商標異議申立
2025-685002
ムドラブズ、ミュドラブズ、マドラブズ、ムド、ミュド、マド、ラブズ
- 審判番号
- 2025-685002
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 1750127
- 請求日
- 2025年01月28日
- 審決日
- 2025年09月11日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】DELIGHTEX PTE. LTD.
- 【権利者代理人】長谷川 芳樹
- 【権利者代理人】黒川 朋也
- 【権利者代理人】魚路 将央
- 【権利者代理人】川島 麻衣
- 【異議申立人】ムド サティス マガザラリ アノニム シルケティ
- 【異議申立人代理人】弁理士法人栄光事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 大島 勉
- 分類
- T1652.25 -Y (W35) / T1652.255-Y (W35) / T1652.261-Y (W35) / T1652.262-Y (W35) / T1652.263-Y (W35) / T1652.271-Y (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際登録第1750127号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
国際登録第1750127号商標の商標登録を維持する。
理由
1 本件商標
本件国際登録第1750127号商標(以下「本件商標」という。)は、「MUDO LABS」の欧文字を横書きにしてなり、2023年8月3日に国際商標登録出願、第35類「Retail services for aromatic essential oils, aromatic oils for the bath, blended essential oils, essential oils, essential oils for aromatherapy use, essential oils for personal use, flavourings for beverages [essential oils], herbal distillates [essential oils]; online retail services for aromatic essential oils, aromatic oils for the bath, blended essential oils, essential oils, essential oils for aromatherapy use, essential oils for personal use, flavourings for beverages [essential oils], herbal distillates [essential oils]; retail services for aromatic essential oils, aromatic oils for the bath, blended essential oils, essential oils, essential oils for aromatherapy use, essential oils for personal use, flavourings for beverages [essential oils], herbal distillates [essential oils] by any means; the bringing together, for the benefit of others, of a variety of goods (excluding transport thereof), enabling customers to conveniently view and purchase those goods from a retail outlet (other than retail or wholesale services); the bringing together, for the benefit of others, of a variety of goods (excluding transport thereof), enabling customers to conveniently view and purchase those goods (other than retail or wholesale services).」及び第3類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和6年10月28日に登録査定され、同年11月22日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する商標は以下のとおりであり、現に有効に存続している。
国際登録第976339号商標(以下「引用商標」という。)
商標の態様 MUDO
指定役務 第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務
国際登録日 2008年(平成20年)7月15日
事後指定日 2014年(平成26年)1月13日
設定登録日 平成26年11月14日
更新登録日 平成30年8月13日
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するから、同法第43条の2第1号の規定により、取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。以下「甲○」と表記する。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は「MUDO LABS」の欧文字を横一連に配した構成からなる商標である。本件商標の構成中、前半部「MUDO」は特定の意味を有さない造語である。一方で、後半部「LABS」は、「実験室」の意味を有する「laboratory」の略称「lab」を複数形とした既成語である。また、「MUDO」と「LABS」の文字の間には1文字分のスペースが配され、「MUDO」と「LABS」の語は、視覚上分離されるものである。さらに、「MUDO」と「LABS」の語は、観念上の関連性も見出せない。そうすると、これに接した需要者は前半部「MUDO」の文字部分に強く印象をとどめ、これをもって取引に資すると考えられ、「MUDO」の前半部分を要部とする本件商標からは「ムド」の称呼が生じるものである。
また、引用商標は、「MUDO」の欧文字をゴシック体で横書きにした態様からなる商標であり、その構成から「ムド」の称呼が生じるものである。
そうすると、両商標は、「ムド」の称呼を共通にするため、互いに類似するものと解すべきである。
そして、本件商標における第35類の全指定役務は、引用商標にかかる第35類の指定役務と同一又は類似する役務である。
したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、第35類において引用商標に係る指定役務と同一又は類似の役務を指定するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当することが明らかである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
申立人は、トルコのイスタンブールに本社を置く衣料品、家具、装飾品及びその関連商品の小売業を行う企業であり、引用商標は、申立人の小売等役務の商標として長年使用され、我が国のみならず世界的に著名となっているものである。
ア 申立人について
申立人であるムドサティスマガザラリアノニムシルケティは、1964年にトルコ国のベイオールフィタス通りに、創業者であるM氏によって設立された。1970年代以降、申立人は、トルコの27都市に118店舗を展開する。また、トルコ国内のみならず、フランス、ジョージア、北キプロス、コソボ、ナイジェリア、ウズベキスタン、ロシアに、14の海外店舗を有する。さらに、オンラインショッピングプラットフォームも展開し、オンラインでも商品の購入が可能である。上記の店舗及びオンラインショップでは、衣料品、家具、インテリア装飾品、家庭用品、家電製品など、ライフスタイル全般に渡る製品を提供し、申立人はMudo Collection、Mudo FTS64、Mudo Accessoires、Mudo Conceptといったオリジナルブランドを展開する。(甲3の1及び甲3の2)
これらのことから、申立人が長年にわたり世界各国において数多くの製品を製造販売してきたことは明らかであり、申立人は世界有数の小売メーカーであるといえる。
イ 引用商標の使用状況
(ア)使用態様
引用商標は、申立人の会社自身を示す標章として使用されている。(甲4、甲5の1及び甲5の2号)。また、引用商標は、申立人の商品カタログについて使用されている(甲6ないし甲11)。
(イ)宣伝広告状況
申立人は、国内外における申立人及び製品の知名度向上のため、以下のような営業活動を継続して実施している。
a ウェブサイト
申立人は自社のウェブサイトにおいて引用商標を使用している(甲4)。
b SNS「Instagram」及び「Facebook」
申立人は、自社の「Instagram」及び「Facebook」のアカウントのアイコンにおいて引用商標を使用している(甲12ないし甲14)
ウ 見解
上記のとおり、本件商標は、その構成から「ムド」の称呼が生じ、引用商標とは称呼を共通にする類似商標である。また、本件商標に係る第35類の全指定役務は、引用商標に係る指定役務と類似する関係にある。そのうえ、引用商標は世界的に著名な域に達しているものである。
そうすると、仮に第35類の指定役務について本件商標が使用された場合には、需要者においてその役務が申立人の役務であるとの誤解が生じることは明白であり、出所混同を回避することは困難である。そのうえ、引用商標は申立人自身を表すハウスマークとしても使用されているものであるから、本件商標に接した需要者は、その役務が申立人の関連会社等、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係があるものの業務に係る役務であると誤解する結果、出所混同する可能性を否定し難い。
このように申立人の商標として需要者の間に広く認識されている引用商標と類似するものであり、第35類において引用商標に係る指定役務と同一又は類似する役務を指定するものであるから、本件商標は第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録を取り消すべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「MUDO LABS」の欧文字を横書きにしてなるところ、その構成中「MUDO」の文字は、「言葉を発することができない、黙っている」の意味(「西和中辞典 第2版」小学館)を有するスペイン語であるところ、当該言語は我が国において一般に親しまれ、知られているものとはいえないことから、特定の意味合いを看取されることのない一種の造語と理解させ、また、同「LABS」の文字は、辞書等に載録されている既成の語ではないことから、一種の造語と理解させる。そして、「MUDO LABS」の文字は同書、同大でまとまりよく表されてなるから、取引者、需要者に一体不可分のものとして認識し、把握されるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「ムドラブズ」の称呼のみを生じ、構成全体として特定の意味合いを理解させるものではないから、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「MUDO」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は上記(ア)のとおり一種の造語と理解させるものであるから、これより「ムド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とは、外観においては、構成文字の差異により互いに異なる語を表してなると看取できるから判別は容易である。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「ムドラブズ」と引用商標から生ずる「ムド」の称呼とを比較すると、両称呼は、それぞれ構成音数及び構成音が相違するから聴別は容易である。
また、観念においては、両商標とも特定の観念を生じないことから、比較できない。
イ 小括
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別及び聴別は容易だから、その外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考慮すれば、両商標は非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定役務が同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 引用商標の周知性について
(ア)申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
a ドメインに「mudo.com.tr」を有する者は、そのウェブサイトにおいて引用商標を使用し、サングラス及びバッグを身につけた人物並びにクッション及び椅子の画像を表示し、トルコにおいて1964年以来、ファッション、家具、装飾品の小売業にて衣料品からアクセサリー、食器から家庭用テキスタイル、装飾品から家具までの製品を提供し、Mudo、Mudo Concept、Mudo Homeのブランドで、トルコの27県に120以上の店舗を持ち、6カ国に15の海外店舗をオープンしているなどを主張している(甲4、甲5の2)。
b ドメインに「mudo.com.tr」を有する者は、そのウェブサイトにおいて「mudo concept」の欧文字と共にソファーセット、植物が植えられた植木鉢、柵を有するベッド及びロッキングチェアの画像を表示している(甲6ないし甲11)。
c アカウントに「mudo.com.tr」を有する者のSNS上に引用商標と共に、顔が見切れたバッグと被服を中心とした画像や食器及び器等の画像が表示されている(甲12ないし甲14)。
(イ)上記(ア)によれば、ドメインに「mudo.com.tr」を有する者のウェブサイト等において引用商標が、様々なジャンルの商品の画像と共に使用されていることはうかがえる。
しかしながら、申立人とドメインに「mudo.com.tr」を有する者が同一の者であることが分かる証拠や引用商標がどのような役務に使用されているのか明らかにした証拠の提出は認められないことから、申立人が主張する、衣料品、家具及び装飾品等の小売業(以下「申立人の業務に係る役務」という。)について、引用商標を申立人が使用しているとは認められない。
また、ウェブサイト等に年を明らかにした日付がないことから、証拠の年月日を特定することはできない。
さらに、ウェブサイトが外国語で記載されていることから、我が国においての引用商標の使用とは認められない。
加えて、申立人が主張する、申立人の業務に係る役務について、我が国における市場占有率、市場の売上高、販売数量等の販売規模、広告宣伝費、広告媒体等の広告宣伝規模等、引用商標を使用した申立人の業務に係る役務の周知性を具体的に裏付ける証拠の提出もない。
そうすると、申立人の提出証拠によっては、申立人の業務に係る役務に使用していると主張する引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国における取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、広く認識されている商標とはいえない。
イ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、上記(1)のア(ア)のとおり、「ムドラブズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
引用商標は、同(イ)のとおり、「ムド」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において判別及び聴別は容易だから、両商標は非類似の商標というべきである。
ウ 小括
そうすると、本件商標は、他人の業務にかかる役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その役務又はこれらに類似する役務について使用するものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
引用商標は、上記(2)のアのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表すものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
イ 本件商標と引用商標の類似性の程度について
本件商標と引用商標とは上記(1)のとおり、非類似の商標であるから、類似性の程度は低いものである。
ウ 出所の混同のおそれについて
上記ア及びイからすれば、商標権者が、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用をしたときには、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起することはないというべきであり、本件商標は、その取引者、需要者をして、当該商品及び役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは認められない。
その他、本件商標が他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号及び同項第15号の規定に違反して登録されたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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