商標拒絶査定不服審判
2025-002335
マツヤマジュエリーウオッチ、マツヤマ、ジュエリーウオッチ
- 審判番号
- 2025-002335
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-113711
- 請求日
- 2025年02月14日
- 審決日
- 2026年06月04日
- 公報発行日
- 2026年08月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社マツヤマ
- 【請求人代理人】前川 真貴子
- 審判長/審判官
- 審判長 小林 正和
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 武谷 逸平
- 分類
- T18 .16 -Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-113711拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年10月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 6月 6日付け:拒絶理由通知書
令和6年 7月23日 :意見書の提出
令和6年11月 7日付け:拒絶査定
令和7年 2月14日 :審判請求書の提出
令和8年 1月22日付け:証拠調べ通知書
令和8年 3月 2日 :意見書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類「貴金属の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝石の原石の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝玉及びその模造品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「Matsuyama」及び「jewelry watch」の欧文字を上下二段に表してなるところ、多少のデザイン化はされているが、我が国においてありふれた氏の一つであると認められる「松山」の姓氏ないしは、「愛媛県中北部、松山(道後)平野の北部に位置する市。」の意味を有する語である「松山」を欧文字で表したものと理解される「Matsuyama」の欧文字を中心に、「宝石類。(宝石・貴金属類の)装身具。(一般に)装身具。」を意味する「jewelry」と「(腕時計・懐中時計などの)時計。」を意味する「watch」の欧文字をそれぞれ配置した構成であり、いまだ普通に用いられる域を脱しない程度の方法で表示してなるものというのが相当であるから、本願商標は、全体として、「(ありふれた氏である)松山氏の取扱いに係る宝石類、装身具又は時計」ないしは、「愛媛県松山市において製造・販売される宝飾品、装身具又は時計」ほどの意味合いを認識させるものである。そのため、本願商標を、その指定役務について使用した場合、これに接する需要者は、全体として、「(ありふれた氏である)松山氏の取扱いに係る商品の小売等役務」ないしは、「愛媛県松山市において製造・販売される商品に係る小売等役務」であること、すなわち、当該小売等役務における取扱商品の品質・特徴を理解するにとどまり、自他役務の識別標識として認識し得ないというのが相当である。したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品・役務であるかを認識することができない商標」に当たるから、商標法第3条第1項第6号に該当する」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審による証拠調べ
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、別掲2ないし別掲5のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、上記1の証拠調べ通知書によって通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
5 上記通知に対する請求人の意見の要旨
「Matsuyama」に通じる「松山」が地名やありふれた氏として知られているとしても、商標の態様によって自他識別標識として機能し得るものであるところ、本願商標は語頭の「M」の欧文字が他の欧文字よりも特に大きく目立つように配されるだけではなく、中間の「y」の文字も他の欧文字とは比べて大きく目立つように配されているから、全体として自他識別標識として機能し得る。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に「Matsuyama」の文字を、語頭の「M」の文字を大きく表し、その他の文字を筆記体で表し、下段に「jewelry」及び「watch」の文字を筆記体で表した構成よりなるところ、その構成中「Matsuyama」の文字は、別掲2のとおり、我が国においてありふれた氏の一つであると認められる「松山」の姓氏ないしは、「愛媛県中北部、松山(道後)平野の北部に位置する市。」の意味を有する語である「松山」を欧文字で表したものと理解されるものであり、「jewelry」の文字は、「宝石類。(宝石・貴金属類の)装身具。(一般に)装身具。」(株式会社小学館発行「ランダムハウス英和大辞典第二版」)を意味し、「watch」の文字は、「(腕時計・懐中時計などの)時計。」(同辞書)を意味する語である。
そして、別掲3及び別掲5のとおり、本願指定役務を取り扱う業界において、欧文字で表された氏姓が、取扱商品である「jewelry」や「watch」の文字とともに店舗の名称として採用され、看板等に使用することが、一般的に行われている実情や、「MATSUYAMA」の文字が、地名の「松山」を欧文字で表したものとして、店舗等の名称の一部として使用されている実情がうかがえる。
また、本願商標は、上記のとおり、その構成文字のほとんどが筆記体により表されてなるところ、別掲4のとおり、氏姓や地名を筆記体で表すことが一般的に行われている実情がうかがえる。
さらに、本願商標は、「Matsuyama」の語頭である「M」が大きく表されており、「t」及び「y」の文字の一部がやや長く表されているものの、欧文字を表記する際に語頭の文字を大きく表したり、文字の一部に線の長短等のアレンジを加える手法は、商取引上一般的に行われていることからすれば、本願商標はいまだ普通に用いられる域を脱しない程度の方法で表示してなるものというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、ありふれた氏もしくは地名である「Matsuyama」の欧文字と、取扱商品である「jewelry」及び「watch」の文字を組み合わせたものと認識され、これを、本願商標の指定役務に使用しても、「(ありふれた氏である)松山氏の取扱いに係る宝石類、装身具又は時計の小売等役務」もしくは、「愛媛県松山市において製造・販売される宝飾品、装身具又は時計の小売等役務」程の意味合いを認識させるにすぎず、一般に使用され得るものであるから、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標は語頭の「M」の欧文字が他の欧文字よりも大きく配されているだけではなく、中間の「y」の文字も他の欧文字とは比べて大きく目立つように配されているから、全体として自他識別標識として機能し得る旨を主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、欧文字で表された氏姓が、取扱商品である「jewelry」や「watch」の文字と共に店舗の名称として採用され、看板等に使用されることや、語頭や構成文字の一部に文字の大小や線の長短等のアレンジを加える手法が一般的に行われていることからすれば、本願商標の構成は、これに接する取引者、需要者に強い印象を与えるものとはいい難く、ありふれた氏もしくは地名の欧文字表記である「Matsuyama」と、本願の指定役務の取扱商品である「jewelry」及び「watch」の文字を組み合わせたにすぎないものと認識、理解されると判断するのが自然である。
よって、請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であるから、商標法第3条第1項第6号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
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