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商標取消審判

2025-300411

エプシロン、イプシロン、エプスロン

審判番号
2025-300411
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1999-050657
登録番号
4431578
請求日
2025年05月13日
審決日
2026年02月27日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】株式会社 椿本チエイン
  • 【請求人代理人】弁理士法人 竹内国際知財事務所
  • 【被請求人】パルフィンガー エージー
  • 【被請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
  • 【被請求人代理人】松永 章吾
  • 【被請求人代理人】前川 純一
  • 【被請求人代理人】山崎 和香子
  • 【被請求人代理人】前川 砂織
  • 【被請求人代理人】大倉 桂子
  • 【被請求人代理人】岡野 真未子
審判長/審判官
  • 審判長 小林 正和
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 山田 啓之
分類
T132 .1 -Z (Z07) / T132 .11 -Z (Z07)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第4431578号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第4431578号商標の指定商品中、第7類「油圧式モーター・その他の動力伝導装置・その他の機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第4431578号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成11年6月8日に登録出願、第7類「荷役用ローダー・アンローダー・その他のクレーン並びにその部品,その他の荷役機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),風水力機械器具,油圧式モーター・その他の動力伝導装置・その他の機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」を指定商品として、平成12年11月10日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和7年5月30日であり、商標法第50条第2項に規定する「審判の請求の登録前3年以内」とは、令和4年(2022年)5月30日から令和7年(2025年)5月29日までの期間(以下「要証期間」という。)である。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、第7類「油圧式モーター・その他の動力伝導装置・その他の機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」(以下「請求に係る商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。 2 答弁に対する弁駁 (1)被請求人の提出する乙第1号証から乙第11号証について ア 乙第1号証から乙第8号証及び乙第11号証について 乙第1号証から乙第8号証及び乙第11号証のインボイス又は商品を示す画像等には、本件商標が表されていないため、証拠として採用すべきではない。 イ 乙第9号証について 乙第9号証のカタログ写しは要証期間外である令和3年(2021年)5月版であり、要証期間内における本件商標の使用を示す証拠として採用すべきではない。 ウ 乙第10号証について 乙第10号証のインボイスには要証期間外である令和7年(2025年)7月25日が記載されていることから、証拠として採用すべきではない。 エ 小括 したがって、乙第1号証から乙第11号証はいずれも被請求人が要証期間内に本件商標を使用したことを示す証拠として採用すべきではない。 (2)社会通念上同一の商標について 被請求人が主張する乙第9号証の第2ページを見ると、横長の長方形の内部に略楕円状の図形が配置され、その内部にやや丸みを帯びた書体で「EPSILON」と表示されていることが分かる。これを被請求人は「クレーンのラベル」と主張するが、クレーンに付されている様子は示されていない。たとえ、ラベルを作成したとしても、商品に当該ラベルを付さなければ商標を「使用」したとはいえないことは明白である。被請求人の主張を採用すれば、ラベル状の図形を記載したパンフレット様のPDFファイルを作成すれば、様々な商品についての「使用証拠」が出来上がってしまうことになるので妥当ではない。 万一、当該表示が商標の使用と判断された場合であっても、かかる資料は「登録商標」の使用を証明するものとは認められないと確信する。 つまり、本件商標はその構成中に欧文字「EPSILON」とその中央の上部に大きくクレーン状の図形が配置されているのに対し、乙第9号証に記載の表示は欧文字「EPSILON」のみであり、中央上部のクレーン状の図形の有無という点で大きく異なるので「社会通念上同一」とされる商標のいずれの類型にも該当しない。このようなクレーン状の図形の有無という相違点に注目すると、外観において大きく異なる点はもちろん、「クレーン」という観念が生じる・生じないという点においても登録を維持すべき信用が登録商標に化体しているとはいえないと確信する。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証から乙第11号証を提出した。 1 被請求人のEPSILONの商品には「チェーン」があり、これは単体でスペアパーツとして販売されている。乙第1号証のインボイスは、被請求人の関連会社Palfinger Asia Pacific Pte.Ltd.(以下「商標権者関連会社1」という。)から日本パルフィンガー株式会社に対して発行されたものであり、チェーンの品番「YE94004」及び品番「YE94003」の品番が記載されている。これらの品番の商品に関する説明図を乙第2号証として提出する。 乙第3号証のインボイスには、チェーンの品番「YE94013」が記載されている。乙第4号証として提出する説明図には当該品番の製品が記載されている。 乙第5号証のインボイスには、チェーンの品番「YE94014」が記載されており、乙第6号証として提出する説明図には、当該品番の製品が記載されている。 乙第7号証のインボイスには、チェーンの品番「YE94013」が記載されており、乙第4号証として提出する説明図には当該品番の製品が記載されている。 乙第8号証のインボイスにはチェーンの品番「YE94015」が記載されている。乙第4号証として提出する説明図には当該品番の製品が記載されている。 乙第9号証は被請求人の関連会社であるEpsilon Kran GmbH(以下「商標権者関連会社2」という。)のカタログであり要証期間より以前の2021年5月版であるが、第2ページにはクレーンのラベルが表示されており、本件商標と社会通念上同一の商標「EPSILON」が使用されている。被請求人のクレーンは、乙第10号証として提出するインボイス(Invoice 1019059321)から明らかなように、日本向けに販売されていることから、要証期間中も当該カタログが使用されていることが明らかである。 当該乙第9号証の23ページにおいて、54と55の番号が付与されているパーツは、品番「YE94013」及び「YE94015」のチェーンであり、25ページには、これらの品番がスペアパーツリストに掲載されている。 乙第11号証として、「Epsilon Kran GmbH」が被請求人の関連会社であることを示すウェブサイトプリントアウトを提出する。 これらを総合的に判断すると、このチェーンは部品として日本に納入されたことが明らかである。 2 むすび 以上のように、本件商標は要証期間内に日本国内において、被請求人等によって指定商品「チェーン」について使用されていることから、本件商標の登録は一部指定商品に関して取り消されるべきであるとする請求人の請求は根拠を有さず、本件商標の登録は維持されるべきものである。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、次の事実が認められる。 (1)本件商標の商標権者(以下、単に「商標権者」という。)の関連会社である商標権者関連会社1は、日本パルフィンガー株式会社との間で、品番が「YE94013」及び「YE94015」のものを含む「チェーン」について取引を行っている(乙1~乙8、被請求人の主張)。 (2)商標権者の関連会社である商標権者関連会社2のカタログ(以下「本件カタログ」という。)には、別掲2のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標」という。)が表示された「クレーン」のラベルが掲載されている(乙9、被請求人の主張)。 (3)本件カタログには、品番が「YE94013」及び「YE94015」の「チェーン」が掲載されている(乙9)。 2 判断 (1)使用商標について 本件商標は、別掲1のとおり、「EPSILON」の文字及びその上部にクレーン状の図形を配した構成からなるものである。 他方、使用商標は、別掲2のとおり、左半分を黒塗り、右半分を白抜きとした略楕円形の図形の内部において、左側に「EPSILON」の文字を白抜きで表し、右側に「PALFINGER」の文字を黒字で表した構成からなるものである。 そうすると、本件商標と使用商標とは、クレーン状の図形の有無、略楕円形の図形の有無及び「PALFINGER」の文字の有無において相違しているものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認めることはできない。 (2)使用に係る商品について 被請求人は、本件商標が「チェーン」について使用されていると主張している。 しかしながら、前記1(2)のとおり、使用商標は、本件カタログにおいて「クレーン」のラベルとして掲載されているから、「クレーン」に使用されているといえても、「チェーン」に使用されているということはできない。 そして、「クレーン」は、請求に係る商品に含まれていない。 仮に、使用商標が「チェーン」に使用されているとみる余地があるとしても、提出された証拠からは、当該「チェーン」がどのような用途に使用されるものであるかが不明である。 そのため、当該「チェーン」が、請求に係る商品に含まれていること、例えば、「動力伝導装置」としての「チェーン」であることを認めることはできない。 (3)以上により、被請求人は、本件商標の使用をしていることを証明したとはいえない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠によっては、被請求人が、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る商品についての本件商標の使用をしていることを証明したとはいえず、また、当該使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたともいえない。 したがって、本件商標の請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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