商標拒絶査定不服審判
2025-009173
ヒラマツトッキョジムショ、ヒラマツ
- 審判番号
- 2025-009173
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-130669
- 請求日
- 2025年06月12日
- 審決日
- 2025年12月15日
- 公報発行日
- 2026年03月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】平松 大輝
- 【請求人代理人】平松 大輝
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 吉沢 恵美子
- 分類
- T18 .16 -Z (W45)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-130669拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年12月5日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和7年 2月 5日付け:拒絶理由通知書
令和7年 2月13日受付:意見書
令和7年 3月12日付け:拒絶査定
令和7年 6月12日 :審判請求書
令和7年 9月25日付け:証拠調べ通知書
令和7年11月 7日受付:意見書
2 本願商標
本願商標は、「ひらまつ特許事務所」の文字を標準文字で表してなり、第45類「工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,知的財産権に関する助言,知的財産権の利用に関する契約の代理又は媒介」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「ひらまつ特許事務所」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「ひらまつ」の文字は、ありふれた氏である「平松」の平仮名表記と容易に理解されるものであり、「特許事務所」の文字は、特許等の知的財産権に関する事務を取り扱う事務所であることを表す語として広く一般に親しまれている。
そうすると、本願商標は、ありふれた氏と、知的財産権に関する事務を取り扱う事業所を表す文字とを組み合わせたものと認識させるにとどまるものであって、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものだから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 当審による証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 上記通知に対する請求人の意見の要旨
本願商標に係る役務において、氏が広く事務所の冠に使用されているわけでもなく、まして本願商標は、平仮名「ひらまつ」であることにより、氏であると直接的に認識できるものではないため、本願商標は、様々な観念が生じる平仮名「ひらまつ」と、弁理士資格を有する「特許事務所」との一連一体の商標であり、仮に平仮名「ひらまつ」が氏「平松」を想起したとしても、弁理士資格を有する氏「平松」は、極めて少なく、「特許事務所」との一連一体に組み合わされた商標である本願商標は、独占適応性に欠ける商標ということができないものであって、固有の特許事務所として、需要者及び取引者に認識されるものである。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「ひらまつ特許事務所」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ひらまつ」の文字部分は、原審説示のとおり、ありふれた氏である「平松」の平仮名表記であると容易に理解されるものであり、「特許事務所」の文字部分は、「弁理士の事務所。特許などの出願を行なうとき、その代理人となり関係事務を処理する所。」(精選版 日本国語大辞典」参照)の意味を有する語である。
また、別掲のとおり、本願指定役務に関連する業界において、「特許事務所」、「法律事務所」、「会計事務所」等の専門的な事務を処理する事業所を表す語に、「平松(ひらまつ)」等の氏を表す語を冠して「○○特許事務所」(○○には氏を表す語が入る。)等のように称することが、広く一般に行われており、また、中には、氏を表す語を平仮名表記する例も見受けられる。
そうすると、本願商標は、ありふれた氏である「ひらまつ」と弁理士の事務所である「特許事務所」の文字を組み合わせたものと認識されるものといえ、これを、本願商標の指定役務に使用しても、「ひらまつ(平松)」の氏を有する弁理士等が代理手続を行う事務所といった程度の意味合いを認識させるにすぎず、一般に使用され得るものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
本願商標に係る役務において、氏が広く事務所の冠に使用されているわけでもなく、本願商標は、様々な観念が生じる平仮名「ひらまつ」と、弁理士資格を有する「特許事務所」との一連一体の商標であり、一種の造語である旨を主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「特許事務所」等の専門的な事務を処理する事業所を表す語に、「平松(ひらまつ)」等の氏を表す語を冠して「○○特許事務所」(○○には氏を表す語が入る。)等のように称することが、広く一般に行われており、また、中には、氏を表す語を平仮名表記する例も見受けられることからすれば、仮に、請求人の主張するとおり、「ひらまつ」の語が多義語であるとしても、氏以外の意味を認識、理解させるというべき特段の事情は見当たらないものであから、本願商標は、ありふれた氏である「ひらまつ」と、弁理士の事務所である「特許事務所」の文字を組み合わせたにすぎないものと認識、理解されると判断するのが自然である。
また、請求人は、弁理士資格を有する氏「平松」は、極めて少なく、「特許事務所」との一連一体に組み合わされた商標である本願商標は、独占適応性に欠ける商標ということができないものであって、固有の特許事務所として、需要者および取引者に認識されるものである旨を主張する。
しかしながら、別掲(1)のとおり、現に「平松特許事務所」の文字が請求人以外の者により使用されている事実があり、また、上記(1)のとおり、「ひらまつ(平松)」の文字はありふれた氏であるから、将来的にも、請求人とは他人の「ひらまつ(平松)」姓の者が、特許事務所等を開業するにあたり、その使用を欲し得るものといえ、同氏を有する者にとって取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであり、将来において、「ひらまつ特許事務所」の文字の使用を欲する事業者の存在が否定できない以上、先に商標登録出願を行ったという事実のみをもって特定人(請求人)による独占使用を認めるのは妥当ではない。
したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
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