意匠拒絶査定不服審判
2025-006646
共同住宅の内装
- 審判番号
- 2025-006646
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2023-026808
- 登録番号
- 1831646
- 請求日
- 2025年04月30日
- 審決日
- 2026年04月13日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社レオパレス21
- 【請求人代理人】浅野 勝美
- 審判長/審判官
- 審判長 前畑 さおり
- 審判官 綿貫 浩一
- 審判官 清野 貴雄
- 分類
- D18 .113-WY (L3-7)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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意願2023- 26808「共同住宅の内装」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年(2023年)12月25日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は、以下のとおりである。
令和 6年(2024年) 9月 3日付け 拒絶理由通知書
同年 10月11日 意見書の提出
令和 7年(2025年) 1月29日付け 拒絶査定
同年 4月30日 審判請求書の提出
第2 本願の意匠
本願は、店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾(以下「店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾」を「内装」という。)を構成する物品及び建築物(以下「内装を構成する物品及び建築物」を「内装意匠」という。)について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願の内装意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書の意匠に係る物品の欄の記載を「共同住宅の内装」とし、その形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり、本願意匠において、当該意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表わした部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙第1参照)
第3 原査定の拒絶の理由及び引用した意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、その出願前に日本国内又は外国において公然知られた下記の意匠(以下「引用意匠」という。)に類似するものであるから、意匠法3条1項3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当する、というものである。
引用意匠(別紙第2参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2020年11月15日
受入日 特許庁意匠課受入2020年12月25日
掲載者 株式会社ヴィス
表題 素材感が引き立つ、清潔感があり明るく見晴らしの良いオフィス|オフィスデザイン事例|オフィスデザインのヴィス|実績6,000件以上/2
掲載ページのアドレス
https://designers-office.jp/work/page/index.php?id=597
に掲載された「オフィスのエントランス用内装」の意匠のうち、本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に相当する部分
(特許庁意匠課公知資料番号第RJ02055287号)
第4 当審の判断
1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る内装
本願意匠の意匠に係る内装は「共同住宅の内装」であるのに対し、引用意匠の意匠に係る内装は「オフィスのエントランス用内装」であって、表記は異なるが、どちらも建築物のフロアの内装であるから、本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る内装は、一致する。
(2)本願部分と引用意匠において本願部分に相当する部分の用途及び機能
本願部分は、主に、住宅の真ん中に取り付けて居室とそれ以外を仕切るための用途及び機能を有する壁(以下「アクセントウォール」という。)と当該壁の前面に取り付けたカウンター棚と天井に設けたアクセント照明であるのに対し、引用意匠において本願部分に相当する部分(以下「引用部分」という。)は、フロアの入口付近に取り付けて受付(エントランス)としての用途及び機能を有するアクセントウォール、カウンター棚及び照明であるから、両部分の用途及び機能は、相違する。
(3)本願部分と引用部分の位置、大きさ及び範囲
位置については、本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)は、照明を天井のアクセントウォール正面の真ん中手前に取り付けている点において一致するが、本願部分は、正面視において、アクセントウォールの正面をフロアのほぼ真ん中で入口とは逆の左の壁に正対して配置し、照明は天井の真ん中やや左寄りに配置しているのに対し、引用部分は、平面視における図の開示がなくフロア全体の詳細な態様が不明であるところ、少なくとも、来客を収容し、セミナーやイベントに使用可能とする、相応のスペースを有するフロアの中にあって、アクセントウォールの正面はフロア入口に正対するよう入口近くに配置し、照明はフロア入り口近くに配置している点において内装全体に対する配置が顕著に相違し、大きさ及び範囲については、本願部分は、アクセントウォールの横幅は床の幅の半分程度の長さで、部分全体は平面視においてフロア全体(床面積)の約1/34の大きさ及び範囲であるのに対し、引用部分は、平面視におけるフロア全体の開示がないため、正確な大きさ及び範囲が特定できず不明であるが、比較的に大空間といえるオフィスのエントランスの内装全体に対して、ほんのわずかな大きさ及び範囲であると推認できる点において相違するから、両部分の位置、大きさ及び範囲は、相違する。
(4)両部分の形状等
形状等については、主として、以下のとおりの共通点及び相違点がある。
ア 共通点
(ア)全体
全体は、略縦長長方形厚板のアクセントウォールと、アクセントウォールの正面中央寄りの天井に配した略小円板形の照明からなるものである点、
(イ)アクセントウォール
アクセントウォールは、正面中央やや下方寄りに横幅よりやや短幅の略横長長方形板を床面に対し水平に取り付けてカウンター棚としている点、
において共通する。
イ 相違点
アクセントウォールの寸法比について
(ア)縦(高さ)、横の長さの比率
本願部分は、約9:5であるのに対し、引用部分は、約8:5で、引用部分の方がやや横長である点、
(イ)横の長さと奥行き(カウンター棚を除く)の比率
本願部分は、約5:1であるのに対し、引用部分は、奥行きを現す図がないため不明である点、
カウンター棚について
(ウ)取付け位置
本願部分は、下から約1/4の高さに取り付けているのに対し、引用部分は、下から約1/3強の高さに取り付けている点、
(エ)アクセントウォールの横幅に対する横の長さの割合
本願部分は、約8割の長さであるのに対し、引用部分は、約7割の長さである点、
(オ)平面視における各部の長さの比率
本願部分は、縦(横幅)、横(奥行き)の長さの比率は約4:1で、奥行きは、アクセントウォールの奥行きと同じ長さであるのに対し、引用部分は、奥行きを現す図がないため不明である点、
において相違する。
2 類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に与える影響を評価・総合して、両意匠の類否を意匠全体として検討し、判断する。
(1)両意匠の意匠に係る内装
両意匠の意匠に係る内装は一致するから、同一である。
(2)両部分の用途及び機能
両部分の用途及び機能は、相違する。
(3)両部分の位置、大きさ及び範囲
両部分の位置、大きさ及び範囲は、相違する。
(4)両部分の形状等の共通点及び相違点の評価
ア 両部分の形状等の共通点の評価
共通点(ア)全体について、この種内装の分野においては、略縦長長方形厚板のアクセントウォールと、アクセントウォールの正面中央寄りの天井に配した略小円板形の照明からなる内装は、以下の参考意匠にも見られるとおり、両部分の他にも公然知られていることから、格別、需要者の注意を引くものとはいえず、共通点(ア)が、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
参考意匠(別紙第3参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 令和3年(2021年)8月11日
受入日 令和3年(2021年)9月27日
掲載者 アパホテル株式会社
表題 テラス清水京都(京都府京都市)
掲載ページのアドレス
https://www.apahotel.com/hotel/partners/kansai/kyoto/terrace_kiyomizu_kyoto/
に掲載された「ホテルの客室用内装」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号 RJ03522040)
また、共通点(イ)のアクセントウォールにカウンター棚を取り付けることも、例を挙げるまでもなくごく普通に見られる態様であるから、格別、需要者の注意を引くものとはいえず、共通点(イ)が、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
イ 両部分の形状等の相違点の評価
まず、アクセントウォールの寸法比についてであるが、
相違点(ア)縦横の長さの比率について、引用部分は、本願部分よりやや横長であるが、さほど目に付く相違ではなく、微弱なものであるから、相違点(ア)が、両部分の類否判断に与える影響は小さい。
相違点(イ)横の長さと奥行きの比率について、本願部分の奥行きは、横の長さの2割程度でやや厚みがあり、比較的細身の正面の態様と相まって、需要者に分厚い奥行きであるとの印象をもたらしているのに対し、引用部分の奥行きは、ある程度の厚みは推認できるものの、厚みを特徴づける証拠はなく、相違点(イ)が、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
次に、カウンター棚についてであるが、
相違点(ウ)取付け位置は、両部分の取付け位置の高さの違いのみを対比すれば、常套的になされる改変の範囲内のものであって、微弱な相違といえるが、相違点(エ)及び相違点(オ)として挙げた、アクセントウォールの横幅に対する横の長さや、奥行きがアクセントウォールの奥行きと同じ長さとした態様を相まってみれば、本願部分のカウンター棚の態様は、本願部分を特徴付けるポイントとして、需要者の注意を引くものといえるから、相違点(ウ)から相違点(オ)が、両部分の類否判断に与える影響は大きい。
ウ 両部分の形状等の評価
以上のとおり、共通点(ア)及び相違点(イ)は、どちらも両部分の類否判断に与える影響は小さいものであるのに対し、相違点(ア)は、両部分の類否判断に与える影響は小さいものの、相違点(イ)から相違点(オ)が、両部分の類否判断に与える影響は大きいことから、相違点全体が相まって両部分の類否判断に与える影響は大きいものである。
3 小括
したがって、両意匠は、意匠に係る内装は同一であるが、両部分の用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲は相違し、形状等においても共通点が未だ両部分の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して、相違点が両部分の類否判断に与える影響は共通点のそれを凌駕しており、意匠全体として見た場合、両部分は、視覚的印象を異にするというべきであるから、本願意匠は、引用意匠に類似しない。
第5 むすび
以上のとおりであって、原査定の引用意匠をもって、本願意匠は、意匠法3条1項3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから、原査定の拒絶の理由によって、本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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