商標拒絶査定不服審判
2025-002859
アクスタヤ
- 審判番号
- 2025-002859
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-004878
- 請求日
- 2025年02月25日
- 審決日
- 2025年08月14日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ハイゴー
- 【請求人代理人】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -Z (W2835) / T18 .272-Z (W2835)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-4878拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和6年1月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年9月9日付け :拒絶理由通知書
令和6年10月9日 :意見書の提出
令和6年11月21日付け:拒絶査定
令和7年2月25日 :審判請求書の提出
令和7年5月15日付け :証拠調べ通知書
第2 本願商標
本願商標は、「あくすたや」の平仮名と「akusutaya」の欧文字を二段に書してなり、第28類「おもちゃ,人形,アクリル板製スタンドフィギュア,アクリル製スタンド型フィギュア」及び第35類「広告業,商品の販売に関する情報の提供,消費者のための商品又は役務の選択における助言と情報の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「あくすたや」の文字と「akusutaya」の文字を二段に書してなるものである。
ところで、本願の指定商品及び指定役務の取扱商品に関連する業界において、「アクリル板に印刷をほどこし、台座や脚を付けて自立できるようにした装飾品。」を指す「アクリルスタンド」の略称として「アクスタ」の文字が使用されており、また、「それを売買する人や家の意を表す。」の意味を有する「屋」の文字が、商品名と組み合わせて「○○屋」と一般的に使用されている実情があるから、本願商標は、その構成文字全体として、「アクスタ屋」の文字を平仮名及びローマ字で表記したものと容易に認識させるものである。
そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「アクリルスタンドを販売する場所」及び「アクリルスタンドを販売する店に係る役務」であること、すなわち、単に商品の品質(販売地)・役務の質(提供場所)を表示したものであると理解、認識するにすぎないから、本願商標は、単に商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記意味合いに照応する商品及び役務以外の商品及び役務について使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審における証拠調べ通知
本願商標が、その指定商品及び指定役務との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1及び別掲2のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
第5 上記通知に対する請求人の意見
請求人は、上記第4の証拠調べに対して、所定の期間内に何ら応答していない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品又は指定役務との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品又は自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品又は指定役務との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りるのであって、必ずしも本願商標が現実に当該指定商品又は指定役務に使用されていることを要しないと解される(令和3年(行ケ)第10100号令和4年5月19日知財高裁判決、平成27年(行ケ)第10107号平成27年10月21日知財高裁判決、平成12年(行ケ)第76号平成12年9月4日東京高裁判決参照)。
2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、上記第2のとおり、「あくすたや」の平仮名と「akusutaya」の欧文字を二段に書してなるところ、その構成中の「あくすたや」の平仮名及び「akusutaya」の欧文字は、いずれも一般的な辞書には掲載のないものである。
そして、別掲1のとおり、本願の指定商品及び指定役務を扱う業界において、「アクスタ」「あくすた」「AKUSUTA(Akusuta)」の文字は、「キャラクターなどの絵や写真をアクリルボードに印刷して、立てて飾れるようにしたもの」である「アクリルスタンド」の略語(「デジタル大辞泉」株式会社小学館)として使用されている。また、別掲2のとおり、「屋」「や」の文字は、「○○屋(や)」(○○には商品の一般名称が入る。)の形で、「○○を販売する店」程の意味合いで一般に使用されており、その中には「アクスタ屋」の文字が使用されているものもある。
そうすると、本願商標は、構成全体として「アクリルスタンドを販売する店」程の意味合いを容易に認識させるものであり、これをその指定商品及び指定役務に使用するときは、これに接する需要者は、「アクリルスタンドを販売する場所」又は「アクリルスタンドを販売する店に係る役務」、すなわち、単に商品の品質(販売地)又は役務の質(提供場所)を表示したものであると認識するにとどまり、自他商品及び役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標を、その指定商品及び指定役務中、「アクリルスタンドを販売する場所」及び「アクリルスタンドを販売する店に係る役務」以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標を構成する平仮名「あくすたや」やローマ字「akusutaya」は、取引上一般に使用されている事実がないため、本願商標は、商品識別標識として機能することはもとより、請求人に独占使用を認めても公益を損なうことがない旨を主張している。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決時において、本願商標が、その指定商品又は指定役務との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性又はその役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標がその指定商品又は指定役務に使用された場合に、取引者、需要者によって、将来を含め、商品又は役務の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りるのであって、必ずしも本願商標が現実に当該指定商品又は指定役務に使用されていることを要しないと解されるから、仮に「あくすたや」の文字や「akusutaya」の文字の使用例が全くないとしても、それだけをもって本願商標の同号該当性を否定することはできない。そして、本願商標が、これを構成する各語の語義並びに、別掲1及び別掲2のとおりの取引の実情を踏まえれば、本願商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する需要者は、「アクリルスタンドを販売する場所」又は「アクリルスタンドを販売する店に係る役務」、すなわち、単に商品の品質(販売地)又は役務の質(提供場所)を表示したものであると認識するにとどまるものであることは、上記2のとおりである。
(2)請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品及び指定役務との関係において、自他商品及び役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品及び指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであるし、本願商標が自他役務の識別力を欠くものであることは、上記2のとおりであるから、請求人の挙げる登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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