商標拒絶査定不服審判
2025-001691
リポソームシイビイデイ、リポソーム
- 審判番号
- 2025-001691
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-018689
- 請求日
- 2025年02月04日
- 審決日
- 2025年05月15日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社東洋新薬
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .13 -Z (W010532) / T18 .272-Z (W010532)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024- 18689拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年2月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 8月 1日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月11日 :意見書の提出
令和6年11月13日付け:拒絶査定
令和7年 2月 4日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「リポソームCBD」の文字を標準文字で表してなり、第1類「化学品,ベンゼン誘導体(化学品として用いられるものに限る。),アルカロイド,フェノール類,没食子酸,化粧品製造用植物エキス,医薬品製造用植物エキス,たんぱく質及び酵素,製造用たんぱく質,食品製造用植物エキス,工業用のり及び接着剤,植物成長調整剤類,肥料,高級脂肪酸,工業用人工甘味料,工業用粉類」、第5類「薬剤(農薬に当たるものを除く。),毛髪用剤,ビタミン剤,アミノ酸剤,滋養強壮変質剤,医療用育毛刺激剤,医薬用酵素,乳幼児用粉乳,サプリメント,栄養補助食品,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」及び第32類「ビール,清涼飲料,清涼飲料のもと,果実飲料,飲料用野菜ジュース,スムージー,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,アルコール分を含まない飲料,アルコール分を含まない飲料の製造用調製品」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、「リポソームCBD」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「リポソーム」の文字は、「生体膜と同じくリン脂質の二分子膜の構造からなる微少なカプセル。」の意味を有する語として知られており、また、同構成中「CBD」の文字は、大麻草から抽出される成分である「Cannabidiol(カンナビジオール)」の略称として知られている。
そして、上述の意味のCBDを体内に吸収しやすく、又は、CBDの成分を必要な部分に送達しやすくするために、リポソームの中にCBDを配合したものが、「リポソームCBD」と称されている実情がある。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、「リポソームの中にCBDを配合したもの」、「リポソームの中にCBDを配合したものを使用した商品」であること、すなわち商品の原材料、品質を表示したものと需要者が認識するにとどまるものといえるから、本願商標は、商品の原材料、品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといえる。
加えて、「リポソームの中にCBDを配合したもの」、「リポソームの中にCBDを配合したものを使用した商品」以外の指定商品との関係で、本願商標は、その商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「リポソームCBD」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、その外観から、「リポソーム」の語と「CBD」の語とを結合したものと、容易に理解し得るものである。
そして、その構成中「リポソーム」の文字は、「生体膜と同じくリン脂質の二分子膜の構造からなる微少なカプセル。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する語であり、また、同構成中「CBD」の文字は、原審提示の情報(「コトバンク」のウェブサイト)にあるように、「大麻草に含まれるカンナビノイドの一種。」である「カンナビジオール」の略語として用いられている語である。
また、原審提示の情報にあるように、本願の指定商品又はこれに関連する分野において、「リポソーム化したカンナビジオール(リポソームの中にカンナビジオールを配合したもの)」や「リポソーム化したカンナビジオールを原材料に使用した商品」が製造、販売されている実情が認められ、かつ、そのような商品の紹介、説明等において、「リポソームCBD」の文字がしばしば使用されている事例も見受けられるものである。
以上のことからすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、それより「リポソーム化したカンナビジオール」ほどの意味合いを容易に認識し、その商品が「リポソーム化したカンナビジオール」又は「リポソーム化したカンナビジオールを原材料に使用した商品」であるという、その商品の品質、原材料を表示したものと理解するというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえる。
また、本願商標を、その指定商品中、上述の商品以外の商品に使用するときは、それがあたかも「リポソーム化したカンナビジオール」又は「リポソーム化したカンナビジオールを原材料に使用した商品」であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるといえる。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は全体でまとまりのある構成からなるものであって、それ自体が一般的な辞書類に掲載されているものでも、一般的に使用されよく知られているものでもないことから、構成全体で一種の造語として認識されると考えるのが自然である旨主張する。
また、請求人は、「リポソーム」の構造、製造法などは極めて専門性が高いため、その具体的な意味を理解できる需要者、取引者は少数であり、本願商標から需要者等が受けるイメージは「高度な技術を用いて吸収させやすくしたCBD」といった極めて漠然かつ広範なものに過ぎないのであって、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者等は、非常に簡潔で記憶しやすい一種の造語としてみるのが相当であり、一見して直ちに商品の直接的、具体的な用途などを認識させる直接的表示に該当するとはいえない旨主張する。
しかしながら、一連一体の商標であっても、自他商品の識別力を有するか否かを検討する上では、個々の構成部分の意味を検討するプロセスが否定されるものではないところ、上記(1)のとおり、本願商標は、「リポソームCBD」の文字を標準文字で表してなるものであって、その外観から、これが「リポソーム」の語と「CBD」の語とを結合してなるものと、容易に理解し得るものである。
また、「リポソーム」の語は、化学用語などの専門的な辞書類のみならず、「広辞苑 第七版」(株式会社岩波書店)などの一般的な辞書類に掲載されている語である上、本願の指定商品には、上記2のとおり、「化学品」や「薬剤」などの比較的専門的な商品(又は専門的な商品を含むもの)が含まれることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者(特に、取引者)において、「リポソーム」の語の意味がほとんど理解され得ないとはいい難い。
そして、上記(1)のとおり、本願の指定商品又はこれに関連する分野において、「リポソーム化したカンナビジオール」や「リポソーム化したカンナビジオールを原材料に使用した商品」がしばしば製造、販売されている実情が認められ、かつ、そのような商品の紹介、説明等において、「リポソームCBD」の文字が使用されている事例も見受けられることを踏まえれば、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、それより「リポソーム化したカンナビジオール」ほどの意味合いを容易に認識し、その商品が「リポソーム化したカンナビジオール」又は「リポソーム化したカンナビジオールを原材料に使用した商品」であるという、その商品の品質、原材料を表示したものと理解するにとどまるというのが相当である。
イ 請求人は、原審が提示した「リポソームCBD」の文字の使用実情等に係る情報は、「リポソームCBD」の文字の記載がないものや、同文字以外の説明部分があって初めて語の意味が理解、認識できるもの等が含まれているのであって、また、事例としても少数であることから、それらの情報は、本願商標が直ちに「リポソームの中にCBDを配合したもの」ほどの意味合いのみを想起させ、商品の特定の原材料や品質を具体的かつ直接的に認識、理解させるとみるべき根拠足り得ないとみるのが妥当である旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項第3号の適用においては、取引者又は需要者における一般的な認識を基準とすべきであるところ、原審提示の情報からは、複数の事業者によって、「リポソーム化したカンナビジオール」や「リポソーム化したカンナビジオールを原材料に使用した商品」が製造、販売されている実情が認められ、かつ、そのような商品の紹介、説明等において、「リポソームCBD」の文字がしばしば使用されている事例があることが認められるのであり、これらの情報は、本願商標に係る取引者、需要者の認識を推測するに当たって、十分に有用なものといえる。
そして、上述の実情等に照らせば、本願商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者によって、「リポソーム化したカンナビジオール」を表示するものとして一般に認識されるものであり、将来も含め、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。
ウ したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2025-001691