謙一
- 分類
- P1651.113-YAA(A24D) / P1651.121-YAA(A24D) / P1651.851-YAA(A24D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第113条第2号、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7522863号発明「非燃焼加熱式たばこ及び電気加熱式たばこ製品」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7522863号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1~5〕について訂正することを認める。
特許7522863号の請求項1~5に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7522863号(以下「本件特許」という。)の請求項1~5に係る特許についての出願は、2021年(令和3年)11月30日(優先権主張2020年12月24日、日本国)を国際出願日とする出願であって、令和6年7月17日にその特許権の設定登録がされ、令和6年7月25日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和7年1月27日 :特許異議申立人 ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド(以下「申立人」という。)による請求項1~5に係る特許に対する特許異議の申立て
令和7年6月27日付け :取消理由通知
令和7年8月28日 :特許権者による意見書の提出及び訂正の請求
(なお、令和7年9月8日付けで訂正請求があった旨の通知を期間を指定して行ったが、申立人からは何ら応答がなかった。)
第2 本件訂正による訂正の適否
1 本件訂正の内容について
令和7年8月28日の訂正の請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線部は、訂正箇所である。)。
[訂正事項1]
特許請求の範囲の請求項1に「該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられており、該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在する」と記載されているのを、「該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられており、該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在するとともに、前記冷却セグメントと前記たばこロッド部との境界から、前記冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2~5も同様に訂正する。)
2 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「開孔」に関して、「前記冷却セグメントと前記たばこロッド部との境界から、前記冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する」との発明特定事項を付加することによって、開孔を設ける位置を限定したものである。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1によって付加される発明特定事項は、本件特許の願書に添付した明細書の「【0032】・・・また、冷却セグメント12とたばこロッド部11との境界を基準に考えると、冷却セグメント12の軸方向の長さが20mm以上である場合、開孔Vが存在する領域は、冷却機能を確保する観点から、冷却セグメント12とたばこロッド部11との境界から、冷却セグメント側の方向に2mm以上の領域であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましく、10mm以上であることがさらに好ましく、14.5mm以上であることが特に好ましく、また、加熱により生成される成分のデリバリーを向上させる観点から、18mm以下であることが好ましく、16mm以下であることがより好ましく、14.5mm以下であることがさらに好ましい。」との記載、
「【0034】冷却セグメントの長軸方向の長さは、製品のサイズに合わせて適宜変更し得るが、通常15mm以上であり、20mm以上であることが好ましく、25mm以上であることがより好ましく、また、通常40mm以下であり、35mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましい。」との記載、に基づくものである。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである(下線は、当審で付与した。以下同様。)。
ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、発明特定事項の直列的付加に該当するものである。
したがって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
エ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件においては、訂正前の請求項1~5に特許異議の申立てがされているので、請求項1に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(2)一群の請求項
訂正前の請求項1~5について、請求項2~5は、請求項1を直接又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~5に対応する訂正後の請求項1~5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
3 小括
以上のことから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項、第6項に適合するから、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕について訂正することを認める。
第3 本件発明
本件訂正により訂正された請求項1~5に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明5」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「【請求項1】
たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこであって、
該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含み、該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接し、前記フィルター濾材に香料が添加されており、
該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられており、該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在するとともに、前記冷却セグメントと前記たばこロッド部との境界から、前記冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する、非燃焼加熱式たばこ。
【請求項2】
前記フィルターセグメントが、1つまたは複数の中空部を有するセンターホールセグメントと、フィルター濾材とを含む、請求項1に記載の非燃焼加熱式たばこ。
【請求項3】
前記香料の添加量が、非燃焼加熱式たばこ一本当たり、1mg以上、20mg以下である、請求項1または2に記載の非燃焼加熱式たばこ。
【請求項4】
前記香料がメンソールである、請求項1~3のいずれか一項に記載の非燃焼加熱式たばこ。
【請求項5】
ヒーター部材と、該ヒーター部材の電力源となる電池ユニットと、該ヒーター部材を制御するための制御ユニットとを備える電気加熱型デバイスと、該ヒーター部材に接触するように挿入される、請求項1~4のいずれか1項に記載の非燃焼加熱式たばこと、から構成される、電気加熱式たばこ製品。」
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
1 取消理由通知の概要
当審が令和7年6月27日付けの取消理由通知に記載した取消理由の概要は、次のとおりである。
理由1(新規性)
本件特許の請求項1~5に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1~5に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
理由2(進歩性)
本件特許の請求項1~5に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献に記載された発明に基いて、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
記
<引用文献(甲号証)>
(1)国際公開第2020/183165号(甲第1号証であって、以下「甲1」という。当審訳として特表2022-524599号公報を参照した。)
(2)国際公開第2020/128045号(甲第3号証であって、以下「甲3」という。当審訳として特表2022-514750号公報を参照した。)
(3)特表平8-511176号公報(甲第4号証であって、以下「甲4」という。)
(4)特開2014-90720号公報(甲第5号証であって、以下「甲5」という。)
(5)国際公開第2020/115898号(甲第6号証であって、以下「甲6」という。)
(6)特表2019-518450号公報(甲第7号証であって、以下「甲7」という。)
2 その他の甲号証
また、申立人は、その他の甲号証として、以下の文献を提出した。
(7)特許第5771338号公報(甲第2号証であって、以下「甲2」という。)
第5 当審の判断
1 甲号証の記載
(1)甲1
ア 甲1の記載
甲1には、次の記載事項及び図示事項がある。
なお、当審訳については、甲1の対応する国内公報である特表2022-524599号公報の記載及び段落番号を参照した。
(ア)「A first aspect of the invention provides an aerosol generating assembly comprising (i) an aerosol generating device comprising a coil; and (ii) an aerosol generating article, wherein the aerosol generating article comprises a substantially cylindrical rod of aerosol generating material of between about 10mm and 100mm in length; wherein the article and device are arranged with respect to each other such that the aerosol generating material is heatable by the aerosol generating device. The coil can comprise an induction coil and the aerosol generating device can comprise an induction heater.」(第1ページ第15行-第22行)
[当審訳]
「【0003】
本発明の第1の態様は、(i)コイルを備えるエアロゾル生成デバイスと、(ii)エアロゾル生成物品とを具備し、エアロゾル生成物品が、長さ約10mm~100mmの実質的に円筒形のエアロゾル生成材料のロッドを備え、物品及びデバイスが、エアロゾル生成材料がエアロゾル生成デバイスによって加熱可能になるように、互いに対して配置されている、エアロゾル生成アセンブリを提供する。コイルは、誘導コイルを備えることができ、エアロゾル生成デバイスは、誘導加熱器を備えることができる。」
(イ)「Apparatus is known that heats aerosol generating material to volatilise at least one component of the aerosol generating material, typically to form an aerosol which can be inhaled, without burning or combusting the aerosol generating material. Such apparatus is sometimes described as a “heat-not-burn device”, a “tobacco heating product device” or a “tobacco heating device” or similar. Similarly, there are also so-called e-cigarette devices, which typically vaporise an aerosol generating material in the form of a liquid, which may or may not contain nicotine. The aerosol generating material may be in the form of or be provided as part of a rod, cartridge or cassette or the like which can be inserted into the apparatus. A heater for heating and volatilising the aerosol generating material may be provided as a “permanent” part of the apparatus.
In some cases herein, the aerosol generating material may be a solid or gel. That is, the aerosol generating device may be a heat-not-burn device. In some cases, the aerosol generating material is a solid and comprises a tobacco material.」(第3ページ第19行-第33行)
[当審訳]
「【0011】
エアロゾル生成材料を燃やすこと又は燃焼させることなく、エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させ、典型的には吸入することができるエアロゾルを形成する装置が知られている。そのような装置は、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、又は「タバコ加熱デバイス」などとして記載されることがある。同様に、典型的には液体の形態のエアロゾル生成材料を気化させるいわゆるeシガレットデバイスも存在し、エアロゾル生成材料はニコチンを含有しても又は含有しなくてもよい。エアロゾル生成材料は、装置に挿入することができるロッド、カートリッジ、若しくはカセットなどの形態とすることができ、又はその一部として提供することができる。エアロゾル生成材料を加熱して揮発させるための加熱器を、装置の「恒久的」な部分として提供することができる。
【0012】
本明細書では、いくつかの場合、エアロゾル生成材料は、固体又はゲルとすることができる。すなわち、エアロゾル生成デバイスは、非燃焼加熱式デバイスとすることができる。いくつかの場合、エアロゾル生成材料は固体であり、タバコ材料を含む。」
(ウ)「Referring now to the figures, there is illustrated in Figure l an example of an aerosol generating device 100 for generating aerosol from an aerosol generating medium/material. In broad outline, the device 100 may be used to heat a replaceable article no comprising the aerosol generating medium, to generate an aerosol or other inhalable medium which is inhaled by a user of the device 100.」(第13ページ第1行-第5行)
[当審訳]
「【0058】
これらの図を次に参照すると、図1には、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成デバイス100の一例が示されている。概要では、デバイス100を使用して、エアロゾル生成媒体を備える交換可能な物品110を加熱し、デバイス100の使用者によって吸入されるエアロゾル又は他の吸入可能な媒体を生成することができる。」
(エ)「The device 100 further comprises a power source 118. The power source 118 may be, for example, a battery, such as a rechargeable battery or a non-rechargeable battery. Examples of suitable batteries include, for example, a lithium battery (such as a lithium-ion battery), a nickel battery (such as a nickel-cadmium battery), and an alkaline battery. The battery is electrically coupled to the heating assembly to supply electrical power when required and under control of a controller (not shown) to heat the aerosol generating material. In this example, the battery is connected to a central support 120 which holds the battery 118 in place.
The device further comprises at least one electronics module 122. The electronics module 122 may comprise, for example, a printed circuit board (PCB). The PCB 122 may support at least one controller, such as a processor, and memory. The PCB 122 may also comprise one or more electrical tracks to electrically connect together various electronic components of the device too. For example, the battery terminals may be electrically connected to the PCB 122 so that power can be distributed throughout the device 100. The socket 114 may also be electrically coupled to the battery via the electrical tracks.
In the example device 100, the heating assembly is an inductive heating assembly and comprises various components to heat the aerosol generating material of the article 110 via an inductive heating process. Induction heating is a process of heating an electrically conducting object (such as a susceptor) by electromagnetic induction. An induction heating assembly may comprise an inductive element, for example, one or more inductor coils, and a device for passing a varying electric current, such as an alternating electric current, through the inductive element. The varying electric current in the inductive element produces a varying magnetic field. The varying magnetic field penetrates a susceptor suitably positioned with respect to the inductive element, and generates eddy currents inside the susceptor. The susceptor has electrical resistance to the eddy currents, and hence the flow of the eddy currents against this resistance causes the susceptor to be heated by Joule heating. In cases where the susceptor comprises ferromagnetic material such as iron, nickel or cobalt, heat may also be generated by magnetic hysteresis losses in the susceptor, i.e. by the varying orientation of magnetic dipoles in the magnetic material as a result of their alignment with the varying magnetic field. In inductive heating, as compared to heating by conduction for example, heat is generated inside the susceptor, allowing for rapid heating. Further, there need not be any physical contact between the inductive heater and the susceptor, allowing for enhanced freedom in construction and application.
The induction heating assembly of the example device too comprises a susceptor arrangement 132 (herein referred to as “a susceptor”), a first inductor coil 124 and a second inductor coil 126. The first and second inductor coils 124, 126 are made from an electrically conducting material. In this example, the first and second inductor coils 124, 126 are made from Litz wire/cable which is wound in a helical fashion to provide helical inductor coils 124, 126. Litz wire comprises a plurality of individual wires which are individually insulated and are twisted together to form a single wire. Litz wires are designed to reduce the skin effect losses in a conductor. In the example device 100, the first and second inductor coils 124, 126 are made from copper Litz wire which has a rectangular cross section. In other examples the Litz wire can have other shape cross sections, such as circular.」(第14ページ第21行-第15ページ第35行)
[当審訳]
「【0067】
デバイス100は、動力源118をさらに備える。動力源118は、たとえば、再充電可能なバッテリー又は再充電不可のバッテリーなどのバッテリーとすることができる。好適なバッテリーの例には、たとえば、リチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、ニッケルバッテリー(ニッケルカドミウムバッテリーなど)、及びアルカリバッテリーが含まれる。バッテリーは、加熱アセンブリに電気的に結合されて、必要とされるとき、コントローラ(図示せず)の制御下で、エアロゾル生成材料を加熱するための電力を供給する。この例では、バッテリーは、中心支持体120に接続されており、中心支持体120は、バッテリー118を定位置で保持する。
【0068】
デバイスは、少なくとも1つの電子モジュール122をさらに備える。電子モジュール122は、たとえばプリント回路基板(PCB)を備えることができる。PCB122は、プロセッサなどの少なくとも1つのコントローラ及びメモリを支持することができる。PCB122はまた、デバイス100の様々な電子構成要素をともに電気的に接続するための1つ又は複数の電気トラックを備えることができる。たとえば、デバイス100全体にわたって動力を分散させることができるように、バッテリー端子をPCB122に電気的に接続することができる。ソケット114はまた、電気トラックを介してバッテリーに電気的に結合することができる。
【0069】
例示的なデバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによって物品110のエアロゾル生成材料を加熱するための様々な構成要素を備える。誘導加熱は、電磁誘導によって導電体(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導要素、たとえば1つ又は複数のインダクタコイルと、交流などの変動電流を誘導要素に通すためのデバイスとを備えることができる。誘導要素内の変動電流は、変動磁界を生じさせる。変動磁界は、誘導要素に対して好適に配置されたサセプタに侵入し、サセプタ内に渦電流を生成する。サセプタは、渦電流に対して電気抵抗を有し、したがってこの抵抗に逆らう渦電流の流れのため、サセプタがジュール加熱によって加熱される。サセプタが鉄、ニッケル、又はコバルトなどの強磁性材料を含む場合、サセプタ内の磁気ヒステリシス損失によって、すなわち変動磁界との位置合わせの結果として磁性材料内の磁気双極子の向きが変動することによって、熱を生成することもできる。誘導加熱では、たとえば伝導による加熱と比較すると、サセプタ内で熱が生成され、それにより急速な加熱が可能になる。さらに、誘導加熱器とサセプタとの間のいかなる物理的な接触も必要なく、構造及び適用に関してさらなる自由が可能になる。
【0070】
例示的なデバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書では、「サセプタ」と呼ぶ)、第1のインダクタコイル124、及び第2のインダクタコイル126を備える。第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、導電性材料から作られる。この例では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、螺旋形インダクタコイル124、126を提供するように螺旋形に巻かれたリッツ線/ケーブルから作られる。リッツ線は、複数の個別のワイアを含み、これらのワイアは個々に絶縁されており、これらが撚り合わされて単一のワイアを形成する。リッツ線は、導体の表皮効果損失を低減させるように設計される。例示的なデバイス100では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は、方形の断面を有する銅のリッツ線から作られる。他の例では、リッツ線は、円形などの他の形状の断面を有することもできる。」
(オ)「The susceptor 132 of this example is hollow and therefore defines a receptacle within which aerosol generating material is received. For example, the article 110 can be inserted into the susceptor 132. In this example the susceptor 120 is tubular, with a circular cross section.」(第17ページ第4行-第7行)
[当審訳]
「【0074】
この例のサセプタ132は中空であり、したがってエアロゾル生成材料が受け取られるレセプタクルを画定する。たとえば、物品110をサセプタ132に挿入することができる。この例では、サセプタ120は管状であり、円形の断面を有する。」
(カ)「Figure 5A depicts a cross section of a portion of the device 100 of Figure 1. Figure 5B depicts a close-up of a region of Figure 5A. Figures 5A and 5B show the article 110 received within the susceptor 132, where the article 110 is dimensioned so that the outer surface of the article 110 abuts the inner surface of the susceptor 132. This ensures that the heating is most efficient. The article 110 of this example comprises aerosol generating material 110a. The aerosol generating material 110a is positioned within the susceptor 132. The article 110 may also comprise other components such as a filter, wrapping materials and/or a cooling structure.」(第18ページ第19行-第26行)
[当審訳]
「【0084】
図5Aは、図1のデバイス100の一部分の断面図を示す。図5Bは、図5Aの一領域の拡大図を示す。図5A及び図5Bは、サセプタ132内に受け取られた物品110を示し、物品110は、物品110の外面がサセプタ132の内面に当接するように寸法設定されている。これにより、加熱が最も効率的になることが確実になる。この例の物品110は、エアロゾル生成材料110aを備える。エアロゾル生成材料110aは、サセプタ132内に配置される。物品110はまた、フィルター、包装材料、及び/又は冷却構造などの他の構成要素を備えることができる。」
(キ)「Referring to Figures 6A and 6B, there is shown a partially cut-away section view and a perspective view of an example of an aerosol generating article 110. The article 110. In use, the article 110 is removably inserted into the device 100 shown in Figure 1 at the opening 104 of the device 100.
The article 110 of one example is in the form of a substantially cylindrical rod that includes a body of aerosol generating material 303 and a filter assembly 305 in the form of a rod. The filter assembly 305 includes three segments, a cooling segment 307, a filter segment 309 and a mouth end segment 311. The article 110 has a first end 313, also known as a mouth end or a proximal end and a second end 315, also known as a distal end. The body of aerosol generating material 303 is located towards the
distal end 315 of the article 110. In one example, the cooling segment 307 is located adjacent the body of aerosol generating material 303 between the body of aerosol generating material 303 and the filter segment 309, such that the cooling segment 307 is in an abutting relationship with the aerosol generating material 303 and the filter segment 309. In other examples, there may be a separation between the body of aerosol generating material 303 and the cooling segment 307 and between the body of aerosol generating material 303 and the filter segment 309. The filter segment 309 is located in between the cooling segment 307 and the mouth end segment 311. The mouth end segment 311 is located towards the proximal end 313 of the article 110, adjacent the filter segment 309. In one example, the filter segment 309 is in an abutting relationship with the mouth end segment 311. In one embodiment, the total length of the filter assembly 305 is between 37mm and 45mm, more preferably, the total length of the filter assembly 305 is 41mm.」(第19ページ第21行-第20ページ第9行)
[当審訳]
「【0092】
図6A及び図6Bを参照すると、エアロゾル生成物品110の一例の部分切開断面図及び斜視図が示されている。物品110。使用中、物品110は、デバイス100の開口104で、図1に示すデバイス100に取外し可能に挿入される。
【0093】
一例の物品110は、実質的に円筒形のロッドの形態であり、エアロゾル生成材料本体303と、ロッドの形態のフィルターアセンブリ305とを含む。フィルターアセンブリ305は、冷却セグメント307、フィルターセグメント309、及び口端セグメント311という3つのセグメントを含む。物品110は、口端又は近位端としても知られている第1の端部313と、遠位端としても知られている第2の端部315とを有する。エアロゾル生成材料本体303は、物品110の遠位端315の方に配置される。一例では、冷却セグメント307は、エアロゾル生成材料本体303とフィルターセグメント309との間で、エアロゾル生成材料本体303に隣り合って配置され、したがって冷却セグメント307は、エアロゾル生成材料303及びフィルターセグメント309と当接関係にある。他の例では、エアロゾル生成材料本体303と冷却セグメント307との間、及びエアロゾル生成材料本体303とフィルターセグメント309との間に、分離を設けることができる。フィルターセグメント309は、冷却セグメント307と口端セグメント311との間に配置される。口端セグメント311は、物品110の近位端313の方に、フィルターセグメント309に隣り合って配置される。一例では、フィルターセグメント309は、口端セグメント311と当接関係にある。一実施形態では、フィルターアセンブリ305の全長は37mm~45mmであり、フィルターアセンブリ305の全長は、41mmであることがより好ましい。」
(ク)「The filter segment 309 may be formed of any filter material sufficient to remove one or more volatilised compounds from heated volatilised components from the aerosol generating material. In one example the filter segment 309 is made of a mono-acetate material, such as cellulose acetate. The filter segment 309 provides cooling and irritation-reduction from the heated volatilised components without depleting the quantity of the heated volatilised components to an unsatisfactory level for a user.」(第22ページ第17行-第22行)
[当審訳]
「【0105】
フィルターセグメント309は、エアロゾル生成材料からの加熱揮発成分から1つ又は複数の揮発化合物を除去するのに十分な任意のフィルター材料から形成することができる。一例では、フィルターセグメント309は、酢酸セルロースなどのモノ酢酸材料から作られる。フィルターセグメント309は、加熱揮発成分の量を使用者にとって満足できないレベルまで使い尽くすことなく、加熱揮発成分からの冷却及び刺激低減を提供する。」
(ケ)「One or more flavours may be added to the filter segment 309 in the form of either direct injection of flavoured liquids into the filter segment 309 or by embedding or arranging one or more flavoured breakable capsules or other flavour carriers within the cellulose acetate tow of the filter segment 309.
In one example, the filter segment 309 is between 6mm to 10mm in length, more preferably 8mm.
The mouth end segment 311 is an annular tube and is located around and defines an air gap within the mouth end segment 311. The air gap provides a chamber for heated volatilised components that flow from the filter segment 309. The mouth end segment 311 is hollow to provide a chamber for aerosol accumulation yet rigid enough to withstand axial compressive forces and bending moments that might arise during manufacture and whilst the article is in use during insertion into the device too. In one example, the thickness of the wall of the mouth end segment 311 is approximately 0.29mm.
In one example, the length of the mouth end segment 311 is between 6mm to 10mm and more preferably 8mm. In one example, the thickness of the mouth end segment is 0.29mm.
The mouth end segment 311 may be manufactured from a spirally wound paper tube which provides a hollow internal chamber yet maintains critical mechanical rigidity. Spirally wound paper tubes are able to meet the tight dimensional accuracy requirements of high-speed manufacturing processes with respect to tube length, outer diameter, roundness and straightness.
The mouth end segment 311 provides the function of preventing any liquid condensate that accumulates at the exit of the filter segment 309 from coming into direct contact with a user.」(第23ページ第5行-第29行)
[当審訳]
「【0109】
フィルターセグメント309には、フィルターセグメント309への香料入り液体の直接注入の形態で、又はフィルターセグメント309の酢酸セルローストウ内に1つ若しくは複数の香料入りの破壊可能なカプセル若しくは他の香料担体を埋め込み若しくは配置することによって、1つ又は複数の香料を加えることができる。
【0110】
一例では、フィルターセグメント309は、長さ6mm~10mm、より好ましくは8mmである。
【0111】
口端セグメント311は環状の管であり、口端セグメント311内の空隙の周りに配置され、この空隙を画定する。空隙は、フィルターセグメント309から流れる加熱揮発成分のためのチャンバを提供する。口端セグメント311は中空であり、製造中及びデバイス100への挿入中に物品が使用されている間に生じ得る軸線方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのになお十分な剛性を有するエアロゾル蓄積物のためのチャンバを提供する。一例では、口端セグメント311の壁の厚さは、約0.29mmである。
【0112】
一例では、口端セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmである。一例では、口端セグメントの厚さは0.29mmである。
【0113】
口端セグメント311は、中空の内部チャンバを提供するが臨界機械剛性を維持する螺旋形に巻かれた紙管から製造することができる。螺旋形に巻かれた紙管は、管の長さ、外径、真円度、及び真直度に関する高速製造プロセスの厳しい寸法精度要件を満たすことが可能である。
【0114】
口端セグメント311は、フィルターセグメント309の出口に蓄積する凝縮液が使用者に直接接触することを防止する機能を提供する。」
(コ)「A ventilation region 317 is provided in the article 110 to enable air to flow into the interior of the article 110 from the exterior of the article 110. In one example the ventilation region 317 takes the form of one or more ventilation holes 317 formed through the outer layer of the article 110. The ventilation holes may be located in the cooling segment 307 to aid with the cooling of the article 301. In one example, the ventilation region 317 comprises one or more rows of holes, and preferably, each row of holes is arranged circumferentially around the article 110 in a cross-section that is substantially perpendicular to a longitudinal axis of the article 110.」(第24ページ第3行-第10行)
[当審訳]
「【0116】
物品110の外部から物品110の内部へ空気が流れることを可能にするように、物品110内に通気領域317が提供される。一例では、通気領域317は、物品110の外層を通って形成された1つ又は複数の通気孔317の形態である。通気孔は、物品301の冷却を支援するように、冷却セグメント307内に配置することができる。一例では、通気領域317は、1つ又は複数の列の孔を備えており、各列の孔は、物品110の長手方向軸線に実質的に直交する断面において、物品110の周りに円周方向に配置されることが好ましい。」
(サ)「In one example, the rows of ventilation holes 317 are located at least 11mm from the proximal end 313 of the article, more preferably the ventilation holes are located between 17mm and 20mm from the proximal end 313 of the article 110. The location of the ventilation holes 317 is positioned such that user does not block the ventilation holes 317 when the article 110 is in use.
Advantageously, providing the rows of ventilation holes between 17mm and 20mm from the proximal end 313 of the article 110 enables the ventilation holes 317 to be located outside of the device too, when the article 110 is fully inserted in the device too, as can be seen in Figure 1. By locating the ventilation holes outside of the apparatus, non-heated air is able to enter the article no through the ventilation holes from outside the device 100 to aid with the cooling of the article 110.」(第24ページ第23行-第25ページ第2行)
[当審訳]
「【0119】
一例では、これらの列の通気孔317は、物品の近位端313から少なくとも11mmあけて配置され、通気孔は、物品110の近位端313から17mm~20mmあけて配置されることがより好ましい。通気孔317の箇所は、物品110の使用中に使用者が通気孔317を塞がないように配置される。
【0120】
通気孔の列を物品110の近位端313から17mm~20mmあけて提供することで、図1に見ることができるように、物品110がデバイス100に完全に挿入されたとき、通気孔317がデバイス100の外側に位置することが有利である。通気孔を装置の外側に配置することによって、加熱されていない空気が、デバイス100の外側から通気孔を通って物品110に入り、物品110の冷却を支援することが可能になる。」
(シ)「Preferably the aerosol generating material or substrate is formed from tobacco material as described herein, which includes a tobacco component.」(第35ページ第16行-第17行)
[当審訳]
「【0154】
エアロゾル生成材料又は基質は、タバコ成分を含む本明細書に記載するタバコ材料から形成されることが好ましい。」
(ス)「Figure 8a is a side-on cross sectional view of a further article i’ including a capsule- containing mouthpiece 2’. Figure 8b is a cross sectional view of the capsule- containing mouthpiece shown in Figure 8a through the line A-A’ thereof. Article l’ and capsule-containing mouthpiece 2’ are the same as the article 1 and mouthpiece 2 illustrated in Figure 7, except that an aerosol modifying agent is provided within the body of material 6, in the present example in the form of a capsule 11, and that an oil- resistant first plug wrap 7’ surrounds the body of material 6. In other examples, the aerosol modifying agent can be provided in other forms, such as material injected into the body of material 6 or provided on a thread, for instance the thread carrying a flavourant or other aerosol modifying agent, which may also be disposed within the body of material 6.」(第40ページ第31行-第41ページ第9行)
[当審訳]
「【0172】
図8aは、カプセル収納マウスピース2’を含むさらなる物品1’の側面断面図である。図8bは、線A-A’で切り取った、図8aに示すカプセル収納マウスピースの断面図である。物品1’及びカプセル収納マウスピース2’は、材料本体6内にエアロゾル変性剤が、この例ではカプセル11の形態で提供され、耐油性の第1のプラグラップ7’が、材料本体6を取り囲むことを除いて、図7に示す物品1及びマウスピース2と同じである。他の例では、材料本体6に注入された材料、又は糸に提供された材料など、エアロゾル変性剤を他の形態で提供することができ、たとえば糸は、香味料又は他のエアロゾル変性剤を保持することができ、エアロゾル変性剤もまた、材料本体6内に配置することができる。」
(セ)「The capsule core comprises the aerosol modifier. This aerosol modifier may be any volatile substance which modifies at least one property of the aerosol. For example, the aerosol substance may modify the pH, the sensorial properties, the water content, the delivery characteristics or the flavour. In some cases, the aerosol modifier may be selected from an acid, a base, water or a flavourant. In some embodiments, the aerosol modifier comprises one or more flavourants.
The flavourant may suitably be licorice, rose oil, vanilla, lemon oil, orange oil, a mint- flavour, suitably menthol and/or a mint oil from any species of the genus Mentha such as peppermint oil and/or spearmint oil,or lavender, fennel or anise.
In some cases, the flavourant comprises menthol.」(第46ページ第11行-第20行)
[当審訳]
「【0196】
カプセルコアは、エアロゾル変性剤を含む。このエアロゾル変性剤は、エアロゾルの少なくとも1つの特性を変性する任意の揮発性物質とすることができる。たとえば、エアロゾル物質は、pH、感覚特性、水分量、送達特徴、又は香料を変性することができる。いくつかの場合、エアロゾル変性剤は、酸、塩基、水、又は香味料から選択することができる。いくつかの実施形態では、エアロゾル変性剤は、1つ又は複数の香味料を含む。
【0197】
香味料は、リコリス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、ペパーミント油及び/若しくはスペアミント油などのハッカ属の任意の種からのミント香料、好適にはメンソール、及び/若しくはミント油、又はラベンダー、フェンネル、若しくはアニスとすることができることが好適である。
【0198】
いくつかの場合、香味料はメンソールを含む。」
(ソ)「The capsules may include at least about 2 mg, 3 mg or 4 mg of the aerosol modifier, suitably at least about 4.5 mg of the aerosol modifier, 5 mg of the aerosol modifier, 5.5 of mg the aerosol modifier or 6 mg of the aerosol modifier.
In some cases, the consumable comprises at least about 7 mg of the aerosol modifier, suitably at least about 8 mg of the aerosol modifier, 10 mg of the aerosol modifier, 12 mg of the aerosol modifier or 15 mg of the aerosol modifier. The core may also comprise a solvent which dissolves the aerosol modifier.」(第47ページ第1行-第8行)
[当審訳]
「【0201】
カプセルは、少なくとも約2mg、3mg、又は4mgのエアロゾル変性剤、好適には少なくとも約4.5mgのエアロゾル変性剤、5mgのエアロゾル変性剤、5.5mgのエアロゾル変性剤、又は6mgのエアロゾル変性剤を含むことができる。
【0202】
いくつかの場合、消耗品は、少なくとも約7mgのエアロゾル変性剤、好適には少なくとも約8mgのエアロゾル変性剤、10mgのエアロゾル変性剤、12mgのエアロゾル変性剤、又は15mgのエアロゾル変性剤を含む。コアはまた、エアロゾル変性剤を溶解する溶剤を含むことができる。」
(タ)「As used herein, the terms "flavour" and "flavourant" refer to materials which, where local regulations permit, may be used to create a desired taste or aroma in a product for adult consumers. They may include extracts (e.g., licorice, hydrangea, Japanese white bark magnolia leaf, chamomile, fenugreek, clove, menthol, Japanese mint, aniseed, cinnamon, herb, wintergreen, cherry, berry, peach, apple, Drambuie, bourbon, scotch, whiskey, spearmint, peppermint, lavender, cardamom, celery, cascarilla, nutmeg, sandalwood, bergamot, geranium, honey essence, rose oil, vanilla, lemon oil, orange oil, cassia, caraway, cognac, jasmine, ylang-ylang, sage, fennel, piment, ginger, anise, coriander, coffee, or a mint oil from any species of the genus Mentha), flavour enhancers, bitterness receptor site blockers, sensorial receptor site activators or stimulators, sugars and/or sugar substitutes (e.g., sucralose, acesulfame potassium, aspartame, saccharine, cyclamates, lactose, sucrose, glucose, fructose, sorbitol, or mannitol), and other additives such as charcoal, chlorophyll, minerals, botanicals, or breath freshening agents. They may be imitation, synthetic or natural ingredients or blends thereof. They may comprise natural or nature-identical aroma chemicals. They may be in any suitable form, for example, oil, liquid, powder, or gel.」(第49ページ第30行-第50ページ第10行)
[当審訳]
「【0213】
本明細書では、「香料」及び「香味料」という用語は、現地の規制が許す場合、成人消費者向けの製品に所望の味又は香りを生じさせるために使用することができる材料を指す。香料は、抽出物(たとえば、リコリス、アジサイ、ホオノキ葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、モモ、リンゴ、ドランビュイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、フェンネル、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのミント油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(たとえば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びにチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加物を含むことができる。香料は、模倣品、合成若しくは天然成分、又はその混合物とすることができる。香料は、天然又は天然と同一の香りの化学物質を含むことができる。香料は、任意の好適な形態、たとえば油、液体、粉末、又はゲルとすることができる。」
(チ)「
[図:0001438268000001.jpg]
」(図6A)
(ツ)「
[図:0001438268000002.jpg]
」(図6B)
イ 上記アから認められる事項
(ア)上記アの段落【0011】及び【0093】の記載事項並びに図6A及び図6Bの図示事項から、エアロゾル生成材料本体303と、フィルターアセンブリ305とを備える実質的に円筒形のロッドの形態のエアロゾル生成材料が燃焼されることなく加熱される物品110が認められる。
また、上記アの段落【0011】、【0012】及び【0154】の記載事項並びに図6A及び図6Bの図示事項から、エアロゾル生成材料本体303は、タバコ材料から形成されるロッドの形態であることが認められる。
そうすると、上記アから、タバコ材料から形成されるロッドの形態であるエアロゾル生成材料本体303と、フィルターアセンブリ305とを備える実質的に円筒形のロッドの形態のエアロゾル生成材料が燃焼されることなく加熱される物品110が認められる。
(イ)上記アの段落【0093】の記載事項並びに図6A及び図6Bの図示事項から、フィルターアセンブリ305は、冷却セグメント307と、フィルターセグメント309と、口端セグメント311とを含み、エアロゾル生成材料本体303と冷却セグメント307は隣接することが認められる。
また、上記アの段落【0105】の記載事項から、フィルターセグメント309は、フィルター材料を含むことが認められる。
また、上記アの段落【0111】の記載事項から、口端セグメント311は環状の管であることが認められる。
さらに、上記アの段落【0109】、【0196】-【0198】及び【0213】の記載事項から、フィルターセグメント309は、フィルター材料にメンソールを含む香料が添加されているものであることが認められる。
そうすると、上記アから、フィルターアセンブリ305は、冷却セグメント307と、フィルター材料を含むフィルターセグメント309と、環状の管である口端セグメント311とを含み、エアロゾル生成材料本体303と冷却セグメント307は隣接し、フィルター材料に香料が添加されていることが認められる。
(ウ)上記アの段落【0116】の記載事項並びに図6A及び図6Bの図示事項から、冷却セグメント307の周りに円周方向に空気が外部から内部に流れる通気孔317が設けられていることが認められる。
また、上記アの段落【0119】の記載事項から、通気孔317が、物品110の近位端313から17mm~20mmあけて配置されていることが認められる。
また、上記アの段落【0110】の記載事項から、フィルターセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであることが認められる。
さらに、上記アの段落【0112】の記載事項から、口端セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであることが認められる。
ウ 甲1発明
上記ア及び上記イ(ア)-(ウ)を総合し、整理すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「タバコ材料から形成されるロッドの形態であるエアロゾル生成材料本体303と、フィルターアセンブリ305とを備える実質的に円筒形のロッドの形態のエアロゾル生成材料が燃焼されることなく加熱される物品110であって、
該フィルターアセンブリ305は、冷却セグメント307と、フィルター材料を含むフィルターセグメント309と、環状の管である口端セグメント311とを含み、該エアロゾル生成材料本体303と該冷却セグメント307は隣接し、前記フィルター材料にメンソールを含む香料が添加されており、
該冷却セグメント307の周りに円周方向に空気が外部から内部に流れる通気孔317が設けられており、該通気孔317が、前記物品110の近位端313から17mm~20mmあけて配置され、前記フィルターセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであり、前記口端セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmである、物品110。」
エ 甲1の技術事項
上記ア及び上記イ(ア)-(ウ)を総合し、整理すると、甲1には、次の技術事項(以下「甲1の技術事項」という。)が記載されていると認めることができる。
「エアロゾル生成材料本体303と、冷却セグメント307、フィルター材料を含むフィルターセグメント309及び環状の管である口端セグメント311を含むフィルターアセンブリ305とを備える実質的に円筒形のロッドの形態のエアロゾル生成材料が燃焼されることなく加熱される物品110において、
該冷却セグメント307の周りに円周方向に空気が外部から内部に流れる通気孔317が設けられており、該通気孔317が、前記物品110の近位端313から17mm~20mmあけて配置され、前記フィルターセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであり、前記口端セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであること。」
(2)甲3
ア 甲3の記載
甲3には、次の記載事項及び図示事項がある。
なお、当審訳については、甲3の対応する国内公報である特表2022-514750号公報の記載及び段落番号を参照した。
(ア)「The present invention relates to an aerosol generating article comprising an aerosol generating substrate and adapted to produce an inhalable aerosol upon heating.
Aerosol-generating articles in which an aerosol-generating substrate, such as a tobacco- containing substrate, is heated rather than combusted, are known in the art. Typically in such heated smoking articles, an aerosol is generated by the transfer of heat from a heat source to a physically separate aerosol-generating substrate or material, which may be located in contact with, within, around, or downstream of the heat source. During use of the aerosol-generating article, volatile compounds are released from the aerosol-generating substrate by heat transfer from the heat source and are entrained in air drawn through the aerosol-generating article. As the released compounds cool, they condense to form an aerosol.
A number of prior art documents disclose aerosol-generating devices for consuming aerosol-generating articles. Such devices include, for example, electrically heated aerosol generating devices in which an aerosol is generated by the transfer of heat from one or more electrical heater elements of the aerosol-generating device to the aerosol-generating substrate of a heated aerosol-generating article.」(第1ページ第3行-第17行)
[当審訳]
「【0001】
本発明は、エアロゾル発生基体を備える、かつ加熱に伴い吸入可能なエアロゾルを生成するように適合されたエアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
たばこ含有基体などのエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品は、当業界で周知である。典型的に、こうした加熱式喫煙物品においてエアロゾルは、熱源からの熱を、物理的に分離されたエアロゾル発生基体または材料に伝達することによって発生され、このエアロゾル発生基体または材料は熱源に接触して、または熱源内に、または熱源の周囲に、または熱源の下流に位置してもよい。エアロゾル発生物品の使用中、揮発性化合物は、熱源からの熱伝達によってエアロゾル発生基体から放出され、エアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に同伴される。放出された化合物は冷えるにつれて凝縮してエアロゾルを形成する。
【0003】
数多くの先行技術文書は、エアロゾル発生物品を消費するためのエアロゾル発生装置を開示している。こうした装置としては、例えばエアロゾル発生装置の一つ以上の電気ヒーター要素から加熱式エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体への熱伝達によってエアロゾルが発生される、電気加熱式エアロゾル発生装置が挙げられる。」
(イ)「A conventional cigarette is lit when a user applies a flame to one end of the cigarette and draws air through the other end. The localised heat provided by the flame and the oxygen in the air drawn through the cigarette causes the end of the cigarette to ignite, and the resulting combustion generates an inhalable smoke. By contrast, in heated aerosol generating articles, an aerosol is generated by heating a flavour generating substrate, such as tobacco. Known heated aerosol generating articles include, for example, electrically heated aerosol generating articles and aerosol generating articles in which an aerosol is generated by the transfer of heat from a combustible fuel element or heat source to a physically separate aerosol forming material. For example, aerosol generating articles according to the invention find particular application in aerosol generating systems comprising an electrically heated aerosol generating device having an internal heater blade which is adapted to be inserted into the rod of aerosol generating substrate. Aerosol generating articles of this type are described in the prior art, for example, in EP 0822670.
As used herein, the term“aerosol generating device” refers to a device comprising a heater element that interacts with the aerosol generating substrate of the aerosol generating article to generate an aerosol.」(第3ページ第5行-第20行)
[当審訳]
「【0012】
従来の紙巻たばこは、ユーザーが炎を紙巻たばこの一方の端に付け、もう一方の端を通して空気を吸う時に点火される。炎と紙巻たばこを通して引き出された空気中の酸素とによってもたらされた局在化した熱は、紙巻たばこの端を点火させて、その結果生じる燃焼は吸入可能な煙を発生する。これに反して、加熱式エアロゾル発生物品において、エアロゾルは風味発生基体(たばこなど)を加熱することによって発生される。周知の加熱式エアロゾル発生物品としては、例えば電気加熱式エアロゾル発生物品と、可燃性燃料要素または熱源から、物理的に分離されたエアロゾル形成材料への熱の伝達によってエアロゾルが発生されるエアロゾル発生物品とが挙げられる。例えば、本発明によるエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体のロッドの中に挿入されるように適合されている内部ヒーターブレードを有する電気加熱式のエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにおいて特定の用途がある。このタイプのエアロゾル発生物品は、先行技術、例えば欧州特許第EP0822670号に記載されている。
【0013】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体と相互作用してエアロゾルを発生するヒーター要素を備える装置を指す。」
(ウ)「The mouthpiece segment comprises a plug of filtration material capable of removing particulate components, gaseous components or a combination. Suitable filtration materials are known in the art and include, but are not limited to: fibrous filtration materials such as, for example, cellulose acetate tow, viscose fibres, polyhydroxyalkanoates (PHA) fibres, polylactic acid (PLA) fibres and paper; adsorbents such as, for example, activated alumina, zeolites, molecular sieves and silica gel; and
combinations thereof. In addition, the plug of filtration material may further comprise one or more aerosol-modifying agent. Suitable aerosol-modifying agents are known in the art and include, but are not limited to, flavourants such as, for example, menthol. In some embodiments, the mouthpiece may further comprise a mouth end recess downstream of the plug of filtration material. By way of example, the mouthpiece may comprise a hollow tube arranged in longitudinal alignment with, and immediately downstream of the plug of filtration material, the hollow tube forming a cavity at the mouth end that is open to the outer environment at the downstream end of the mouthpiece and of the aerosol-generating article.」(第10ページ第17行-第29行)
[当審訳]
「【0057】
マウスピースセグメントは、粒子状の構成要素、気体状の構成要素、または組み合わせを除去する能力を有する濾過材料のプラグを備える。適切な濾過材料は当業界で周知であり、繊維質の濾過材料(例えば、セルロースアセテートトウ、ビスコース繊維、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)繊維、ポリ乳酸(PLA)繊維、紙など)、吸着剤(例えば活性化アルミナ、ゼオライト、分子ふるい、シリカゲルなど)、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。加えて、濾過材料のプラグは、一つ以上のエアロゾル修飾剤をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル修飾剤は当業界で周知であり、例えばメントールなどの風味剤を含むが、これに限定されない。一部の実施形態において、マウスピースは、濾過材料のプラグの下流に口側端の陥凹部をさらに含んでもよい。一例として、マウスピースは、濾過材料のプラグと長軸方向に整列されて配設、かつ濾過材料のプラグのすぐ下流に配設された中空管を含んでもよく、中空管は、マウスピースおよびエアロゾル発生物品の下流端で外部環境に対して開放している口側端に空洞を形成する。」
(エ)「The ventilation zone may comprise one or more rows of perforations formed through the peripheral wall of the hollow tubular segment. Preferably the ventilation zone comprises only one rows of perforations. This is understood to be advantageous in that, by concentrating the cooling effect brought about by ventilation over a short portion of the cavity defined by the hollow tube segment, it may be possible to further enhance aerosol nucleation. This is because a faster and more drastic cooling of the stream of volatilised species is expected to particularly favour the formation of new nuclei of aerosol particles.」(第16ページ第15行-第21行)
[当審訳]
「【0089】
通気ゾーンは、中空の管状セグメントの周辺壁を通して形成された一列以上の穿孔を備えてもよい。通気ゾーンは、一列の穿孔のみを備えることが好ましい。これは、中空管セグメントによって画定された空洞の短い部分にわたる通気によってもたらされた冷却効果を凝縮させることによって、エアロゾルの核形成をさらに高めることが可能であるという点で有利であると理解される。これは、揮発した種の流れの、より高速でより劇的な冷却が、エアロゾル粒子の新たな核の形成に特に有利に働くことが期待されるからである。」
(オ)「The aerosol-generating article 10 shown in Figure 1 comprises a rod of aerosol-generating substrate 12, a hollow cellulose acetate tube 14, a hollow tubular segment 16 and a mouthpiece segment 18. These four elements are arranged in end-to-end, longitudinal alignment and are circumscribed by a wrapper 20 to form the aerosol-generating article 10. The aerosol-generating article 10 has a mouth end 22 and an upstream, distal end 24 located at the opposite end of the article to the mouth end 22.
The aerosol-generating article 10 shown in Figure 1 is particularly suitable for use with an electrically operated aerosol-generating device comprising a heater for heating the rod of aerosol-generating substrate.
The rod of aerosol-generating substrate 12 has a length of about 12 millimetres and a diameter of about 7 millimetres. The rod 12 is cylindrical in shape and has a substantially circular cross-section. The rod 12 comprises a gathered sheet of homogenised tobacco material. The sheet of homogenised tobacco material comprises 10 percent by weight on a dry basis of glycerine. The hollow cellulose acetate tube 14 has a length of about 8 millimetres and a thickness of 1 millimetre.」(第23ページ第26行-第24ページ第2行)
[当審訳]
「【0133】
図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッド12、中空のセルロースアセテート管14、中空の管状セグメント16、およびマウスピースセグメント18を備える。これらの四つの要素は端と端を接して長軸方向に整列して配設されていて、かつ外側ラッパー20によって囲まれていて、エアロゾル発生物品10を形成する。エアロゾル発生物品10は、口側端22と、口側端22に対して物品の反対側の端に位置する上流の遠位端24とを有する。図1に示すエアロゾル発生物品10は、エアロゾル発生基体のロッドを加熱するためのヒーターを備える、電気的に作動するエアロゾル発生装置で使用するために特に適切である。
【0134】
エアロゾル発生基体のロッド12は、約12ミリメートルの長さ、および約7ミリメートルの直径を有する。ロッド12は円筒状の形状であり、実質的に円形の断面を有する。ロッド12は、均質化したたばこ材料のシートの集合体を含む。均質化したたばこ材料のシートは、乾燥基準で10重量パーセントのグリセリンを含む。中空のセルロースアセテート管14は、約8ミリメートルの長さ、および1ミリメートルの厚さを有する。」
(カ)「An equivalent internal diameter of the hollow tubular segment 16 may be about 5.3 millimetres. Thus, a volume of the cavity internally defined by the hollow tubular segment 16 is about 397 cubic millimetres. As such, a ratio between the weight of the hollow tubular segment and the volume of the internal cavity defined by the hollow tubular segment 16 is about 0.43. Figure 3 illustrates yet another example of an aerosol-generating article in accordance with the invention. The aerosol-generating article 40 of Figure 3 differs structurally from the aerosol generating articles 10 of Figure 1 and 30 of Figure 2 in that it does not include a hollow cellulose acetate tube as a support element. Accordingly, the lengths of the three main components are also different. In the following the same reference numerals will be used, wherever possible, for corresponding components having the same structural or functional function.
In the aerosol-generating article 40 of Figure 3, the rod 12 has a length of about 12 millimetres, the hollow tubular segment 14 has a length of about 26 millimetres, and the mouthpiece segment 18 comprises a plug of cellulose acetate tow has a length of about 12 millimetres and 11 denier per filament. The ventilation zone 26 is provided at about 5 millimetres from the upstream end of the mouthpiece segment 18, and at about 21 millimetres from the upstream end of the hollow tubular segment, which in this embodiment coincides with the downstream end of the rod 12.」(第25ページ第1行-第17行)
[当審訳]
「【0141】
中空の管状セグメント16の相当内径は、約5.3ミリメートルであってもよい。それ故に、中空の管状セグメント16によって内部に画定された空洞の容積は、約397立方ミリメートルである。そのため、中空の管状セグメントの重量と中空の管状セグメント16によって画定された内部空洞の容積との比は、約0.43である。図3は、本発明によるエアロゾル発生物品のまた別の実施例を図示する。図3のエアロゾル発生物品40は、支持要素として中空のセルロースアセテート管を含まないという点で、図1のエアロゾル発生物品10および図2のエアロゾル発生物品30と構造的に異なる。その結果、三つの主要な構成要素の長さも異なる。以下において、同一の構造または機能的働きを有する対応する構成要素について、可能な限り同一の参照番号を使用する。
【0142】
図3のエアロゾル発生物品40において、ロッド12は約12ミリメートルの長さを有し、中空の管状セグメント14は約26ミリメートルの長さを有し、マウスピースセグメント18はフィラメント当たり11デニールのセルロースアセテートトウのプラグを備え、約12ミリメートルの長さを有する。通気ゾーン26は、マウスピースセグメント18の上流端から約5ミリメートルのところに提供されていて、かつこの実施形態においてロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメントの上流端から約21ミリメートルのところに提供されている。」
(キ)「
[図:0001438268000003.jpg]
」(図3)
イ 上記アから認められる事項
(ア)上記アの段落【0002】の記載事項並びに図3の図示事項から、エアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品40が認められる。
そして、上記アの段落【0134】の記載事項並びに図3の図示事項から、エアロゾル発生物品40は、均質化したたばこ材料のシートを含むエアロゾル発生基体のロッド12を備えることが認められる。
また、上記アの段落【0133】及び【0141】の記載事項並びに図3の図示事項から、エアロゾル発生物品40は、中空の管状セグメント16及びマウスピースセグメント18からなる口側端22側の要素の部分を備えることが認められる。
そうすると、上記アから、均質化したたばこ材料のシートを含むエアロゾル発生基体のロッド12と、口側端22側の要素の部分とを備える、エアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品40が認められる。
(イ)上記アの段落【0133】、【0141】及び【0142】の記載事項並びに図3の図示事項から、エアロゾル発生物品40において、口側端22側の要素の部分は、中空の管状セグメント16と、セルロースアセテートトウのプラグを備えたマウスピースセグメント18とを含むことが認められる。
(ウ)上記アの段落【0133】及び【0141】の記載事項並びに図3の図示事項から、エアロゾル発生物品40において、エアロゾル発生基体のロッド12と中空の管状セグメント16は隣接することが認められる。
(エ)上記アの段落【0057】及び【0142】の記載事項から、エアロゾル発生物品40において、セルロースアセテートトウのプラグにメントールなどの風味剤が含まれていることが認められる。
(オ)上記アの段落【0089】及び【0142】の記載事項並びに図3の図示事項から、エアロゾル発生物品40において、中空の管状セグメント16に通気ゾーン26が設けられており、通気ゾーン26は、中空の管状セグメント16の周辺壁を通して形成された穿孔を備えていることが認められる。
(カ)上記アの段落【0142】の記載事項並びに図3の図示事項から、エアロゾル発生物品40において、通気ゾーン26が、マウスピースセグメント18の上流端から約5ミリメートルのところ、かつ、ロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメントの上流端から約21ミリメートルのところにあることが認められる。
ウ 甲3発明
上記ア及び上記イ(ア)-(カ)を総合し、整理すると、甲3には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「均質化したたばこ材料のシートを含むエアロゾル発生基体のロッド12と、口側端22側の要素の部分とを備える、エアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品40であって、
該口側端22側の要素の部分は中空の管状セグメント16と、セルロースアセテートトウのプラグを備えたマウスピースセグメント18とを含み、該エアロゾル発生基体のロッド12と該中空の管状セグメント16は隣接し、前記セルロースアセテートトウのプラグにメントールなどの風味剤が含まれており、
該中空の管状セグメント16に通気ゾーン26が設けられており、該通気ゾーン26は、前記中空の管状セグメント16の周辺壁を通して形成された穿孔を備えており、前記通気ゾーン26が、前記マウスピースセグメント18の上流端から約5ミリメートルのところ、かつ、ロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメントの上流端から約21ミリメートルのところにある、エアロゾル発生物品40。」
エ 甲3の技術事項
上記ア及び上記イ(ア)-(カ)を総合し、整理すると、甲3には、次の技術事項(以下、「甲3の技術事項」という。)が記載されていると認めることができる。
「エアロゾル発生基体のロッド12と、中空の管状セグメント16及びセルロースアセテートトウのプラグを備えたマウスピースセグメント18を含む口側端22側の要素の部分とを備えるエアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品40において、
該中空の管状セグメント16に通気ゾーン26が設けられており、該通気ゾーン26は、前記中空の管状セグメント16の周辺壁を通して形成された穿孔を備えており、前記通気ゾーン26が、前記マウスピースセグメント18の上流端から約5ミリメートルのところ、かつ、ロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメントの上流端から約21ミリメートルのところにあること。」
(3)甲6
ア 甲6の記載
甲6には、次の記載事項及び図示事項がある。
(ア)「[0011] 以下、図1から図6を参照して、電気加熱型喫煙システムの実施形態について説明する。図面は、発明の各構成要素を模式的に示したものである。このため、図面上の寸法が実際の製品上の寸法とは必ずしも一致しない場合がある。
図1に示すように、電気加熱型喫煙システム11は、伝統的な紙巻たばこ(シガレット)とは異なり、燃焼を伴わないでたばこ充填材を加熱により温めて、たばこの香味を味わうことができる加熱式のものである。
[0012] 電気加熱型喫煙システム11は、本体12と、本体12の差し込み部13に対して着脱されるロッド14(非燃焼加熱型喫煙物品)と、を有する。
[0013] 本体12は、箱状をなした筐体15と、ロッド14の形状に沿って円筒形に窪んだ差し込み部13と、を有する。本体12は、電池16と、制御回路17と、感圧部20と、伝熱部18(伝熱管)と、伝熱部18の周囲に設けられたヒータ21と、を筐体15の内部に有する。筐体15は、通気穴22と、本体12の起動用のスイッチ29と、を有する。通気穴22は、筐体15の外部と差し込み部13とを連通させ、差し込み部13に差し込まれたロッド14に空気を供給できる。
[0014] 制御回路17は、電池16から電力供給を受けるとともに、ヒータ21に通電してヒータ21の温度を適切な範囲内(100~400℃)に調節する。感圧部20は、感圧センサで構成され、制御回路17から電力供給を受ける。感圧部20は、筐体15内部の負圧を感知することで、ユーザが吸引したことを検出する。
[0015] 差し込み部13は、筐体15の他の部分から円筒形に窪んで形成される。差し込み部13には、伝熱部18が設けられている。差し込み部13にロッド14を差し込んだとき、ロッド14の周囲に伝熱部18およびヒータ21が配置される。
[0016] 伝熱部18は、中空円筒形をなしており、ヒータ21の内側に設けられている。伝熱部18は、金属材料によって形成される。伝熱部18を構成する金属材料は、金、銀、銅、アルミニウム、あるいはそれらを用いた合金等、熱伝導率の大きい金属であることが好ましい。
[0017] ヒータ21は、例えば、ニクロム線等の一般的な電熱線で構成される。ヒータ21は、伝熱部18の周囲に巻き回されて円筒状に配置される。なお、ヒータ21の加熱方式は、電気抵抗によるジュール熱を用いたものに限られるものではなく、例えばIH(Induction Heating)方式でもよいし、酸化熱等の化学反応を用いた方式であってもよい。ヒータ21は、ロッド14(非燃焼加熱型喫煙物品)を加熱することができる。その場合は、加熱方式にあった伝熱部18の材料、形状が選択されてもよい。なお、ヒータ21は、ロッド14(非燃焼加熱喫煙物品)を外側から加熱している。ヒータは、ロッド14(たばこ部24)の内部に差し込み可能なブレード状に形成され、ロッド14を内側から加熱するものであってもよい。
[0018] 図2に示すように、ロッド14(非燃焼加熱型喫煙物品)は、円柱形状に形成される。円柱状のロッド14の円周の長さは16mm~27mmであることが好ましく、20mm~26mmであることがより好ましく、21mm~25mmであることがさらに好ましい。ロッド14の全長(水平方向の長さ)は特に限定されないが、40mm~90mmであることが好ましく、50mm~75mmであることがより好ましく、50mm~60mmであることがさらに好ましい。
[0019] ロッド14は、たばこ充填材23が充填されたたばこ部24と、吸口25を構成するフィルター部26と、たばこ部24とフィルター部26とを連結する筒状の連結部27と、連結部27に設けられた通気孔部28と、を有する。通気孔部28は、連結部27を厚み方向に貫通するように2以上の貫通孔を有する。2以上の貫通孔は、ロッド14の中心軸の延長線上から見て、放射状に配置するように形成される。本実施形態では、通気孔部28は、連結部27に設けられているが、フィルター部26に設けられていてもよい。また、本実施形態では、通気孔部28の2以上の貫通孔は、1つの円環上に一定間隔を空けて1列に並んで設けられるが、2つの円環上に一定の間隔を空けて2列に並んで設けられていてもよいし、1列又は2列の通気孔部28が不連続又は不規則に並んで設けられていてもよい。ユーザが吸口25を加えて吸引する際に、通気孔部28を介して主流煙中に外気が取り込まれる。
[0020] フィルター部26は、たばこ充填材23から発生するエアロゾルをろ過することができる。フィルター部26は、円柱形をなしている。フィルター部26は、酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成されたロッド状の第1セグメント31と、同じく酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成されたロッド状の第2セグメント32と、を有する。第1セグメント31は、たばこ部24側に位置している。第1セグメント31は、中空部を有していてもよい。第2セグメント32は、吸口25側に位置している。第2セグメント32は、中実である。第1セグメント31および第2セグメント32のそれぞれは、インナープラグラッパー33によって周囲が巻かれている。第1セグメント31および第2セグメント32は、アウタープラグラッパー34によって連結されている。アウタープラグラッパー34は、酢酸ビニルエマルジョン系接着剤等によって第1セグメント31および第2セグメント32に接着されている。」
(イ)「[0026] 第1セグメント31と第2セグメント32との間で、たばこ部24から放出されるエアロゾル(主流煙)をろ過するろ過性能を異ならせてもよい。第1セグメント31および第2セグメント32の少なくとも一方に、香料を含ませてもよい。フィルター部26の構造は任意であり、上記のような複数のセグメントを有する構造であってもよいし、単一のセグメントによって構成されていてもよい。
[0027] 連結部27は、円筒形をなしている。連結部27は、例えば厚紙等によって円筒形に形成された紙管35と、紙管35の周囲を取り囲むライニングペーパー36と、を有する。ライニングペーパー36の一方の面(内面)には、通気孔部28の付近を除く全面又は略全面に酢酸ビニルエマルジョン系接着剤が塗布されている。ライニングペーパー36は、たばこ部24、紙管35、およびフィルター部26の外側に円筒形に巻かれて、これらを一体的に連結している。複数の通気孔部28は、ライニングペーパー36によって、たばこ部24、紙管35、およびフィルター部26が一体にされた後に、外側からレーザ加工を施して形成される。」
(ウ)「[0032] たばこ充填材23に含まれる第2香料成分は、電気加熱型喫煙システム11に用いられる香料であれば限定されることなく任意の香料を使用することができる。当該第2香料成分は、メンソール、天然植物性香料(例えば、シナモン、セージ、ハーブ、カモミール、葛草、甘茶、クローブ、ラベンダー、カルダモン、チョウジ、ナツメグ、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズ油、レモン、オレンジ、ケイ皮、キャラウェー、ジャスミン、ジンジャー、コリアンダー、バニラエキス、スペアミント、ペパーミント、カシア、コーヒー、セロリー、カスカリラ、サンダルウッド、ココア、イランイラン、フェンネル、アニス、リコリス、セントジョンズブレッド、スモモエキス、ピーチエキス等)、糖類(例えば、グルコース、フルクトース、異性化糖、カラメル等)、ココア類(パウダー、エキス等)、エステル類(例えば、酢酸イソアミル、酢酸リナリル、プロピオン酸イソアミル、酪酸リナリル等)、ケトン類(例えば、メントン、イオノン、ダマセノン、エチルマルトール等)、アルコール類(例えば、ゲラニオール、リナロール、アネトール、オイゲノール等)、アルデヒド類(例えば、バニリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド等)、ラクトン類(例えば、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン等)、動物性香料(例えば、ムスク、アンバーグリス、シベット、カストリウム等)、炭化水素類(例えば、リモネン、ピネン等)、たばこ植物(たばこ葉、たばこ茎、たばこ花、たばこ根、およびたばこ種)の抽出物からなる群より選ばれる1種を用いることができる。特に好ましくはメンソールである。或いは、第2香料成分は、上記群より選ばれた2種以上を混合して用いてもよい。」
(エ)「[0050] 続いて、電気加熱型喫煙システム11の作用について説明する。図6に示すように、本体12の差し込み部13に対してロッド14を差し込むことで、本体12に対してロッド14が装着される。この状態で、ユーザがスイッチ29を押し下げて本体12を起動状態にすると、制御回路17がヒータ21を駆動して、ヒータ21および伝熱部18を所定の温度(例えば、100~400℃)まで昇温させる。これによって、たばこ部24が加熱される。この状態で、ユーザが吸口25をくわえて吸引を開始すると、たばこ部24からたばこの香味を含む蒸気(エアロゾル)が放出される。当該蒸気は、通気孔部28から連結部27の内部に流入した空気によって冷却され、より確実なエアロゾル化(微小な液滴化)がなされる。」
(オ)「[0055] 電気加熱型喫煙システム11の本体12についても、公知の電子機器の製造方法によって製造できる。このように製造されたロッド14および本体12を組み合わせて、電気加熱型喫煙システム11が実現される。」
(カ)「[図1]
[図:0001438268000004.jpg]
[図2]
[図:0001438268000005.jpg]
」
イ 上記アから認められる事項
(ア)上記アの段落[0018]の記載事項並びに図2の図示事項から、非燃焼加熱型喫煙物品であるロッド14が認められる。
そして、上記アの段落[0018]及び[0019]の記載事項並びに図1及び図2の図示事項から、ロッド14は、たばこ充填材23が充填された円柱形のたばこ部24を備えることが認められる。
また、上記アの段落[0019]の記載事項及び図2の図示事項から、ロッド14は、吸口25を構成するフィルター部26と、たばこ部24とフィルター部26とを連結する筒状の連結部27とを有する吸口25側の要素の部分を備えることが認められる。
そうすると、上記アから、たばこ充填材23が充填された円柱形のたばこ部24と、吸口25側の要素の部分とを備える非燃焼加熱型喫煙物品であるロッド14が認められる。
(イ)上記アの段落[0019]及び[0020]の記載事項並びに図2の図示事項から、吸口25側の要素の部分は、酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成された中空部を有するロッド状の第1セグメント31及び同じく酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成されたロッド状の第2セグメント32を含むフィルター部26を含むことが認められる。
また、上記アの段落[0019]、[0027]及び[0050]の記載事項並びに図2の図示事項から、吸口25側の要素の部分は、たばこ部24と該フィルター部26とを連結し、たばこ部24から放出されたたばこの香味を含む蒸気が冷却され、エアロゾル化がなされる円筒形をなしている筒状の連結部27を含むことが認められる。
そうすると、上記アから、吸口25側の要素の部分は、酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成された中空部を有するロッド状の第1セグメント31及び同じく酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成されたロッド状の第2セグメント32を含むフィルター部26と、たばこ部24とフィルター部26とを連結し、たばこ部24から放出されたたばこの香味を含む蒸気が冷却され、エアロゾル化がなされる円筒形をなしている筒状の連結部27とを含むことが認められる。
(ウ)上記アの段落[0019]及び[0027]の記載事項並びに図2の図示事項から、たばこ部24と筒状の連結部27は隣接することが認められる。
(エ)上記アの段落[0026]及び[0032]の記載事項から、第1セグメント31及び第2セグメントの少なくとも一方にメンソール等の香料が含まれていることが認められる。
(オ)上記アの段落[0019]の記載事項及び図2の図示事項から、筒状の連結部27は、筒状の連結部27を厚み方向に貫通するように、ロッド14の中心軸の延長線上から見て、放射状に配置するように形成された2以上の貫通孔を有する通気孔部28が設けられていることが認められる。
ウ 甲6発明
上記ア及び上記イ(ア)-(オ)を総合し、整理すると、甲6には、次の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「たばこ充填材23が充填された円柱形のたばこ部24と、吸口25側の要素の部分とを備える非燃焼加熱型喫煙物品であるロッド14であって、
該吸口25側の要素の部分は、酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成された中空部を有するロッド状の第1セグメント31及び同じく酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成されたロッド状の第2セグメント32を含む吸口25を構成するフィルター部26と、該たばこ部24と該フィルター部26とを連結し、前記たばこ部24から放出されたたばこの香味を含む蒸気が冷却され、エアロゾル化がなされる円筒形をなしている筒状の連結部27とを含み、前記たばこ部24と該筒状の連結部27は隣接し、該第1セグメント31及び該第2セグメント32の少なくとも一方にメンソール等の香料が含まれており、
前記筒状の連結部27を厚み方向に貫通するように、該ロッド14の中心軸の延長線上から見て、放射状に配置するように形成された2以上の貫通孔を有する通気孔部28が設けられている、非燃焼加熱型喫煙物品であるロッド14。」
(4)甲7
ア 甲7の記載
甲7には、次の記載事項及び図示事項がある。
(ア)「【0001】
本発明は、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置と共に用いられる物品と、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置と、前記物品及び前記装置を備えるキットとに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコ等の物品は、使用の間、タバコを燃焼してタバコ煙を発生させる。燃焼せずに化合物を放出する製品を創出することによって、タバコを燃焼させるこれらの物品に代わるものを提供する試みがなされている。そのような製品の例としては、タバコ加熱製品又はタバコ加熱装置としても知られているいわゆる非燃焼・加熱式(heat-not-burn)製品がある。これらは、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する。その材料は、例えば、タバコでもよいし、他の非タバコ製品でもよいし、ブレンドされた混合物等の組み合わせたものでもよく、それらは、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。」
(イ)「【0010】
本書で使用される場合、「香料」及び「香味料」という用語は、成人消費者用の製品において所望の味又は香りをつけるために(現地の規制によって許可される場合に)使用することができる材料のことをいう。これらの材料は、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油等)、香味強化剤、苦味収容体部位遮断剤、感覚収容体部位活性化剤若しくは感覚収容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加物(例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤)を含んでいてもよい。これらは、模造品、合成材料又は天然材料、或いはこれらの混合物であってもよい。これらは、天然の又はネイチャーアイデンティカルな芳香族化学物質を含んでいてもよい。これらは、油、液体、粉末又はゲル等、任意の適切な形態をとることができる。」
(ウ)「【0012】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態による喫煙品101の一例の部分切欠き断面図及び斜視図がそれぞれ示されている。喫煙品101は、電源とヒータとを有する装置と共に使用するように構成されている。この実施形態の喫煙品101は、以下に説明する図5~図7に示す装置1と共に使用するのに特に適している。使用時、喫煙品101は、装置1の挿入点20において図5に示す装置に取出し可能に挿入され得る。
【0013】
一例の喫煙品101は略円筒形のロッドの形態であり、これは、喫煙材103からなる本体と、ロッドの形態のフィルタアセンブリ105とを含む。フィルタアセンブリ105は、三つのセグメント(区分)、すなわち冷却セグメント107、フィルタセグメント109及び口側端部セグメント111を含む。喫煙品101は、口側の端部(本書では「口側端部」と称する)又は近位端としても知られる第1の端部113と、遠位端としても知られる第2の端部115とを有する。喫煙材103からなる本体は、喫煙品101の遠位端115の近傍に配置されている。一例では、冷却セグメント107は、喫煙材103とフィルタセグメント130とに当接関係であるように、喫煙材103からなる本体とフィルタセグメント109との間にて、喫煙材103からなる本体に隣接して配置されている。他の例では、喫煙材103からなる本体と冷却セグメント107との間、及び喫煙材103からなる本体とフィルタセグメント109との間に、間隔があってもよい。フィルタセグメント109は、冷却セグメント107と口側端部セグメント111との間に配置されている。口側端部セグメント111は、フィルタセグメント109に隣接して、喫煙品101の近位端113の近傍に配置されている。一例では、フィルタセグメント109は口側端部セグメント111と当接関係にある。一実施形態では、フィルタアセンブリ105の全長は37mm~45mmであり、より好ましくはフィルタアセンブリ105の全長は41mmである。
【0014】
一実施形態において、喫煙材103からなる本体はタバコを含む。しかしながら、他の各実施形態では、喫煙材103からなる本体は、タバコから成るものであってもよく、実質的に完全にタバコから成るものや、タバコとタバコ以外の喫煙材とを含むもの、タバコ以外の喫煙材を含むもの、又はタバコがないものでもよい。喫煙材は、グリセロール等のエアロゾル形成剤を含んでもよい。」
(エ)「【0025】
フィルタセグメント109は、喫煙材から、加熱された揮発成分からの一つ以上の揮発化合物を除去するのに十分な任意のフィルタ材料から作られるとよい。一例では、フィルタセグメント109は、セルロースアセテート等のモノアセテート材料から作られる。フィルタセグメント109は、加熱された揮発成分の量を使用者にとって満足のいかないレベルまで減らすことなく、加熱された揮発成分を冷却し、そこからの刺激の低減を可能とする。
【0026】
フィルタセグメント109のセルロースアセテートトウ材料の密度は、フィルタセグメント109の端から端までの圧力降下を制御し、ひいては喫煙品101の吸引抵抗を制御する。したがって、フィルタセグメント109の材料の選択は、喫煙品101の吸引抵抗を制御するのに重要である。さらに、フィルタセグメントは喫煙品101における濾過機能を果たす。
【0027】
一例では、フィルタセグメント109は8Y15グレードのフィルタトウ材料で作られ、これは、加熱された揮発材料に対して濾過効果を発揮すると共に、加熱された揮発材料から生じる凝縮されたエアロゾル液滴のサイズを小さくして、加熱された揮発材料の刺激及びのどへの衝撃を満足のいくレベルまで低減する。
【0028】
フィルタセグメント109の存在は、冷却セグメント107を流出する加熱された揮発成分をさらに冷却することによる断熱効果をもたらす。このさらなる冷却効果は、フィルタセグメント109の表面上の使用者の唇の接触温度を下げる。
【0029】
一つ以上の香料は、加香された液体をフィルタセグメント109に直接注入する形態、又は一つ以上の加香された易壊性カプセル若しくは他の香料担体をフィルタセグメント109のセルロースアセテートトウ内に埋め込むか配置することによる形態のいずれかで、フィルタセグメント109に添加され得る。
【0030】
一例では、フィルタセグメント109は、長さが6mm~10mmであり、より好ましくは8mmである。」
(オ)「【0031】
口側端部セグメント111は環状管であり、口側端部セグメント111内の空隙の周囲に配置され空隙を画定する。空隙は、フィルタセグメント109から流れる加熱された揮発成分のためのチャンバを提供する。口側端部セグメント111は、エアロゾルを収容するためのチャンバを提供するために中空であるが、製造中に生じることがある軸線方向の圧縮力及び曲げモーメント、及び装置1に挿入されている間に喫煙品101が使用される場合に生じることがある軸線方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な程硬い。
【0032】
一例では、口側端部セグメント111の長さは6mm~10mmであり、より好ましくは8mmである。一例では、口側端部セグメントの厚さは0.29mmである。
【0033】
口側端部セグメント111は、中空の内部チャンバを提供すると共に臨界的な機械的剛性を維持する螺旋巻きの紙管から製造され得る。螺旋巻き紙管は、管の長さ、外径、真円度及び真直度に関して、高速製造プロセスの厳しい寸法精度要件を満たすことができる。
【0034】
口側端部セグメント111は、フィルタセグメント109の出口に溜まる液体凝縮物が使用者と直接接触するのを防ぐ機能を果たす。」
(カ)「【0036】
図3及び図4を参照すると、本発明の一実施形態による物品ないしは喫煙品301の一例の部分切欠き断面図及び斜視図がそれぞれ示されている。図3及び図4に示されている参照符号は、図1及び図2に示されている参照符号に「200」を加えた値と同じである。
【0037】
図3及び図4に示す喫煙品301の例では、通気領域317が、喫煙品301の外部から喫煙品301の内部に空気が流れることを可能にするために、喫煙品301内に設けられている。一例では、通気領域317は、喫煙品301の外層を貫通して形成された一つ以上の通気穴317の形態をとる。通気穴は、喫煙品301の冷却を助けるために冷却セグメント307に配置されるとよい。一例では、通気領域317は、1列以上の穴を含み、好ましくは、各列の穴は、喫煙品301の長手方向軸線に対して実質的に垂直な断面で喫煙品301の全周にわたって配置される。
【0038】
一例では、喫煙品301に対して通気を可能とするために1列~4列の通気穴がある。各列の通気穴は、12個~36個の通気穴317を有することができる。通気穴317は、例えば、直径が100μm~500μmとすることができる。一例では、通気穴317の列間の軸線方向の間隔は、0.25mm~0.75mmであり、より好ましくは、通気穴317の列間の軸線方向の間隔は0.5mmである。
【0039】
一例では、通気穴317は均一のサイズである。別の例では、通気穴317はサイズが異なる。通気穴は、任意の適切な技術、例えば、以下の技術のうちの一つ以上を使用して作製することができる。すなよち、レーザ技術、冷却セグメント307の機械的穿孔、又は冷却セグメント307を喫煙品301に形成する前の事前穿孔、である。通気穴317は、喫煙品301を効果的に冷却するように配置される。
【0040】
一例では、通気穴317の列は、喫煙品の近位端313から少なくとも11mmに配置され、より好ましくは通気穴は喫煙品301の近位端313から17mmと20mmとの間に配置される。通気穴317の位置は、喫煙品301の使用中に使用者が通気穴317を塞がないように配置される。」
(キ)「【0043】
図5~図7をより詳細に参照すると、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために、典型的には吸引することができるエアロゾルを形成するために、喫煙材を加熱するよう構成された装置1の一例が示されている。装置1は、喫煙材を燃焼させることなく加熱することによって化合物を放出する加熱装置1である。
【0044】
第1の端部3は、本書では、装置1の口側の端部(口側端部)又は近位端3とも称され、第2の端部5は、本書では、装置1の遠位端5とも称される。装置1には、装置1全体が使用者の所望に応じてオン・オフを切り換えられるようにするオン・オフボタン7が設けられている。
【0045】
装置1は、装置1の様々な内部構成要素を配置し保護するためのハウジング9を含む。図示の例では、ハウジング9は、装置1の周りを囲む一体型スリーブ11を備え、このスリーブ11は、装置1の「上部」を概ね画定する上部パネル17と、装置1の「底部」を概ね画定する底部パネル19とで閉じられている。他の例では、ハウジングは、上部パネル17と底部パネル19に加えて、前部パネル、後部パネル及び一対の互いに対向する側部パネルを備える。
【0046】
上部パネル17及び/又は底部パネル19は、装置1の内部への容易なアクセスを可能にするために、一体型スリーブ11に取外し可能に固定されてもよく、又は、例えば装置1の内部に使用者がアクセスすることができないように、一体型スリーブ11に「永久的に」固定されてもよい。一例では、パネル17,19は、プラスチック材料(例えば、射出成形によって形成されるガラス充填ナイロン等)から作られ、一体型スリーブ11はアルミニウムから作られるが、他の材料や他の製造プロセスが使用されてもよい。
【0047】
装置1の上部パネル17は、装置1の口側端部3に開口20を有し、この開口20を通して、使用時に、喫煙材を含む喫煙品101,301を使用者が装置1に挿入し、また装置1から取り出すことができる。
【0048】
ハウジング9内には、ヒータ構成体23と、制御回路25と、電源27とが配置され又は固定されている。この例では、ヒータ構成体23、制御回路25及び電源27は、制御回路25が概ねヒータ構成体23と電源27との間に配置された状態で、横方向に隣り合っているが(すなわち、一端から見て隣り合っているが)、他の配置とすることも可能である。
【0049】
制御回路252は、以下でさらに説明するように、喫煙品101,301における喫煙材の加熱を制御するように構成され配置されたマイクロプロセッサ装置のようなコントローラを含むことができる。
【0050】
電源274は、例えば、再充電可能なバッテリー又は再充電できないバッテリーのようなバッテリーであってもよい。適切なバッテリーの例には、例えば、リチウムイオン電池、(ニッケル-カドミウム電池のような)ニッケル電池、アルカリ電池等が含まれる。バッテリー27は、必要時に電力を供給するために、また制御回路25の制御下において喫煙品の喫煙材を加熱するために(上述したように、喫煙材を燃焼させることなく、喫煙材を揮発させるために)、ヒータ構成体23に電気的に接続されている。
【0051】
電源27をヒータ構成体23の側方に隣接して配置する利点は、装置1全体を過度に長くさせることなく、物理的に大きな電源25を使用できることである。理解されるように、一般に、物理的に大きな電源25は、より高い容量(すなわち、供給可能な総電気エネルギー、多くの場合はアンペア時等で測定されるもの)を有し、したがって、装置1のバッテリー寿命をより長くすることができる。
【0052】
一例では、ヒータ構成体23は、概ね、中空の内部加熱チャンバ29を有する円筒形の中空管の形態をとり、加熱チャンバ29内に、喫煙材を含む喫煙品101,301が使用時に加熱のために挿入される。ヒータ構成体23は別の異なる構成とすることもできる。例えば、ヒータ構成体23は、単一の加熱要素からなるものとしてもよいし、ヒータ構成体23の長手方向軸線に沿って整列された複数の加熱要素から形成されてもよい。加熱要素は、環状であってもよいし、管状であってもよく、又はその周りにおいて少なくとも部分的に環状であっても、部分的に管状であってもよい。一例では、加熱要素は薄膜ヒータとすることができる。他の例では、加熱要素はセラミックス材料から作られたものでもよい。適切なセラミックス材料の例には、アルミナ、窒化アルミニウム及び窒化ケイ素セラミックスがあり、これらは積層され焼結されてもよい。他の加熱構成体も可能であり、例えば、誘導加熱、赤外線を放射することによって加熱する赤外線加熱素子、又は例えば抵抗電気巻線によって形成された抵抗加熱素子等がある。
【0053】
一つの特定の例では、ヒータ構成体23は、ステンレス鋼製の支持管によって支持され、ポリイミド加熱要素を備える。ヒータ構成体23は、装置1内に喫煙品101,301が挿入された場合に、喫煙品101,301における喫煙材103,303からなる本体の全体が実質的にヒータ構成体23内に挿入されるように、寸法が定められている。」
(ク)「【図1】
[図:0001438268000006.jpg]
【図2】
[図:0001438268000007.jpg]
【図3】
[図:0001438268000008.jpg]
【図4】
[図:0001438268000009.jpg]
」
イ 上記アから認められる事項
図3及び図4の実施形態について、上記アの段落【0036】の記載事項により、前提となる図1及び図2の実施形態を参照する。
(ア)上記アの段落【0013】及び【0014】の記載事項並びに図3及び図4の図示事項から、タバコを含む又はタバコから成る喫煙材303からなるロッドの形態の本体と、フィルタアセンブリ305とを備えるロッドの形態の喫煙品301が認められる。
また、上記アの段落【0013】及び【0043】の記載事項から、ロッドの形態の喫煙品301は、喫煙材303が燃焼されることなく加熱されるものであることが認められる。
そうすると、上記アから、タバコを含む又はタバコから成る喫煙材303からなるロッドの形態の本体と、フィルタアセンブリ305とを備える前記喫煙材303が燃焼されることなく加熱されるロッドの形態の喫煙品301が認められる。
(イ)上記アの段落【0013】の記載事項並びに図3及び図4の図示事項から、フィルタアセンブリ305は、冷却セグメント307と、フィルタセグメント309と、口側端部セグメント311とを含み、喫煙材303からなるロッドの形態の本体と冷却セグメント307は隣接することが認められる。
また、上記アの段落【0025】及び【0029】の記載事項から、フィルタセグメント309は、加熱された揮発成分からの一つ以上の揮発化合物を除去するセルロースアセテートトウのフィルタ材料から作られたものであることが認められる。
また、上記アの段落【0031】の記載事項並びに図3及び図4の図示事項から、口側端部セグメント311は、環状管であることが認められる。
さらに、上記アの段落【0029】の記載事項から、フィルターセグメント309は、セルロースアセテートトウのフィルタ材料に香料が添加されているものであることが認められる。
そうすると、上記アから、フィルタアセンブリ305は冷却セグメント307と、加熱された揮発成分からの一つ以上の揮発化合物を除去するセルロースアセテートトウのフィルタ材料から作られたフィルタセグメント309と、環状管である口側端部セグメント311と、を含み、喫煙材303からなるロッドの形態の本体と冷却セグメント307は隣接し、セルロースアセテートトウのフィルタ材料に香料が添加されていることが認められる。
(ウ)上記アの段落【0037】の記載事項並びに図3及び図4の図示事項から、喫煙品301の長手方向軸線に対して実質的に垂直な断面で冷却セグメント307の全周にわたって空気が外部から内部に流れる通気穴317が配置されていることが認められる。
また、上記アの段落【0040】の記載事項から、通気穴317が、喫煙品301の近位端313から17mmと20mmとの間に配置されていることが認められる。
また、上記アの段落【0030】の記載事項から、フィルタセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであることが認められる。
さらに、上記アの段落【0032】の記載事項から、口側端部セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであることが認められる。
ウ 甲7発明
上記ア及び上記イ(ア)-(ウ)を総合し、整理すると、甲7には、次の発明(以下「甲7発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「タバコを含む又はタバコから成る喫煙材303からなるロッドの形態の本体と、フィルタアセンブリ305とを備える前記喫煙材303が燃焼されることなく加熱されるロッドの形態の喫煙品301であって、
該フィルタアセンブリ305は、冷却セグメント307と、加熱された揮発成分からの一つ以上の揮発化合物を除去するセルロースアセテートトウのフィルタ材料から作られたフィルタセグメント309と、環状管である口側端部セグメント311と、を含み、該喫煙材303からなるロッドの形態の本体と該冷却セグメント307は隣接し、前記セルロースアセテートトウのフィルタ材料に香料が添加されており、
該喫煙品301の長手方向軸線に対して実質的に垂直な断面で前記冷却セグメント307の全周にわたって空気が外部から内部に流れる通気穴317が配置されており、前記通気穴317が、前記喫煙品301の近位端313から17mmと20mmとの間に配置され、前記フィルタセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであり、前記口側端部セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmである、喫煙品301。」
エ 甲7の技術事項
上記ア及び上記イ(ア)-(ウ)を総合し、整理すると、甲7には、次の技術事項(以下「甲7の技術事項」という。)が記載されていると認めることができる。
「喫煙材303からなるロッドの形態の本体と、冷却セグメント307、セルロースアセテートトウのフィルタ材料から作られたフィルタセグメント309及び環状管である口側端部セグメント311を含むフィルタアセンブリ305とを備える前記喫煙材303が燃焼されることなく加熱されるロッドの形態の喫煙品301において、
該喫煙品301の長手方向軸線に対して実質的に垂直な断面で前記冷却セグメント307の全周にわたって空気が外部から内部に流れる通気穴317が配置されており、前記通気穴317が、前記喫煙品301の近位端313から17mmと20mmとの間に配置され、前記フィルタセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであり、前記口側端部セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであること。」
(5)甲2
ア 甲2の記載
甲2には、次の記載事項及び図示事項がある。
(ア)「【0012】
エアロゾル形成基材は、ニコチンを含むことができる。エアロゾル形成基材は、タバコを含むことができ、例えば、揮発性タバコ香味化合物を含有するタバコ含有材料を含むことができ、揮発性タバコ香味化合物は、加熱によってエアロゾル形成基材から放出される。好ましい実施形態において、エアロゾル形成基材は、例えば、キャストリーフタバコのような均質なタバコ材料を含むことができる。
【0013】
本明細書で用いる時に、「エアロゾル発生デバイス」は、エアロゾル形成基材と相互作用してエアロゾルを発生するデバイスに関する。エアロゾル形成基材は、例えば、喫煙物品の一部であるエアロゾル発生物品の一部を形成することができる。エアロゾル発生デバイスは、電源からエアロゾル形成基材へエネルギを供給してエアロゾルを発生するのに使用する1つ又はそれよりも多くの構成要素を含むことができる。
【0014】
エアロゾル発生デバイスは、加熱器を含むエアロゾル発生デバイスである加熱式エアロゾル発生デバイスとして説明することができる。加熱器は、好ましくは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材を加熱してエアロゾルを発生させるのに使用する。
【0015】
エアロゾル発生デバイスは、電力によって作動する加熱器を含むエアロゾル発生デバイスである電気加熱式エアロゾル発生デバイスとすることができ、加熱器は、エアロゾルを発生させるためにエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材を加熱する。エアロゾル発生デバイスは、ガス加熱式エアロゾル発生デバイスとすることができる。エアロゾル発生デバイスは、喫煙デバイスとすることができ、喫煙デバイスは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基材と相互作用して、ユーザの口腔を通してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを形成する。」
(イ)「【0031】
揮発性香味発生成分をエアロゾル形成基材とマウスピースフィルタの間に配置することにより、揮発性香味発生成分は、これら両方の構成要素へ同じ程度に浸透し、香味がフィルタ内に位置付けられる場合に考えられるよりも多くがエアロゾル形成基材に浸透する。物品の内部への香味料の充填可能性がより多いこと及びエアロゾル形成基材により近いことの組合せは、エアロゾル形成基材を浸透する香味料の合計量が、メントールをフィルタに充填した場合に考えられるよりも有利に多いことを意味する。有利な態様において、香味は、エアロゾル形成基材とマウスピースフィルタの間に位置付けられた物品の構成要素にも浸透することができる。」
(ウ)「【0035】
エアロゾル発生物品が含む低抵抗支持要素は、マウスピースの上流かつエアロゾル形成要素の下流に位置付けることが有利な場合がある。低抵抗支持要素は、ロッド内で揮発性香味発生成分を位置付けるために少なくとも1つの縦方向延在チャネルを含む。消費される時に、ユーザは、マウスピースフィルタを吸引することによって物品から空気を吸い込む。物品内で発生したエアロゾルは、マウスピースを通過してユーザによって吸入される。エアロゾル形成基材とマウスピースフィルタとの間での空気及びエアロゾルの通過は、大きい抵抗を受けないことが望ましい。換言すれば、エアロゾル形成基材とマウスピースフィルタの間の圧力低下は小さいことが望ましい。従って、香味発生成分のための支持要素は、低抵抗支持要素と呼ぶことができ、そのように呼べるのは、揮発性香味発生成分のための支持要素がロッドの縦方向に沿った空気の通過に与える吸い込みに対する低抵抗と呼べる抵抗が低い時である。吸い込みに対する抵抗(RTD)は、22℃及び101kPa(760トル)での17.5ml/秒の流量の試験の下で物体の全長に空気を押し通すのに必要な圧力である。RTDは、一般的にmmH2Oの単位で表され、ISO 6565:2011に従って測定される。」
(エ)「【0044】
低抵抗支持要素の全表面積は、mm長さ当たり300mm2からmm長さ当たり1000mm2である。低抵抗支持要素は、物品内部のエアロゾルを冷やす熱交換器として機能することができる。これに代えて、低抵抗支持要素は、エアロゾル冷却要素と呼ぶことができる。」
(オ)「【0061】
図1は、エアロゾル発生物品10の実施形態を例示している。エアロゾル発生物品10は、4つの要素、すなわち、エアロゾル形成基材20、中空セルロースアセテートチューブ30、メントール入りより糸45を支持する低抵抗支持要素40、及びマウスピースフィルタ50を含む。これら4つの要素は、順番にかつ同軸アラインメントに配置され、シガレットペーバ60によって組み立てられてロッド11を形成する。ロッド11は、ユーザが使用中に彼又は彼女の口腔内に挿入する唇側端部12と、ロッド11に対して唇側端部12とは反対側に位置付けられた遠位端13とを有する。唇側端部12と遠位端13の間に位置付けられた各要素は、唇側端部12の上流又はこれに代えて遠位端13の下流と説明することができる。図1に例示した実施形態は、エアロゾル形成基材を加熱するための加熱器を含むエアロゾル発生デバイスでの使用に特に適している。
【0062】
組み立てた時に、ロッド11は、長さが約45ミリメートル、外径が約7.2ミリメートル、内径が約6.9ミリメートルである。
【0063】
エアロゾル形成基材20は、中空チューブ30の上流に位置付けられてロッド11の遠位端13まで延びる。エアロゾル形成基材20は、プラグを形成するように濾紙(図示しない)内に包まれたしわ付きのキャストリーフタバコの束を含む。キャストリーフタバコは、エアロゾル形成添加物としてのグリセリンを含む添加物を含む。
【0064】
チューブ30は、エアロゾル形成基材20のすぐ下流に位置付けられ、セルロースアセテートから形成される。チューブ30の1つの機能は、エアロゾル形成基材20が加熱要素と接触することができるようにエアロゾル形成基材20をロッド11の遠位端13に向けて位置付けることである。中空チューブ30は、加熱要素がエアロゾル形成基材20内へ挿入された時に、エアロゾル形成基材20がロッド11に沿って低抵抗支持要素40に向けて押されるのを防止するように作用する。また、中空チューブ30は、低抵抗支持要素40をエアロゾル形成基材20から離間させるスペーサ要素として作用する。
【0065】
低抵抗支持要素40は、長さが約18mm、外径が約7.1mm、内径が約6.9mmである。低抵抗支持要素40は、厚みが50mm±2mmのポリ乳酸のシートから形成される。ポリ乳酸のシートは、低抵抗支持要素40の長さに沿って延びる複数のチャネルを形成するようにしわが付けられかつギャザー付けされる。要素を形成するために、ポリ乳酸のシートは、しわ付けローラを通って送られて縦方向のひだ又はしわを形成する。しわ付きシートは、次に、ギャザー付けされて複数の縦方向に延びるチャネルを有する円筒を形成する。支持要素40の形成中に、メントール入りより糸45をしわ付きシートに縦方向のしわと平行に堆積させる。従って、メントール入りより糸45は、支持要素40の縦方向チャネル内にチャネルが形成される時に組み込まれる。メントール入りより糸45には、1.5mgよりも多いメントールを要素40へ充填するために十分な量のメントールが充填されることになる。」
(カ)「【0070】
マウスピースフィルタ50は、セルロースアセテートから形成された従来のマウスピースフィルタであり、長さは約45ミリメートルである。」
(キ)
「【図1】
[図:0001438268000010.jpg]
」
イ 上記アから認められる事項
(ア)上記アの段落【0061】の記載事項及び図1の図示事項から、エアロゾル発生物品10は、エアロゾル形成基材20、中空セルロースアセテートチューブ30、低抵抗支持要素40、及びマウスピースフィルタ50を含むことが認められる。
(イ)上記アの段落【0012】の記載事項及び図1の図示事項から、エアロゾル形成基材20は、タバコ材料を含むことができ、棒状の形状をなすことが認められる。
(ウ)上記アの段落【0065】の記載事項及び図1の図示事項から、低抵抗支持要素40には、メントール入りより糸45が組み込まれていることが認められる。
(エ)上記アの段落【0044】の記載事項から、低抵抗支持要素40はエアロゾル冷却要素と認められる。
(オ)上記アの図1の図示事項から、エアロゾル発生物品10は、棒状の形状をなすことが認められる。
(カ)上記アの段落【0015】の記載事項から、エアロゾル発生物品10は、電力により加熱されることにより、エアロゾルを発生するものと認められる。
ウ 甲2発明
上記ア、イを総合し、整理すると、甲2には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「タバコ材料を含んだエアロゾル形成基材20、中空セルロースアセテートチューブ30、エアロゾル冷却要素である低抵抗支持要素40、及びマウスピースフィルタ50が順番に配置された、棒状の電力により加熱されるエアロゾル発生物品10であって、
低抵抗支持要素40には、メントール入りより糸45が組み込まれている、エアロゾル発生物品10。」
2 対比・判断
(1)甲1を主とした取消理由について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
(ア)後者の「タバコ材料から形成されるロッドの形態であるエアロゾル生成材料本体303」は、前者の「たばこロッド部」に相当し、同様に、「フィルターアセンブリ305」は「マウスピース部」に、「実質的に円筒形のロッドの形態のエアロゾル生成材料が燃焼されることなく加熱される物品110」は「棒状の非燃焼加熱式たばこ」に、それぞれ相当する。
そして、後者の「タバコ材料から形成されるロッドの形態であるエアロゾル生成材料本体303と、フィルターアセンブリ305とを備える実質的に円筒形のロッドの形態のエアロゾル生成材料が燃焼されることなく加熱される物品110」は、前者の「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこ」に相当する。
(イ)後者の「冷却セグメント307」は、前者の「冷却セグメント」に相当する。
また、後者の「フィルター材料」は、前者の「フィルター濾材」に相当する。
そして、後者の「フィルター材料を含むフィルターセグメント309と、環状の管である口端セグメント311」は、隣接して配置され、使用者が触れる揮発成分を低減するものであることから、前者の「フィルター濾材を含むフィルターセグメント」に相当する。
そうすると、後者の「該フィルターアセンブリ305は、冷却セグメント307と、フィルター材料を含むフィルターセグメント309と、環状の管である口側セグメント311とを含」むことは、前者の「該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含」むことに相当する。
(ウ)後者の「該エアロゾル生成材料本体303と該冷却セグメント307は隣接」することは、前者の「該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接」することに相当する。
(エ)後者の「前記フィルター材料にメンソールを含む香料が添加されて」いることは、前者の「前記フィルター濾材に香料が添加されて」いることに相当する。
(オ)後者の「空気が外部から内部に流れる通気孔317」は、前者の「開孔」に相当する。
そして、後者の「該冷却セグメント307の周りに円周方向に空気が外部から内部に流れる通気孔317が設けられて」いることは、通気孔317が冷却セグメント307の周りに円周方向に設けられることで、通気孔317は冷却セグメント307の周方向に同心状に設けられたものになるから、前者の「該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられて」いることに相当する。
(カ)後者の「該通気孔317が、前記物品110の近位端313から17mm~20mmあけて配置され、前記フィルターセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであり、前記口端セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmである」ことから、通気孔317の位置は、次のとおり求められる。
すなわち、物品110の近位端313からの距離17mm~20mm-[口端セグメント311の長さ8mm+フィルターセグメント309の長さ8mm]により、通気孔317は、冷却セグメント307とフィルターセグメント309との境界から、冷却セグメント307側の方向に1mm~4mmの位置(口端セグメント311の長さとフィルターセグメント309の長さの合計を13mmとすることも可能であり、その場合は4mm~7mmとなる。)に設けられる。
そうすると、後者の「該通気孔317が、前記物品110の近位端313から17mm~20mmあけて配置され、前記フィルターセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであり、前記口端セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmである」ことは、前者の「該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在する」ことに相当する。
以上のことから、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
[一致点1]
「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこであって、
該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含み、該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接し、前記フィルター濾材に香料が添加されており、
該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられており、該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在する、非燃焼加熱式たばこ。」
[相違点1]
「開孔」に関し、本件発明1においては、「冷却セグメントとたばこロッド部との境界から、冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する」のに対して、甲1発明においては、冷却セグメント307とエアロゾル生成材料本体303との境界から、冷却セグメント307側の方向に、どの程度の距離をおいて設けられているのか不明である点。
上記相違点1について検討すると、甲1には、通気孔317を冷却セグメント307とエアロゾル生成材料本体303との境界から、冷却セグメント307側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する点については記載も示唆もされておらず、上記相違点1は、実質的な相違点であるから、本件発明1は甲1発明ではない。
また、かかる事項が、慣用技術や設計的事項であるとする理由も見当たらない。
さらに、上記1(2)~(5)において示した他の提示された証拠である甲2、甲3、甲6、甲7及びその他の甲号証においても、開孔が、冷却セグメントとたばこロッド部との境界から、冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在することについて記載も示唆もされていない。
そして、相違点1に係る本件発明1の構成により、冷却機能を確保するとともに加熱により生成される成分のデリバリーを向上させるとの顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は甲1発明ではなく、また、本件発明1は、甲1発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明2~5について
本件訂正後の請求項2~5は、請求項1を直接あるいは間接的に引用するものであり、本件発明2~5は、本件発明1の発明特定事項を全て含む。
そして、本件発明1は、上記アで判断したとおり、甲1発明ではなく、甲1発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2~5は、本件発明1と同様に、甲1発明であるとはいえず、甲1発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)甲3を主とした取消理由について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲3発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
(ア)後者の「均質化したたばこ材料のシートを含むエアロゾル発生基体のロッド12」は、前者の「たばこロッド部」に相当し、同様に、「口側端22側の要素の部分」は「マウスピース部」に、「エアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品40」は、図3からみて棒状であることから、「棒状の非燃焼加熱式たばこ」に、それぞれ相当する。
そして、後者の「均質化したたばこ材料のシートを含むエアロゾル発生基体のロッド12と、口側端22側の要素の部分とを備える、エアロゾル発生基体が燃焼されるのではなく加熱されるエアロゾル発生物品40」は、前者の「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこ」に相当する。
(イ)後者の「中空の管状セグメント16」は、前者の「冷却セグメント」に相当する。
また、後者の「セルロースアセテートトウのプラグ」は、前者の「フィルター濾材」に相当する。
そして、後者の「セルロースアセテートトウのプラグを備えたマウスピースセグメント18」は、前者の「フィルター濾材を含むフィルターセグメント」に相当する。
そうすると、後者の「該口側端22側の要素の部分は中空の管状セグメント16と、セルロースアセテートトウのプラグを備えたマウスピースセグメント18とを含」むことは、前者の「該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含」むことに相当する。
(ウ)後者の「該エアロゾル発生基体のロッド12と該中空の管状セグメント16は隣接」することは、前者の「該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接」することに相当する。
(エ)後者の「前記セルロースアセテートトウのプラグにメントールなどの風味剤が含まれて」いることは、前者の「前記フィルター濾材に香料が添加されて」いることに相当する。
(オ)後者の「穿孔」は、前者の「開孔」に相当する。
そして、後者の「該中空の管状セグメント16に通気ゾーン26が設けられており、該通気ゾーン26は、前記中空の管状セグメント16の周辺壁を通して形成された穿孔を備えて」いることは、穿孔が中空の管状セグメント16の周辺壁を通して形成されることで、穿孔は中空の管状セグメント16の周方向に同心状に設けられたものになるから、前者の「該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられて」いることに相当する。
(カ)図3より、マウスピースセグメント18の上流端は、中空の管状セグメント16とマウスピースセグメント18との境界といえる。
そして、通気ゾーン26は、中空の管状セグメント16に形成されるから、後者の「前記通気ゾーン26が、前記マウスピースセグメント18の上流端から約5ミリメートルのところにある」ことは、前者の「該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在する」ことに相当する。
以上のことから、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
[一致点2]
「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこであって、
該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含み、該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接し、前記フィルター濾材に香料が添加されており、
該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられており、該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在する、非燃焼加熱式たばこ。」
[相違点2]
「開孔」に関し、本件発明1においては、「冷却セグメントとたばこロッド部との境界から、冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する」のに対して、甲3発明においては、「ロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメントの上流端から約21ミリメートルのところにある」点。
上記相違点2について検討すると、甲3には、通気ゾーン26が、ロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメントの上流端から、中空の管状セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在することについては記載も示唆もされておらず、上記相違点2は実質的な相違点であるから、本件発明1は甲3発明ではない。
また、甲3発明においては、中空の管状セグメント16に設けられた通気ゾーン26が、ロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメント16の上流端から約21ミリメートルのところにあるものの、当該通気ゾーン26の位置を、ロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメント16の上流端から10ミリメートル以上、16ミリメートル以下に変更する動機付けもなく、かかる事項が、慣用技術や設計的事項であるとする理由も見当たらない。
さらに、上記「1(1)、(3)~(5)」において示した他の提示された証拠である甲1、甲2、甲6、甲7及びその他の甲号証においても、開孔が、冷却セグメントとたばこロッド部との境界から、冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在することについて記載も示唆もされていない。
そして、相違点2に係る本件発明1の構成により、冷却機能を確保するとともに加熱により生成される成分のデリバリーを向上させるとの顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は甲3発明ではなく、また、本件発明1は、甲3発明及び他の甲号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明2~5について
本件訂正後の請求項2~5は、請求項1を直接あるいは間接的に引用するものであり、本件発明2~5は、本件発明1の発明特定事項を全て含む。
そして、本件発明1は、上記アで判断したとおり、甲3発明ではなく、甲3発明及び他の甲号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2~5は、本件発明1と同様に、甲3発明であるとはいえず、甲3発明及び他の甲号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)甲6を主とした取消理由について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲6発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
(ア)後者の「たばこ充填材23が充填された円柱形のたばこ部24」は、前者の「たばこロッド部」に相当し、同様に、「吸口25側の要素の部分」は「マウスピース部」に、「非燃焼加熱型喫煙物品であるロッド14」は、図2からみて棒状であるから、「棒状の非燃焼加熱式たばこ」に、それぞれ相当する。
そして、後者の「たばこ充填材23が充填された円柱形のたばこ部24と、吸口25側の要素の部分とを備える非燃焼加熱型喫煙物品であるロッド14」は、前者の「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこ」に相当する。
(イ)後者の「該たばこ部24と該フィルター部26とを連結し、前記たばこ部24から放出されたたばこの香味を含む蒸気が冷却され、エアロゾル化がなされる円筒形をなしている筒状の連結部27」は、たばこの香味を含む蒸気が冷却されるから、前者の「冷却セグメント」に相当する。
また、後者の「酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成されたロッド状の第2セグメント32」は、前者の「フィルター濾材」に相当する。
そして、後者の「酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成された中空部を有するロッド状の第1セグメント31及び同じく酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成されたロッド状の第2セグメント32を含む吸口25を構成するフィルター部26」は、前者の「フィルター濾材を含むフィルターセグメント」に相当する。
そうすると、後者の「該吸口25側の要素の部分は、酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成された中空部を有するロッド状の第1セグメント31及び同じく酢酸セルロースアセテート繊維が充填されて構成されたロッド状の第2セグメント32を含む吸口25を構成するフィルター部26と、該たばこ部24と該フィルター部26とを連結し、前記たばこ部24から放出されたたばこの香味を含む蒸気が冷却され、エアロゾル化がなされる円筒形をなしている筒状の連結部27とを含」むことは、前者の「該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含」むことに相当する。
(ウ)後者の「前記たばこ部24と該筒状の連結部27は隣接」することは、前者の「該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接」することに相当する。
(エ)後者の「該第1セグメント31及び該第2セグメント32の少なくとも一方にメンソール等の香料が含まれて」いることは、前者の「前記フィルター濾材に香料が添加されて」いることに相当する。
(オ)後者の「貫通孔」は、前者の「開孔」に相当する。
そして、後者の「前記筒状の連結部27を厚み方向に貫通するように、該ロッド14の中心軸の延長線上から見て、放射状に配置するように形成された2以上の貫通孔を有する通気孔部28が設けられている」ことは、通気孔部28の貫通孔が筒状の連結部27の周方向に同心状に設けられたものになるから、前者の「該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられて」いることに相当する。
以上から、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
[一致点3]
「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこであって、
該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含み、該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接し、前記フィルター濾材に香料が添加されており、
該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられている、非燃焼加熱式たばこ。」
[相違点3]
「開孔」に関し、本件発明1においては、「該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在するとともに、前記冷却セグメントと前記たばこロッド部との境界から、前記冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する」のに対して、甲6発明においては、通気孔部28の位置の特定がされていない点。
上記相違点3について検討すると、開孔の位置として、甲1の技術事項においては、通気孔317は、冷却セグメント307とフィルターセグメント309との境界から、冷却セグメント307側の方向に1mm~4mmの位置、あるいは4mm以上、7mm以下の領域に存在することが示唆(上記(1)ア(カ))され、甲3の技術事項においては、該通気ゾーン26は、前記中空の管状セグメント16の周辺壁を通して形成された穿孔を備えており、前記通気ゾーン26が、前記マウスピースセグメント18の上流端から約5ミリメートルのところ、かつ、ロッド12の下流端と一致する中空の管状セグメントの上流端から約21ミリメートルのところにあることが記載(甲3の技術事項、段落【0142】)され、甲7の技術事項においては、甲1と同様に、通気孔317は、冷却セグメント307とフィルターセグメント309との境界から、冷却セグメント307側の方向に1mm~4mmの位置、あるいは4mm以上、7mm以下の領域に存在することが示唆されるものの、甲1、甲2、甲3及び甲7において、また、その他の甲号証において、開孔が、冷却セグメントと前記たばこロッド部との境界から、前記冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する点について記載も示唆もされていない。
また、かかる事項が、慣用技術や設計的事項であるとする理由も見当たらない。
そして、相違点3に係る本件発明1の構成により、冷却機能を確保するとともに加熱により生成される成分のデリバリーを向上させるとの顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は、甲6発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明2~5について
本件訂正後の請求項2~5は、請求項1を直接あるいは間接的に引用するものであり、本件発明2~5は、本件発明1の発明特定事項を全て含む。
そして、本件発明1は、上記アで判断したとおり、甲6発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2~5は、本件発明1と同様に、甲6発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)甲7を主とした取消理由について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲7発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
(ア)後者の「タバコを含む又はタバコから成る喫煙材303からなるロッドの形態の本体」は、前者の「たばこロッド部」に相当し、同様に、「フィルタアセンブリ305」は「マウスピース部」に、「前記喫煙材303が燃焼されることなく加熱されるロッドの形態の喫煙品301」は「棒状の非燃焼加熱式たばこ」に、それぞれ相当する。
そして、後者の「タバコを含む又はタバコから成る喫煙材303からなるロッドの形態の本体と、フィルタアセンブリ305とを備える前記喫煙材303が燃焼されることなく加熱されるロッドの形態の喫煙品301」は、前者の「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこ」に相当する。
(イ)後者の「冷却セグメント307」は、前者の「冷却セグメント」に相当する。
また、後者の「セルロースアセテートトウのフィルタ材料」は、前者の「フィルター濾材」に相当する。
そして、後者の「加熱された揮発成分からの一つ以上の揮発化合物を除去するセルロースアセテートトウのフィルタ材料から作られたフィルタセグメント309と、環状管である口側端部セグメント311」は、隣接して配置され、使用者が触れる揮発成分を低減するものであることから、前者の「フィルター濾材を含むフィルターセグメント」に相当する。
そうすると、後者の「該フィルタアセンブリ305は、冷却セグメント307と、加熱された揮発成分からの一つ以上の揮発化合物を除去するセルロースアセテートトウのフィルタ材料から作られたフィルタセグメント309と、環状管である口側端部セグメント311と、を含」むことは、前者の「該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含」むことに相当する。
(ウ)後者の「該喫煙材303からなるロッドの形態の本体と該冷却セグメント307は隣接」することは、前者の「該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接」することに相当する。
(エ)後者の「前記セルロースアセテートトウのフィルタ材料に香料が添加されて」いることは、前者の「前記フィルター濾材に香料が添加されて」いることに相当する。
(オ)後者の「空気が外部から内部に流れる通気穴317」は、前者の「開孔」に相当する。
そして、後者の「該喫煙品301の長手方向軸線に対して実質的に垂直な断面で前記冷却セグメント307の全周にわたって空気が外部から内部に流れる通気穴317が配置されて」いることは、通気穴317が冷却セグメント307の全周にわたって配置されることで、通気穴317は冷却セグメント307の周方向に同心状に設けられたものになるから、前者の「該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられて」いることに相当する。
(カ)後者の「前記通気穴317が、前記喫煙品301の近位端313から17mmと20mmとの間に配置され、前記フィルタセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであり、前記口側端部セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmである」ことから、通気穴317が冷却セグメント307とフィルタセグメント309との境界から、通気孔317の位置は、次のとおり求められる。
すなわち、物品110の近位端313からの距離17mm~20mm-[口端セグメント311の長さ8mm+フィルターセグメント309の長さ8mm]により、通気孔317は、冷却セグメント307とフィルターセグメント309との境界から、冷却セグメント307側の方向に1mm~4mmの位置(口端セグメント311の長さとフィルターセグメント309の長さの合計を13mmとすることも可能であり、その場合は4mm~7mmとなる。)に設けられる。
そうすると、後者の「前記通気穴317が、前記喫煙品301の近位端313から17mmと20mmとの間に配置され、前記フィルタセグメント309の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmであり、前記口側端部セグメント311の長さは、6mm~10mm、より好ましくは8mmである」ことは、前者の「該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在する」ことに相当する。
以上から、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
[一致点4]
「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこであって、
該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含み、該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接し、前記フィルター濾材に香料が添加されており、
該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられており、該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在する、非燃焼加熱式たばこ。」
[相違点4]
「開孔」に関し、本件発明1においては、「冷却セグメントとたばこロッド部との境界から、冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する」のに対して、甲7発明においては、冷却セグメント307とエアロゾル生成材料本体303との境界から、冷却セグメント307側の方向に、どの程度の距離をおいて設けられているのか不明である点。
上記相違点4について検討すると、甲7には、通気孔317を冷却セグメント307とエアロゾル生成材料本体303との境界から、冷却セグメント307側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する点については記載も示唆もされておらず、上記相違点4は、実質的な相違点であるから、本件発明1は甲7発明ではない。
また、かかる事項が、慣用技術や設計的事項であるとする理由も見当たらない。
さらに、上記1(1)~(3)、(5)において示した他の提示された証拠である甲1~甲3、甲6及びその他の甲号証においても、開孔が、冷却セグメントとたばこロッド部との境界から、冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在することについて記載も示唆もされていない。
そして、相違点4に係る本件発明1の構成により、冷却機能を確保するとともに加熱により生成される成分のデリバリーを向上させるとの顕著な効果を奏するものである。
したがって、本件発明1は甲7発明ではなく、また、本件発明1は、甲7発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明2~5について
本件訂正後の請求項2~5は、請求項1を直接あるいは間接的に引用するものであり、本件発明2~5は、本件発明1の発明特定事項を全て含む。
そして、本件発明1は、上記アで判断したとおり、甲7発明ではなく、甲7発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2~5は、本件発明1と同様に、甲7発明であるとはいえず、甲7発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)取消理由に採用しなかった申立理由(甲2を主とした取消理由)について
ア 本件発明1について
本件発明1と甲2発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
(ア)後者の「エアロゾル形成基材20」は、タバコ材料を含み、図1からみて棒状の形状をなすことから、前者の「たばこロッド部」に相当する。
(イ)後者の「低抵抗支持要素40」は、エアロゾル冷却要素であることから、前者の「冷却セグメント」に相当する。
(ウ)後者の「マウスピースフィルタ50」は、「1(5)ア(カ)段落【0070】」の記載事項から、セルロースアセテートから形成された従来のマウスピースフィルタであるから、前者の「フィルター濾材を含むフィルターセグメント」に相当する。
(エ)したがって、後者の「低抵抗支持要素40」及び「マウスピースフィルタ50」は、前者の「冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメント」とを含む「マウスピース部」に相当する。
(オ)後者の「電力により加熱されるエアロゾル発生物品10」は、前者の「非燃焼加熱式たばこ」に相当する。
(カ)したがって、後者の「タバコ材料を含んだエアロゾル形成基材20、中空セルロースアセテートチューブ30、エアロゾル冷却要素である低抵抗支持要素40、及びマウスピースフィルタ50が順番に配置された、棒状の電力により加熱されるエアロゾル発生物品10」は、前者の「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこであって、該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含」む「非燃焼加熱式たばこ」に相当する。
以上から、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。
[一致点5]
「たばこロッド部と、マウスピース部とを備える棒状の非燃焼加熱式たばこであって、
該マウスピース部は冷却セグメントと、フィルター濾材を含むフィルターセグメントとを含む、
非燃焼加熱式たばこ。」
[相違点5]
本件発明1においては、「該たばこロッド部と該冷却セグメントは隣接」するのに対して、甲2発明においては、「エアロゾル形成基材20」と「低抵抗支持要素40」との間に「中空セルロースアセテートチューブ30」が介在しており、両者は隣接していない点。
[相違点6]
本件発明1においては、「前記フィルター濾材に香料が添加されて」いるのに対して、甲2発明においては、「低抵抗支持要素40」に「メントール入りより糸45が組み込まれて」いる点。
[相違点7]
本件発明1においては、「該冷却セグメントの周方向に同心状に開孔が設けられており、該開孔が、冷却セグメントとフィルターセグメントとの境界から、冷却セグメント側の方向の4mm以上、7mm以下の領域に存在するとともに、前記冷却セグメントと前記たばこロッド部との境界から、前記冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在する」のに対して、甲2発明においては、低抵抗支持要素40に開孔が設けられているか明らかでない点。
事案に鑑み、まず上記相違点5、7を併せて検討すると、甲2発明においては、「エアロゾル形成基材20」と「低抵抗支持要素40」との間に「中空セルロースアセテートチューブ30」が介在しており、「エアロゾル形成基材20」と「低抵抗支持要素40」との境界を有するものではなく、中空セルロースアセテートチューブ30は、加熱要素がエアロゾル形成基材20内へ挿入された時に、エアロゾル形成基材20がロッド11に沿って低抵抗支持要素40に向けて押されるのを防止するように作用するとともに、低抵抗支持要素40をエアロゾル形成基材20から離間させるスペーサ要素として作用するものである(1(5)ア(オ)段落【0064】)から、「中空セルロースアセテートチューブ30」を省略して「エアロゾル形成基材20」と「低抵抗支持要素40」とを隣接することにより境界を設ける動機は見いだせない。
さらに、上記「1(1)~(4)」に示した他の提示された証拠である甲1、甲3、甲6、甲7及びその他の甲号証においては、開孔が、冷却セグメントとたばこロッド部との境界から、冷却セグメント側の方向に10mm以上、16mm以下の領域に存在することについて記載も示唆もされていない。
また、かかる事項が、慣用技術や設計的事項であるとする理由も見当たらない。
そして、相違点5、7に係る本件発明1の構成により、冷却機能を確保するとともに加熱により生成される成分のデリバリーを向上させるとの顕著な効果を奏するものである。
したがって、相違点6について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件発明2~5について
本件訂正後の請求項2~5は、請求項1を直接あるいは間接的に引用するものであり、本件発明2~5は、本件発明1の発明特定事項を全て含む。
そして、本件発明1は、上記アで判断したとおり、甲2発明及び他の甲号証に記載された事項に基いてに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2~5は、本件発明1と同様に、甲2発明及び他の甲号証に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 むすび
以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立理由によっては本件特許の請求項1~5に係る特許を取り消すことは出来ない。
さらに、他に本件特許の請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-700113