商標取消審判
2025-300678
ガード
- 審判番号
- 2025-300678
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2012-082596
- 登録番号
- 5572111
- 請求日
- 2025年08月19日
- 審決日
- 2026年03月24日
- 公報発行日
- 2026年09月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ミーレ ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
- 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
- 【請求人代理人】前川 純一
- 【請求人代理人】山崎 和香子
- 【請求人代理人】前川 砂織
- 【請求人代理人】大倉 桂子
- 【被請求人】タカラベルモント株式会社
- 【被請求人代理人】瀧野 文雄
- 【被請求人代理人】江成 文恵
- 【被請求人代理人】加藤 智子
- 【被請求人代理人】今井 貴子
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 正和
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T132 .1 -Y (W11)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条、商標法第50条第2項、商標法第2条第3項第8号、商標法第27条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5572111号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5572111号商標(以下「本件商標」という。)は、「Guard」の文字を表してなり、平成24年10月12日に登録出願、第11類「美容院用又は理髪店用の機械器具(「いす」を除く。),家庭用酸性イオン整水器,家庭用浄水器」を指定商品として、同25年4月5日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録の日は、令和7年9月3日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和4年(2022年)9月3日から同7年(2025年)9月2日までの期間(以下「要証期間」という。)である。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第11類「家庭用酸性イオン整水器」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第11類「家庭用酸性イオン整水器」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証について
本件商標に係る類似商品・役務審査基準(第10版)では「家庭用酸性イオン整水器」は「家庭用電熱用品類」の類似群コード「11A06」のみが付与されている。
したがって、電気式の商品が該当するところ、乙第1号証で示されている商品は電気式のものではなく、類似群コード11A06の「家庭用酸性イオン整水器」に該当する商品ではない。加えて、「お客様・スタッフの手肌を守るプロテクトシャワー」、「※サロン専売品です※」の注意書きがあり、「家庭用」のものではない。
(2)乙第2号証について
前記(1)と同様の理由により、乙第2号証で示されている商品は、電気式のものではなく、類似群コード11A06の「家庭用酸性イオン整水器」に該当する商品ではない。加えて、乙第2号証の記載ではサロンで使用されるものであって、「家庭用」のものではない。
(3)乙第3号証について
前記(1)と同様の理由により、乙第3号証で示されている商品は電気式のものではなく、類似群コード11A06の「家庭用酸性イオン整水器」に該当する商品ではない。加えて写真撮影日が要証期間内ではない。
(4)乙第4号証について
前記(1)と同様の理由により、乙第4号証で示されている商品は電気式のものではなく、類似群コード11A06の「家庭用酸性イオン整水器」に該当する商品ではない。加えて、「プロの美容師・エステティシャンの手・指を守る」との記載があり、「家庭用」のものではない。加えて写真撮影日が要証期間内ではない。
(5)乙第5号証について
前記(1)と同様の理由により、乙第5号証で示されている商品は、電気式のものではなく、類似群コード11A06の「家庭用酸性イオン整水器」に該当する商品ではない。加えて、「プロの美容師・エステティシャンの手・指を守る」との記載があり、「家庭用」のものではない。さらに要証期間内のものか確認できない。
(6)乙第6号証について
納品書には「Guardミニ」の文字がみられるが、類似群コード11A06の「家庭用酸性イオン整水器」に関する商品の使用が確認できない。
(7)乙第7号証について
前記(1)と同様の理由により、乙第7号証で示されている商品は、電気式のものではなく、類似群コード11A06の「家庭用酸性イオン整水器」に該当する商品ではない。また「出勤したらまず1回、シャンプーあとに必ず1回、終業後にもう1回の使用で、手肌の悩みを和らげます。」という記載があり、サロンで使用されるものであり「家庭用」ではない。さらに、印刷した日が「2025年11月4日」であり要証期間内ではない。
(8)乙第8号証について
乙第8号証の特許公報に記載されている特許権者が本件審判の被請求人ではない。さらに類似群コード11A06の「家庭用酸性イオン整水器」に該当するものであることも確認できない。
第3 被請求人の答弁
1 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次の2のように述べ、証拠方法として乙第1号証から乙第8号証を提出した。
2 本件商標は、その指定商品中、第11類「家庭用酸性イオン整水器」について、日本国内において、要証期間内に、商標権者により使用されている。
商標権者は、本件商標を、「家庭用酸性イオン整水器」の名称として、要証期間内に、世界最大の動画共有プラットフォーム「YouTube」のサイト内、商品カタログ等において使用している。その使用の事実について、乙第1号証から乙第8号証により立証する。
よって、本件商標の使用の事実は明らかであるため、本件商標は、商標法第50条の規定により登録を取り消されるべきものではない。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。
(1)商標権者は、「Protect Shower Guard mini(プロテクトシャワーガードミニ)」と称する、ボトル型の商品(以下「使用商品」という。)を取り扱っている(乙1~乙5、乙7)。
(2)使用商品は、焼結フィルターやイオン交換樹脂等からなるカートリッジが内部にセットされ、上部に通過水を霧状に噴霧するためのスプレーが設置されたボトル型の商品であり、ボトル内に水道水を入れ、スプレーすることにより、カートリッジの働きにより、水道水を水素イオンを含む酸性軟水へ変え、噴霧する商品である(乙5、乙7)。
(3)2023年(令和5年)4月3日時点における「YouTube」のウェブサイト(以下「本件ウェブサイト」という。)には、「Guard」の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示された使用商品を紹介する動画が掲載されており、本件ウェブサイトには、「お客様・スタッフの手肌を守るプロテクトシャワー。」、「※サロン専売品です※」、「一般の方は、お通いのヘアサロンまでお問い合せください。」及び「サロン関係者は、タカラベルモントまでお問い合わせください。」との記載がある(乙1)。
(4)2023年(令和5年)6月に作成された「お客様とサロンをつなぐ Home Care products」と題する商標権者のWeb版の商品カタログ(以下「本件カタログ」という。)には、使用商標とともに使用商品が掲載されており、「お客様・スタッフの手肌を守る」及び「来店時、手指消毒の後にワンプッシュ!」との記載があり、また、「※表示価格は2024年4月1日現在のものです。」との記載もある(乙2)。
2 前記1において認定した事実によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品について
使用商品は、ボトル内に水道水を入れ、カートリッジの働きにより、水道水を水素イオンを含む酸性軟水へ変え、噴霧する商品である。
また、使用商品はサロン専売品ではあるものの、ヘアサロンを通じて一般の顧客も購入可能であることからすると、使用商品は、家庭用の商品であるともいえる。
そうすると、使用商品は、本件審判の請求に係る商品である「家庭用酸性イオン整水器」に当たると判断するのが相当である。
(2)使用商標について、
本件商標及び使用商標は、いずれも「Guard」の文字からなるものである。
そうすると、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
そして、使用商標は、本件ウェブサイト及び本件カタログに表示又は掲載されていたから、両者に付されていたといえる。
(3)使用時期について
ア 本件ウェブサイトには、使用商品を紹介する動画が掲載されていることから、本件ウェブサイトは、使用商品の広告であるといえる。
また、本件ウェブサイトは、令和5年4月3日時点のものであるから、当該日にはインターネット上で閲覧可能であったといえる。
そして、令和5年4月3日は、要証期間内である。
イ 本件カタログは、Web版の商品カタログであり、使用商品が掲載されていることから、使用商品の広告であるといえる。
また、本件カタログは、令和5年6月に作成されており、2024年(令和6年)4月1日現在の価格が表示されていることからすると、少なくとも令和6年4月頃にはインターネット上で閲覧可能であったと推認できる。
そして、令和6年4月は、要証期間内である。
(4)小括
以上によれば、商標権者は、要証期間内である令和5年4月3日及び同6年4月に、本件審判の請求に係る商品である「家庭用酸性イオン整水器」に当たる使用商品に関する広告を内容とする情報(本件ウェブサイト及び本件カタログ)に本件商標と社会通念上同一の使用商標を付して電磁的方法(インターネット)により提供したということができる。
そして、当該行為は、商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は、「家庭用酸性イオン整水器」は「家庭用電熱用品類」の類似群コード「11A06」のみが付与され、電気式の商品が該当すると主張した上で、使用商品は、電気式のものではないから、「家庭用酸性イオン整水器」に該当する商品ではない旨主張する。
しかしながら、類似群コードは、商品及び役務の類否を推定するためのコードであり、指定商品の範囲を定めるものではない。
そして、指定商品の範囲は、願書の記載に基づいて定めなければならない(商標法第27条第2項)。
そうすると、本件審判の請求に係る商品である「家庭用酸性イオン整水器」の解釈に当たっては、願書の記載、すなわち、商標登録原簿の記載によるべきである。
そして、「家庭用酸性イオン整水器」は、その記載からして、電気式の商品に限定されているとはいえない。
そうすると、本件審判の請求に係る商品である「家庭用酸性イオン整水器」には、電気式ではないものも含まれるといわなければならない。
してみると、使用商品は、電気式ではないものの、「家庭用酸性イオン整水器」に当たるというべきである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件審判の請求に係る商品である「家庭用酸性イオン整水器」に当たる使用商品について、本件商標と社会通念上同一の使用商標の使用をしていたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の「家庭用酸性イオン整水器」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
なお、本件審判の審理を終結した後に、請求人から上申書が提出されたが、当該上申書の内容により、上述の判断が影響されるものではないから、審理を再開することなく、審決することとした。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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