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商標取消審判

2025-300166

ハクサン

審判番号
2025-300166
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願1970-005015
登録番号
1405729
請求日
2025年02月18日
審決日
2026年02月27日
公報発行日
2026年05月29日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】羽場 和宏
  • 【請求人代理人】海野 徹
  • 【被請求人】株式会社小堀酒造店
  • 【被請求人代理人】宮田 誠心
  • 【被請求人代理人】宮田 正道
審判長/審判官
  • 審判長 山田 和彦
  • 審判官 駒井 芳子
  • 審判官 真鍋 伸行
分類
T132 .1 -Z (133)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法2条3項商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第50条第3項、商標法第50条第2項、商標法第50条、商標法第2条第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第1405729号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第1405729号商標の指定商品中、第33類「洋酒,果実酒」についての商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第1405729号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「白山」の文字を毛筆風の書体で縦書きしてなり、第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和55年1月31日に設定登録されたものである。 その後、平成22年1月20日に指定商品を第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和7年2月27日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和4年2月27日から同7年2月26日までを、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、令和7年5月8日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年6月12日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)において、その理由を要旨次のように述べ、甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。 なお、以下、証拠の表示については、甲(乙)第1号証を「甲(乙)1」のように省略して表示する場合がある。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、第33類「洋酒,果実酒」(以下「請求に係る指定商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 弁駁書による主張 (1)乙1及び乙2の証拠としての妥当性について 被請求人は、要証期間に本件商標を使用していることを証明する必要がある。しかし、被請求人は乙1及び乙2を示して、自社の公式通販サイトにおいて、指定商品「洋酒」及び「果実酒」について本件商標を使用している旨を主張するのみであり、本件商標をいつから使用しているかについて一切言及していない。 よって、乙1及び乙2は本件商標の使用を立証する証拠として不適切であり、商標法第50条第1項における「使用」とは認められない。 (2)公式通販サイトでの本件商標の使用開始時期について ア 請求人による調査について 請求人は、令和7年2月17日に乙1に係る洋酒の公式通販サイト及び乙2に係る果実酒の公式通販サイトを調査したが、本件商標の使用は確認できなかった。 イ 乙1について Wayback Machineを利用して乙1に係る公式通販サイトを調査すると、2024(令和6)年12月12日付け(甲4)及び2025(令和7)年3月24日付け(甲5)で2件保存されていた(甲3)。 甲4では本件商標は使用されておらず、甲5で本件商標が使用されていることから2024(令和6)年12月12日から2025(令和7)年3月24日の間に指定商品「洋酒」に関して本件商標の使用が開始されたことが確認できる。 ウ HAKUSAN Craft Gin(ハクサンクラフトジン)の製造・販売について 請求人はロゴ中に「白山」の文字が入ったクラフトジンを開発し、2024(令和6)年の12月から販売を開始している(甲6)。 請求人は被請求人の依頼により2025(令和7)年2月6日に打ち合わせを行った。打ち合わせの内容は「「白山」について被請求人が本件商標を有している状況下、請求人がクラフトジンの製造・販売を継続することの是非」に関するものだった。そして、被請求人から請求人に対してクラフトジンの製造・販売を中止して欲しいとの要請があった。 上記打ち合わせの2日前の2月4日に請求人はINPIT石川県知財総合支援窓口を利用して相談員からクラフトジンの製造・販売に関するコメントを貰っていたことから、2月6日の打ち合わせにおいて請求人は指定商品「洋酒」等に対して不使用取消審判を請求する可能性がある旨を被請求人に伝えるとともに、請求人自身の意向を2月中に回答する旨を被請求人に伝えた。 2025(令和7)年2月28日に請求人は被請求人に対して自身の意向を電子メールで回答した(甲7)。電子メールの内容は、クラフトジンの販売を継続する旨、クラフトジンで使用しているロゴを商標登録出願した旨、及び本件商標に係る指定商品「洋酒,果実酒」について不使用取消審判を請求した旨であった。 エ 駆け込み使用について これらの状況を考慮すると、被請求人は両者が打ち合わせを行った2025(令和7)年2月6日以降に自社の公式通販サイトを改訂して本件商標の使用を開始した可能性が高い。このような使用は商標法第50条第3項に規定するいわゆる駆け込み使用に該当するものであり、商標法第50条第1項に規定する本件商標の使用に該当しないものである。 また、被請求人が2025(令和7)年2月6日以降に自社のウェブサイトを改訂して本件商標の使用を開始したことについて正当な理由がある場合には被請求人はこれを明らかにする必要があるところ(商標法第50条第3項)、被請求人は答弁書において指定商品「洋酒」に関して本件商標の使用を開始した理由について何ら記載していない。 よって、このような使用は商標法第50条第1項に規定する本件商標の使用に該当しないものである。 オ 乙2について 同様にWayback Machineを利用して乙2に係る公式通販サイトを調査すると、2022(令和4)年12月27日から2025(令和7)年2月14日までの期間に8件保存されていた(甲8~甲16)。 甲9ないし甲16(2022(令和4)年12月27日から2025(令和7)年2月14日までの期間における証拠)では、本件商標は使用されていないことから2025(令和7)年2月14日以降に指定商品「果実酒」に関して本件商標の使用が開始されたことが確認できる。 上記のとおり、請求人は被請求人の依頼により2025(令和7)年2月6日に打ち合わせを行い、不使用取消審判を請求する可能性がある旨を被請求人に伝えていることから、2025(令和7)年2月14日以降の本件商標の使用はいわゆる駆け込み使用に該当するものであり、商標法第50条第1項に規定する本件商標の使用に該当しない。また、被請求人は答弁書において指定商品「果実酒」に関して本件商標の使用を開始した理由について何ら記載していないため、かかる使用は商標法第50条第1項に規定する本件商標の使用に該当しないものである。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、その理由を答弁書において、要旨次のように述べ、証拠方法として、乙1ないし乙3を提出した。 被請求人は、乙1に示すように、自社の公式通販サイトにおいて、指定商品「洋酒」について、本件商標を使用している。 被請求人は、乙2に示すように、自社の公式通販サイトにおいて、指定商品「果実酒」について、本件商標を使用している。 乙3に示すように、公式通販サイトの特定商取引法に関する表示において、被請求人が販売業者である。 第4 当審における審尋及び被請求人の回答 1 当審における審尋 審判長は、令和7年11月17日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人の主張及び同人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認められない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した弁駁書に対する回答を求めた。 2 審尋に対する被請求人の回答 被請求人は、上記1の審尋に対し、何らの応答もしていない。 第5 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その指定商品について登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることを全て証明する必要がある。 2 事実認定 被請求人の主張及びその提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。 (1)乙1について ア 乙1の各頁の左側上部に「萬歳樂」の文字が配されているとともに、その1頁目には「萬歳樂 ルビーロマン・リキュール」の文字の下に、商品の容器と化粧箱の写真及び価格等が掲載されている。 イ 乙1の2頁目には「石川県産の大きなぶどう「ルビーロマン」をたっぷり使い、丁寧に仕上げたさわやかな甘さのリキュールです。」の記載及び「白山の恵みと職人の技が生んだ、極上の果実酒」の見出しの下、商品の説明が掲載され、その説明の右側に本件商標が掲載されている。 (2)乙2について ア 乙2の各頁の左側上部に「萬歳樂」の文字が配されているとともに、その1頁目には「萬歳樂 加賀梅酒」の文字の下に、商品の容器と化粧箱の写真及び価格等が掲載されている。 イ 乙2の2頁目には「萬歳樂が平成2年から醸造する濃密な梅の旨味とクリアな飲み口をあわせ持つ梅酒です。」の記載及び「白山の恵みが生んだ、芳醇な梅酒」の見出しの下、商品の説明が掲載され、その説明の右側に本件商標が掲載されている。 (3)乙3について ア 乙3の各頁の左側上部に「萬歳樂」の文字が配されているとともに、その1頁目には「特定商取引法に関する表示」及び「店舗情報」の見出しの下、「販売業者 株式会社小堀酒造店」、「所在地 〒920-2121 石川県白山市鶴来本町1丁目ワ47番地」及び「取扱商品 日本酒・梅酒・その他酒類」などの記載があり、上記の販売業者の名称と所在地は、本件商標の商標権者である被請求人と同じである。 3 判断 上記2によれば、以下のとおり判断できる。 (1)本件商標の使用時期について(乙1、乙2について) 被請求人は、乙1及び乙2を自社(被請求人)の公式通販サイトの写しとして提出しているところ、乙1ないし乙3のすべての頁の左上に「萬歳樂」の文字が配されており、ページのレイアウトもほぼ同様であることからすると、乙1及び乙2は、乙3の店舗情報に記載された販売業者である被請求人によって作成されたウェブサイトであると推認できる。 そして、乙1は「リキュール」の販売に関する商品の説明とともに、また、乙2は「梅酒」の販売に関する商品の説明とともに、本件商標が使用されているといえるものの、当該記事が掲載されていたとするウェブサイトのアドレスの記載がないなど、実際にウェブサイト上に掲載された記事であったのかは明らかではない。 また、当該記事がウェブサイト上に掲載されていたとしても、その掲載されていた日時が確認できる記載等がないことから、要証期間における証拠とは認められない。 (2)本件商標の使用商品について(乙2について) 被請求人は、乙2を請求に係る指定商品中の「果実酒」について使用したものとして提出しているが、乙2の記事において本件商標が使用されているとする「梅酒」は、「薬味酒」の範ちゅうに属する商品であり、これは請求に係る指定商品である「洋酒,果実酒」のいずれにも含まれない商品といえる。 (3)小括 したがって、乙1及び乙2の証拠からは要証期間内に、請求に係る指定商品に本件商標が使用されたものであると認めることはできず、その他、被請求人が提出した全証拠によっても、要証期間に本件商標を請求に係る指定商品に使用したものとは認められない。 また、乙2は、本件商標を「薬味酒」の範ちゅうに属する「梅酒」について使用するものであって、「梅酒」は「洋酒,果実酒」には含まれないものであるから、本件商標を請求に係る指定商品に使用したものとは認められない。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標を、請求に係る指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する行為を行っていたことを証明していない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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