商標拒絶査定不服審判
2025-010959
クラブハウス、クラブ、ハウス
- 審判番号
- 2025-010959
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-079710
- 請求日
- 2025年07月11日
- 審決日
- 2026年03月25日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】泰安工業株式会社
- 【請求人代理人】恩田 俊郎
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .261-WY (W25) / T18 .262-WY (W25) / T18 .263-WY (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024- 79710拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年5月12日に登録出願された商願2023-51314に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、令和6年7月23日に出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年9月2日付け :拒絶理由通知書
令和7年1月6日 :意見書の提出
令和7年4月21日付け:拒絶査定
令和7年7月11日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,履物,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),運動用特殊靴」を指定商品として登録出願されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6857671号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、令和4年10月25日に登録出願、第35類に属する別掲3のとおりの役務を指定役務として、同6年10月24日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に三本の旗をシルエット風に表してなる図形(以下「本願図形部分」という。)を配し、中段に筆記体風のややデザイン化した「Club」の欧文字、下段にゴシック体風の「HAUS」の欧文字(以下、これらを「本願文字部分」という。)を配してなるところ、本願文字部分と本願図形部分とは、大きさなどが異なっており、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが視覚上、分離して看取、把握され得るものである。
そして、本願文字部分である「ClubHAUS」の欧文字は、成語として各種辞典に掲載されておらず、これを構成する「Club」の欧文字は「クラブ」、「HAUS」の欧文字は「家」の意味を有するドイツ語(いずれも「新アルファ独和辞典 第1版」三修社)であったとしても、その全体として、指定商品の取引者、需要者に直ちに特定の意味合いを認識、理解させるものとはいえない。
そうすると、本願文字部分と本願図形部分とは、これらを常に一体のものとみるべき観念上の強いつながりも見いだせないことからすれば、本願文字部分を要部(以下「本願商標の要部」ということがある。)として抽出し、この部分だけを引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
また、特定の意味合いを認識、理解させない欧文字からなる商標にあっては、英語読み風又はローマ字読み風に発音するのが一般的であるから、本願商標の構成文字からは、「クラブハウス」の称呼が生じ得るものといえる。
したがって、本願商標は、本願文字部分に相応して「クラブハウス」の称呼が生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、下段に緑色の「THE CLUBHOUSE」の欧文字(以下「引用文字部分」という。)を横書きし、その右側に緑色のテニスボールとおぼしき図形、上段には緑色のテニスラケットとおぼしき図形(以下、これらを「引用図形部分」という。)を配してなるところ、引用文字部分と引用図形部分とは、大きさなどが異なっており、重なることなく配置されていることからすると、それぞれが視覚上、分離して看取、把握され得るものである。
そして、引用文字部分は、「THE」が「その」を意味する英語の定冠詞、「CLUBHOUSE」が「クラブハウス(スポーツクラブなどの会員が集まる建物)」(いずれも「ベーシックジーニアス英和辞典 第3版」大修館書店)を意味する英語であるから、構成文字全体として「そのクラブハウス」の意味を認識させ、引用図形部分は、テニスラケット及びテニスボールを想起させ得るとしても、引用文字部分と引用図形部分とは、これらを常に一体のものとみるべき観念上の強いつながりも見いだせないことからすれば、引用文字部分を要部(以下「引用商標の要部」ということがある。)として抽出し、この部分だけを本願商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。
さらに、引用商標の要部は、「THE」と「CLUBHOUSE」の間に1文字程度の間隔を有しているとしても、構成各文字が同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、上記のとおり、「そのクラブハウス」の観念を生じ、「ザクラブハウス」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、上記のとおり、まとまりよく一体的に表された引用商標の要部から、殊更、「THE」の文字部分を捨象し、「CLUBHOUSE」の文字部分のみをもって取引に資されるものと認めることはできず、引用商標に接する需要者は、引用商標の要部を一体不可分のものと認識、理解するとみるのが相当であり、「CLUBHOUSE」の文字部分のみが出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとはいえない。
したがって、引用商標は、その文字部分に相応して「ザクラブハウス」の称呼が生じ、「そのクラブハウス」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ、上記(1)及び(2)のとおりの構成よりなるところ、その全体の比較においては、全体の構成態様、色彩が異なる点等において相違するものであり、また、本願商標の要部と引用商標の要部との比較においても、「THE」の有無、末尾が「AUS」であるか「OUSE」であるかの点等で明らかに相違するものであるから、両商標は、外観上、明確に区別し得るものである。
次に、称呼については、本願商標からは「クラブハウス」の称呼が生じ、引用商標からは「ザクラブハウス」の称呼が生じるところ、語頭における「ザ」の音の有無に差異を有し、6音又は7音という比較的短い称呼において、その差異が称呼全体に与える影響は小さいものとはいえないことから、両者は相紛れない。
さらに、観念については、本願商標からは特定の観念が生じないのに対し、引用商標からは「そのクラブハウス」の観念が生じることから、両者は相紛れない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れないものであるから、外観、観念及び称呼等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、本願商標と引用商標が類似するというべき特段の事情も見いだせない。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標の指定商品と引用商標の指定役務の類否を検討するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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