商標拒絶査定不服審判
2025-002465
キモチリセット
- 審判番号
- 2025-002465
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-142423
- 請求日
- 2025年02月18日
- 審決日
- 2025年07月15日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】小林製薬株式会社
- 【請求人代理人】山田 威一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 石塚 文子
- 分類
- T18 .16 -Z (W0305)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-142423拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年12月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年9月12日付け :拒絶理由通知書
令和6年10月28日 :意見書及び手続補正書の提出
令和6年11月18日付け:拒絶査定
令和7年2月18日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「気持ちリセット」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」及び第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,医療用接着テープ,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりものシート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、「気持ちリセット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「気持ち」の文字は、「からだの状態から生じる快・不快の感じ。気分。」等の意味を、「リセット」の文字は、「すべてを元に戻すこと。最初からやり直すこと。また、状況を切り替えるためにいったんすべてを断ち切ること。」等の意味を有する語であることから、本願商標はその構成全体から、「気分を元に戻す」、「気分を切り替える」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。そして、本願の指定商品に係る分野においては、「気持ちリセット」の文字やこれに通ずる「気持ちをリセット」等の文字が、気分を元に戻したり、切り替えるほどの意味合いを表す語として、商品の説明や宣伝等において一般に使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、単にその商品の説明、特性、品質及び特徴等を表示した宣伝文句の一種であると理解及び認識するにすぎないから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号の該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「気持ちリセット」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「気持ち」の文字は「心の置かれている状態。気分。」の意味を、「リセット」の文字は「新たに始めるために、もとの状態に戻すこと。」の意味をそれぞれ有する語として(いずれも出典:広辞苑第七版(岩波書店))、広く一般に使用されていることから、全体として「気分を元に戻す」、「気分を切り替える」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。
そして、原審において示した別掲1(1)ないし(7)のウェブサイトの記載によれば、本願の指定商品に関する分野において、気分を元に戻したり、切り替えたりすることができるといった商品の説明や宣伝等を行う際に、「気持ちをリセット」又は助詞を省略した「気持ちリセット」の文字(語)が一般に使用されている実情が認められる。
これらの語義及び取引の実情を踏まえると、本願の指定商品との関係において、「気持ちリセット」の文字に接する需要者は、気分を元に戻したり、切り替えたりすることができるといった商品の説明又は宣伝文句を表したものと認識するとみるのが相当である。
このことは、別掲1(8)ないし(12)に示すウェブサイトの記載においても、「気持ちリセット」、「気持ちをリセット」又は「気持ちのリセット」の文字(語)が使用されていることからもうかがい知ることができる。
そうすると、「気持ちリセット」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者に、単に、気分を元に戻したり、切り替えたりすることができる商品であるという、その商品の説明、特性等を表示した宣伝文句の一種であると理解及び認識させるにすぎないから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標について、「気持ち」、「リセット」との2語を助詞を挟まずに結合させた、日本語として不自然で特異な表現からなる商標であり、一連一体の造語として認識され、意味合いが一義的に想起されるとはいえない旨主張する。
しかしながら、「気持ちをリセットする」という表現それ自体は、別掲2のとおり、辞書に例文として掲載されているように一般に広く用いられるものであり、また、上記(1)のとおり、「気持ち」及び「リセット」の各文字(語)の語義並びに取引の実情を踏まえれば、たとえ「気持ち」及び「リセット」の語の間の助詞を欠いているとしても、「気持ちリセット」の文字(語)に接する需要者は、気分を元に戻したり、切り替えたりすることができるといった商品の説明又は宣伝文句を表したものと認識するとみるのが相当である。
イ 請求人は、原審で挙げられたウェブサイトは、商品の説明文や商品名、キャッチコピーの一部に「気持ちリセット」や「気持ちをリセット」の文字が使用されているものにすぎず、本願商標を構成する「気持ちリセット」の文字が単独で使用された場合に、宣伝広告文句として認識されることの根拠にはなり得ない旨主張している。
しかしながら、たとえ商品の説明文等の一部に使用されているとしても、「気持ち」及び「リセット」の各文字(語)の語義並びに取引の実情を踏まえれば、上記(1)のとおり判断するのが相当である。
ウ 請求人は、構成中に「リセット」の語を含む商標についての過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべき旨主張している。
しかしながら、請求人の挙げる過去の登録例は、本願商標とは、構成文字が異なる点において、本願とは事案を異にするものというべきであり、また、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきである。
そして、本願商標は、上記(1)のとおり判断するのが相当であるから、当該登録例等の存在によって、上記(1)の判断が左右されるものではない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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