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特許拒絶査定不服審判

2025-002052

パウチ

審判番号
2025-002052
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-052494
請求日
2025年02月07日
審決日
2026年05月26日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】大日本印刷株式会社
  • 【請求人代理人】藤枡 裕実
審判長/審判官
  • 審判長 金丸 治之
  • 審判官 笹木 俊男
  • 審判官 岩谷 一臣
分類
P18 .121-Z (B65D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-52494「パウチ」拒絶査定不服審判事件〔令和4年10月7日出願公開、特開2022-150073〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和3年3月26日の出願であって、その手続の経緯は、以下のとおりである。 令和6年 7月24日付け:拒絶理由通知書 9月20日 :意見書、手続補正書の提出 11月 6日付け:拒絶査定 (謄本送達:同月12日。以下「原査定」という。) 令和7年 2月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 令和7年2月7日の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1に対する以下の補正を含むものである。なお、下線は、補正個所である。 (1)本件補正前の請求項1の記載 「【請求項1】 おもて面フィルムと裏面フィルムの間に折り込まれた底面フィルムが挟まれた、電子レンジ用パウチであって、 第1縁部と、 前記第1縁部と対向する第2縁部と、 前記第1縁部と前記第2縁部の間に延びる第3縁部および第4縁部と、 互いに嵌合する第1部材と第2部材を有する嵌合具と、 前記第2縁部側に位置する折込部により第1部分と第2部分に区分された通気性部材と、を有し、 前記通気性部材の前記第1部分と前記嵌合具の前記第2部材が接合されており、 前記通気性部材の前記第2部分と前記裏面フィルムが接合されており、 前記嵌合具の前記第1部材と前記おもて面フィルムが接合されており、 前記通気性部材は不織布である、パウチ。」 (2)本件補正後の請求項1の記載 「【請求項1】 おもて面フィルムと裏面フィルムの間に折り込まれた底面フィルムが挟まれた、電子レンジ用パウチであって、 第1縁部と、 前記第1縁部と対向する第2縁部と、 前記第1縁部と前記第2縁部の間に延びる第3縁部および第4縁部と、 互いに嵌合する第1部材と第2部材を有する嵌合具と、 前記第2縁部側に位置する折込部により第1部分と第2部分に区分された通気性部材と、を有し、 前記通気性部材の前記第1部分と前記嵌合具の前記第2部材が接合されており、 前記通気性部材の前記第2部分と前記裏面フィルムが接合されており、 前記嵌合具の前記第1部材と前記おもて面フィルムが接合されており、 前記通気性部材は不織布であり、 前記不織布は、水蒸気を通し、かつ、泡を通さない通気性を備える、パウチ。」 2 補正の適否 本件補正における請求項1に係る補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「不織布」について、「水蒸気を通し、かつ、泡を通さない通気性を備える」ものであることを限定するものである。 そして、本件補正の前後において、請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(2)に記載されたとおりのものであると認める。 (2)引用文献 ア 引用文献1について 原査定で引用された実願平4-19110号(実開平6-20253号)のCD-ROMを、以下「引用文献1」という。 (ア)引用文献1の記載 引用文献1には、次の記載がある。ただし、下線は当審において付し、「・・・」は記載を省略した箇所である。 ・「【0001】 【産業上の利用分野】 本考案は、開口部に雌雄咬合爪型のチャックを備えた合成樹脂製の袋体に関するものである。」 ・「【0005】 近時、電子レンジや煮沸加熱で熱処理する包装食品や包装冷凍食品が普及されているが、このような食品を上記従来の包装袋で包装した場合、電子レンジや煮沸加熱で急激に熱膨脹する熱処理には対応しない。 【0006】 本考案の目的は、チャックを変形することなく、速やかな排気を可能とし、上記従来の問題を解決したチャック付袋体を提供するものである。」 ・「【0008】 【作用】 上記の構成により、袋体内部の気圧上昇により、その気圧により袋体自体が膨満し、同時にチャックのテープは袋体に接着されている上縁を起点にして左右に拡開し、このテープの拡開面も受圧面となり、通気孔を有するフィルムで形成されている広い面積の受圧面より膨脹気体を速やかに開口部側に排気するものである。 【0009】 【実施例】 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。図1及び図2において、1は袋体であり、2は底片である。3は袋体1の開口部であり、4は封緘予定部である。10は前記開口部3の近傍に設けられたチャックである。 【0010】 前記チャック10は、テープ5a、5bに互いに咬合する雌爪6a、雄爪6bが突設されている。そして、前記雌雄爪6a、6bの両方若しくは何れか一方のテープ5a、5bは通気孔を有するフィルムにより形成されている。 【0011】 前記テープ5a、5bは、その雌雄爪6a、6bと平行する少なくとも上縁7a、7bを袋体1の開口部3側に接着されている。 ・・・ 【0013】 また、前記テープ5a、5bの通気孔を有するフィルムは、図4で示すように、不織布、多微孔質フィルム9でもよい。・・・。」 ・「【0016】 袋体1内に包入された物品を電子レンジ又は煮沸等により加熱処理する場合、封緘した開口部3を鋏で切断又は切り裂き線より指先で引き裂いて開口状態にして加熱処理する。 【0017】 この加熱処理により袋体1内で膨脹する空気や蒸気は、その圧力で袋体1を膨満すると共に、テープ5a、5bの上縁7a、7bのみを接着しているものでは、この袋体1の膨満により雌雄爪6a、6bが咬合した状態でテープ5a、5bが左右に拡開して袋体1の極度の膨満を吸収する。そして、拡開したテープ5a、5bが受圧面となり、膨脹気体はテープ5a、5bの通気孔より開口部3側に速やかに排気される。」 ・「【図1】 [図:0001437951000001.jpg] 」 ・「【図2】 [図:0001437951000002.jpg] 」 (イ)認定事項 a 引用文献1の【図1】、【図2】の記載からみて、引用文献1の「袋体1」は、おもて面フィルムと裏面フィルムを有し、これらのフィルムの間に折りたたまれた「底片2」が挟まれた袋体であることが看取される。 b 引用文献1の【図1】の記載からみて、引用文献1の「袋体1」は、上端に「開口部3」を有し、これを第1縁部として、当該第1縁部と対向する第2縁部と、当該第1縁部と第2縁部との間に延びる第3縁部および第4縁部とを有することが看取される。 c 引用文献1の【0001】、【0005】、【0006】、【図1】、【図2】の記載からみて、引用文献1の「袋体1」は、電子レンジによる調理に用いられるものであって、その形状ないし用途からみて、パウチであると理解される。 (ウ)引用文献1に記載の発明 上記(ア)、(イ)からみて、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。 「おもて面フィルムと裏面フィルムを有し、これらのフィルムの間に折りたたまれた底片2が挟まれた袋体1であって、(上記(イ)a) 当該袋体1は、電子レンジによる調理に用いられるパウチであり、(上記(イ)c) 当該袋体1は、上端に開口部3を有し、これを第1縁部として、当該第1縁部と対向する第2縁部と、当該第1縁部と第2縁部との間に延びる第3縁部および第4縁部とを有し、(上記(イ)b) 当該開口部3の近傍に設けられたチャック10と、(【0009】) 当該チャック10は、テープ5a、5bに互いに咬合する雌爪6a、雄爪6bが突設されており、両方若しくは何れか一方のテープ5a、5bは通気孔を有するフィルムにより形成され、(【0010】) 前記テープ5a、5bは、その雌雄爪6a、6bと平行する少なくとも上縁7a、7bを袋体1の開口部3側に接着されており、(【0011】) 前記テープ5a、5bの通気孔を有するフィルムは、不織布や多微孔質フィルム9等で構成され、(【0013】) 電子レンジ等による加熱処理により、袋体1内で膨脹する空気や蒸気がテープ5a、5bの通気孔より排気される、(【0016】、【0017】) 袋体1。」 イ 引用文献2について 原査定で引用された米国特許出願公開第2017/0217650号明細書を、以下「引用文献2」という。 (ア)引用文献2の記載 引用文献2には、次の記載がある。 ・「 [図:0001437951000003.jpg] 」 (当審訳:発明の背景 [0003] フレキシブルパッケージは、飲料、園芸用品、食品製品など、固体および液体のさまざまな物品を収納するために使用されている。食品、洗浄液、医療製品の収納および/または分配のために、フレキシブルパッケージを含むパッケージの使用がますます増加している。) ・「 [図:0001437951000004.jpg] 」 (当審訳:発明の概要 [0007] 本発明は、フレキシブルパッケージおよび包装業界が直面するいくつかの課題に対処するものである。本発明の実施形態は、小さな子供による開封をより困難にしつつ、手の動きや敏捷性が多少低下した大人でも容易に開封できるようなフレキシブルパッケージに関する。) ・「 [図:0001437951000005.jpg] 」 (当審訳:[0054] 図1~49に概ね示されるように、本発明のフレキシブルパッケージ100は、アクセス開口部を通じてアクセス可能な内部コンパートメント106を形成する前面パネル102および背面パネル104を含むことができる。前面パネル部102および背面パネル部104は、単一のウェブ材の成形およびシールによって形成される場合もあれば、複数のウェブ材から形成される場合もある。パッケージ100の一部または複数の部分はガセット加工されていることがある。底面パネル108にガセットを設けることで、製品が自立できるようになる。また、側面パネルなど他のパネルにもガセットを設けることが可能である。) ・「 [図:0001437951000006.jpg] 」 (当審訳:[0056] 図1~6に示す本発明の実施形態は、小さな子供がアクセスしにくく、かつ手の運動機能や器用さが低下した成人でも簡単に開けられるように設計されたパッケージ100を提供するものである。 [0057] パッケージまたはポーチ100は、ポーチのトップガセット110を含み、このトップガセットはパッケージの一方のパネル、例えば前面パネル102または背面パネル104のいずれか一方にのみシールされている。トップガセットの反対側110aは、サイドシール部分を除き、ポーチの反対側パネルには全く接着されていないか、あるいは好ましくはジッパー112などの再閉可能な装置によってその上端に沿って接続されている。ジッパーやその他の再閉可能な装置が設けられた部分は、消費者が製品にアクセスしたいときに最終的に開ける部分となる。さらに、安全フラップ114が開口パネル(例えば前面パネル102)の内側に、ガセット110の開口側110aのすぐ上にシールされており、このフラップはヒンジのように動くか、トップガセット110の折り返し点M(ガセット110が折りたたまれている中間点)まで覆いかぶさるように配置されている。) ・「 [図:0001437951000007.jpg] 」 (図1、2) (イ)引用文献2に記載された事項 上記(ア)から、引用文献2には、次の事項が記載されているものと認める。 「食品製品などに用いられるフレキシブルパッケージであって、 当該フレキシブルパッケージは、前面パネル102、背面パネル104、ガセット状の底面パネル108、トップガセット110を有し、 当該トップガセット110は、前面パネル102又は背面パネル104の一方にシールされ、その反対側110aは、ジッパー112など再開閉可能な装置によって接続されており、 安全フラップ114がガセット110の開口側110aのすぐ上にシールされている、 フレキシブルパッケージ。」 (3)対比 本件補正発明と引用発明を対比すると、以下のとおりである。 ア 引用発明の「おもて面フィルム」、「裏面フィルム」、「底片2」は、本件補正発明の「おもて面フィルム」、「裏面フィルム」、「底面フィルム」にそれぞれ相当する。また、引用発明の「袋体1」は、「電子レンジによる調理に用いられるパウチ」であるから、本件補正発明の「電子レンジ用パウチ」に相当する。 そうすると、引用発明の「おもて面フィルムと裏面フィルムを有し、これらのフィルムの間に折りたたまれた底片2が挟まれた袋体1」という事項は、本件補正発明の「おもて面フィルムと裏面フィルムの間に折り込まれた底面フィルムが挟まれた、電子レンジ用パウチ」という事項に相当する。 イ 引用発明の「第1縁部」ないし「第4縁部」は、本件補正発明の「第1縁部」ないし「第4縁部」にそれぞれ相当する。 そうすると、引用発明の「当該袋体1は、上端に開口部3を有し、これを第1縁部として、当該第1縁部と対向する第2縁部と、当該第1縁部と第2縁部との間に延びる第3縁部および第4縁部とを有し、」という事項は、本件補正発明の「電子レンジ用パウチ」が「第1縁部と、前記第1縁部と対向する第2縁部と、前記第1縁部と前記第2縁部の間に延びる第3縁部および第4縁部」を有している事項に相当する。 ウ 引用発明の「チャック10」は、「互いに咬合する雌爪6a、雄爪6bが突設されて」いるものであるから、本件補正発明の「互いに嵌合する第1部材と第2部材を有する嵌合具」に相当する。 エ 引用発明の「テープ5a、5b」は「通気孔を有するフィルム」としてテープ5aの部分とテープ5bの部分の2つの部分に区別されるものということができるから、本件補正発明の「前記第2縁部側に位置する折込部により第1部分と第2部分に区分された通気性部材」との関係において、両者は、「第1部分と第2部分に区分された通気性部材」という点に限り一致する。 そうすると、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。 <一致点> 「おもて面フィルムと裏面フィルムの間に折り込まれた底面フィルムが挟まれた、電子レンジ用パウチであって、 第1縁部と、 前記第1縁部と対向する第2縁部と、 前記第1縁部と前記第2縁部の間に延びる第3縁部および第4縁部と、 互いに嵌合する第1部材と第2部材を有する嵌合具と、 第1部分と第2部分に区分された通気性部材と、を有する、パウチ。」 <相違点1> 通気性部材に関し、本件補正発明は、「前記第2縁部側に位置する折込部により第1部分と第2部分に区分された」ものであるのに対し、引用発明の「テープ5a、5b」は、折込部により区分されたものとはいえない点。 <相違点2> 本件補正発明の「通気性部材」及び「嵌合具」は、「前記通気性部材の前記第1部分と前記嵌合具の前記第2部材が接合されており、前記通気性部材の前記第2部分と前記裏面フィルムが接合されており、前記嵌合具の前記第1部材と前記おもて面フィルムが接合されて」いるものであるのに対し、引用発明の「テープ5a、5b」及び「チャック10」は、そのような構造となっていない点。 <相違点3> 本件補正発明において、「前記通気性部材は不織布であ」るのに対し、引用発明の「テープ5a、5b」は、「不織布や多微孔質フィルム9等で構成され」たものである点。 <相違点4> 本件補正発明において、「前記不織布は、水蒸気を通し、かつ、泡を通さない通気性を備える」ものであるのに対し、引用発明では、「袋体1内で膨脹する空気や蒸気がテープ5a、5bの通気孔より排気される」ものであるが、水蒸気を通し、かつ、泡を通さないものであるといえるか不明である点。 (4)判断 ア 相違点1、2について 上記相違点1、2についてまとめて判断するに、引用発明の「袋体1」は、「チャック10」により「袋体1」の口部を再開閉可能としつつ、「テープ5a、5b」により、電子レンジ等の加熱処理で「袋体1」の気圧が高まった際、当該口部を左右に拡開させ、膨張気体を排気するようにしたものである(上記(2)ア(ア)、【0001】、【0008】、【0017】参照)。そして、引用発明において、当該機能ないし作用を得るためには、「テープ5a、5b」をガセット、すなわち折込部を有する形状として「袋体1」を構成する表裏のフィルムに接続しつつ、当該ガセットが当該表裏のフィルムに対し再開閉できるよう、適宜位置に「チャック10」を設ければ足りることは、当業者であればたやすく認識する。 一方、引用文献2には、上記(2)イ(イ)に記載したとおり、食品製品等に用いるパッケージにおいて、口部に「トップガセット110」を設けると共に、その一方を前面又は背面のフィルムに接合し、他方を「ジッパー112」により開閉可能とした構造が開示されている。 そして、上記認識に立脚すれば、引用発明の「テープ5a、5b」の形状、及び「チャック10」を設ける位置については、当業者であれば適宜決定し得たことであり、引用文献2に記載の事項を参考に、当該相違点1、2に係る本件補正発明の発明特定事項を得ることは、困難なことではない。 ここで、引用文献2に記載のものは、「安全フラップ114」を有し、小さな子供による開封をより困難にしつつ、手の動きや敏捷性が多少低下した大人でも容易に開封できるようなフレキシブルパッケージに関する(上記(2)イ(ア)、[0007]参照)ものであるが、パッケージとして「トップガセット110」及び「ジッパー112」の構造を参考にすることを阻害するとまでいうことはできない。 イ 相違点3、4について 上記相違点3、4についてもまとめて検討するに、まず、引用発明における「テープ5a、5b」は、「不織布や多微孔質フィルム9等で構成され」たものであるところ、そのいずれを採用するかは、当業者が適宜設定すべき事項である。 そして、引用発明は、「袋体1内で膨脹する空気や蒸気がテープ5a、5bの通気孔より排気」されるようにしたものであるから、その通気孔は、当該空気や蒸気が排気可能な程度の大きさであり、液体などの内容物は、泡状であるか否かに関わらず、外部に漏れ出るような大きさではないと解される。また、仮にそうではないとしても、電子レンジ等により加熱するに当たり、通気孔の大きさをそのような泡状のものまで外部に放出しない程度とすることは、当業者にとって設計的事項である。 そうすると、当該相違点3、4に係る本件補正発明の発明特定事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たものである。 ウ 効果について 本願明細書では、本件補正発明が奏する効果として、内容物の加熱調理ができ、容易に加水することが可能である旨記載(本願明細書の【0010】)されているが、これらの効果が引用発明においても同様であることは、当業者であれば予想するものである。また、特に上記アに関し、相違点1、2に係る本件補正発明の発明特定事項による効果がうかがわれるような記載は見られない。 エ 請求人の主張について 請求人は、審判請求書において、上記相違点1、2に係る事項と、相違点3、4に係る事項に関し、それぞれ本願発明の特徴(a)、(b)であるとし、引用文献1には当該事項が記載されいない旨主張するが、当該相違点に対する判断は、上記ア、イのとおりである。 したがって、請求人の主張は採用できない。 (5) 小括 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献2に記載の事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものであり、特許法29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 補正の却下の決定についてのむすび よって、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~3に係る発明は、令和6年9月20日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載されたとおりのものであると認めるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1(1)に記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定における本願発明に対する拒絶の理由は、概略、以下のとおりである。 ・(進歩性)本願発明は、引用文献1、2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献> 1.実願平4-19110号(実開平6-20253号)のCD-ROM 2.米国特許出願公開第2017/0217650号明細書 3 引用文献の記載等 引用文献1に記載の発明、引用文献2に記載された事項は、それぞれ上記第2[理由]2(2)ア(ウ)、イ(イ)のとおりである。 4 対比、判断 本願発明は、上記第2[理由]2(1)で検討した本件補正発明から、「不織布」が「水蒸気を通し、かつ、泡を通さない通気性を備える」という発明特定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに該当する本件補正発明が、上記第2[理由]2(4)で説示したとおり、引用発明及び引用文献2に記載の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も引用発明及び引用文献2に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明、すなわち本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-002052

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