商標拒絶査定不服審判
2025-002712
ジョセーノタメノエーヨーチェック
- 審判番号
- 2025-002712
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-145443
- 請求日
- 2025年02月21日
- 審決日
- 2025年08月26日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】大塚製薬株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人BORDERS IP
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -Z (W414244) / T18 .272-Z (W414244)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-145443拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年12月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年8月20日付け :拒絶理由通知書
令和6年10月11日 :意見書の提出
令和6年11月18日付け:拒絶査定
令和7年2月21日 :審判請求書の提出
令和7年4月30日付け :証拠調べ通知書
第2 本願商標
本願商標は、「女性のための栄養チェック」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授及びこれに関する指導・助言及び情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催及びこれに関する指導・助言及び情報の提供,電子出版物の提供,オンラインによる動画の提供」、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),オンラインによるダウンロードが不可能なソフトウェアの一時的使用の提供,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究及びこれに関する指導・助言及び情報の提供」及び第44類「医療に関する指導・助言及び情報の提供,栄養の指導及びこれに関する情報の提供,健康及び健康管理に関する指導・助言及び情報の提供」を指定役務として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「女性のための栄養チェック」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「栄養」の文字は、「栄養となる個々の物質。栄養素。また、それを含む食物。」の意味を、また、「チェック」の文字は、「点検、調査、確認などをすること。」の意味を表す語として知られているものである。
そして、本願の指定役務を取り扱う業界において、栄養に関する点検、確認のためのウェブサイトにおける「栄養チェック」の語が用いられている例に加え、「栄養チェック」の語が、各種イベントの内容を示すものとして広く使用されている例も見受けられる。
そうすると、「女性のための栄養チェック」の語は全体として「女性のための栄養に関する点検、確認」程の意味合いを容易に認識させるといえることから、本願商標は、これをその指定役務中、女性のための栄養に関する点検、確認に関するものに使用しても、取引者、需要者が上記意味合いを認識するにすぎないもの、すなわち、役務の質を理解するにとどまるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審における証拠調べ通知
本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1及び別掲2のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
第5 上記通知に対する請求人の意見
請求人は、上記第4の証拠調べに対して、所定の期間内に何ら応答していない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定役務との関係で、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他役務の識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定役務との関係で、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定役務の需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第10107号同年10月21日判決、知財高裁平成27年(行ケ)第10061号同年9月16日判決参照)。
2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「女性のための栄養チェック」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「女性」の文字は「女」、「ため」の文字は「(利益を期する意から)目的」の、「栄養」の文字は「生物が外界から物質を摂取し代謝してエネルギーを得、またこれを同化して成長すること」の、「チェック」の文字は「確認すること」の意味を有する語であり、「の」の文字は連体格を表す格助詞である(いずれも「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)から、これらを結合してなる「女性のための栄養チェック」の文字全体としては、「女性のための栄養の確認」程の意味合いを認識させるものである。
そして、別掲1のとおり、「栄養チェック」の文字が「栄養に関する点検、確認」程の意味合いで一般に使用されており、また、別掲2のとおり、女性を対象とした栄養や健康に関するセミナーやチェックツールが存在する。
そうすると、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者は、当該役務が「女性を対象とした栄養に関する点検、確認」に関するもの」であるという役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標を、その指定役務中、「女性を対象とした栄養に関する点検、確認」あるいはこれに関する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は、構成全体として特定の意味合いを理解・認識させるとはいい難い旨を述べるとともに、本願商標が、その指定役務を取り扱う業界において、役務の具体的な質を表示するものとして取引上広く一般に使用されているといった事実はなく、本願商標に接する需要者・取引者が、本願商標を役務の質を表示したものと認識するという事情もないというべきものであるから、本願商標に接した需要者・取引者は、「女性のための栄養チェック」を一種の造語として認識・把握するといえる旨を主張している。
しかしながら、上記1のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、審決の時点において、本願商標が、その指定役務との関係で、「その役務の提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途その他の特性」を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定役務の需要者によって本願商標がその指定役務に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解されるから、仮に「女性のための栄養チェック」の文字の使用例が全くないとしても、それだけをもって本願商標の同号該当性を否定することはできない。そして、本願商標が、これを構成する各語の語義並びに、別掲1及び別掲2のとおりの取引の実情を踏まえれば、本願商標をその指定役務について使用しても、これに接する需要者は、当該役務が「女性を対象とした栄養に関する点検、確認」あるいはこれに関する役務であるという役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにとどまるものであることは、上記2のとおりである。
(2)請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨を主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定役務との関係において、自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定役務との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであるし、本願商標が自他役務の識別力を欠くものであることは、上記2のとおりであるから、請求人の挙げる登録例があるからといってその判断が左右されることはない。
(3)したがって、請求人の主張は、いずれも採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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