商標拒絶査定不服審判
2025-020299
メーカーズ
- 審判番号
- 2025-020299
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-038657
- 請求日
- 2025年12月18日
- 審決日
- 2026年08月18日
- 公報発行日
- 2026年09月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ブリッジワン
- 【請求人代理人】岡崎 真洋
- 審判長/審判官
- 審判長 濱田 佐代子
- 審判官 浜岸 愛
- 審判官 鹿児島 直人
- 分類
- T18 .26 -WY (W35) / 標準データ:手続:不服 / 標準データ:80・26-WY (W35) / 標準データ:確定ステータス:1 維持(出訴無し)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)
事件の表示
商願2024- 38657拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年4月11日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年10月4日付け :拒絶理由通知書
令和7年1月23日受付 :手続補正書の提出
令和7年3月27日付け :通知書
令和7年5月26日受付 :意見書の提出
令和7年8月26日付け :拒絶査定
令和7年12月18日受付:審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、上記1の手続補正書により、第35類「求人情報の提供,職業のあっせん,経営診断又は経営に関する助言,事業の管理,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供」に補正されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5870141号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成28年2月24日に登録出願、第35類「職業のあっせん,職業のあっせんに関する情報の提供,通信回線を用いた求人情報の提供,その他の求人情報の提供,職業適性検査,職業適性検査に関する情報の提供,人材派遣会社における派遣スタッフ登録のための面接の代行を含む事務手続の代行,広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,文書又は磁気テープのファイリング」を指定役務として、平成28年7月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、引用商標の構成中「Makers」の文字部分を分離抽出し、これと本願商標とが類似する商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。
5 当審の判断
引用商標は、別掲2のとおり、白色のレンチを模した図が右下に配された青色の六角形の図形(以下「図形部分」という。)と、その右側上部に青色で小さく表された「製造×転職」の文字(「製」及び「職」の文字は、「造」、「×」及び「転」の文字より大きく表されている。以下同じ。)と、その右側下部に大きく表された「Makers」の文字(以下、まとめて「文字部分」という。)を横書きしてなるものである。
そして、その構成中の図形部分と文字部分は、重なり合うことなく左右に分かれており、視覚上分離した態様で配置されているから、それぞれが独立した印象を与えるものであり、かつ、称呼及び観念における関連性も見いだせないものである。
そうすると、引用商標の図形部分と文字部分は、それぞれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえず、ほかに各構成部分を常に一体のものとしてのみ観察しなければならない特段の事情も見いだせない。
したがって、引用商標の図形部分と文字部分は、それぞれが独立して自他役務の出所識別標識としての機能を発揮し得るものである。
次に、文字部分についてみるに、「Makers」の文字(以下「下段文字部分」という。)は、「製造×転職」の文字(以下「上段文字部分」という。)より大きく表されており、特に「M」の文字が他の文字よりも顕著に大きく表されているものの、各文字は、共に青色で表されており、また、上段文字部分は、下段文字部分の「akers」の文字の横幅と揃えて配されており、加えて、上段文字部分と下段文字部分の「akers」の文字を合わせた縦幅は、下段文字部分の「M」の文字の縦幅に収まるように配されている。このように、上段文字部分が、下段文字部分の「akers」の文字の上部の空白部分に収まっている態様であることも相まって、文字部分は、全体として視覚上まとまりのよい一体的な印象を与えるものである。
また、引用商標の文字部分の構成文字に相応して生じる「セイゾウカケルテンショクメーカーズ」の称呼は、16音とやや冗長ではあるものの、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、上段文字部分と下段文字部分について検討するに、「製造」の文字は、「品物をつくること。」を意味する語(出典:「広辞苑 第七版」 株式会社岩波書店)であり、「×」の記号は、掛け合わせる意味を有する乗算記号であり、「転職」の文字は、「一つの職から他の職に転ずること。」を意味する語(前掲辞書)であり、「Makers」の文字は、「1作る人。2製造者。」を意味する英語「maker」(前掲辞書)の複数形であるところ、引用商標の指定役務中「職業のあっせん,職業のあっせんに関する情報の提供,通信回線を用いた求人情報の提供,その他の求人情報の提供」との関係において、上段文字部分の「製造」の文字は、求人の業種としての「製造業」を表すものとして、また、「転職」の文字は、求人や中途採用の募集に際して求人の目的や用途等を表すものとして、それぞれ理解される語であって、さらに、これらの語に乗算記号「×」を配した「製造×転職」の文字から、各文字が有する意味とは別の新たな意味合いが生じるともいえないものである。
また、下段文字部分の「Makers」の文字は、上記のとおり「製造者」を表す英語「maker」の複数形であるところ、引用商標の指定役務中「職業のあっせん,職業のあっせんに関する情報の提供,通信回線を用いた求人情報の提供,その他の求人情報の提供」との関係において、転職先又は求人元である製造業者を表すものとして理解される語である。
してみれば、引用商標の上段文字部分及び下段文字部分は、いずれも役務の質等を表すものとして理解されることも少なくないことから、自他役務の出所識別標識としての機能を有しないか、又は極めて弱いものといえる。
また、引用商標の上記以外の指定役務との関係においては、上段文字部分又は下段文字部分のいずれか一方が、取引者、需要者に対して、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせず、その他、下段文字部分のみが独立して、自他役務の出所識別標識として認識されるものとみるべき特段の事情は見当たらない。
以上のことからすると、引用商標は、上段文字部分及び下段文字部分のいずれか一方が、自他役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとは認められない上、これらが視覚上まとまりよく一体的に表され、その構成文字全体から生じる称呼も無理なく一連に称呼し得ることから、引用商標の文字部分に接する取引者、需要者は、その構成中の「Makers」の文字部分のみに着目するというより、むしろその構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握すると判断するのが相当である。
したがって、本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について判断するまでもなく、引用商標の構成中「Makers」の文字部分を分離抽出し、これを前提に、本願商標と引用商標とが類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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