特許拒絶査定不服審判
2025-010622
遊技機
- 審判番号
- 2025-010622
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-151423
- 請求日
- 2025年07月08日
- 審決日
- 2026年05月19日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社三共
- 審判長/審判官
- 審判長 秋田 将行
- 審判官 小野 郁磨
- 審判官 齋藤 智也
- 分類
- P18 .4 -Z (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-151423「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 6年 4月 5日出願公開、特開2024- 46766〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年9月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 1月 8日付け:拒絶理由通知書
同年 2月25日 :意見書、手続補正書の提出
同年 4月 7日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年 4月15日 :原査定の謄本の送達)
同年 7月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和7年7月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年7月8日にされた手続補正を却下する。
[理由](補正の適否の判断)
1 本件補正について(補正の内容)
令和7年7月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、令和7年2月25日提出の手続補正書によって補正された特許請求の範囲に、
(本件補正前)
「【請求項1】
可変表示を行い、有利状態に制御可能な遊技機であって、
前記有利状態に制御されるか否かを報知する特定報知演出を実行可能であり、
キャラクタを表示可能であり、
音声を出力可能であり、
変動パターンとして、
通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御される旨を報知する通常状態用第1変動パターンと、
前記通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御されない旨を報知する通常状態用第2変動パターンと、を含み、
前記通常状態用第1変動パターンおよび前記通常状態用第2変動パターンのいずれにおいても、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りではない音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
前記通常状態用第1変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、前記通常状態用第2変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
音声が出力される音声パターンとして、キャラクタが表示されている状況で該キャラクタの口が動作するとともに該キャラクタの音声が出力される特定音声パターンを含み、
可変表示が開始されてから前記特定報知演出が実行されるまでの所定期間と、前記特定報知演出が実行されている特定期間とにおいて、該特定期間の方が、該所定期間よりも多い回数、前記特定音声パターンにより音声を出力可能である、遊技機。」
とあったものを、
審判請求時に提出された手続補正書の特許請求の範囲における、
(本件補正後)
「【請求項1】
可変表示を行い、有利状態に制御可能な遊技機であって、
前記有利状態に制御されるか否かを報知する特定報知演出を実行可能であり、
前記有利状態に制御されることを示唆する所定表示を表示可能な所定演出を実行可能であり、
キャラクタを表示可能であり、
音声を出力可能であり、
変動パターンとして、
通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御される旨を報知する通常状態用第1変動パターンと、
前記通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御されない旨を報知する通常状態用第2変動パターンと、を含み、
前記通常状態用第1変動パターンおよび前記通常状態用第2変動パターンのいずれにおいても、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りではない音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
前記通常状態用第1変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、前記通常状態用第2変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
音声が出力される音声パターンとして、キャラクタが表示されている状況で該キャラクタの口が動作するとともに該キャラクタの音声が出力される特定音声パターンを含み、
可変表示が開始されてから前記特定報知演出が実行されるまでの所定期間と、前記特定報知演出が実行されている特定期間とにおいて、該特定期間の方が、該所定期間よりも多い回数、前記特定音声パターンにより音声を出力可能であり、
前記所定演出は、前記所定表示の表示を開始してから特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される前の第1パートと、前記特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される第2パートと、を少なくとも含み、
音声として、前記所定表示に対応した所定表示効果音と、前記所定表示に対応した所定表示対応音と、を出力可能であり、
前記第1パートにおいて、前記所定表示効果音を出力し、前記所定表示対応音を出力せず、
前記第2パートにおいて、前記所定表示対応音を出力する、遊技機。」
と補正するものである(下線は補正箇所を示すために当審合議体が付した。)。
2 補正の適否
(1) 補正事項
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「可変表示を行い、有利状態に制御可能な遊技機」について、「前記有利状態に制御されることを示唆する所定表示を表示可能な所定演出を実行可能」であり、「前記所定演出は、前記所定表示の表示を開始してから特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される前の第1パートと、前記特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される第2パートと、を少なくとも含」むことを特定して限定する補正と、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「音声を出力可能」であることについて、その音声の態様と出力のタイミングを「音声として、前記所定表示に対応した所定表示効果音と、前記所定表示に対応した所定表示対応音と、を出力可能であり、前記第1パートにおいて、前記所定表示効果音を出力し、前記所定表示対応音を出力せず、前記第2パートにおいて、前記所定表示対応音を出力する」と特定して限定する補正を目的とするものである。
(2) 補正目的
本件補正は、上記(1)のとおり、本件補正前の発明特定事項に限定を加えるものであって、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
3 本件補正発明の独立特許要件
上記2(2)で述べたとおり、本件補正により特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるから、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて以下で検討する。
(1) 本件補正発明
本件補正発明は、上記1に(本件補正後)として記載したとおりのものであるところ、本件補正発明について以下に再掲する(符号A等は、分説するために当審合議体が付した。以下、符号A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。
(本件補正発明)
「【請求項1】
A 可変表示を行い、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 前記有利状態に制御されるか否かを報知する特定報知演出を実行可能であり、
C 前記有利状態に制御されることを示唆する所定表示を表示可能な所定演出を実行可能であり、
D キャラクタを表示可能であり、
E 音声を出力可能であり、
F 変動パターンとして、
F1 通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御される旨を報知する通常状態用第1変動パターンと、
F2 前記通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御されない旨を報知する通常状態用第2変動パターンと、を含み、
G 前記通常状態用第1変動パターンおよび前記通常状態用第2変動パターンのいずれにおいても、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りではない音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
H 前記通常状態用第1変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、前記通常状態用第2変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
I 音声が出力される音声パターンとして、キャラクタが表示されている状況で該キャラクタの口が動作するとともに該キャラクタの音声が出力される特定音声パターンを含み、
I1 可変表示が開始されてから前記特定報知演出が実行されるまでの所定期間と、前記特定報知演出が実行されている特定期間とにおいて、該特定期間の方が、該所定期間よりも多い回数、前記特定音声パターンにより音声を出力可能であり、
J 前記所定演出は、前記所定表示の表示を開始してから特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される前の第1パートと、前記特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される第2パートと、を少なくとも含み、
J1 音声として、前記所定表示に対応した所定表示効果音と、前記所定表示に対応した所定表示対応音と、を出力可能であり、
J2 前記第1パートにおいて、前記所定表示効果音を出力し、前記所定表示対応音を出力せず、
J3 前記第2パートにおいて、前記所定表示対応音を出力する、
K 遊技機。」
(2) 引用文献
ア 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願の出願日前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2022-129580号公報(令和4年9月6日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審合議体が付した。以下同じ。)。
(ア) 記載事項
「【0010】
(特徴部069SG形態)
(SG2020-069)形態1-1の遊技機は、
始動条件が成立したこと(例えば、遊技球の始動入賞口への入賞)にもとづいて可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
非特別状態と該非特別状態よりも前記始動条件が成立しやすい特別状態とに制御可能な状態制御手段(例えば、CPU103が、通常状態と、特別図柄(特に第2特別図柄)の変動効率が向上する時短制御を実行する時短状態Aと、確変状態と、時短状態Bとに制御可能な部分)と、
前記有利状態に制御することを決定可能な決定手段(例えば、CPU103が特別図柄通常処理におけるステップ069SGS62にて大当り判定処理を実行する部分)と、
前記決定手段の決定結果にもとづいて、可変表示期間が異なる複数種類の可変表示パターンのうちから1の可変表示パターンを決定可能な可変表示パターン決定手段(例えば、CPU103が、ステップ069SGS111の変動パターン設定処理にて、可変表示結果に基づいて複数種類の変動パターンのうちからいずれかを決定する部分)と、
を備え、
前記特別状態は、前記非特別状態(例えば、通常状態)から制御された前記有利状態が終了したときに制御される第1特別状態(例えば、時短状態A)と、所定回数(例えば、900回)の可変表示が実行されたことを条件に制御される第2特別状態(例えば、時短状態B)と、を含み、
前記決定手段によって前記有利状態に制御することが決定されない可変表示である場合に前記可変表示パターン決定手段が前記第2特別状態において決定可能な可変表示パターンの数は、前記第1特別状態において決定可能な可変表示パターンの数よりも少なく(例えば、可変表示結果が「はずれ」である場合にCPU103が「時短状態B」において決定可能なはずれ変動パターンの数(例えば、2個)は、「時短状態A」において決定可能な可変表示パターンの数(例えば、3個)よりも少ないとともに、「確変状態」において決定可能なはずれ変動パターンの数(例えば、4個)よりも少ない部分)、
前記決定手段によって前記有利状態に制御することが決定されない可変表示である場合に前記可変表示パターン決定手段が前記第2特別状態において決定する可変表示パターンの可変表示期間の平均期間は、前記第1特別状態において決定する可変表示パターンの可変表示期間の平均期間よりも短い(例えば、可変表示結果が「はずれ」である場合にCPU103が「時短状態B」において決定するはずれ変動パターンの可変表示時間の平均時間(例えば、約2.2秒)は、「時短状態A」において決定するはずれ変動パターンの可変表示時間の平均時間(例えば、約5.58秒)よりも少ないとともに、「確変状態」において決定するはずれ変動パターンの可変表示時間の平均時間(例えば、約4.83秒)よりも少ない部分。図11-50参照)、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所定回数の可変表示を経て制御された第2特別状態では、有利状態に制御されない期間が長く続いたことを考慮して、有利状態に制御することが決定されない可変表示は、可変表示パターンの種類が少ないとともに可変表示期間の平均期間が短くなることで、他の状態よりも可変表示の消化速度が高まるため、好適な第2特別状態を提供することができる。」
「【0159】
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。ここでは、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄が可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。尚、同期して実行される特図ゲームおよび飾り図柄の可変表示を総称して単に可変表示ともいう。」
「【0359】
図11-5は、(A)は通常状態における保留記憶数が0~2の場合のはずれ用の変動パターン判定テーブルの具体例、(B)は保留記憶数が3の場合のはずれ用の変動パターン判定テーブルの具体例、(C)保留記憶数が0~3の場合の大当り用の変動パターン判定テーブルの具体例を示している。
【0360】
図11-5(A)に示すように、保留記憶数が0~2の場合のはずれ用の変動パターン判定テーブルでは、非リーチBに97個の判定値が割り当てられており、SPリーチAに2個の判定値が割り当てられ、SPリーチBに1個の判定値が割り当てられている。また、図11-5(B)に示すように、保留記憶数が3の場合のはずれ用の変動パターン判定テーブルでは、短縮非リーチBに97個の判定値が割り当てられており、SPリーチAに2個の判定値が割り当てられており、SPリーチBに1個の判定値が割り当てられている。
【0361】
一方、図11-5(C)に示すように、保留記憶数が0~3の場合の大当り用の変動パターン判定テーブルでは、SP非経由Bに10個の判定値が割り当てられており、SPリーチAに40個の判定値が割り当てられ、SPリーチBに50個の判定値が割り当てられている。」
「【1457】
以下、他の実施形態を説明する。上記実施形態では、通常状態において実行されるSPリーチとして、SPリーチA(ボーリングSP)、SPリーチB(バトルSP)を説明したが、他の実施形態においては、通常状態において実行されるSPリーチとして、「SP前半→SP後半(ハズレ)」「SP前半→SP後半(当り)」「SP前半→最終リーチ(ハズレ)」「SP前半→最終リーチ(当り)」が実行されるものとして説明する。」
「【1568】
また、飾り図柄の可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ遊技機1では、演出態様に応じて表示結果(特図ゲームの表示結果や飾り図柄の可変表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、たとえば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチとがある。また、スーパーリーチには、スーパーリーチの前半部分で終了するスーパーリーチの前半、スーパーリーチの前半から発展するスーパーリーチの後半、およびスーパーリーチの前半から発展する最終リーチがある。本実施の形態においては、ノーマルリーチで可変表示の表示結果が導出されるよりも、スーパーリーチの前半で可変表示の表示結果が導出される方が、大当り信頼度が高い。また、スーパーリーチの前半で可変表示の表示結果が導出されるよりも、スーパーリーチの後半で可変表示の表示結果が導出される方が、大当り信頼度が高い。また、スーパーリーチの後半で可変表示の表示結果が導出されるよりも、最終リーチで可変表示の表示結果が導出される方が、大当り信頼度が高い。なお、以下では、「スーパーリーチ」を「SPリーチ」、「スーパーリーチの前半」を「SP前半(SP前半リーチ)」、「スーパーリーチの後半」を「SP後半(SP後半リーチ)」、「最終リーチ」を「SP最終(SP最終リーチ)」とも称する。」
「【1822】
具体的には、メイン変動番号9の変動パターンが選択された場合、図46に示す複数のルートのうち、開始パート(1)、SP前半リーチAの煽りパート(2)、SP前半リーチAのハズレエピローグパート(4)の順に演出が遷移するか、あるいは、開始パート(1)、SP前半リーチBの煽りパート(5)、SP前半リーチBのハズレエピローグパート(7)の順に演出が遷移する。
・・・
【1825】
メイン変動番号20の変動パターンが選択された場合、開始パート(1)、SP前半リーチAの煽りパート(2)、SP前半リーチAの当りエピローグパート(3)の順に演出が遷移するか、開始パート(1)、SP前半リーチBの煽りパート(5)、SP前半リーチBの当りエピローグパート(6)の順に演出が遷移する。
・・・
【1829】
[開始パートにおける演出態様]
図68~図74を参照しながら、開始パートにおける演出態様について説明する。
・・・
【1832】
図68(a2)に示すように、左右の飾り図柄が「2」図柄で仮停止するリーチ態様となった後に、中図柄に擬似連図柄としての「NEXT」図柄が停止する。「NEXT」図柄が停止することにより、擬似的な変動の2変動目が開始されることが示される。「NEXT」図柄の停止時には、遊技効果ランプ9が赤色で点滅する。なお、ここで言う「点滅」は、図66および図67を参照しながら説明したように、ランプが点灯と消灯とを繰り返すことを含み、以下の説明においても同様である。その後、図68(a3)に示すように、擬似連演出による2回目の可変表示が行われることを示す「×2」の文字が表示される。「×2」の表示時には、遊技効果ランプ9が白色で2回点滅する。
【1833】
その後、図69(a4)に示すように、擬似的な変動の2変動目として再変動が行われる。画面の左上には、2回目の可変表示であることを示す「×2」の文字が小さく表示される。再変動時には、遊技効果ランプ9が背景黄点灯のパターンで点灯する。その後、図69(a5)に示すように、リーチ態様となった後に、中図柄に擬似連図柄としての「NEXT」図柄が停止する。「NEXT」図柄が停止することにより、擬似的な変動の3変動目が開始されることが示される。「NEXT」図柄の停止時には、遊技効果ランプ9が赤色で点滅する。その後、図69(a6)に示すように、擬似連演出による3回目の可変表示が行われることを示す「×3」の文字が表示される。「×3」の表示時には、遊技効果ランプ9が白色で2回点滅する。
・・・
【1838】
その後、図73(a16)~(a18)にかけてシャッターが徐々に開放する状況に合わせて画面輝度が徐々に向上する。(a16)のシャッターが開く状態では、遊技効果ランプ9の輝度が(a15)の時点と同じ輝度を維持した状態で遊技効果ランプ9が赤色で点灯する。その後、図73(a17)に示すように、シャッターがさらに開放し画面輝度が(a16)の時点よりも向上する。(a17)のシャッターが開く状態では、遊技効果ランプ9の輝度が(a16)の時点と同じ輝度を維持した状態で遊技効果ランプ9が赤色で点灯する。その後、図73(a18)に示すように、シャッターがさらに開放し画面輝度が(a17)の時点よりも向上する。(a18)のシャッターが開く状態では、遊技効果ランプ9の輝度が(a17)の時点と同じ輝度を維持した状態で遊技効果ランプ9が赤色で点灯する。
【1839】
画面輝度は、(a16)~(a17)にかけてたとえば(a16)25%<(a17)50%<(a18)75%の関係となるように徐々に向上していく。また、遊技効果ランプ9は、(a16)~(a18)にかけて輝度を維持しながら赤点灯で点灯する。そして、図74(a19)に示すように、シャッターが完全に開いたときは、SP前半リーチAに対応する画面が表示される。(a19)のシャッターが開いた状態では画面輝度が100%となっている。また、(a19)のシャッターが開いた状態では、遊技効果ランプ9が消灯している。なお、「消灯」ではなく「略消灯」であってもよい。また、シャッターが開放していく際に、SP前半リーチBに移行することが決定されていた場合には、SP前半リーチBに対応する画面が表示されることとなる。(a19)の状態からSP前半リーチAが実行される場合には、図75(b1)の演出へ移行し、(a19)の状態からSP前半リーチBが実行される場合には、図85(e1)の演出へ移行する。
【1840】
[煽りパート(SP前半リーチA)における演出態様]
図75~図80を参照しながら、煽りパート(SP前半リーチA)における演出態様について説明する。煽りパート(SP前半リーチA)は、味方キャラクタである夢夢ちゃんが敵キャラクタである爆チューを追いかけるストーリーが展開されていくパートである。煽りパート(SP前半リーチA)では、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえることができれば大当り、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえることができなければハズレとなることを煽るストーリーが展開される。
【1841】
図75(b1)に示すように、SP前半リーチAが実行される煽りパートでは、「爆チューを捕まえろ!」とのSP前半リーチAに対応するタイトルが表示される。タイトル表示によりこれから実行されるSP前半の演出の内容が示される。(b1)のタイトル表示が表示されている状態では、遊技効果ランプ9は消灯している。その後、図75(b2)に示すように、タイトル表示が消去されるとともに、爆チューという敵キャラクタが着地する様子を示す画像が表示される。(b2)のタイトル表示が消えた状態では、遊技効果ランプ9が赤色で点滅する。また、(b2)のタイトル表示に関する画像が消えたタイミングで、SP前半リーチAに対応するBGMが出力される。その後、図75(b3)に示すように、敵キャラである爆チューが画面中央に着地してポーズを取る画像が表示される。(b3)の敵キャラが登場する状態では、遊技効果ランプ9が赤色で点灯する。
【1842】
その後、図76(b4)に示すように、味方キャラクタである夢夢ちゃんと敵キャラクタである爆チューとが画面中央で向かい合う対峙の画像が表示される。(b4)の対峙の状態において、遊技効果ランプ9は、夢夢ちゃんが表示されている左側が夢夢ちゃんのキャラクタに対応して緑色で点灯する。また、遊技効果ランプ9は、爆チューが表示されている右側が爆チューのキャラクタに対応して赤色で点灯する。その後、(b5)に示すように、キャラクタが対峙している画面において夢夢ちゃんのセリフ「見つけたわ」に対応する字幕表示「見つけたわ」が表示される。(b5)の対峙の状態において、左側の遊技効果ランプ9は、夢夢ちゃんがセリフを発していることに対応して緑色で点滅する。また、右側の遊技効果ランプ9は、爆チューのキャラクタに対応して赤色で点灯する。
【1843】
その後、図76(b6)に示すように、キャラクタが対峙している画面において爆チューのセリフ「見つかった」に対応する字幕表示「見つかった」が表示される。(b6)の対峙の状態において、左側の遊技効果ランプ9は、夢夢ちゃんのキャラクタに対応して緑色で点灯する。また、右側の遊技効果ランプ9は、爆チューがセリフを発していることに対応して赤色で点滅する。
【1844】
その後、図77(b7)に示すように、味方キャラクタである夢夢ちゃんが画面上に拡大されて表示される。また、(b7)に示すように、夢夢アップの画面において夢夢ちゃんのセリフ「捕まえるわよ!」に対応する字幕表示「捕まえるわよ!」が表示される。また、(b7)の夢夢アップの状態において、遊技効果ランプ9は、夢夢ちゃんがセリフを発していることに対応して緑色で点滅する。その後、(b8)に示すように、夢夢ちゃんが爆チューを追いかける画像が表示される。また、(b8)の夢夢追っかけの状態において、遊技効果ランプ9は、夢夢ちゃんがセリフ「とぉ」を発していることに対応して緑色で点滅する。その後、(b9)に示すように、爆チューが夢夢ちゃんから逃げる画像が表示される。また、(b9)の爆チュー逃げるの状態において、遊技効果ランプ9は、爆チューがセリフ「ヘヘへ」を発していることに対応して赤色で点滅する。
【1845】
その後、図78(b10)に示すように、部屋の背景が画面上に表示される。(b10)の部屋背景の状態において、遊技効果ランプ9は、黄色で点灯する。その後、(b11)に示すように、画面左側の夢夢ちゃんが画面右側の爆チューを追いかける画像が表示される。(b11)に示すように、夢夢追っかけの画面において夢夢ちゃんのセリフ「待て~」に対応する字幕表示「待て~」が表示される。また、夢夢ちゃんの映像に合わせ物理的な音(以下、物理音と称する)としての夢夢ちゃんの足音「ザッザッザッ」が出力される。また、爆チューの映像に合わせ物理音としての爆チューの足音「タタタタッ」が出力される。また、(b11)の夢夢追っかけの状態において、左側の遊技効果ランプ9は、夢夢ちゃんがセリフを発していることに対応して緑色で点滅する。また、右側の遊技効果ランプ9は、爆チューのキャラクタに対応して赤色で点灯する。
・・・
【1847】
その後、図79(b13)に示すように、爆チューの後ろ姿が表示されるとともに、夢夢ちゃんの手の一部が表示され、爆チューが夢夢ちゃんから逃げる画面となる。(b13)に示すように、爆チュー逃げるの画面において爆チューのセリフ「捕まるもんか!」に対応する字幕表示「捕まるもんか!」が表示される。また、夢夢ちゃんの映像に合わせ物理音としての夢夢ちゃんの足音「ザッザッザッ」が出力される。また、爆チューの映像に合わせ物理音としての爆チューの足音「タタタタッ」が出力される。また、(b13)の爆チュー逃げるの状態において、遊技効果ランプ9は、爆チューがセリフを発していることに対応して赤色で点滅する。
・・・
【1851】
[当りエピローグパート(SP前半リーチA)における演出態様]
図81~図82を参照しながら、当りエピローグパート(SP前半リーチA)における演出態様について説明する。当りエピローグパート(SP前半リーチA)は、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえるストーリーが展開されていくことで大当り遊技状態に制御されることが報知されるパートである。
・・・
【1853】
その後、図81(c2)に示すように、爆チューを捕まえた夢夢ちゃんがブイサインをしている画像が表示される。(c2)に示すように、爆チューを捕まえるの状態では、夢夢ちゃんのセリフ「楽勝よ!」に対応する字幕表示「楽勝よ!」が表示される。また、(c2)の状態において、遊技効果ランプ9は、大当りとなったことを示すようにレインボー色でなめらかに点灯する。以下、レインボー色のなめらかな点灯をレインボー点灯(なめらか)とも称する。また、(c2)の状態において、当り用のBGMが出力される。その後、(c3)に示すように、爆チューを捕まえた夢夢ちゃんがブイサインをしている画像が劇画風の静止画で表示される。(c3)の静止画の状態において、遊技効果ランプ9は、レインボー点灯(なめらか)となる。
・・・
【1855】
[ハズレエピローグパート(SP前半リーチA)における演出態様]
図83~図84を参照しながら、ハズレエピローグパート(SP前半リーチA)における演出態様について説明する。ハズレエピローグパート(SP前半リーチA)は、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえられなかったストーリーが展開されていくことで大当り遊技状態に制御されないことが報知されるパートである。
【1856】
図83(d1)に示すように、SP前半リーチAのハズレエピローグパートでは、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえられなかった画像が表示される。また、(d1)の爆チュー捕まえられずの状態では、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえられなかった映像に合わせ、擬音としての夢夢ちゃんが捕まえられなかった音「スカッ」が出力される。また、(d1)の爆チュー捕まえられずの状態において、遊技効果ランプ9は、爆チューを捕まえられなかったことに対応して(b18)の点灯態様を示す(tb18)の白色よりも暗めの白色で点灯する。」
「【図11-5】
[図:0001437189000001.jpg]
」
「【図73】
[図:0001437189000002.jpg]
」
「【図76】
[図:0001437189000003.jpg]
」
「【図77】
[図:0001437189000004.jpg]
」
「【図78】
[図:0001437189000005.jpg]
」
「【図79】
[図:0001437189000006.jpg]
」
「【図81】
[図:0001437189000007.jpg]
」
(イ) 認定事項
a 認定事項1
引用文献1の「図11-5は、(A)は通常状態における保留記憶数が0~2の場合のはずれ用の変動パターン判定テーブルの具体例、(B)は保留記憶数が3の場合のはずれ用の変動パターン判定テーブルの具体例、(C)保留記憶数が0~3の場合の大当り用の変動パターン判定テーブルの具体例を示している。」(【0359】)、「図11-5(A)に示すように、保留記憶数が0~2の場合のはずれ用の変動パターン判定テーブルでは、非リーチBに97個の判定値が割り当てられており、SPリーチAに2個の判定値が割り当てられ、SPリーチBに1個の判定値が割り当てられている。・・・」(【0360】)、「一方、図11-5(C)に示すように、保留記憶数が0~3の場合の大当り用の変動パターン判定テーブルでは、SP非経由Bに10個の判定値が割り当てられており、SPリーチAに40個の判定値が割り当てられ、SPリーチBに50個の判定値が割り当てられている。」(【0361】)、及び、通常状態との記載に続けて、「SPリーチA」を含む(A)、(B)及び(C)の変動パターン判定テーブルが示された図11-5に照らせば、通常状態においてSPリーチAを選択可能といえる。
ここで、「・・・「スーパーリーチ」を「SPリーチ」、「スーパーリーチの前半」を「SP前半(SP前半リーチ)」、「スーパーリーチの後半」を「SP後半(SP後半リーチ)」、「最終リーチ」を「SP最終(SP最終リーチ)」とも称する。・・・」(【1568】)との記載から、SPリーチAの前半がSP前半リーチAと称されることは明らかであるから、通常状態においてSP前半リーチAを選択可能であるといえる。
さらに、「上記実施形態では、通常状態において実行されるSPリーチとして、SPリーチA(ボーリングSP)、SPリーチB(バトルSP)を説明したが、他の実施形態においては、通常状態において実行されるSPリーチとして、「SP前半→SP後半(ハズレ)」「SP前半→SP後半(当り)」「SP前半→最終リーチ(ハズレ)」「SP前半→最終リーチ(当り)」が実行されるものとして説明する。」(【1457】)との記載からも、通常状態においてSP前半リーチが実行されるものと認められることから、通常状態においてSP前半リーチAを選択可能といえる。
よって、引用文献1には、通常状態においてSP前半リーチAを選択可能であることが記載されているものと認められる。
b 認定事項2
引用文献1の「図68~図74を参照しながら、開始パートにおける演出態様について説明する」(【1829】)、「図73(a16)~(a18)にかけてシャッターが徐々に開放する。」(【1838】)及び「・・・図74(a19)に示すように、シャッターが完全に開いたときは、SP前半リーチAに対応する画面が表示される。・・・」(【1839】)との記載、及び、シャッターが徐々に開放され、「爆チューを捕まえろ!」という文字の一部が表示された状態から、「爆チューを捕まえろ!」という文字の全体が表示された状態となることが示される図73、図74に照らせば、引用文献1には、開始パートにおいて、シャッターが徐々に開放され、「爆チューを捕まえろ!」という文字の一部が表示された状態から、「爆チューを捕まえろ!」という文字の全体が表示された状態となることが記載されていると認められる。
(ウ) 引用発明
上記(ア)の記載事項、及び、上記(イ)の認定事項によれば、引用文献1には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「画像表示装置5の画面上で可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機であって、(【0010】、【0159】)
メイン変動番号9の変動パターンが選択された場合、開始パート、SP前半リーチAの煽りパート、SP前半リーチAのハズレエピローグパートの順に遷移する演出を行うことがあり、(【1822】)
メイン変動番号20の変動パターンが選択された場合、開始パート、SP前半リーチAの煽りパート、SP前半リーチAの当りエピローグパートの順に遷移する演出を行うことがあり、(【1825】)
通常状態においてSP前半リーチAを含む変動パターンを選択可能であり(【認定事項1】)、
開始パートにおいて、擬似連演出による2回目の可変表示が行われることを示す「×2」の文字が表示され、その後、擬似連演出による3回目の可変表示が行われることを示す「×3」の文字が表示され、(【1829】、【1832】、【1833】)
開始パートにおいて、シャッターが徐々に開放され、「爆チューを捕まえろ!」という文字の一部が表示された状態から、「爆チューを捕まえろ!」という文字の全体が表示された状態となり、(【認定事項2】)
SP前半リーチAが実行される煽りパートでは、「爆チューを捕まえろ!」とのSP前半リーチAに対応するタイトルが表示され、タイトル表示が消去されるとともに、爆チューという敵キャラクタが着地する様子を示す画像が表示され、(【1841】)
味方キャラクタである夢夢ちゃんと敵キャラクタである爆チューとが画面中央で向かい合う対峙の画像が表示され、その後、キャラクタが対峙している画面において夢夢ちゃんのセリフ「見つけたわ」に対応する字幕表示「見つけたわ」が表示され、「見つけたわ」という音声が出力され、(【1842】、【図76】)
その後、キャラクタが対峙している画面において爆チューのセリフ「見つかった」に対応する字幕表示「見つかった」が表示され、「見つかった」という音声が出力され、(【1843】、【図76】)
その後、夢夢アップの画面において夢夢ちゃんのセリフ「捕まえるわよ!」に対応する字幕表示「捕まえるわよ!」が表示され、「捕まえるわよ」という音声が出力され、(【1844】、【図78】)
その後、夢夢追っかけの画面において夢夢ちゃんのセリフ「待て~」に対応する字幕表示「待て~」が表示され、「待て~」という音声が出力され、(【1845】、【図78】)
その後、爆チュー逃げるの画面において爆チューのセリフ「捕まるもんか!」に対応する字幕表示「捕まるもんか!」が表示され、「捕まるもんか」という音声が出力され、(【1847】、【図79】)
SP前半リーチAの当りエピローグパートでは、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえるストーリーが展開されていくことで大当り遊技状態に制御されることが報知され、爆チューを捕まえた夢夢ちゃんがブイサインをしている画像が表示され、爆チューを捕まえる状態では、夢夢ちゃんのセリフ「楽勝よ!」に対応する字幕表示「楽勝よ!」が表示され、「楽勝よ」という音声が出力され、(【1851】、【1853】、【図81】)
SP前半リーチAのハズレエピローグパートでは、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえられなかったストーリーが展開されていくことで大当り遊技状態に制御されないことが報知され、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえられなかった画像が表示される、(【1855】、【1856】)
遊技機。(【0010】)」
イ 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願の出願日前に日本国内又は外国において頒布された、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-202704号公報(平成28年12月8日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)記載事項
「【0208】
ここで、本実施の形態では、図18を参照しながら説明したように、判定結果が大当たりの場合には、90秒~30秒の変動時間(変動パターンA~C)に設定される。そして、変動時間がより長い方が、大当たりの期待度がより高くなるように設定されている。また、変動時間が長い場合に、演出尺が比較的長いSPリーチやSP・SPリーチが実行可能となる。従って、変動時間が長いSPリーチやSP・SPリーチの演出が行われる場合には、大当たりの期待度が高くなるよう設定にしている。
そして、本実施の形態では、SPリーチが実行される場合には、比較的高い確率で、SPリーチの前に疑似2連の疑似連演出を行うようにしている。同様に、SP・SPリーチが実行される場合には、比較的高い確率で、SP・SPリーチの前に疑似3連の疑似連演出を行うようにしている。
以上のとおり、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、疑似連演出を実行することによって、大当たりに当選に関して遊技者が期待感を持てるようにしている。
【0209】
また、本実施の形態では、疑似3連における2回目の仮停止後に再び変動開始する前に、画像表示部114の画面に「×3」を表示し(例えば、後述する図38(b)の疑似連予告表示42参照)、スピーカ156から「さらに1回」の音声を流すことによって、疑似連演出が実行されることを報知する。さらに、本実施の形態では、疑似2連における1回目の仮停止後に再び変動開始する前に、画像表示部114の画面に「×2」を表示し、スピーカ156から「もう1回」の音声を流すことによって、疑似連演出が実行されることを報知する。
以上のように、本実施の形態のパチンコ遊技機100では、「×2」や「×3」の画面表示および音声によって疑似連演出の実行を報知することによって、大当たりに当選する期待度を遊技者に対して報知または示唆するようにしている。」
「【図38】
[図:0001437189000008.jpg]
」
(イ)引用文献2記載事項
上記(ア)の記載事項から、引用文献2には以下の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されているものと認められる。
「SPリーチの前に疑似2連の疑似連演出を行い、疑似2連における1回目の仮停止後に再び変動開始する前に、画像表示部114の画面に「×2」を表示し、スピーカ156から「もう1回」の音声を流し、SP・SPリーチの前に疑似3連の疑似連演出を行い、疑似3連における2回目の仮停止後に再び変動開始する前に、画像表示部114の画面に「×3」を表示し、スピーカ156から「さらに1回」の音声を流す、パチンコ遊技機100。」
ウ 引用文献等3
原査定の拒絶の理由に引用文献等3として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった「「どれが当たる!?激熱!(激アツ)リーチ集!『パチンコ演出集!』[たぬパチ!]」,YouTube[online][video],2020年05月25日,[2025年3月27日検索],<https://www.youtube.com/watch?v=T33ZI16XjbY>」に係るYouTubeの動画を視聴することで、次の事項が記録されていると認定することができる。
ここで、例えば、「<4分21秒>」は、動画の再生開始からの経過時間を示すものであり、以下の同様の「分秒」に係る記載も同じである。
(ア)開示事項
<4分21秒>
[図:0001437189000009.jpg]
<4分22秒>
[図:0001437189000010.jpg]
a 4分21秒から4分22秒にかけて、画面に「正気を失っているのね」という文字が表示され、「正気を失っているのね」という音声が出力されるのに合わせて、画面に表示されているキャラクタの口が動くことが開示されている。また、画面の下側には「CR百花繚乱 サムライプライド<平和/アムテックス」との文字が表示され、画面の下方には「2022/05/25に公開済み」と記録されている。
<22分15秒>
[図:0001437189000011.jpg]
<22分15秒>
[図:0001437189000012.jpg]
<22分16秒>
[図:0001437189000013.jpg]
b 22分15秒から画面中央の白い光の中に「めんまちゃんす」という文字が表れ始め、同じタイミングで所定の効果音が出力され、「めんまちゃんす」という文字の一部が見えている状態があり、22分16秒に「めんまちゃんす」という文字が画面中央に固定表示されたときに「めんまちゃんす」という音声が出力されることが開示されている。また、画面の下側には「デジハネPあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。<Sammy>」との文字が表示されている。
(イ)引用文献等3記載事項
a 上記(ア)aの開示事項から、引用文献等3には以下の事項(以下「引用文献等3開示事項1」という。)が開示されているものと認められる。
「「CR百花繚乱 サムライプライド」という遊技機において、画面に「正気を失っているのね」という文字が表示され、「正気を失っているのね」という音声が出力されるのに合わせて、画面に表示されているキャラクタの口が動く表示がされる技術。」
b 上記(ア)bの開示事項において、「めんまちゃんす」という文字が表れ始めるタイミングで出力される所定の効果音は、「めんまちゃんす」という文字表示に関する効果音であるといえる。
そうすると、引用文献等3には以下の事項(以下「引用文献等3開示事項2」という。)が開示されているものと認められる。
「「デジハネPあの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」という遊技機において、画面に「めんまちゃんす」という文字が表れ始め、当該文字表示に対応した効果音が出力され、「めんまちゃんす」という文字の一部が見えている状態があり、その後、「めんまちゃんす」という文字が画面中央に固定表示されたときに「めんまちゃんす」という音声を出力する技術。」
(3) 対比
分説にしたがい、本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 特定事項A、Kについて
引用発明は、「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態など)に制御可能な遊技機」であるので、本件補正発明の特定事項A及びKに相当する構成を備える。
イ 特定事項Bについて
引用発明の「SP前半リーチA」は、「当りエピローグパート」又は「ハズレエピローグパート」を含み、当りエピローグパートでは、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえるストーリーが展開されていくことで大当り遊技状態に制御されることが報知され、ハズレエピローグパートでは、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえられなかったストーリーが展開されていくことで大当り遊技状態に制御されないことが報知されるものである。
そして、引用発明の「大当り遊技状態に制御されること」又は「大当り遊技状態に制御されないこと」を報知することは、本件補正発明の「前記有利状態に制御されるか否かを報知する」ことに相当するので、引用発明の「SP前半リーチA」は、本件補正発明の「特定報知演出」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の特定事項Bに相当する構成を備える。
ウ 特定事項Cについて
引用発明は、「SP前半リーチAが実行される煽りパートでは、「爆チューを捕まえろ!」とのSP前半リーチAに対応するタイトルが表示され」るものであり、当該「SP前半リーチA」は、「当りエピローグパート」により大当り遊技状態に制御されることを報知する場合があることから、「爆チューを捕まえろ!」との表示は、大当り遊技状態に制御されること、すなわち、有利状態に制御されることを示唆するものといえる。
そうすると、引用発明の「爆チューを捕まえろ!」との表示は、本件補正発明の「前記有利状態に制御されることを示唆する所定表示」に相当する。
また、引用発明は、「開始パートにおいて、シャッターが徐々に開放され、「爆チューを捕まえろ!」という文字の一部が表示された状態から、「爆チューを捕まえろ!」という文字の全体が表示された状態とな」るものであり、この演出は、本件補正発明の「所定表示を表示可能な所定演出」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の特定事項Cに相当する構成を備える。
エ 特定事項Dについて
引用発明は、「SP前半リーチAが実行される煽りパートでは、「爆チューを捕まえろ!」とのSP前半リーチAに対応するタイトルが表示され、タイトル表示が消去されるとともに、爆チューという敵キャラクタが着地する様子を示す画像が表示され、味方キャラクタである夢夢ちゃんと敵キャラクタである爆チューとが画面中央で向かい合う対峙の画像が表示され」るものである。
よって、引用発明は、本件補正発明の特定事項Dに相当する構成を備える。
オ 特定事項Eについて
引用発明は、「味方キャラクタである夢夢ちゃんと敵キャラクタである爆チューとが画面中央で向かい合う対峙の画像が表示され、その後、キャラクタが対峙している画面において夢夢ちゃんのセリフ「見つけたわ」に対応する字幕表示「見つけたわ」が表示され、「見つけたわ」という音声が出力され」るものであるから、本件補正発明の特定事項Eに相当する構成を備える。
カ 特定事項F、F1について
引用発明は、「メイン変動番号20の変動パターンが選択された場合、開始パート、SP前半リーチAの煽りパート、SP前半リーチAの当りエピローグパートの順に遷移する演出を行うことがあ」るものであり、「当りエピローグパート」では、大当り遊技状態に制御されることが報知される。
ここで、上記イで検討したとおり、引用発明の「SP前半リーチA」は、本件補正発明の「特定報知演出」に相当し、引用発明の「大当り遊技状態に制御されること」を報知することは、本件補正発明の「前記有利状態に制御される旨を報知する」ことに相当する。
また、引用発明は、「通常状態においてSP前半リーチAを含む変動パターンを選択可能」である。
そうすると、引用発明の「メイン変動番号20の変動パターン」のうち、「SP前半リーチAの当りエピローグパート」を含むものは、本件補正発明の「通常状態用第1変動パターン」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の特定事項F、F1に相当する構成を備える。
キ 特定事項F、F2について
引用発明は、「メイン変動番号9の変動パターンが選択された場合、開始パート、SP前半リーチAの煽りパート、SP前半リーチAのハズレエピローグパートの順に遷移する演出を行うことがあ」るものであり、「ハズレエピローグパート」では、大当り遊技状態に制御されないことが報知される。
ここで、上記イで検討したとおり、引用発明の「SP前半リーチA」は、本件補正発明の「特定報知演出」に相当し、引用発明の「大当り遊技状態に制御されないこと」を報知することは、本件補正発明の「前記有利状態に制御されない旨を報知する」ことに相当する。
また、引用発明は、「通常状態においてSP前半リーチAを含む変動パターンを選択可能」である。
そうすると、引用発明の「メイン変動番号9の変動パターン」のうち、「SP前半リーチAのハズレエピローグパート」を含むものは、本件補正発明の「通常状態用第2変動パターン」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の特定事項F、F2に相当する構成を備える。
ク 特定事項Hについて
引用発明は、「味方キャラクタである夢夢ちゃんと敵キャラクタである爆チューとが画面中央で向かい合う対峙の画像が表示され、その後、キャラクタが対峙している画面において夢夢ちゃんのセリフ「見つけたわ」に対応する字幕表示「見つけたわ」が表示され、「見つけたわ」という音声が出力され、
その後、キャラクタが対峙している画面において爆チューのセリフ「見つかった」に対応する字幕表示「見つかった」が表示され、「見つかった」という音声が出力され、
その後、夢夢アップの画面において夢夢ちゃんのセリフ「捕まえるわよ!」に対応する字幕表示「捕まえるわよ!」が表示され、「捕まえるわよ」という音声が出力され、
その後、夢夢追っかけの画面において夢夢ちゃんのセリフ「待て~」に対応する字幕表示「待て~」が表示され、「待て~」という音声が出力され、
その後、爆チュー逃げるの画面において爆チューのセリフ「捕まるもんか!」に対応する字幕表示「捕まるもんか!」が表示され、「捕まるもんか」という音声が出力され、
SP前半リーチAの当りエピローグパートでは、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえるストーリーが展開されていくことで大当り遊技状態に制御されることが報知され、爆チューを捕まえた夢夢ちゃんがブイサインをしている画像が表示され、爆チューを捕まえる状態では、夢夢ちゃんのセリフ「楽勝よ!」に対応する字幕表示「楽勝よ!」が表示され、「楽勝よ」という音声が出力され、
SP前半リーチAのハズレエピローグパートでは、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえられなかったストーリーが展開されていくことで大当り遊技状態に制御されないことが報知され、夢夢ちゃんが爆チューを捕まえられなかった画像が表示される」ものである。
そうすると、引用発明は、上記カで検討したとおり本件補正発明の「通常状態用第1変動パターン」に相当する「「メイン変動番号20の変動パターン」のうち、「SP前半リーチAの当りエピローグパート」を含むもの」においては、「見つけたわ」、「見つかった」、「捕まえるわよ」、「待て~」、「捕まるもんか」及び「楽勝よ」という6個のセリフについて文字表示と同じ音声出力がされるのに対し、上記キで検討したとおり本件補正発明の「通常状態用第2変動パターン」に相当する「「メイン変動番号9の変動パターン」のうち、「SP前半リーチAのハズレエピローグパート」を含むもの」においては、「見つけたわ」、「見つかった」、「捕まえるわよ」、「待て~」及び「捕まるもんか」の5個のセリフについて、文字表示と同じ音声出力がされるものと認められる。
よって、引用発明は、本件補正発明の特定事項Hに相当する構成を備える。
ケ 特定事項Jについて
上記ウで検討したとおり、引用発明の「爆チューを捕まえろ!」との表示は、本件補正発明の「前記有利状態に制御されることを示唆する所定表示」に相当し、「開始パートにおいて、シャッターが徐々に開放され、「爆チューを捕まえろ!」という文字の一部が表示された状態から、「爆チューを捕まえろ!」という文字の全体が表示された状態とな」る演出は、本件補正発明の「所定表示を表示可能な所定演出」に相当する。
また、引用発明の「爆チューを捕まえろ!」の表示は、画像表示装置5の画面上で行われることは明らかであり、「画像表示装置5の画面」は、本件補正発明の「特定表示領域」に相当する。
そして、引用発明の「シャッターが徐々に開放され、「爆チューを捕まえろ!」という文字の一部が表示された状態」は、本件補正発明の「前記所定表示の表示を開始してから特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される前の第1パート」に相当し、「「爆チューを捕まえろ!」という文字の全体が表示された状態」は、「前記特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される第2パート」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の特定事項Jに相当する構成を備える。
(4) 一致点及び相違点
上記(3)の検討を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、
<一致点>
「A 可変表示を行い、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 前記有利状態に制御されるか否かを報知する特定報知演出を実行可能であり、
C 前記有利状態に制御されることを示唆する所定表示を表示可能な所定演出を実行可能であり、
D キャラクタを表示可能であり、
E 音声を出力可能であり、
F 変動パターンとして、
F1 通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御される旨を報知する通常状態用第1変動パターンと、
F2 前記通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御されない旨を報知する通常状態用第2変動パターンと、を含み、
H 前記通常状態用第1変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、前記通常状態用第2変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
J 前記所定演出は、前記所定表示の表示を開始してから特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される前の第1パートと、前記特定表示領域において前記所定表示の全体が表示される第2パートと、を少なくとも含む、
K 遊技機。」
の点で一致し、次の点で相違する。
<相違点1>(特定事項Gについて)
本件補正発明は、「前記通常状態用第1変動パターンおよび前記通常状態用第2変動パターンのいずれにおいても、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りではない音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であ」るのに対し、引用発明は、「「メイン変動番号9の変動パターン」のうち、「SP前半リーチAのハズレエピローグパート」を含むもの」及び「「メイン変動番号20の変動パターン」のうち、「SP前半リーチAの当りエピローグパート」を含むもの」のいずれにおいても、複数回、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力されるが、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りではない音声が出力されることがあるか否か不明な点。
<相違点2>(特定事項I、I1について)
本件補正発明は、「音声が出力される音声パターンとして、キャラクタが表示されている状況で該キャラクタの口が動作するとともに該キャラクタの音声が出力される特定音声パターンを含み、可変表示が開始されてから前記特定報知演出が実行されるまでの所定期間と、前記特定報知演出が実行されている特定期間とにおいて、該特定期間の方が、該所定期間よりも多い回数、前記特定音声パターンにより音声を出力可能であ」るのに対し、引用発明は、キャラクタが表示されているときに当該キャラクタのセリフの音声が出力されるが、その際にキャラクタの口が動作するか否か不明な点。
<相違点3>(特定事項J1、J2、J3について)
本件補正発明は、「音声として、前記所定表示に対応した所定表示効果音と、前記所定表示に対応した所定表示対応音と、を出力可能であり、前記第1パートにおいて、前記所定表示効果音を出力し、前記所定表示対応音を出力せず、前記第2パートにおいて、前記所定表示対応音を出力する」のに対し、引用発明は、上記(3)ケで検討したとおり、本件補正発明の「第1パート」及び「第2パート」を有するが、所定表示効果音や所定表示対応音を出力するか否か不明な点。
(5)判断
ア <相違点1>について
上記<相違点1>について検討する。
引用文献1には、発明が解決しようとする課題について、「この発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、商品性を高めた遊技機を提供することを目的とする。」(【0005】)と記載されており、引用発明において、味方キャラクタである夢夢ちゃんと敵キャラクタである爆チューとが画面中央で向かい合う対峙の画像が表示され、その後、キャラクタが対峙している画面において夢夢ちゃんのセリフ「見つけたわ」に対応する字幕表示「見つけたわ」が表示され、「見つけたわ」という音声が出力される(【1842】、【図76】)など、画面表示と音声による演出を行うことは、遊技機の商品性を高める要素であると認められる。
ここで、引用発明は、「開始パートにおいて、擬似連演出による2回目の可変表示が行われることを示す「×2」の文字が表示され、その後、擬似連演出による3回目の可変表示が行われることを示す「×3」の文字が表示され」るものであるところ、これら「×2」、「×3」を表示する際に音声を出力するか否か不明であるが、その商品性を高めるために、同様に擬似連演出に関する技術である引用文献2記載事項を適用し、「×2」及び「×3」という表示に合わせて、「もう1回」という音声を流すようにすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
その場合、引用発明は、「「メイン変動番号20の変動パターン」のうち、「SP前半リーチAの当りエピローグパート」を含むもの」(通常状態用第1変動パターンに相当)において、「見つけたわ」、「見つかった」、「捕まえるわよ!」、「待て~」、「捕まるもんか」及び「楽勝よ!」という6個のセリフについて文字表示と同じ音声出力がされ、「×2」、「×3」という2個の表示において文字表示の表示内容通りではない音声が出力されることとなる。
また、「「メイン変動番号9の変動パターン」のうち、「SP前半リーチAのハズレエピローグパート」を含むもの」(通常状態用第2変動パターンに相当)において、「見つけたわ」、「見つかった」、「捕まえるわよ!」、「待て~」及び「捕まるもんか」という5個のセリフについて文字表示と同じ音声出力がされ、「×2」、「×3」という2個の表示において文字表示の表示内容通りではない音声が出力されることとなる。
したがって、引用発明の「×2」及び「×3」という擬似連表示について、引用文献2記載事項を適用し、上記相違点1に係る構成となすことは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ <相違点2>について
上記<相違点2>について検討する。
引用発明の「SP前半リーチA」は、上記(3)イで検討したとおり、本件補正発明の「特定報知演出」に相当するところ、引用発明は、「開始パート、SP前半リーチAの煽りパート、SP前半リーチAのハズレエピローグパートの順に遷移する演出」又は「開始パート、SP前半リーチAの煽りパート、SP前半リーチAの当りエピローグパートの順に遷移する演出」を行う変動表示パターンを有するものであり、当該変動パターンの可変表示が開始されてから、「開始パート」が終了するまでの期間は、本件補正発明の「可変表示が開始されてから前記特定報知演出が実行されるまでの所定期間」に相当する。
また、引用発明において、「SP前半リーチA」が実行されている期間は、本件補正発明の「前記特定報知演出が実行されている特定期間」に相当する。
そして、引用発明は、可変表示開始から「開始パート」が終了するまでの期間において、キャラクタが表示されて、当該キャラクタのセリフの音声が出力されることはなく、「SP前半リーチA」の期間において、「見つけたわ」、「見つかった」、「捕まえるわよ!」、「待て~」、「捕まるもんか」及び「楽勝よ!」という6個のセリフ、又は、「見つけたわ」、「見つかった」、「捕まえるわよ!」、「待て~」及び「捕まるもんか」という5個のセリフについて、キャラクタが表示されている状態で、当該キャラクタのセリフの音声が出力されるものである。
ここで、引用文献等3開示事項1には、「遊技機において、画面に「正気を失っているのね」という文字が表示され、「正気を失っているのね」という音声が出力されるのに合わせて、画面に表示されているキャラクタの口が動く表示がされる技術」が記載されているところ、画面に表示されたキャラクタのセリフの出力に合わせて、当該キャラクタの口が動くようにすることは、キャラクタによる演出をより自然に見せて、演出効果を高めるものといえるから、上記アで検討したとおり、遊技機の商品性を向上するために、引用発明に引用文献等3開示事項1の技術を適用することは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、その場合、引用発明は、可変表示の開始から開始パートが終了するまでの期間では、キャラクタが表示されている状況で該キャラクタの口が動作するとともに該キャラクタの音声が出力されることはなく、SP前半リーチAの期間においては、5回又は6回、キャラクタが表示されている状況で該キャラクタの口が動作するとともに該キャラクタの音声が出力されることになる。
したがって、引用発明に、引用文献3開示事項1を適用し、上記相違点2に係る構成となすことは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 上記<相違点3>について
上記<相違点3>について検討する。
上記(3)ケで検討したとおり、引用発明の「開始パート」における「シャッターが徐々に開放され、「爆チューを捕まえろ!」という文字の一部が表示された状態」は、本件補正発明の「第1パート」に相当し、「「爆チューを捕まえろ!」という文字の全体が表示された状態」は、「第2パート」に相当する。
ここで、引用文献等3開示事項2は、遊技機において、画面に「めんまちゃんす」という文字が表れ始め、当該文字表示に対応した効果音が出力され、「めんまちゃんす」という文字の一部が見えている状態があり、その後、「めんまちゃんす」という文字が画面中央に固定表示されたときに「めんまちゃんす」という音声を出力する技術を開示するものであり、引用発明の「爆チューを捕まえろ!」という文字を表示する構成とは、遊技機の演出に係る文字全体を徐々に表示するという共通の作用・機能を有するものといえる。
そして、遊技機の商品性を向上するために、引用発明において、「爆チューを捕まえろ!」という文字表示に対して、共通の作用・機能を有する引用文献等3開示事項2を適用し、当該文字表示の一部が表示された状態では、これに対応した効果音を出力し、文字表示に対応する音声を出力せず、当該文字表示の全体が表示された状態では、文字表示に対応する音声を出力することは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、引用発明に、引用文献3開示事項2を適用し、上記相違点3に係る構成となすことは、当業者が容易に想到し得たことである。
(6) 審判請求人の主張
審判請求人は、審判請求書において、「本願発明は、・・・有利状態に制御されることを示唆する所定表示において、特定表示領域に所定表示全体が表示されるタイミングで所定表示に対応した所定表示対応音を出力することにより、所定表示を認識させつつ所定表示対応音を出力させることができ、かつ、特定表示領域に所定表示全体が表示される前に所定表示対応音を出力せず、所定表示に対応した所定表示効果音を出力することによって特定表示領域に所定表示全体が表示される前から遊技興趣を高めることができるという効果が期待されます。
これに対して、引用文献は、特定表示領域に所定表示全体が表示される前に所定表示対応音を出力せず、所定表示効果音を出力するという部分において、少なくとも所定表示全体が表示されるよりも前の音声制御について示唆するものではないため、上記効果が期待されるものではないと思料いたします。」と主張している。
しかしながら、上記(5)ウに記載したとおり、引用文献等3開示事項2は、所定の文字表示を徐々に表示する際に効果音と出力し、文字の全体が表示された際に当該文字表示に対応する音声を出力するという技術を開示するものであり、これを引用発明に適用することは当業者にとって容易である。
また、当該構成による「特定表示領域に所定表示全体が表示される前から遊技興趣を高めることができる」という効果は、引用文献等3開示事項2の技術から当然に予測できるものであり、格別な作用効果を奏するとはいえない。
よって、審判請求人の主張は採用できない。
(7) 小括
したがって、本件補正発明は、引用発明、引用文献2記載事項、引用文献等3開示事項1及び引用文献等3開示事項2に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 むすび(補正の却下の決定のむすび)
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たしていないものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は(以下「本願発明」という。)、令和7年2月25日提出の手続補正書により補正された、上記第2の1に(本件補正前)として記載したとおりのものであるところ、本願発明について以下に再掲する(符号A等は、分説するために当審合議体が付した。以下、符号A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。
(本願発明)
「【請求項1】
A 可変表示を行い、有利状態に制御可能な遊技機であって、
B 前記有利状態に制御されるか否かを報知する特定報知演出を実行可能であり、
D キャラクタを表示可能であり、
E 音声を出力可能であり、
F変動パターンとして、
F1 通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御される旨を報知する通常状態用第1変動パターンと、
F2 前記通常状態において前記特定報知演出を実行することで前記有利状態に制御されない旨を報知する通常状態用第2変動パターンと、を含み、
G 前記通常状態用第1変動パターンおよび前記通常状態用第2変動パターンのいずれにおいても、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、音声を出力するときに文字表示を表示する場合に該文字表示の表示内容通りではない音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
H 前記通常状態用第1変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数が、前記通常状態用第2変動パターンにおける音声出力と該音声に対応する文字表示とを表示する場合に該文字表示の表示内容通りの音声が出力される回数よりも多くなるように、音声を出力可能であり、
I 音声が出力される音声パターンとして、キャラクタが表示されている状況で該キャラクタの口が動作するとともに該キャラクタの音声が出力される特定音声パターンを含み、
I1 可変表示が開始されてから前記特定報知演出が実行されるまでの所定期間と、前記特定報知演出が実行されている特定期間とにおいて、該特定期間の方が、該所定期間よりも多い回数、前記特定音声パターンにより音声を出力可能である、
K 遊技機。」
2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、次の理由を含んでいる。
「(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由(進歩性)について
・請求項:1
・引用文献等:1-3
<引用文献等一覧>
1.特開2022-129580号公報
2.特開2016-202704号公報
3.「どれが当たる!?激熱!(激アツ)リーチ集!『パチンコ演出集!』[たぬパチ!]」,YouTube[online][video],2020年05月25日,[2025年3月27日検索]、<https://www.youtube.com/watch?v=T33ZI16XjbY>,3:01~3:04,7:22~7:23,25:30~25:32(周知技術を示す)」
3 引用文献
(1) 引用文献1の記載事項及び認定事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1の記載事項、認定事項は、上記第2の3(2)ア(ア)、(イ)に示したとおりである。
(2) 引用発明
引用発明は、上記第2の3(2)ア(ウ)に示したとおりである。
4 対比・判断
(1) 特定事項A~F2、H、Jについて
上記第2の3(3)ア、イ、エ~クにおいて、本件補正発明の特定事項A~F2、Hについて示したのと同様に、引用発明は、本願発明の特定事項A~F2、Hに相当する構成を有する。
(2) 特定事項G、I、I1について
上記第2の3(5)ア、イで検討したとおり、引用発明に、引用文献2記載事項を適用して、特定事項Gに係る構成とし、また、引用文献等3開示事項1を適用して、特定事項I、I1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
(3) 対比・判断
上記(2)の検討を踏まえると、本願発明は、引用発明、引用文献2記載事項及び引用文献等3開示事項1に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。
第4 むすび(結論)
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献2記載事項及び引用文献等3開示事項1に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-010622