商標拒絶査定不服審判
2025-006661
トリトンインコーポレーテッド、トリトン
- 審判番号
- 2025-006661
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-090390
- 請求日
- 2025年04月30日
- 審決日
- 2025年07月15日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社トリトン
- 【請求人代理人】弁理士法人Toreru
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .261-WY (W3842) / T18 .262-WY (W3842) / T18 .263-WY (W3842)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-90390拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年8月21日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年10月8日付け:拒絶理由通知書
令和6年11月12日:意見書の提出
令和7年2月3日付け:拒絶査定
令和7年4月30日:審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第38類「放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,電気通信(「放送」を除く。),電気通信」及び第42類「電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,デザインの考案,ウェブサーバーの貸与,クラウドコンピューティングを介した仮想コンピュータシステムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),科学技術に関する研究,科学に関する実験及び研究,電子計算機の貸与,技術的課題の研究,科学に関する研究,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として登録出願されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第3221980号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成4年9月25日に登録出願、第42類「建築物の設計,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ―プその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機による計算処理」を指定役務として、平成8年11月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標と引用商標とが類似する商標であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。
5 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,別掲1のとおり、灰色の陰影が施された紺色の「Toriton,Inc.」の文字を横書きしてなるところ、その構成中「Toriton」の文字は、一般的な辞書等に掲載のない語であり、「Inc.」の文字は、(a)「incorporated」の略であり、「〈会社が〉法人組織の,有限責任の」(「ランダムハウス英和大辞典」)や(b)「株式会社の略。また法人。」(「現代用語の基礎知識」 自由国民社 2009年1月1日発行)の意味を有する語であって、法人組織の一種類を表すものとして我が国においても普通に使用されていることから、本願商標は構成文字全体をもって商号を英語で表したものと認識されるとみるのが自然である。
他方、商号商標については、一般に「株式会社」、「Inc.」等の法人組織の種類を表す部分を省略して、残余の部分をもって取引に資されることも少なくないというのが経験則に照らして相当であるから、本願商標は、構成中の「Toriton」の文字部分を要部として分離、抽出し、他人の商標と比較することも許されるといえる。
そうすると、本願商標は、その構成全体に相応して「トリトンインク」の称呼を生じ、特定の「「Toriton」という名称の株式会社」程の観念を生じるほか、「Toriton」の文字部分に相応して、「トリトン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「TRiTON」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「ギリシャ神話で、海神ポセイドンの息子。上半身は人間、下半身は魚形または蛇形の姿をとる。海王星の第1衛星。」(出典:株式会社小学館「デジタル大辞泉」)を意味する英語であるものの、我が国においてなじみのない単語であって、一種の造語として把握されるものである。
そうすると、当該文字からは「トリトン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというのが相当である。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討すると、本願商標と引用商標とは、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、外観においては、両者は、構成文字数及び文字構成において明らかに相違することに加え、本願商標の要部と引用商標を比較しても、両者は大文字と小文字の差異及び「o」の有無の差異を有するから、判別は容易である。
次に、称呼においては、本願商標の構成全体から生じる「トリトンインク」の称呼と引用商標から生じる「トリトン」の称呼は、その音数及び音構成において明らかに相違し、聞き誤るおそれはないが、本願商標の構成中「Toriton」の文字部分から生じる称呼と引用商標から生じる称呼は、いずれも「トリトン」であるから、両者の称呼は共通する場合がある。
さらに、観念においては、本願商標は、その構成全体から「「Toriton」という名称の株式会社」の観念を生じるか、又はその要部からは特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上相紛れるおそれはないか、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、「トリトン」の称呼を共通する場合があるとしても、観念においては相紛れるおそれがないか、又は比較できないものであり、外観は明らかに異なるものであって、判然と区別し得るものであるから、その外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定役務の類否について言及するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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