商標拒絶査定不服審判
2025-008555
リトリートグランピング
- 審判番号
- 2025-008555
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-137917
- 請求日
- 2025年06月03日
- 審決日
- 2026年05月07日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社亀山温泉ホテル
- 【請求人代理人】舛谷 威志
- 【請求人代理人】大谷 元
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 浜岸 愛
- 審判官 佐藤 緋呂子
- 分類
- T18 .13 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-137917拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年12月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 8月21日付け:拒絶理由通知書
令和6年11月 6日 :意見書の提出
令和7年 2月26日付け:拒絶査定
令和7年 6月 3日 :審判請求書の提出
令和8年 1月27日付け:証拠調べ通知書
2 本願商標
本願商標は、「リトリートグランピング」の文字を標準文字で表してなり、第41類「研修の企画・運営又は開催,体験学習を中心としたセミナーの企画・運営又は開催」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「リトリートグランピング」の文字を標準文字で表してなる。本願商標の構成中「リトリート」の文字は「退却。撤退。宗教的な修行や黙想のために部屋などに閉じこもること。修養会。」の意味を有する語であるところ、近時、「日常生活から離れて、仕事や人間関係で疲れた心や体を癒す過ごし方のこと。」ほどの意味合いで使用されており、また、「グランピング」の文字は「家具や設備の整ったテントやロッジなどに宿泊して、キャンプのようなアウトドア体験を手間をかけずに楽しむ旅行。」の意味を有する語として知られているものであって、近時、非日常的な体験が楽しめること等を謳うグランピング体験ができるサービス、施設が提供され「リトリートグランピング」の語が使用されている様子もうかがえるから、本願商標は全体として「リトリート(日常生活から離れて、仕事や人間関係で疲れた心や体を癒す過ごし方が)できるグランピング」ほどの意味合いを認識させるものである。そして、指定役務の関係においては、リトリートを謳う施設やグランピングを楽しむことができるとする施設において、研修が行われている実情が見受けられる。そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者、取引者は、「リトリート(日常生活から離れて、仕事や人間関係で疲れた心や体を癒す過ごし方が)できるグランピングができる研修の企画・運営又は開催,リトリート(日常生活から離れて、仕事や人間関係で疲れた心や体を癒す過ごし方が)できるグランピングの一環としての体験学習を中心としたセミナーの企画・運営又は開催」等、「リトリート(日常生活から離れて、仕事や人間関係で疲れた心や体を癒す過ごし方)ができるグランピング」に関する役務であることを表示したものと理解し、把握するにとどまるから、単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
5 上記通知に対する請求人の回答
請求人は、上記4の証拠調べ通知に対して、所定の期間内に何ら応答していない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「リトリートグランピング」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「リトリート」の文字は、「隠居。避難。また、隠居所・隠れ家・避難所。仕事や家庭などの日常生活を離れ、自分だけの時間や人間関係に浸る場所などをさす。」の意味を、「グランピング」の文字は、「山野に設置された豪華なテントやロッジに宿泊して、ホテル並みの快適なサービスを受けながら、自然との触れ合いを楽しむこと。」の意味を、それぞれ有する語である(株式会社小学館「デジタル大辞泉」)。
そして、本願の指定役務を取り扱う業界においては、「リトリート」の文字は、「日常生活を離れて、心身をリフレッシュさせること」ほどの意味合いで使用されており、近時、コミュニケーションの活性化や発想の転換を促す目的で、日常生活から離れた場所で企業研修が行われるなど、「リトリート(日常生活を離れて、心身をリフレッシュさせること)」を取り入れた研修等が行われている実情が見受けられる(別掲1)。
また、同業界においては、近時、グランピング施設におけるワークショップや合宿型研修が行われるなど、「グランピング」を取り入れた研修等が行われている実情も見受けられる(別掲2)。
しかして、「グランピング」は、日常生活から離れた環境や自然との触れ合い、快適なサービスを提供する点において「リトリート(日常生活を離れて、心身をリフレッシュさせること)」を実現し得るものであるといえ、実際に、「リトリートグランピング」と称して、「リトリート(日常生活を離れて、心身をリフレッシュさせること)ができるグランピング」に係る役務が提供されている実情も見受けられる(別掲3)。
してみれば、本願商標は、上記取引の実情や本願商標を構成する各語の意味合いから、全体として「リトリート(日常生活を離れて、心身をリフレッシュさせること)ができるグランピング」ほどの意味合いを認識させるものといえる。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「リトリート(日常生活を離れて、心身をリフレッシュさせること)ができるグランピング」を取り入れた研修の企画・運営又は開催及び「リトリート(日常生活を離れて、心身をリフレッシュさせること)ができるグランピング」を取り入れた体験学習を中心としたセミナーの企画・運営又は開催であることを認識するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は「日常生活から離れて、仕事や人間関係で疲れた心や体を癒すことができるアウトドア体験」や「修行、黙想のための豪華なキャンプ体験」等の漠然とした意味合い、多義的な意味合いを有するもので、単に指定役務の質を直接具体的に表示したものではなく、多義的な意味合いを暗示させる程度の造語であると考えられる旨主張する。
しかしながら、上述のとおり、本願商標は、その構成文字の語義や本願の指定役務を取り扱う業界における取引の実情を考慮すると、全体として「リトリート(日常生活を離れて、心身をリフレッシュさせること)ができるグランピング」ほどの意味合いを認識させるとみるのが相当である。
イ 請求人は、「リトリート」の文字を含む他の登録例があることを述べ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、それらの登録例は、商標の構成文字及び取引の実情において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能しうるか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであって、本願商標についての判断は、上記(1)のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本件判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)結論
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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