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特許拒絶査定不服審判

2025-002150

状態推定装置、状態推定方法及びプログラム

審判番号
2025-002150
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-503333
請求日
2025年02月10日
審決日
2025年12月22日
公報発行日
2026年03月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】NTT株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人志賀国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 加々美 一恵
  • 審判官 松本 隆彦
  • 審判官 遠藤 直恵
分類
P18 .121-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023-503333「状態推定装置、状態推定方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 9月 9日国際公開、WO2022/185544〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2021年(令和 3年) 3月 5日を国際出願日とする日本語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和 6年 7月 5日付け 拒絶理由通知書 令和 6年 8月27日 意見書の提出 令和 6年11月 8日付け 拒絶査定 令和 7年 2月10日 審判請求書・手続補正書の提出 令和 7年 5月22日 上申書の提出 以下では、令和 6年11月 8日付け拒絶査定を「原査定」という。 第2 令和 7年 2月10日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和 7年 2月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1を補正する補正事項を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。下線は補正箇所を示す。 「【請求項1】 推定対象の心臓の状態を示す信号を取得可能な電極に印加された電磁気的な力、場又はエネルギーである電磁気量の時系列である電磁気時系列を示す電極取得情報と、前記推定対象の運動の状態と推定対象の存在する環境とのいずれか一方又は両方に関する量である環境量の時系列の情報である環境情報とのいずれか一方又は両方を取得する情報取得部と、 前記電極取得情報と前記環境情報とのいずれか一方又は両方を用いて、前記電極による前記推定対象の心臓の状態を示す信号の取得の異常である電極イベントが発生したか否かを判定する推定部と、 を備え、 前記推定部は、前記電極取得情報に基づき、前記推定対象の心臓の状態の異常である心異常イベントの発生を判定し、 前記推定部は、心異常イベントの発生の推定結果の確からしさである推定信頼度を推定する、 状態推定装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 推定対象の心臓の状態を示す信号を取得可能な電極に印加された電磁気的な力、場又はエネルギーである電磁気量の時系列である電磁気時系列を示す電極取得情報と、前記推定対象の運動の状態と推定対象の存在する環境とのいずれか一方又は両方に関する量である環境量の時系列の情報である環境情報とのいずれか一方又は両方を取得する情報取得部と、 前記電極取得情報と前記環境情報とのいずれか一方又は両方を用いて、前記電極による前記推定対象の心臓の状態を示す信号の取得の異常である電極イベントが発生したか否かを判定する推定部と、 を備える状態推定装置。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「推定部」について、「前記電極取得情報に基づき、前記推定対象の心臓の状態の異常である心異常イベントの発生を判定し、」「心異常イベントの発生の推定結果の確からしさである推定信頼度を推定する」と限定したものである。 そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、前記1(1)に記載した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のように構成A~構成Eに分説する。(A~Eは、各構成単位毎に分説するために当審にて付した分説番号であり、以下、各構成単位について、該分説番号を用いて「構成A」などということがある。引用発明等についても同様である。) 「【請求項1】 A 推定対象の心臓の状態を示す信号を取得可能な電極に印加された電磁気的な力、場又はエネルギーである電磁気量の時系列である電磁気時系列を示す電極取得情報と、前記推定対象の運動の状態と推定対象の存在する環境とのいずれか一方又は両方に関する量である環境量の時系列の情報である環境情報とのいずれか一方又は両方を取得する情報取得部と、 B 前記電極取得情報と前記環境情報とのいずれか一方又は両方を用いて、前記電極による前記推定対象の心臓の状態を示す信号の取得の異常である電極イベントが発生したか否かを判定する推定部と、 を備え、 C 前記推定部は、前記電極取得情報に基づき、前記推定対象の心臓の状態の異常である心異常イベントの発生を判定し、 D 前記推定部は、心異常イベントの発生の推定結果の確からしさである推定信頼度を推定する、 E 状態推定装置。」 (2)引用文献 ア 引用文献1 (ア)引用文献1の記載 本願の出願日前に頒布され、原査定の拒絶の理由で引用文献1として引用された特開2014-195514号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審において付与した。以下同様。)。 a 「【0001】 本開示は、生体情報取得装置及び生体情報通信システムに関する。」 b 「【0007】 そこで、被検者自身が適正な位置に電極を容易に装着できるようにすることが求められていた。また、生体情報を取得する装置に給電を行うシステムにおいて、生体情報を適正なサンプリング間隔で取得することが求められていた。」 c 「【0025】 <1.第1の実施形態> [1.1.第1の実施形態に係る生体情報取得の概要] 本実施形態では、生体情報取得装置100を用いて心電図を取得するシステムについて説明する。心疾患の診断と治療に通常用いられる12誘導心電図は、人体に10箇所の電極を装着して12種類の波形を出力する。図11は、電極の位置と出力波形を示す模式図である。図1の左側の図において、R,L,F,E,V1,V2,V3,V4,V5,V6は、身体に装着された電極を示しており、図1の右側に示す特性図は、12種類の波形を示している。図1に示すように、電極の装着箇所は、四肢誘導の4箇所(R,L,F,E)と、胸部誘導(V1,V2,V3,V4,V5,V6)の6箇所である。四肢誘導のうち、電極Eは接地(アース)電位である。12種類の波形は、各電極で検出される波形、及び各電極の波形から誘導される波形である。後述するように、本実施形態では、四肢誘導の4箇所(R,L,F,E)については、電極装着箇所をR’,L’,F’,E’に変更している。」 d 「図1 [図:0001432882000001.jpg] 」 e 「【0027】 [1.2.生体情報取得装置を含むシステムの構成例] また、図3は、生体情報取得装置100を含むシステムの構成を示すブロック図である。図3に示すように、このシステムは、生体情報取得装置100、通信装置330、電子機器350を有する。電極装着具200と本体部300は分離されており、電極装着具200と本体部300は集合コネクタ220で接続される。図3に示すように、電極装着具200は、複数の電極201を備える。複数の電極201は、R,L,F,E,V1,V2,V3,V4,V5,V6の各電極に対応する。また、本体部300は、アンプ302、フィルタ304、AD変換部306、制御部308、通信部310、記憶部312を有して構成される。アンプ302は、電極装着具200の各電極201が検出した信号波形を増幅する。フィルタ304は、増幅された信号波形からノイズ等を除去するためのフィルタリングを行う。AD変換部306は、フィルタ304から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。制御部308は、本体部300を制御する構成要素であり、入力されたデジタル信号を演算し、誘導波形を生成する等の処理を行う。記憶部321は、制御部308から送られた信号を記憶する。通信部310は、制御部308から送られた信号を通信装置330へ送信する。 【0028】 通信装置330は、一例として人体通信により生体情報取得装置100と通信可能に構成されている。通信装置330は、生体情報取得装置100から送られた信号波形を受信し、外部のパーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話等の電子機器350へ送信する。 【0029】 電子機器350は、通信装置400から送られた信号を受信する受信部352、受信した信号に基づいて電極201の装着状態を判定する装着状態判定部354、電極201の装着状態、生体情報取得装置100から受信した信号波形、及び装着ガイド等を表示するための処理を行う表示処理部356、表示処理部354の処理に基づいて表示を行う表示部(LCD)358、装着ガイド等を記憶するデータベース360を有して構成されている。」 f 「図3 [図:0001432882000002.jpg] 」 g 「【0037】 図7は、誘導波形に基づく不具合の検出方法を示す模式図である。また、図8~図12は、誘導波形による不具合検出の具体例を示す特性図である。 【0038】 図7に示すように、誘導波形に基づいて、L,R,F,V1-V6電極の電極外れ、L,R電極のずれ、F-E電極間の近接、V1-V6電極の隣接方向のずれ、V1-V6電極の放射方向の近づき、V1-V6電極の放射方向の遠ざかり、を検出することができる。L,R,F,V1-V6電極の電極外れは、E電極の波形を基準として、各電極の波形が消失していることで検出できる。L,R電極のずれは、E電極の波形を基準として、各電極の波形に殆ど変化が生じていないことで検出できる。F-E電極間の近接は、E電極の波形を基準として、F電極の波高の縮小によって検出できる。V1-V6電極の隣接方向のずれは、V1-V6の隣接電極を基準として、差分の不均等によって検出できる。V1-V6電極の放射方向の近づきは、不関電極を基準として、波高の縮小によって検出できる。V1-V6電極の放射方向の遠ざかりは、不関電極、E電極を基準として、波高の縮小によって検出できる。」 h 「図7 [図:0001432882000003.jpg] 」 i 「【0048】 上述のように、装着手順のガイドは、電子機器350(データ出力先の装置、またはその関連のパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、携帯電話など)に表示させる。また、電子機器350の装着状態判定部354に受信波形を解析して装着状態をチェックする機能を持たせ、電極が正しく装着されたことを確認する。これにより、電極装着具200をユーザー自身で身体に取り付けることが可能となり、且つ適正な位置に電極が装着されたか否かを確認することが可能となる。これにより、医師、看護師等の補助を受けることなく、ユーザーが電極装着具200を装着することが可能となる。」 j 「【0050】 以上説明したように第1の実施形態によれば、電極装着具200を複数の部位に分割し、コネクタで接続するようにしたため、ユーザー(患者)が自身で電極装着具200を身体に取り付けることが可能となる。また、装着後は誘導波形に基づいて電極外れ、電極位置ずれを検出できる。従って、看護師、補助者等に頼ることなく、ユーザー自身が電極装着具200を装着して心電波形等を取得することが可能となる。」 (イ)引用文献1に記載された発明 上記(ア)a~jの記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、参考のため、認定の主な根拠となった箇所を括弧内に示す。 「生体情報取得装置100を用いて心電図を取得するシステムであって、 心疾患の診断と治療に通常用いられる12誘導心電図は、人体にR,L,F,E,V1,V2,V3,V4,V5,V6の10箇所の電極を装着して12種類の波形を出力するものであり、12種類の波形は、各電極で検出される波形、及び各電極の波形から誘導される波形であり、(【0025】) 生体情報取得装置100から送られた信号波形に基づいて電極201の装着状態を判定する装着状態判定部354を有し、(【0028】、【0029】) 誘導波形に基づいて、L,R,F,V1-V6電極の電極外れ、L,R電極のずれ、F-E電極間の近接、V1-V6電極の隣接方向のずれ、V1-V6電極の放射方向の近づき、V1-V6電極の放射方向の遠ざかり、を検出することができ、(【0038】) 電極が正しく装着されたことを確認する、(【0048】) システム。」 イ 引用文献2 (ア)引用文献2の記載 本願の出願日前に頒布され、原査定の拒絶の理由で引用文献2として引用された米国特許出願公開第2020/0275854号明細書(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。また、原文の摘記の後に当審による日本語訳を示す。(下線は当審において付与した。以下同様。)。 a 「[0002] The present disclosure relates generally to advanced cardiac waveform analytics (ACWA) and, more specifically, to systems and methods for electrocardiographic waveform analysis, data presentation and actionable alert generation.」 ([0002] 本開示は、一般に、先進的心臓波形解析(ACWA)に関し、より具体的には、心電図波形の解析、データ表示、アクション可能な警告生成のためのシステムおよび方法に関する。) b 「[0071] The system 10 (FIG. 1) can include a computing device 12, which can be in communication with a wearable device 14 and a display device 16. The wearable device 14 can be associated with a patient. The wearable device 14 can be coupled to one or more electrodes that can collect electrocardiographic data. For example, electrocardiographic data can be continuously recorded and collected from skin surface electrodes. The wearable device 14 can send the electrocardiographic data to the computing device 12. The computing device 12 can perform ACWA on the electrocardiographic data and send a visualization of one or more cardiac analytics (e.g., wavelets) to the display device 16. The computing device 12 can also send actionable alerts to the display device 16. The actionable alert itself can be an unalterable insertion into the patient's EMR at a given time-stamp, which can be transmitted to the display device 16. Medical professionals can receive mobile device communications on the display device 16 analogous to a text message or push notification with visual, audible, and/or vibratory alert. The display device 16 can be associated with one or more medical professionals and can allow actions to be performed on the actionable alerts, thereby creating modified actionable alerts. For example, the display device 16 can be associated with an input mechanism (e.g., a touch screen, a keyboard, a mouse, or the like). Medical professionals can send the modified actionable alert to other medical professionals (e.g., for doctors to give a second opinion, for emergency response professionals to take action on the patient, for a physician-in-training to exchange the actionable alert or modified actionable alert with an attending physician outside the hospital, for a non-cardiac physician to send the actionable alert to a cardiologist for review and to receive a modified actionable alert, etc.). The computing device 12 can send the actionable alerts and/or modifications to the actionable alerts to an EMR associated with the patient with respective time stamps. The modified actionable alerts can be tracked much in the same manner as shared-space document editing; one may easily revert to the original actionable alert or to previous versions of modified actionable alerts. Additionally, the computing device 12 can also transmit other elements to the EMR, such as those which led to the generation of the actionable alert.」 ([0071] システム10(図1)は、コンピューティングデバイス12と、装着型デバイス14及び表示デバイス16と通信することを含むことができる。装着型デバイス14は、患者に関連付けられることができる。装着可能な装置14は、心電計データを収集することができる1つ又はそれ以上の電極に結合することができる。例えば、心電図データは、皮膚表面の電極から記録され、連続的に回収することができる。装着可能な装置14は、心電計データをコンピュータデバイス12に送信することができ、コンピューティングデバイス12は、心電データにACWAを実行し、1つまたは複数の心臓解析(例えば、ウェーブレット)の視覚表現を表示デバイス16に送ることができる。コンピューティングデバイス12はまた、表示装置16にアクション可能な警報を送信することができる。アクション可能な警報自体には、特定のタイムスタンプで患者のEMRに変更不可能な挿入、表示装置16に伝送することができることが可能である医学専門家は、テキストメッセージと同様に、表示装置16にモバイル装置が通信を受信するか、または、可視、可聴、及び/又は振動警報で通知をプッシュすることができる。表示装置16は、1人または複数の医療専門家と関連することができ、アクションは、アクション可能な警報を行うことを可能にし、それにより変更されたアクション可能な警報を生成することができる。例えば、表示装置16は、入力手段(例えば、タッチスクリーン、キーボード、マウス、等)と関連させることができる。医療従事者は、修正されたアクション可能な警報を他の医療専門家(例えば、第2の見解を得て、緊急対応専門家が患者に処置を行い、医師のトレーニングのために担当の医師が病院外でアクション可能な警報や修正アクション可能な警報を交換するために、非心臓内科医が、再検討のために心臓病専門医にアクション可能な警報を送るように修正可能なアラートを受信するために医師等のために)送信することができる。コンピューティングデバイス12は、それぞれのタイムスタンプを用いて、患者に関連付けられたEMRにアクション可能な警報および/または改変をアクション可能な警報を送信することができる。アクション可能な警報は、共用スペース文書編集とほぼ同一の方法で追跡することが可能となるのは、元のアクション可能な警報にまたは前のバージョン変更アクション可能な警報の簡単に戻す。また、コンピューティングデバイス12は、EMRを他の要素に送信することができる、アクション可能な警報の生成につながった。) c 「[0073] In operation, the computing device 12 can receive electrocardiographic waveform data from the wearable device 14 associated with the patient. The computing device 12 can perform a mathematical analysis of the electrocardiographic waveform data 25 to provide cardiac analytics. For example, the cardiac analytics can be wavelets taken from the electrocardiographic waveform data 25 (either from a single cardiac cycle or a plurality of cardiac cycles). Examples of different parts of the electrocardiographic waveform data 25 are shown in FIG. 3. The cardiac analytics can include, but are not limited to, a PR interval, an RR interval, a RRc interval, an RT interval, a QRS duration time interval, an intrinsicoid time interval, a QT time interval, a QTc interval, a modified moving average of the QT interval, a T-peak amplitude voltage (as a highest absolute value of T maximum to T minimum voltage), a T-peak-to-terminus time interval, an ST angle as a linear regression of a ST segment, a measurement of ST amplitude change from baseline, QRS and QT waveform tracings, a percentage of X,Y coordinates aligning with a patient-specific template for the QRS waveform morphology, a percentage of X,Y coordinates aligning with a patient-specific template for the QT waveform morphology, and an area under the curve of the X,Y plot for the QT-waveform morphology. In each case, the cardiac analytics are determined automatically according to ACWA procedures. A visualization of the cardiac analytics can be generated and sent to the display device.」 ([0073] 動作中、コンピューティングデバイス12は、患者に関連付けられたウェアラブルデバイス14から心電図波形データを受信することができる。コンピューティングデバイス12は、心電図波形データ25の数学的解析を実行し、心臓分析を提供することができる。例えば、心臓解析は、心電波形データ25からウェーブレットとすることができる(単一の心周期又は複数の心周期からのいずれか)。心電波形データ25の異なる部分の例は、図3に示す心拍分析は、限定されないが、PR間隔、RR間隔、RRc間隔、RT間隔、QRS持続時間、intrinsicoid時間間隔、QT間隔、QTc間隔、QT間隔の移動平均、ピーク振幅電圧(T最大値T1、最小電圧の最高の絶対値として)、Tピークの末端への時間間隔、STセグメントの直線回帰としてST、ベースラインQRS及びQT波形トレースからST振幅の変化の測定は、QRS波形の形態の患者特異的テンプレートと位置合わせするX,Y座標のパーセンテージ、QT波形形態の患者特異的テンプレートと位置合わせするX,Y座標のパーセンテージ、及びQT波形形態のX,Yプロットの曲線下面積を含むことができる。それぞれの場合において、心臓分析はACWA手順に従って自動的に決定される。心臓解析の視覚化が生成され、表示装置にすることができる。) d 「[0077] The rules engine 23 can determine when actionable alerts are to be generated. As an example, the rules engine 23 can perform both categorical and continuous variable analysis of one or more cardiac analytics (e.g., QT and RT interval data that is continuously collected) and report results of the analysis on a dashboard user interface radial display in a 24-hour time domain. Within this context, significant deviation from baseline values and/or violation of specific absolute values can trigger a series of rules engine and logic comparisons by which one or more of the cardiac analytics are measured. A number of heart beats collected within a beat buffer sample (e.g., a listening window) are measured and analyzed for the concomitant presence of ventricular ectopic heart beats and/or VT. The precise coupling intervals on the R-T time measurement are compared with the R-R interval for the abnormal beats when determining whether an actionable alert should be generated regarding the presence of pathologic QT prolongation with a high probability for serious life-threatening ventricular cardiac arrhythmias. The rules engine 23 may also incorporate other clinical variables of interest and/or physiologic confounding variables. The rules engine can utilize individual patients as their own control, and the morphologic features are compared with the stored template in real-time. [0078] The present disclosure may provide complete (or semi-complete) automation of the continuous cardiac rhythm monitoring process, removing the need for human electrocardiographic assessment and review of ACWA-generated actionable alerts prior to their insertion into the patient's medical record. Advanced pattern-recognition programs and/or machine learning algorithms, as implemented by the ACWA, may allow for a fully automated cardiac monitoring system, limiting the potential for human error and enhancing the ability to identify subtle, high-risk cardiac rhythm patterns. Short of complete automation, the system 10 can mitigate the eventuality of introduced human error. [0079] Example Use of the Rules Engine 23 to Detect Cardiac Abnormalities [0080] In some instances, the rules engine 23 can: (1) receive electrocardiographic waveform data from a wearable device 14 associated with the patient; (2) perform a mathematical analysis of at least a portion of the electrocardiographic waveform data to provide cardiac analytics (e.g., an RR interval, an RT interval, a QT interval, a RRc interval, a QTc interval, or the like); (3) detect certain flags within a portion of the electrocardiographic waveform data and/or the cardiac analytics which may be signs related to a cardiac abnormality (e.g., the flag can be a pathologically prolonged QT interval, which can co-occur with an R on T PVC, and/or a VT from one or more of the cardiac analytics; and (4) generate an actionable alert when the cardiac abnormality is detected (e.g., the R on T PVC and/or the V-Tac). The actionable alert can be displayed with a visualization of one or more of the cardiac analytics.) ([0077] ルールエンジン23は、実用的なアラートをいつ生成するかを決定できる。例えば、ルールエンジン23は、1つ以上の心臓分析(例えば、継続的に収集されるQT間隔およびRT間隔データ)のカテゴリ変数分析と連続変数分析の両方を実行し、分析結果をダッシュボードユーザーインターフェースのラジアルディスプレイに24時間の時間領域で報告できる。このコンテキストでは、ベースライン値からの大幅な逸脱および/または特定の絶対値への違反により、一連のルールエンジンおよびロジック比較がトリガーされ、1つ以上の心臓分析が測定される。ビートバッファサンプル(例えば、リスニングウィンドウ)内で収集された複数の心拍が測定され、心室性期外収縮および/またはVTの同時存在について分析される。 R-T時間測定における正確なカップリング間隔は、異常拍動のR-R間隔と比較され、重篤な生命を脅かす心室性不整脈の可能性が高い病的QT延長の存在に関する実用的なアラートを生成する必要があるかどうかを判断する。ルールエンジン23は、他の臨床的関心変数や生理学的交絡変数も組み込むことができる。ルールエンジンは個々の患者を自身の対照群として利用することができ、形態学的特徴は保存されたテンプレートとリアルタイムで比較される。 [0078] 本発明は、連続的な心調律監視プロセスの完全な(または完全な)自動化を提供し、患者の医療記録内に挿入する前にACWA生成アクション可能な警報の人間の心電図評価および再検討の必要性を除去することができる。ACWAによって実装される、改良されたパターン認識プログラムおよび/または機械学習アルゴリズムは、完全に自動化された心臓監視システムを可能にし、人的ミスの可能性を制限し、繊細な、危険性の高い心臓律動パターンを識別する能力を増強することができる。完全自動化のシステム10は、導入される人的エラーの起こり得る事態を緩和することができる。 [0079] ルールエンジン23を使用した心臓異常の検出例 [0080] いくつかの例では、ルール エンジン23は、(1)患者に関連付けられたウェアラブル デバイス14から心電図波形データを受信すること、(2)心電図波形データの少なくとも一部の数学的分析を実行して心臓分析 (RR 間隔、RT間隔、QT間隔、RRc間隔、QTc間隔など) を提供すること、(3)心電図波形データおよび/または心臓解析の一部分内で、心臓異常に関連する兆候である可能性がある特定のフラグを検出する(例えば、フラグは、心室中隔欠損型心室細動(R of T PVC)および/または心室頻拍(VT)と同時に発生する可能性がある病的なQT間隔の延長である可能性がある)。(4)心臓異常(例えば、R of T PVCおよび/または心室頻拍)が検出されると、実用的なアラートを生成する。実用的なアラートは、心臓解析の1つ以上の視覚化とともに表示することができる。) (イ)引用文献2に記載された事項 上記(ア)a~dの記載事項及びを総合すると、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2記載の技術手段」という。)が記載されていると認められる。 「心電図波形の解析、データ表示、アクション可能な警告生成のためのシステムであって、([0002]) 心電図データは、皮膚表面の電極から記録され、連続的に回収することができ([0071]) コンピューティングデバイス12は、患者に関連付けられたウェアラブルデバイス14から心電図波形データを受信することができ、コンピューティングデバイス12は、心電図波形データ25の数学的解析を実行し、心臓分析を提供することができ、([0073]) R-T時間測定における正確なカップリング間隔は、異常拍動のR-R間隔と比較され、重篤な生命を脅かす心室性不整脈の可能性が高い病的QT延長の存在に関する実用的なアラートを生成する必要があるかどうかを判断し、([0077]) 改良されたパターン認識プログラムおよび/または機械学習アルゴリズムは、完全に自動化された心臓監視システムを可能にし、人的ミスの可能性を制限し、繊細な、危険性の高い心臓律動パターンを識別する能力を増強することができる、([0078]) システム。」 ウ 周知技術を示す文献 (ア)引用文献3 本願の出願日前に頒布された米国特許出願公開第2017/0290550号明細書(以下「引用文献3」という。)には図面とともに次の記載がある。 a 「[0002] This document relates generally to medical devices, and more particularly, to systems, devices and methods for detecting and managing cardiac arrhythmias.」 ([0002] この文書は、概して、医療デバイスに関し、より詳細には、心臓不整脈を検出し、管理するためのシステム、装置、及び方法に関する。) b 「[0080] FIG. 5 illustrates generally an example of a method 500 for detecting a target cardiac arrhythmia from a patient. Examples of cardiac arrhythmias may include atrial fibrillation (AF), atrial flutter (AFL), atrial tachycardia, paroxysmal supraventricular tachycardia (PSVT), Wolff-Parkinson-White (WPW) syndrome, ventricular tachycardia, ventricular fibrillation, bradycardia, or sinus pauses, among others. The method 500 may be implemented and operate in an ambulatory medical device such as an implantable or wearable medical device, or in a remote patient management system. In an example, the method 500 may be performed by the confidence-based arrhythmia detector 113 or any embodiment thereof, or by the external system 120. [0081] The method 500 begins at 510 by sensing a physiological signal from a patient. Examples of the physiological signals may include surface electrocardiography (ECG) such as sensed from electrodes on the body surface, subcutaneous ECG such as sensed from electrodes placed under the skin, intracardiac electrogram (EGM) sensed from the one or more electrodes of the leads 108A-C or the can housing 112, heart rate signal, heart rate variability signal, thoracic or cardiac impedance signal, arterial pressure signal, pulmonary artery pressure signal, left atrial pressure signal, RV pressure signal, LV coronary pressure signal, coronary blood temperature signal, blood oxygen saturation signal, heart sound signal such as sensed by an ambulatory accelerometer or acoustic sensors, physiological response to activity, apnea hypopnea index, one or more respiration signals such as a respiration rate signal or a tidal volume signal, brain natriuretic peptide (BNP), blood panel, sodium and potassium levels, glucose level and other biomarkers and bio-chemical markers, among others.」 ([0080] 図5は、患者から標的となる心臓不整脈を検出するための方法500の実施例を概略的に示す図である。心臓の不整脈の例は、心房細動(AF)、心房粗動(AFL)、心房性頻拍、発作性上室性頻拍(PSVT)、ウォルフ・パーキンソン・ホワイト(WPW)症候群、心室頻脈、心室細動、徐脈、洞停止、その他を含むことができる。方法500を実施することができ、埋め込み型又は装着型医療装置のような携帯型の医療デバイス内に、または遠隔患者管理システム内で動作する。一例では、方法500は、信頼ベースの不整脈検出器113またはそのいずれかの実施形態により、又は外部システム120によって実行することができる。 [0081] 方法500は、患者からの生理学的信号を感知する工程510で始まる。生理学的信号の例は、とりわけ、皮下E CG皮膚、リード108a(又はハウジング112内の1つ以上の電極から検出される心臓内電位図(EGM)、心拍数信号、心拍変動信号、胸部または心臓インピーダンス信号、血圧信号、肺動脈圧信号は、左心房圧力信号、RV圧、LV冠状動脈圧、血液温度、血中酸素飽和度信号、加速度計又は音響センサにより検知され、アクティビティに応答する生理学的、無呼吸低呼吸指数などの心音信号、呼吸数信号または1回換気量信号のような、1つまたは複数の呼吸信号、脳ナトリウム利尿ペプチド(BNP)は、血圧、ナトリウムおよびカリウムレベル、グルコースレベルおよび他のバイオマーカーの下に配置された電極から感知された生物化学的マーカーのような、身体表面上の電極から感知されるような)表面心電図(ECG)を含むことができる。) c 「[0084] At 530, a confidence indicator may be generated for the detected arrhythmic event. The confidence indicator may have a categorical value or a numerical value. A numerical confidence score may be computed based on a comparison of the signal metrics and one or more thresholds. In an example, the confidence score may be proportional to deviations of the one or more signal metrics from respective reference values such as respective detection thresholds. As previously discussed with reference to FIG. 3, the confidence score associated with the detected AF event may be a linear or non-linear growth function of the beat ratio (R) (such as a ratio of the number of unstable beats to the sum of numbers of stable and unstable beats) and a beat ratio threshold RTH, or a morphology similarity (S) (such as a correlation or a distance between a template and morphology measurements of the signal metric) and a threshold Sm. In an example, the confidence indicator may be a composite confidence score computed as a linear or nonlinear combination of deviations of two or more signal metrics from respective thresholds. In some examples, the confidence indicator may be adjusted based on additional information including a signal quality of the signal metric or a medical history of the patient. Examples of the signal quality may include one of a signal-to-noise ratio, a detection of motion artifact, or a detection of ectopic beats such as premature atrial contractions (PACs) or premature ventricular contractions (PVCs). In an example, the confidence score may be proportional to the deviation of the SNR, motion artifact level, or the ectopic beat counts from their respective thresholds. Examples of the medical history may include one of a history of syncope, an arrhythmia history, an ablation procedure, or a duration of a prior arrhythmic event. In an example, the confidence score may be decreased if the patient had a previous syncope episode, while the confidence score may be increased if the patient had a previous AF ablation procedure. ([0084] 530では、信頼度指標は、検出された不整脈イベントに対して生成することができる。信頼度指標は、カテゴリ値または数値を有していてもよい。数値信頼スコアは、信号数値指標と1つ以上の閾値との比較に基づいて計算することができる。この例では、信頼性スコアは、それぞれの検出閾値のような基準値から1つまたは複数の信号メトリックの偏差に比例させることができる。図3を参照して前述したように、検出されたAFイベントと関連付けられた信頼スコアは、拍動比(R)(安定および不安定な拍数の和に不安定な拍動数の比)、および、拍動比閾値RTHの線形または非線形増加関数、または形態類似度(S)(相関またはテンプレートおよび信号メトリックの測定値の間の距離のような)及びしきい値Smとすることができる。この例では、信頼インジケータは、それぞれのしきい値から2または複数の信号メトリックの偏差の線形結合又は非線形結合として計算された複合信頼度スコアであってもよい。いくつかの例では、信頼性指標は、信号メトリックの品質又は患者の病歴を含む追加の情報に基づいて調整することができる。信号品質は、例えば、信号対雑音比、検出運動のアーチファクト、又は心房性期外収縮(PAC)或いは期外心室収縮(PVC)のような異所性拍動の検出のうちの1つを含むことができる。この例では、信頼性スコアは、それらのそれぞれのしきい値からのSNR、前記モーションアーチファクトレベル、または異所性拍数の偏差に比例してもよい。病歴としては、失神、不整脈履歴、アブレーション処置、または前不整脈事象の持続時間の履歴のうちの1つを含むことができる。一例では、患者は失神のエピソードを有した場合に信頼度スコアが低くなり、患者が前回のAFアブレーション手順を有する場合に信頼度スコアを増加させることができる。) (イ)引用文献4 本願の出願日前に頒布された米国特許出願公開第2013/0289424号明細書(以下「引用文献4」という。)には図面とともに次の記載がある。 a 「[0002] The present invention relates to monitoring of physiological signals, and more particularly, a system for monitoring ambulatory animals and human beings.」 ([0002] 本発明は、生理的信号の監視に関し、特に、外来動物および人を監視するためのシステムに関する。) b 「[0006] According to an example embodiment, an apparatus includes two or more ECG sensing electrodes, digitizing and computing circuits, a housing that houses the digitizing and computing circuits, a fastener that mechanically fastens and electrically couples the housing to one of the electrodes, and a lead wire that couples the other one(s) of the electrodes to the digitizing circuit. The electrodes adhere to remote locations on a patient and sense ECG signals therefrom, and couple the signals to the digitizing circuit via the fastener or the lead wire(s). The digitizing circuit digitizes the ECG signals, and the computing circuit processes the digitized ECG signals by one or more of removing noise, detecting an R-R interval, detecting a Q-T interval, and detecting a QRS complex.」 ([0006] 一例の実施形態によれば、装置は、2以上のECG検知電極、および複数の処理回路、デジタル化および計算する回路を収容するハウジングは、機械的に固定し、ハウジングを一方の電極に電気的に連結する締結具、及び他方の電極(単数または複数)を結合するデジタル化回路にリード線を含んでいる。電極は、患者のECG信号上の離れた場所に接着し、締着具、または、リード線を介して信号をディジタル化回路に結合する(s)。デジタル化回路は、ECG信号をデジタル化し、前記演算回路は、前記ノイズを除去するステップと、R-R間隔、QT間隔、QRS群を検出することのうちの1つまたは複数によってデジタル化されたECG信号を処理する。) c 「[0061] Another example embodiment is directed to a system for detecting a cardiac arrhythmia event spanning two or more cardiac cycles in a cardiac signal.A computer circuit identifies cardiac cycles in the signal, computes a feature signal comprised of valid R-wave feature points, and detects a cardiac event by evaluating a characteristic of said feature signal. A signal-to-noise ratio (SNR) is computed as a ratio of signal energy to noise energy for substantially the full duration of each cardiac cycle contained in said detected event. A confidence value is computed as a function of the SNR, and the detected cardiac event is classified as valid in response to said confidence signal exceeding a predetermined first threshold. Such confidence values may, for example, make up part of a confidence signal that includes one or more such values. In addition, the confidence value may be computed based upon the SNR, morphology of the signal and a pattern of feature points in the signal.」 ([0061] 別の実施例は、心臓信号内の心臓性不整脈事象にわたる2回以上の心周期を検出するためのシステムに向けられている。コンピュータ回路は、信号における心臓周期を識別し、有効なR波の特徴点からなる特徴信号を計算し、前記特徴信号の特性を評価することにより、心臓事象の発生を検出する。前記検出されたイベントに含まれる各心周期の実質的に全区間の信号エネルギーとの比として計算された雑音エネルギーが信号対雑音比(SNR)である。信頼値がSNRの関数として計算され、検出された心臓事象が、この信頼度信号を所定の第1の閾値を超えることに応答して、有効として分類される。このような確信値は、例えば、1つまたは複数のそのような値を含む信頼性信号の一部を構成することができる。それに加えて、信頼値は、SNR、信号の形態や信号の特徴点のパターンに基づいて計算することができる。) (ウ)周知技術 上記(ア)、(イ)の記載事項に例示されるように、以下の技術的事項は、本願出願日前における周知技術であると認められる(以下の技術的事項を、以下「周知技術1」という。)。 「心臓不整脈を検出する医療デバイスであって、身体表面上の電極から感知されるECG信号を処理して不整脈イベントを検出する際に、検出された不整脈イベントに対して信号対雑音比等を計算し、信頼度指標を生成すること」 (3)対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 ア 構成Aについて 引用発明は「生体情報取得装置100を用いて心電図を取得するシステムであって、心疾患の診断と治療に通常用いられる12誘導心電図は、人体にR,L,F,E,V1,V2,V3,V4,V5,V6の10箇所の電極を装着して12種類の波形を出力するものであり、12種類の波形は、各電極で検出される波形、及び各電極の波形から誘導される波形であ」るものである。 ここで引用発明の「電極で検出される波形、及び各電極の波形から誘導される波形」である「12種類の波形」は当然「電極に印加された電磁気的な力、場又はエネルギーである電磁気量」を示す波形であり、当該波形の横軸は時間軸であるから、引用発明の「電極で検出される波形、及び各電極の波形から誘導される波形」である「12種類の波形」は、本件補正発明の「電極に印加された電磁気的な力、場又はエネルギーである電磁気量の時系列である電磁気時系列」に相当する。 また引用発明の「電極で検出される波形、及び各電極の波形から誘導される波形」は、「人体にR,L,F,E,V1,V2,V3,V4,V5,V6の10箇所の電極を装着して」「出力するもの」であるから、本件補正発明の「電極」で「取得可能」な「信号」に相当し、引用発明の「12誘導心電図」は「心疾患の診断と治療に通常用いられる」から、本件補正発明の「電極」で「取得可能」な「信号」が「推定対象の心臓の状態を示す」ことは明らかである。 そして引用発明の「12誘導心電図」は「12種類の波形を出力する」ものであるから、引用発明の「12種類の波形を出力する」「12誘導心電図」は本件補正発明の「電極に印加された電磁気的な力、場又はエネルギーである電磁気量の時系列である電磁気時系列」を示す「電極取得情報」に相当する。 またさらに引用発明の「システム」は「生体情報取得装置100を用いて心電図を取得」しているから、本件補正発明の「情報取得部」に相当する構成を備えるといえる。 したがって、引用発明の「生体情報取得装置100を用いて心電図を取得するシステムであって、心疾患の診断と治療に通常用いられる12誘導心電図は、人体にR,L,F,E,V1,V2,V3,V4,V5,V6の10箇所の電極を装着して12種類の波形を出力するものであり、12種類の波形は、各電極で検出される波形、及び各電極の波形から誘導される波形であ」ることは、本件補正発明の、「推定対象の心臓の状態を示す信号を取得可能な電極に印加された電磁気的な力、場又はエネルギーである電磁気量の時系列である電磁気時系列を示す電極取得情報」「を取得する情報取得部」を備えることに相当する。 イ 構成Bについて 引用発明は「生体情報取得装置100から送られた信号波形に基づいて電極201の装着状態を判定する装着状態判定部354を有し、誘導波形に基づいて、L,R,F,V1-V6電極の電極外れ、L,R電極のずれ、F-E電極間の近接、V1-V6電極の隣接方向のずれ、V1-V6電極の放射方向の近づき、V1-V6電極の放射方向の遠ざかり、を検出することができ、電極が正しく装着されたことを確認する」ものである。 ここで、引用発明の「誘導波形」はすなわち「12誘導心電図」であるから、本件補正発明の「電極取得情報」に相当する。 また引用発明の「L,R,F,V1-V6電極の電極外れ、L,R電極のずれ、F-E電極間の近接、V1-V6電極の隣接方向のずれ、V1-V6電極の放射方向の近づき、V1-V6電極の放射方向の遠ざかり」は「信号の取得の異常である電極イベントが発生した」ことに相当するから、引用発明の「誘導波形に基づいて、」「電極201の装着状態」の異常である「L,R,F,V1-V6電極の電極外れ、L,R電極のずれ、F-E電極間の近接、V1-V6電極の隣接方向のずれ、V1-V6電極の放射方向の近づき、V1-V6電極の放射方向の遠ざかり」「、を検出する」ことは、本件補正発明の「前記電極取得情報」「を用いて」「信号の取得の異常である電極イベントが発生した」「か否かを判定する」に相当する。 さらに上記アで述べたように「誘導波形」すなわち「12誘導心電図」は「心疾患の診断と治療に通常用いられる」ものであり、当該「12誘導心電図」は「電極による」「信号」を含むものであるから、本件補正発明の「電極による」「信号」は「推定対象の心臓の状態を示す」ことは明らかである。 また引用発明の「電極201の装着状態を判定する装着状態判定部354」は本件補正発明の「電極イベントが発生したか否かを判定する推定部」に相当する。 してみると引用発明の「生体情報取得装置100から送られた信号波形に基づいて電極201の装着状態を判定する装着状態判定部354を有し、誘導波形に基づいて、L,R,F,V1-V6電極の電極外れ、L,R電極のずれ、F-E電極間の近接、V1-V6電極の隣接方向のずれ、V1-V6電極の放射方向の近づき、V1-V6電極の放射方向の遠ざかり、を検出することができ、電極が正しく装着されたことを確認する」こと、は本件補正発明の「電極取得情報」「を用いて、前記電極による前記推定対象の心臓の状態を示す信号の取得の異常である電極イベントが発生したか否かを判定する推定部」を「備え」ることに相当する。 ウ 構成Cについて 引用発明の「システム」は本件補正発明の「装置」に相当する。 エ 一致点、相違点 上記ア~ウのとおりであるから、本件補正発明と引用発明とは、以下の(ア)の点で一致し、以下の(イ)~(エ)の点で相違する。 (ア)一致点 「A 推定対象の心臓の状態を示す信号を取得可能な電極に印加された電磁気的な力、場又はエネルギーである電磁気量の時系列である電磁気時系列を示す電極取得情報と、前記推定対象の運動の状態と推定対象の存在する環境とのいずれか一方又は両方に関する量である環境量の時系列の情報である環境情報とのいずれか一方又は両方を取得する情報取得部と、 B 前記電極取得情報と前記環境情報とのいずれか一方又は両方を用いて、前記電極による前記推定対象の心臓の状態を示す信号の取得の異常である電極イベントが発生したか否かを判定する推定部と、 を備え、 E’装置。」 (イ)相違点1(構成Cについて) 本件補正発明は、「推定部」が「前記電極取得情報に基づき、前記推定対象の心臓の状態の異常である心異常イベントの発生を判定」すると特定されているのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。 (ウ)相違点2(構成Dについて) 本件補正発明は、「推定部」が「心異常イベントの発生の推定結果の確からしさである推定信頼度を推定する」すると特定されているのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。 (エ)相違点3(構成Eについて) 本件補正発明は「装置」が「状態推定装置」であるのに対し、引用発明は そのように特定されていない点。 (4)判断 ア 相違点1~3について 事案に鑑み、相違点1~3を併せて検討する。 (ア) 引用文献2記載の技術手段は、「コンピューティングデバイス12は、心電図波形データ25の数学的解析を実行し、」「改良されたパターン認識プログラムおよび/または機械学習アルゴリズム」を用いて、「重篤な生命を脅かす心室性不整脈の可能性が高い病的QT延長の存在」等の「危険性の高い心臓律動パターンを識別する」ものである。 ここで引用文献2記載の技術手段の「心電図波形データ25」は本件補正発明の「電極取得情報」に相当し、引用文献2記載の技術手段の「重篤な生命を脅かす心室性不整脈の可能性が高い病的QT延長の存在」等の「危険性の高い心臓律動パターン」は本件補正発明の「推定対象の心臓の状態の異常である心異常イベント」に相当するから、引用文献2記載の技術手段の「危険性の高い心臓律動パターンを識別する」ことは本件補正発明の「推定対象の心臓の状態の異常である心異常イベントの発生を判定」することに相当する。 そして引用文献2記載の技術手段の「コンピューティングデバイス12」は「心電図波形データ25を受信」して「数学的解析を実行」することにより「心臓分析を提供」し、「改良されたパターン認識プログラムおよび/または機械学習アルゴリズム」を用いて「危険性の高い心臓律動パターンを識別する」から、「コンピューティングデバイス12」は本件補正発明の「推定部」に相当する。 また引用文献2記載の技術手段の当該「危険性の高い心臓律動パターンを識別する」ことは、「患者」の状態を推定していることが明らかであるから、引用文献2記載の技術手段の「システム」は本件補正発明の「状態推定装置」に相当する。 よって、引用文献2記載の技術手段は、本件補正発明における、「前記推定部は、前記電極取得情報に基づき、前記推定対象の心臓の状態の異常である心異常イベントの発生を判定」する「状態推定装置。」に相当する構成を有しているといえる。 (イ) 引用発明と引用文献2記載の技術手段とは、皮膚に装着した電極から心電図を取得するシステムに関するものである点で、共通する技術分野に属するものである。 そして、心電図測定が心臓の状態を検査するために行われることは技術常識であり、引用発明の「12誘導心電図」は「心疾患の診断と治療に通常用いられる」ものであるから、「電極が正しく装着されたことを確認」した後に「心疾患の診断と治療」を目的に心臓の状態を把握しようとすることは、引用発明において予定されていたことともいえることを鑑みれば、引用発明において、「装着状態判定部354」によって「電極201の装着状態を判定」した後、「電極が正しく装着されたことを確認」した後に、心臓の状態を把握できるように、引用文献2記載の技術手段を適用して、「心電図波形データ25の数学的解析を実行し、心臓分析を提供する」「コンピューティングデバイス12」を設けて、「改良されたパターン認識プログラムおよび/または機械学習アルゴリズム」を用いて「危険性の高い心臓律動パターンを識別」できるようにすることは、当業者が容易になし得ることである。 その際、周知技術1のように「ECG信号を処理して不整脈イベントを検出する際に、検出された不整脈イベントに対して、信頼度指標を生成する」ことが周知であることを踏まえれば、「不整脈イベント」等の「危険性の高い心臓律動パターン」の「信頼度指標を生成」することは当業者であれば適宜なし得ることである。 (ウ) 以上より、引用発明において、引用文献2記載の技術手段と周知技術1を適用し、相違点1~3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 イ 効果について 本件補正発明により奏される効果も、引用発明、引用文献2記載の技術手段、及び周知技術1から当業者が予期し得るものであり、格別顕著なものではない。 ウ 請求人の主張について 請求人は、令和 7年 2月10日提出の審判請求書において、「 引用文献1には、上述した記載に基づく発明は開示されております。しかしながら、「心臓の状態が異常であるか否かの判定の確からしさを推定する」という技術は開示されていないものと思料いたします。すなわち、引用文献1に記載の発明(以下「引用発明1」という。)は、構成4を備えません。」との主張をしているので、検討する。 上記(2)ウ(ウ)で周知技術1として認定したとおり、「検出された不整脈イベントに対して信号対雑音比等を計算し、信頼度指標を生成する」ことは周知技術である。 そして上記(4)ア(イ)に示したとおり、引用発明において引用文献2記載の技術手段の「改良されたパターン認識プログラムおよび/または機械学習アルゴリズム」を用いて「危険性の高い心臓律動パターンを識別する」すること付加する際、上記周知技術1を適用して「不整脈イベント」等の「危険性の高い心臓律動パターン」の「信頼度指標を生成」することも当業者であれば適宜なし得ることである。 よって、審判請求人の上記主張は採用できない。 エ 審判請求人は、令和 7年 5月22日提出の上申書において、「引用文献1と引用文献2とはそもそも技術分野が異なります。」と主張しているので検討する。 上記(4)ア(イ)に示したとおり、引用発明と引用文献2記載の技術手段とは、皮膚に装着した電極から心電図を取得するシステムに関するものである点で、共通する技術分野に属するものである。 よって、審判請求人の上記主張は採用できない。 また、上記上申書には、「上記主張においても拒絶理由が解消されないと審判官殿が思料される場合、出願人は、補正の機会を頂くことができるのであれば、上記の相違点をより明確にするための補正を行う準備がございます。具体的な補正としては、以下の通りです。・請求項1及び3において、発明が自動車に乗車中の推定対象の心臓の異常を推定する発明である点と、自動車の状態を示す情報である車載情報を環境情報が含む点と、で限定する補正を行う。」と記載されているが、具体的な補正案を示したものではなく、具体的な対比・判断といった適当な検討はできない。 また上申書に記載された点で限定する補正を行ったとしても、「環境情報」が必須の条件でないことは変わらないから、上記1ないし2で説示したのと同様の理由により進歩性の拒絶理由を解消するものとは認められず、当審において上記の点で限定する補正する機会を与えるためのさらなる拒絶理由を通知すべき理由は認められない。 (5)小括 以上より、本件補正発明は、引用発明、引用文献2記載の技術手段及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 補正の却下の決定についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~5に係る発明は、令和 3年 3月 5日にされた出願時の特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]1(2)に示した請求項1の記載により特定されるとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、以下の理由を含むものである。 理由1(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願日前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:特開2014-195514号公報 引用文献2:米国特許出願公開第2020/0275854号明細書 3 引用文献の記載事項等 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1~2の記載事項、引用文献1に記載された発明(引用発明)及び引用文献2記載の技術手段は、上記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 (1)本願発明は、上記第2の[理由]2で独立特許要件の検討をした本件補正発明において、「推定部」に関して、「前記電極取得情報に基づき、前記推定対象の心臓の状態の異常である心異常イベントの発生を判定し、」「心異常イベントの発生の推定結果の確からしさである推定信頼度を推定する」との発明特定事項を削除して拡張したものである。 (2)本願発明は、本件補正発明から上記(1)で示した発明特定事項を削除して拡張したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明、引用文献2記載の技術手段及び周知技術1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明、引用文献2記載の技術手段及び周知技術1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-002150

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